フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はゲームにもあったキュイの回になります。少しオリジナルも入ってます。

それではどうぞ。


第11話 キュイの名前

「キュイ! キュイキュキュ、キュキューイ!」

「ええ、そうね。うふふ」

「お前ら、よくそれで会話成り立つよな」

 

シュケスーの塔に向かう道中、大都市ゼルウィンズの噴水広場にて。楽しそうにキュイと話すティアラを見てファングが思った事を口にした。

 

「それは勿論。私とキュイは、運命的に出会ったパートナーですもの」

「もし良ければ、キミ達の出会いでも聞かせてもらえるかい?」

 

興味を示したハーラーが訊くと、ティアラは話し出した。

 

「私がフェンサーを目指し始めた頃の事ですわ。フューリーを探す為にも、先ずは武器が必要ですので、武器屋に入りましたの」

 

そこで武器に混じって売られていたフューリーをティアラが手にしたところ、偶然にもその武器にキュイが宿っていたそうだ。

 

「それがきっかけで、キュイと出会ったのですわ」

「キュイ!」

「武器屋に混じってたんだ。良かったね、いいパートナーに会えて」

「キューイ♪」

 

レイルがキュイにそう言うと、キュイは嬉しそうな声を上げ、レイルの肩に乗り頬擦りをする。そういう意味では、ティアラがフェンサーになるのは運命的だと思えるだろう。

 

「その日から私とキュイは、共にフェンサー道を邁進してきたのです」

「なんだよ、フェンサー道って?」

「ファング。分かりやすく例えると、この世界の各町や村にある名物料理を食べつくす旅をする、みたいな感じ」

「お、それだったら分かるぞ!」

「……(いや、その例えはどうなの? 正直、微妙に分かりにくいんだけど……)」

 

ファングにも分かりやすい例えで説明するレイルに、もっと具体的な例えはないのか?とアリンは思った。

 

「でも、キュイキュイって鳴くからキュイって名前にしたんでしょ? あんたにしては意外よね」

「私も素晴らしい名前を思いつくす限り考えました。しかし、全てキュイに拒否されてしまったのです」

 

それを聞いて、興味があったのかどんな名前だったの?とティアラに訊くアリン。

 

「そうですね。例えば、アレクサンドロス三世とか」

「「……」」

 

ティアラの口から仰々しい名前が飛び出してきた。

 

「おい待て。仰々しすぎないか。それと一世二世はどこに行った」

「一世と二世は、私とお姉様が昔飼っていた金魚とハムスターですわ」

「「……」」

「レイ、シャル。お願いだからそんな目で私を見ないで」

 

まさかの妹からの発言にレイルとシャルから、そのネーミングセンスはどうなの的な視線がティルアに送られる。

 

「それから、クレオパトラ七世とか……」

「「「……(じー)」」」

「だからレイとシャルは私をそんな目でみないでってば!? なんかホロンからも視線を感じるし!?」

 

挙句の果てにレイルとシャルだけでなく、ホロンにまで視線を送られ、ティルアは軽い涙目状態である。

 

「つーか、そもそもこいつはオスなのかメスなのか?」

「妖聖に性別など些末な問題ですわ」

「キュイ!」

「いや、それを些末で片づけるのは大雑把過ぎやしないかい?」

 

これには流石のハーラーも大雑把過ぎないかと思った。

 

「他にもいくつか素晴らしい名前候補はあったのですが、どれもキュイは気に入らなかったようで……」

 

未だにレイルの肩に乗ってるキュイを見ながらティアラは答える。

 

「それでシンプルにキュイで落ち着いたのか」

 

それなら納得だと思ったファング達だったのだが……

 

「いえ。正式には、()()()()()()といいます」

 

まさかの名前にズッコケる一同だった。

 

「それはそれでまずくない?」

「そうでしょうか?」

 

別の意味でまずくないか?と言うアリンにティアラは首を傾げる。

 

「キュイ! キュキューイ! キュキュキュイ!」

「これでも妥協したの。正直、ネーミングセンスが酷すぎ、諦めかけてたら、よーやくまともな名前を考えてくれて良かった……だってさ」

「ふーん、そうなんだ……っていうかレイル、今キュイの言葉を翻訳したよね!? 解かるの!?」

「あら。そうでしたの……って、お義兄様、キュイの言葉が解かるんですか!?」

 

キュイが何かを言ってたので、レイルが翻訳する。なんでもない表情で翻訳するので、突っ込みに遅れるのと同時に驚愕の表情になるアリンとティアラ。

 

「うん。学生時代の時に()()()()()()()()()と過ごしてた時があったからね。その影響もあると思ってる」

「キュイに似た生き物……ですか?」

「似た生き物……あっ、思い出した! 確か、レイル君にべったりだったあの子か。言われてみれば、ティアラ君の妖聖に似てるね」

 

首を傾げるティアラ。

そしてレイルの言葉にハーラーが思い出したとばかりの表情で言った。どうやら彼女も知ってるようだ。

 

「入学して、ルームメイトになったレイル君と一緒に校内を散策する事になってね。その時に彼が見つけたんだ」

「「レ、レイとルームメイト……う、羨ましい……」」

 

若干2名ほど落ち込んでいたが、なんでもハーラー曰く、入学してルームメイトになった2人が放課後に校内を散策してたところ、キュイに似た生き物が茂みで倒れてたのをレイルが発見したのだと言う。

 

「……(じー)」

「それがあの子なのかって? うん。そうだよ? ホロンは気づいてたんじゃないの?」

「……(ふるふる)」

「あー、今の話が合うようで合わないからか。そりゃ仕方ないよ」

 

レイルとホロンが何か話していたが、正直2人が何の話をしてるのか分からない。ティルアとシャルも首を傾げながら顔を見合わせてる限り、彼女達でも分からないようだ。

 

「てことはアレだよな。兄貴はこいつの言葉が解かるんだよな?」

「うん」

「こいつの性別って、結局どっちなんだ?」

 

キュイの言葉が解かると知ったファングは、気になった事をレイルに訊く。

 

「教えてもいい?」

「キュイ! キュイキュキュ、キュイ!」

「……許可も貰ったから、教えるけど、キュイは()()()だよ? メスって言い方はアレだから訂正させてもらったけど」

「「「え、ええええぇぇぇ!?」」」

 

ファングとアリンはともかくとして、キュイのパートナーであるティアラまで驚いてどうするのさ?と内心思うレイルなのであった。




読んでいただきありがとうございます。
尚、この作品のキュイは性別がメスという設定になっています。ご了承ください。
……理由としては、結局どっちやねん!?という結果だったので、はい。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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