フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
前回の続きになります。
それではどうぞ。
ロロからの情報でなんとか目的地に着いたレイル達。ここ、ザワザ平野は大都市ゼルウィンズから北西にある場所だ。
「ここがザワザ平野か」
「昼間はのどかな場所だけど、夜になると真逆でモンスターが活発になるんだよ」
「つーことは、俺らはタイミングが悪い時期に来たって事か?」
ファングの疑問にレイルは、こればっかりはね?と答えた。
レイル達がザワザ平野に着いたのは夜で、大都市ゼルウィンズからザワザ平野までは意外と距離があるので仕方のない事だった。
「しっかし見た感じ、どこにもドルファの影も香りもありゃしねえな」
「いや、ドルファの香りって何よ。香水じゃあるまいし」
それにまだ入口だものと言うアリン。
「それにしても、本当にアポロがここに来てるのかな? 別にロロちゃんの情報を疑ってる訳じゃないんだけどさ」
「気になったんやけど、レイルはんって他人に渾名を付ける癖でもあるん?」
とりあえず道なりに先に進む中、レイルが呟きにガルドが訊ねる。それは他の者も気になっていた疑問だった。
「癖……というよりは、親しみを込めた意味のほうが近いかな? あとは大事な人への想いのメッセージ的な?」
「そうなんですの? でも、お姉様には渾名で呼んでませんよね……」
ここでティアラが首を傾げた。その捉え方だと、シャルロットが『シャル』と呼ばれてるのに対して、自分の姉はレイルに渾名で呼ばれてるところを見た事も聞いた事もない。
「それは単純にレイがティルアに付けた渾名が恥ずかしいからよ。そうでしょ、ティルア?」
「……言わなくていいから」
そう答えたのはシャル。そしてティルアは恥ずかしいのか、ぷいっとそっぽを向いた。
「あら。私だけ渾名を付けて不公平だとか言って、
「そ、それは確かに私だけど……って! 妹の前で何を言わせんのよ!?」
わざとらしく首を傾げながら言うシャルにティルアは慌てだす。
「ふ、服を脱ぎながら……!」
「お、お姉様……な、なんて大胆な……!」
「いや~、ティルアちゃんも乙女だねえ~♪」
「そうですね~♪」
アリンとティアラはこの反応。ハーラーとマリサは意味深な笑顔である。
「同じ女性としてどうかと思ったけど、ある意味ティルアにしかできない芸当だから、そこは尊敬するわ」
「言わないで~!? それは流石に私の中で黒歴史なんだから~!?」
これ以上余計な事を言わせないように必死にシャルを阻止するティルア。止~め~て~!と言いながら。
「……盛り上がってるところ悪いんだけどさ? その話、僕らが
「それはそれでまずくない!?」
話がややこしくならないようにレイルが溜息を吐きながら、女性陣に話のオチを教える。アリンが突っ込むが、レイルはいや~なんか、懐かしいね~と呑気に流してた。
「うおおおおっ!」
「!? こいつらドルファの刺客か!?」
そんな空気も束の間、黒色の鎧を身に付けた大人数の兵士達が現れた。
「……囲まれたな」
「なんだと!? でも兄貴、目の前の奴らしか見えねえけど……」
「草陰と木の上をよく見て? 相手は上手く隠れてるつもりみたいだけど」
レイルの指摘に、ファングは目を凝らして、よく見ると確かに草陰や木の上にも敵が隠れているのが確認できた。
「ここは僕らがやっておくから、先に行って」
「けどよ……」
「ですが、お義兄様……」
「……。ファング君、ここはレイル君達に任せよう。敵にフューリーを取られてしまっては本末転倒だ」
足止めを自ら買って出たレイルにファングとティアラは少し渋ったが、ハーラーの言葉でなんとか納得し、ファング達は頷いて走っていった。
「フン! 貴様のような子供1人でこの人数に勝てると思っているのか!」
ファング達が去った後、1人の兵士がレイルにそう言った。
「…直ぐそうやって勝った気でいるよね。見かけだけで判断するなって習わなかったのかな……」
「……(コクコク)」
「運がないわね。貴方達」
「そうね。今日のレイは不機嫌なの。同情するわ」
レイルは呟き、ホロンは頷き、ティルアとシャルは溜息を吐きながら兵士達にそう言った。
「…『フォルストム』」
「ぐうわあああぁぁぁ!?」
「な、何……っ!?」
魔法名をレイルが呟いた途端、木の上に隠れていた兵士達が血塗れになりながら落ちてきた。突然の事に追いつけない兵士達。
「あまり僕らを甘く見ない方がいいよ?」
レイルのその一言で、兵士達はそれぞれの武器を構え、臨戦態勢に入るのだった。
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