フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
前回の続きになります。今回はオリジナルになっています。
短いかもしれませんが、楽しんでいただけると幸いです。
それではどうぞ。
会議を終えて、部屋に戻ったマリアノは先程の映像を思い返していた。
「レイ……」
それはレイルの事。
マリアノにとって、レイルはドルファで一緒に働いてた同期であると同時に自分の好きな人でもあるからだ。
しかし4年前に彼はドルファを辞めてしまった。その後の噂では行方不明やら野垂れ死になったとか信じたくもない内容ばかりだった。
「……(でも、レイが生きてて良かった……)」
安心するマリアノ。
実はレイルが生きている事は薄々感じていた。何故なら孤児院の子供達がマリアノしか知らない筈のレイルと思わしき話をよく聞かされていたからだ。
『マリー』
先程の映像でレイルの声を聞いてから、自分をそう呼んでくれる彼の姿が思い浮かんだ。会いたい……今レイルに無性に会いたい自分がいる。
「お疲れですか~、マリアノ様~?」
そんな事を考えていると、パートナー妖聖のクララが声をかけてきた。
「ちょっと、ね……」
「……(もしかしてレイルの事かな……)」
いつもだったら『そんな事ないわよ』と言うマリアノだが、素直にこう言う時は大抵レイル絡みだというのがクララは予想できた。
「マリアノ様、少し休みましょう。きっとお仕事で疲れてるんですよ~」
「え、ええ。そうさせてもらうわ……」
クララの様子がなんかおかしいと感じたマリアノだが、疲れてるのも事実なので、少しだけ休む事にした。
◇
「……」
ソルオール村の一件でガルドとマリサを仲間にした後、宿に戻ったレイル達。バハス特製の夕飯ができるまでの間、レイルは宿の外に居た。
「はあっ!」
「ティアラ無駄な動きが多い! もっとちゃんと相手の動きを見る!」
「はい!」
隣ではティアラがティルアに稽古をつけてもらっていた。
剣と薙刀による剣戟の音が響く中、レイルはシャルをフェアリンクさせ切っ先に皿を乗せながら皿回しをやっていた。集中力を鍛えるにはうってつけなのである。
ちなみにホロンはレイルの足元で夜空を眺めている。
「……なんかティルア、張り切ってるね」
『そうね。ちゃんと手加減はしてるみたいだけど』
レイルの言葉に答えるシャル。
最初はいつも通りの日課でティルアと打ち合いをしてたのだが、偶々ティアラが自分達の打ち合いを見てたらしく、ちょっと休憩してたところ、稽古をつけてほしいとお願いされ今に至る。
「今日はここまで。ティアラ、今の動きだと10回は軽く死んでたわよ? 次やる時は魔法も使っていいから」
「は、はい……(お、お姉様が鬼に視えますわ。……身体の節々が痛いですし、容赦ないですわ……)」
ティルアに全く一撃を与えられなかったと同時に、姉は意外とスパルタだったという事を痛感したティアラ。
「……今、私の事、鬼だとか思ったでしょ?」
「い、いえ! そ、そんな事思ってないですわ!? ただ、お姉様がちょっと怖いなと思ってしまっただけで……あっ……!」
上手く誤魔化したつもりが、思わず余計な事を言ってしまい、口を塞ぐティアラ。
「……」
「え、えっと……」
当然、ティルアは笑顔だが目が笑ってなかった。なんというか圧が凄い。
「ティアラ?」
「は、はい!」
「夕飯ができるまで、まだ時間があるから今度は魔法ありで稽古しましょうか♪」
「……はい」
これは流石に自分が悪いので、ティアラは素直に従った。今更思い出したが、ティルアは怒らせたら怖いのだ。現に目が笑ってないのが証拠である。
「……ティアラ。ご愁傷様」
「お義兄様!?」
「もうレイったら♪ 大丈夫、大丈夫♪ ちゃんと気絶程度になるように加減はするから♪」
「え? え……?」
この後、夕飯ができるまでの間、ティアラは姉による地獄の打ち合いをする羽目になるのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。