フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
前回の続きになります。オリジナルになっています。
それではどうぞ。
ビューイの谷のフューリーを探しに来た一同の前に、再び現れた暗殺者の少女、エフォール。
「必殺! 激殺! 滅殺!」
「ちっ、やるしかねえようだな!」
お互いに臨戦態勢に入ろうとした、その時だった。
「…な~どという、この緊迫した雰囲気など全く気にせずに登場するこのオレ様! ヒーハー!」
「あいつ、確かソルオール村の時の……!」
「……(もう1つの殺気の正体はこいつか)」
奇声を上げながら一同の前に現れたのは、ソルオール村でザンクと居た男、ロンギだった。同時にもう1つの殺気の正体がロンギだという事に気付いたレイル。
「やあやあ、これまた楽しそうでゲスなぁ。こういう楽しそうな光景を見ると、嫉妬の念を覚えちゃうこのオレ様としては、全てをぶち壊したくなるわけでして!」
「殺殺殺、殺殺!」
「なんだてめえは! 邪魔するならてめえも殺すぞ。とエフォールは申しております」
イラつきながらロンギに文句を言うエフォール。それを通訳する果林。
「おーっと、人様の口上を遮る礼儀知らずのバカ1名をはっけ~ん。罰として殺しちゃっていい?」
「殺、殺殺殺!」
「お前の方がバカなんだろが! とエフォールは申しております」
「…脳内裁判で、お前ら2人は問答無用の惨殺刑と判決を頂きました。頂いちゃいました!」
ロンギがそう言ったその瞬間だった。
「さ、さつ……」
「え……」
「……緊急時なので、控訴は却下だポン」
エフォールと果林の胸から血が噴き出した。そしてパタリとその場で倒れる2人。長槍をクルリと一回転させながら呟くロンギ。
「さ、さつ……」
「エフォ……ール……」
「ああん? まだ生きてやがるのか。ちょっとうるさいので黙ってなさいでごじゃるよ!」
「させるか! ガルド!」
「はいな!」
微かに息が残っているエフォールと果林に止めを刺そうとするロンギに向かってファングとガルドが斬りかかる。その間にレイルはエフォールを、ホロンは果林を抱えて離れる。
「さ、さつ……?」
「喋らないで。とりあえず誰でもいいから2人に回復魔法をかけて」
「「「うん(はい)(ええ)」」」
なんで自分を助けた?とエフォールは言っているのだと思うが、とりあえずレイルは彼女を黙らせた。そして回復魔法が得意なティルアとシャル、ティアラはエフォールと果林の応急処置に入る。
「ハーラーちゃん、妖聖が仮に致命傷的な攻撃を負った場合って、その妖聖って直ぐに消滅するの?」
「いや、それはない筈だよ。ただ、この子達の傷が深い事には変わらないのは間違いないね」
妖聖研究家でもあるハーラーに気になった事をレイルが訊くと、彼女はそう答えた。
「……(くいくい!)」
「奇遇だね。ちょうど僕も思ってたよ」
果林から離れ、レイルの肩に乗るホロン。
珍しくホロンが半ギレ状態になってるのを察したレイルは、ホロンをフェアリンクさせ、槍のような形状のボロい釘でもアイスピックでもなく、
◇
「クソッ! なんで攻撃が当たらねえ!」
「それはお前の動きが単調過ぎだ~からだよ。ポポーン!」
「ダンナ! こんの!」
「う~ん、ガルドも前より腕が上がってるね~。……だが、オレ様達の敵じゃねえな。あ~らよっと!」
「「ぐわっ!」」
ファングとガルドの攻撃を長槍で捌きながら、余裕のある笑みで2人にカウンターを入れるロンギ。
「ほらほら~、今なら殴り放題で~すよ~?」
「っ!? か、身体に力が……入ら、ねえ……」
「う、動けへん……」
長槍を突き付けながらファングとガルドを煽るロンギ。反撃したいが、どういう訳か身体に力が入らなかった。
「はい、3分くらい経ちました! ……つーことで、反撃させてもら…………っ!?」
「……」
「「兄貴!(レイルはん!)」」
ファングとガルドに長槍を振りかぶろうとした時、背後から殺気を感じたロンギは直ぐに長槍を盾のように構えた。目線だけ振り向くと、そこに居たのは、反り身の長剣を手にしたレイルだった。
「…ほーう、誰かと思えば、あの時の可愛らしいガキじゃねーか。このオレ様が完全に背後を取られるのは、ザンクくん以来だね~」
「……そりゃどうも」
長剣と長槍をぶつけ合い、弾いた後、お互いに距離を取るレイルとロンギ。
「……ねえ、質問していい?」
「ほ~う、オレ様に質問とは敵ながら面白いガキだね~。オレ様の答えられる範囲だったらいいよん?」
こういう思考の相手は、意外と質問には答えてくれる事をレイルは経験上知っていた。ただし相手の機嫌にもよるが。
「エフォールと果林ちゃんを刺した際に
「ほーう。お前よく見抜いたな。その通りだ。ただし、そこのザンクくんの獲物とガルドにやったのとは
レイルのその問いに、ふざけた口調から一変してロンギは真面目な口調で答えた。
「オレ様からも質問させろ。お前とお前のパートナー妖聖、普通じゃねーな? 何モンだ?」
「……(勘が良いな、こいつ)」
「どういう意味だ……?」
「あいつ、何言うとるんや……?」
それを聞いたレイルは勘が良いなと思い、ファングとガルドは逆に質問の意味が分からなかった。
「
「…フン、なかなか面白い言い方をする。その口振りだと相当な場数を踏んだと見たぞ」
「「……」」
流れる沈黙。レイルとロンギは互いに睨み合っていた。
「……ま~いいや。今日のところは退いてやる。オレ様にやられるまで死ぬんじゃねーぞ? バーイ!」
襲ってくるかと思ったが、ロンギはそう言い残して、その場から去っていった。
◇
ファングとガルドに簡単な手当てをしたレイルは直ぐにエフォールと果林の元に戻ったが、様子は芳しくなかった。エフォールに至っては意識が朦朧としていた。
「そいつらの怪我、治りそうか?」
「……」
ファングの問いに、ティアラは答えず首を横に振った。
「ティルア、シャル。エフォールと果林ちゃんの状況どうなの?」
「回復魔法を全部かけてみたけど、
「私も呪いなのかと思って、状態異常を治す魔法と並行しながら回復魔法をかけてみたけど、全く効果がないわ。残念だけど……」
ティルアとシャルにも訊いたが、返ってきた言葉は残酷なものだった。
「……(せっせっせ)」
そんな中でたった1人、ホロンだけはなんとかエフォールと果林を助けようと小さな体から色んな傷薬を取り出し、適応する薬を必死に探し続けていた。
「……(ダンダン!)」
「もう、いい、ですよ……」
適応する薬が違うと知ると、イラついたのか、ホロンは地団駄を踏みながら思いきり地面に投げつけ瓶を叩き割った。その様子を見ていた果林が呼び止めた。
「エフォ……ールと、私は、もう……助からないみたい、です……」
「……(ふるふる)」
「ふふ、おかしい、ですね……今になって、気付くなんて……」
自分に死ぬなと必死に訴えているホロンを見て、果林はホロンの背後に
「もっと早く……この気持ちに気付けば、良かっ、た……」
ホロンを見ながら果林はそれだけを呟くと同時に消えていった。それはすなわち、エフォールも死んだという意味。
「……ファング、ガルド。エフォールと果林ちゃんの簡単なお墓を作るから手伝って」
「……ああ」
「はいな」
レイルの言葉にファングとガルドは何も言わず返事をした。他のみんなも察してくれたのか、誰も異論を言う事はなかった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
そして最後にレイルのパートナー妖聖、ホロンのフューリー状態での新形態の紹介になります。
新形態・長剣:『テイルズオブジアビス』のカトラス
こんな感じです。
次回もよろしくお願いします。