フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

今回はオリキャラが登場します。
そういえば、フェアリーフェンサーエフの新作『Refrain Chord』が発表されて驚いてます。スイッチでもプレイできるみたいなので、発売日が楽しみです。

それではどうぞ。


第27話 違和感がある夜空

ファングとアポローネスが戦いを始めた同じ頃。

 

「…お、魔法が当たった」

「……(コクコク)」

 

入口付近で襲ってきたドルファの兵士達を倒し、先に進みながら増援に来た別の兵士の相手をしてるレイル、ホロン、ティルア、シャルの4人。

 

「それにしても減らないね? ふっ!」

「ごふっ!?」

 

剣で受け流しながら、兵士の鳩尾に向かって蹴りを決め込むティルア。

 

「当たり前でしょ。普通、こういう集団戦なんて滅多にないんだから。はっ!」

「ぐわあああっ!?」

 

光属性の初級魔法『フォルス』を全身に纏わせ、突きによる攻撃で兵士の鎧を貫通させながらダメージを与えるシャル。

 

「……(ゲシッ!)」

「ぐふっ!?」

 

小さい体を生かし、空中サマーソルトキックを兵士に浴びせるホロン。もろに喰らった兵士は地面に倒れ込む。

 

「はああああっ!」

「…お前は眠ってろ」

 

右手で兵士の攻撃を止めたレイルは空いてた左手で麻痺効果と睡眠効果を合わせた魔法を放つ。空気中にまき散らした霧吹きのような物質を浴びた兵士はパタリと倒れ込んだ。

 

「怯むな! 奴らとてフェンサー! 疲れは必ずくる! 人海戦術だ!」

 

指揮官と思われる兵士が他の兵士達にそう鼓舞する。なるほど、考えたなと敵ながら感心する。

 

「ホロン、ティルア、シャル」

「……(コクコク)」

「「フェアリンク!」」

 

レイルの合図にホロン、ティルア、シャルは光となりレイルの元に集まる。彼を中心に虹色のオーラが纏わりつく。

 

「バカめ!総員、掛かれっ!!」

「「「「「うおおおおっ!」」」」」

 

相手が1人になった事を好機だと思った兵士達は一斉にレイルに襲い掛かる。

 

「(予想通り、一斉にきたな……)」

 

しかしこれはレイルの計算の内だった。今から放つ魔法は、範囲調整がちょっとだけ難しい魔法だ。しかも場所はザワザ平野の入口付近なので何ら問題ない。

 

「…『シャボンストーム』!」

 

レイルが魔法名を呟いた瞬間、彼の右手から無数のシャボン玉が放たれた。視界を軽く遮る程のシャボン玉を前に兵士達は自然と動きを止めてしまう。

 

「な、なんだこの泡は……!?」

「と、取れねえ……!」

 

そして気付けば全身が泡まみれになった兵士達は必死になって体に付着した泡を落とそうと躍起になるが、泡はどんどん大きくなる。

 

「今の内に先に進もう。なんか嫌な予感がする」

「……(コクコク)」

『あーあー……泡まみれ……』

『そうね。それに場所が場所なだけに、この光景は滑稽ね。放っておいても問題なさそう』

 

シャルの言う通り、泡まみれになっている兵士達はこのまま放っておいても大丈夫だろう。寧ろ、自分達が帰る際にどうなっているかが見物なのだが。

 

「……(また上空から嫌な気配だ。さっきよりも大きくなってる……)」

 

兵士達と交戦してる際にも感じたが、ファング達が向かったと思われる先の奥の()()から嫌な気配を感じたのだ。最初は小さかった気配が徐々に大きくなっていく感じ……

 

まるで()()()()()()()()()()()かのように。

 

それに夜のザワザ平野は常に星空が綺麗な筈なのだが、明らかに一部分の上空だけ、どんよりとした雲が夜空を覆い違和感があった。

 

「…急がないと」

 

違和感の正体があの雲かもしれないと思ったレイルは、ザワザ平野の最深部に急いで向かうのであった。

 

 

 

 

「オラッ!」

「効かんっ!」

 

その頃、ファングはアポローネスと激しい戦いを繰り広げていた。アポローネスはファングの攻撃を大剣を使い巧みに躱していた。

 

「(くそっ!)」

 

攻撃が当たらない事に焦りだすファング。自分の攻撃は当たってる。だが、アポローネスに決定的な一撃が当たらないのだ。

 

「(やはり……)」

 

一方でアポローネスもファングの太刀筋には覚えがあった。彼自身の個性という太刀筋がありつつも、それとは別のどこか懐かしいこの感じ。

 

「うおおおおおっ!」

「むっ、くるか……!」

 

そう思っていると、ファングが突っ込んできた。アポローネスは大剣を構え迎え撃つが、その瞬間、彼の左脇腹から血が噴出し、突然の痛みに膝をつくアポローネス。

 

「ぐっ……!」

「へっ、一発入れてやったぜ」

『ちょっとファング! あんた何も考えずに敵に突っ込むなんてバカ!? 攻撃が当たったからいいけど、外れてたらどうすんのよ!』

「うっせー! 当たりゃいいんだよ! がっ……!」

『ファング!?』

「問題ねえよ、掠っただけだ……」

 

同時にファングも膝をつく。よく見ると右脇腹から血が流れていた。

 

「今の攻撃……疾風(はやて)、か……久しく喰らったが、相変わらず油断できぬ技だな……」

「余裕ってやつかよ?」

「いや。自分でも驚いている。反射的に返したとはいえ、その技はまともに喰らえばひとたまりもないからな」

 

どうやら先程アポローネスが反撃できたのは、反射的にだからだそうだ。

 

そして互いに構えたその時、()()()がファングとアポローネスの間に爆音と共に落ちてきた。

 

「ぐっ、なんだ!?」

「黒い……雷、だと!?」

 

そして音が徐々に小さくなり黒煙が晴れる。うっすらと見える黒い影……

 

「…………」

 

煙が晴れたそこに現れたのは、マントを羽織い、黒い鎧を装備した謎の騎士だった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

最後にオリキャラを簡単に紹介します。


謎の黒騎士

容姿イメージ:『ゼルダの伝説 風のタクト』の黒いタートナック(マント付き)

身長:アポローネスと同じくらい。


こんな感じです。
次回もよろしくお願いします。

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