フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回と同じビューイの谷のイベント前に発生する会話イベント等が主になります。
今回はハーラーさんの会話イベント編です。少しオリジナルも入ってます。
楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。


第19話 ハーラーの凄まじさ

「ハーラーって昔からバハスと一緒にいるのよね。どんな風に出会ったの?」

 

昼食後。

なんとなく気になったアリンがハーラーに訊ねる。

 

「気になるかい?」

「うん。だって、あたしとファングの出会いは最悪だったんだもん!」

「うるせー。お前まだ根に持ってんのか」

 

めんどくさそうにファングが言う。

 

「その体を隅々まで調べさせてくれるなら、教えてあげるけど」

「あ、じゃあいいです」

「フフッ、冗談だよ」

「……(冗談に聞こえないのは僕だけかな?)」

 

冗談だとハーラーは言うが、レイルには冗談に聞こえなかった。

 

「あいつとの出会いは、私がまだ妖聖研究家として駆け出しだった頃だ。()()()美少女だった私は、フューリーを探しに入った森の中で盗賊に狙われてしまったのさ」

「か弱い……?」

 

ハーラーが『か弱い』と言う言葉を聞いて首を傾げるアリン。

 

()()な私は、盗賊にとってはいい獲物に見えたんだろうね」

「儚げ……?」

 

今度はファングでさえも首を傾げた。

 

「必死だった私は何か武器になるものはと探し、手近なところに見つけたフューリーを抜いて、応戦した。まあ、それがバハスとの出会いだったというわけだ」

 

非力で繊細な私にとっては、ただただ恐ろしい出来事だったよとハーラーは言った。

 

「何が非力で繊細だ。最後は盗賊に泣いて命乞いさせたくせに」

「あれ、バハスいたのか」

「ハーラーちゃん。バハスさん、最初からいたよ?」

 

念の為に言っておくが、レイルの隣でバハスは最初から聞いていた。

 

「しかしあの時、お前の俺に対する第一声が、えー、おっさん? 女の子の妖聖がいいー! だったんだからな」

「そうだったか? あんまり昔の事を引きずってると、頭が禿げるぞ」

「……それ、俺に言うのか?」

「まあまあ……」

 

もしかして彼女はバハスに分かってて言ってるのか?とレイルは思った。

 

「おいアリン、妖聖でも禿げるのか?」

「あたしに聞かれたって、そんなの分かんないわよ」

 

そもそもアリンは記憶喪失なのだから、そんなの知るわけがない。

 

「お前も危ないかもな。過ぎた事を気にしすぎだ」

「あたしがもし禿げたら100%あんたのせいよ。そしたらあんたの頭もつるつるにしてやるから」

「えっ、何々? アリンちゃんも頭つるつるにするの?」

 

ファングに言ったアリンの言葉に興味津々なハーラー。それに対して、誰がするかー!と叫ぶアリンなのであった。

 

 

 

 

「ハーラー、口元になんかついてるわよ」

「ん? ああ、歯磨き粉だ」

 

次の日の朝。

ハーラーの口元に何かがついてる事を指摘するアリン。そう言われた彼女は歯磨き粉だと答えた。

 

「あと、胸元にも何か白いものが」

「ああ、これは牛乳だ」

「臭くなるわよ……」

 

ティアラの指摘にも何ともない表情で答える。

 

「ハーラー、また服にこぼした牛乳を放置していたのか。お前はどうしてこうズボラなんだ」

「いやぁ、他の事に気ぃ取られてたから忘れてた。まあ細かい事は気にするな。ハハハッ」

「ハハハじゃない。俺が細かい事まで気にするのは、お前がズボラすぎるせいだろう」

 

全く、笑い事じゃないんだぞと、ハーラーに注意するバハス。

 

「あれ? どしたの?」

「あ、レイル」

 

するとそこにレイルがやってきた。

 

「レイル君、バハスがズボラズボラって言うんだけど、私はそんなに酷いかね?」

「…程度によるけどね。バハスさん、ハーラーちゃんの酷さ加減どうなんですか?」

「酷いなんてもんじゃない」

 

ハーラーの言い分を聞いたレイルがバハスに訊くと、彼は酷いなんてもんじゃないと言った。

 

「俺が言わなければ、風呂も入らないわ着替えも洗濯もしないわで、およそまともな人間の生活じゃなくなるだろう」

「うわ、それは酷いわね」

「私なら自分で耐えられなくなりそうですけど……」

 

あまりの酷さに同じ女性として耐えられないなと思ったアリンとティアラ。

 

「……ハーラーちゃん、お風呂はともかくさ、せめて昔みたいにシャワーだけでもいいから浴びなって」

「そうか。それだ! その手があったの忘れたよ」

「……なんで忘れてるのさ。バハスさん、他にも何かありません?」

 

レイルがそう訊くと、バハスは他にもあるぞと言って口を開いた。

 

「あるぞ。あれは数年前、お前が研究に没頭していた日の事だ。俺がお前の部屋を掃除していると、ベッドの下から()()()()()()()()()()()()()()を見つけた」

「……おかしいな? なんかそれ、似たような事が昔あった気がするんですが……」

 

バハスが今話してる内容は、学生時代にレイルが経験した事がある内容に似てる気がした。

 

「よーく見るとそれは、カビの生えた桃の種だった……」

「ひいーっ!」

「ありえませんわ!」

 

その内容のオチにゾッとするアリンとティアラ。

 

「桃の種だったんですね。僕の時はカビの生えた林檎の芯に蜘蛛が集まっていましたが……」

「「ひいーっ!」」

「おいおい……」

 

続いてレイルの言葉を聞いて想像してしまったのか、真っ青になるアリンとティアラ。バハスは呆れながらハーラーを見る。当人はそんな事もあったねーと笑いながら言ってるが。

 

「お前はどうしてあれを放置できるんだ」

「大丈夫、死にゃしない!」

「ハーラーちゃん。確かに死にはしないけどさ……」

「お前の場合、大丈夫の基準が大雑把すぎるだろう!」

 

これには甘やかしすぎた俺にも責任があるかもしれないと言うバハス。

 

「これからは厳しくするから、そのつもりでいろ! まずは部屋の掃除からだ!」

「分かった! じゃあ、この本の続きを読んでからでいいか?」

「む、まあいいだろう。続きが気になると集中できないからな」

「……(えー!? バハスさん、それでいいんですか!?)」

 

いやいや、ハーラーに掃除をさせるんじゃなかったのか?と内心突っ込むレイル。

 

「……こうして甘やかされてきたのね」

「垣間見ましたわね……」

「あ、あはは……」

 

アリンとティアラの言葉に苦笑いをするレイルなのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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