フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。オリジナルになっています。

それではどうぞ。



第38話 フェイスドロップ

「どうやら今のヤツが最後だったらしいな」

 

倒れたガーディアンシードを見て呟くファング。

最初の1体をホロンが倒した後、もしかしたらフェイスドロップがある場所はそのガーディアンシードを辿ればあるのでは?と一同は気づいたのだ。

 

「ファング、あれ見て、あれ!」

 

アリンが何かを発見した方に目を向ける。そこには光輝く飴玉のような物体が。

 

「もしかして、これが……?」

「うん。フェイスドロップで間違いないよ!」

「…なんか大きさがほんとに飴玉だね。幸い、フェイスドロップ自体が光ってたから見つけやすくて良かったけど」

「確かにそれはそれで良かったよな……」

 

どうやら目的のフェイスドロップで間違いないようだ。レイルの呟きにファング達も苦笑い。

 

「よっしゃーーー! 目的も達成やな!」

「これで女神の封印を解く事が出来るのですね……」

 

まあ何はともあれ、フェイスドロップを無事に手に入れる事ができたのだ。

 

「礼を言う。君達のお陰で楽にここに来る事が出来た」

『!?』

 

すると岩陰から聞いた事がある声と同時に人影の姿が。人影はゆっくりと一同の前に現れる。

 

「お前は……!」

「……バーナード」

「フェイスドロップは私がいただく……。()()()()の為にな」

「邪神復活ですって!?」

 

その正体はバーナードだった。そして彼の口から邪神復活という単語を聞いて、ティアラは特に顔を青ざめた。

 

「ご苦労だったな。道案内役としては申し分なかったよ。貴様らの旅はここで終わる……心置きなく死ね」

「……」

「っ!((フェアリンク!))」

 

レイルはバーナードに気づかれないように、後ろに居るティルアとシャルに指で合図を送りフェアリンクさせた。相手に気づかれないよう、光はレイルの指先に集まった。

 

「ふざけるなっ! おっさんと違って、若いもんは日々進化してんだ!」

「そう、ボク達の旅は続く。だが……あなたの人生はここで終わる!」

「そや! 目にもの見せたるわ!」

「男子三日会わざれば刮目して見るべし! 侮るではないぞ!」

 

そしてファング達もそれぞれの武器を手に持つ。

 

「フェイスドロップは渡しません! ドルファには! 絶対に!!」

「ドルファだと? フフフ……、ハーーーハハハハッ!」

 

ティアラのその言葉を聞いたバーナードは急に高笑いを始めた。

 

()()()()()()()()()()()()……。利用できるものを利用しただけだ。貴様らとなんら変わらない」

「……それどういう意味?」

「邪神復活はこの私が()す。それこそが()()()の宿命……」

 

静かな口調でバーナードを睨むレイルに対し、バーナードは言葉を続ける。

 

()()()()()()()……その血を継ぐ者だ」

 

そしてバーナードの頭部には紫色の禍々しい紋様が浮かび上がっていた。

 

「この身に流れし血は神の血……そして私こそが神の力を得るに相応(ふさわ)しい。世界は闇に還り、闇より()ずる。そして私が創生の王となる!!」

「……なら、その前にお前を潰す」

 

その言葉を聞くや否や、レイルがバーナードに突っ込んでいく。

 

「地への回廊では遅れをとったが、そうはいかん! ブラッディ、戦闘用意!」

『……了解、マスター』

 

バーナードの声を合図に彼のパートナー妖聖、ブラッディがフェアリンクの輝きを発した。これはフューリーフォームの光だと理解してるレイルは迷わずに拳を振り上げる。

 

「だが、()()()には貴様の攻撃など効かん!」

「!?」

 

光が収まるとレイルの拳を受けても健在なバーナードが居た。しかし、姿が変わっていた。

身体は銀色の異形のような姿に変化していた。しかし、自分の知ってるバーナードのフューリーフォームとは完全に違ってる事に驚きを隠せなかった。

 

「塵と消えるがいい!」

「ぐっ!?」

「兄貴!」

「お義兄様!」

「レイル君!」

「レイルはん!」

「陛下!」

「義兄さん!」

 

咄嗟に両腕でガードしたレイルだったが、フェアライズしたバーナードの鋭利な腕によって遠くの岩場まで吹き飛ばされてしまった。

 

「てめえ! よくも!」

「いくら()()()()()()()()でも、あの攻撃ならレイルといえど助かりはしまい」

 

レイルが飛ばされた方を見ながらバーナードは答える。しかしそれより衝撃な言葉が。

 

「兄貴が元ドルファ四天王だと……?」

「知らないのか? ならば冥土の土産に教えてやろう。4年前までレイルは元ドルファ四天王で最強のフェンサーだった」

「そういやワイ、噂で聞いた事があるで。ザンクが四天王に入る前まで、4年前のドルファには四天王の中に最強のフェンサーがおったって……」

 

バーナードの言葉にガルドが思い出したかのように言う。

 

「そうだ! だが奴は()()()だった。実力はあったのは認めるが、フューリーフォームを使えない出来損ないには変わらん」

「ふざけんな……」

 

その言葉を聞いたファングがバーナードを睨みながら呟く。

 

「絶対に許さねえ……! てめえはこの場で倒す!」

『フェアライズ』

 

ファング達はフューリーフォームを発動した。

 

 

 

 

「そこだ!」

「もろたで!」

「……ふん。無駄だ」

「「がはっ!」」

 

バーナードは挟み撃ちを狙ったファングとガルドの攻撃を冷静に受け止め、自身の鋭利な腕で2人を弾き返した。

 

「あんな巨体で、なんちゅー反応速度や……」

「く……あ奴も口だけではないようだ。だが圧倒的過ぎる……」

「これもフューリーとの融合係数を高めた力なのか……」

 

ガルドとピピンが呟く。バーナードの強さもそうだが、彼のフューリーフォームもザンクと同じ、フューリーに手を加えて融合係数を高めているのがハーラーには窺えた。

 

「まだだ! まだ負けちゃいねえ!」

「ふん、根性だけはあるという事か。だが、立ってるのは貴様ら2人だけだ」

「くっ!」

 

未だに余裕の表情のバーナード。そして現状バーナードと戦えているのは、実質的にファングとシャルマンだけだった。ティアラはガルド達の傷を治癒する為、援護に回っている。

 

「さあ……次の一撃で終わりにしよう」

『マスター! 右方向から超高速の攻撃が向かってきます!』

「何? 一体……っ!? ちぃ……!?」

 

ファングとシャルマンに止めの一撃を放とうとした瞬間、ブラッディからの警告と同時に殺気を感じたバーナードは両腕を交差してガードするが、体勢を崩してしまう。

 

「……さっきはよくも遠くまで飛ばしてくれたね、バーナード」

『っ!?』

 

そして土煙のから現れたのは、バーナードの攻撃によって飛ばされた筈のレイルだった。

 

「一体……何をした?」

「君に吹っ飛ばされた時に、背中に『ウォール』の魔法と『クロックダウン』の重ね掛けで威力を軽減しただけだけど?」

「魔法の重ね掛けだと!? だとしても生身の身体で出来る筈が……」

「それが出来たから、今の質問に答えた訳だけど?」

 

ほとんど軽傷に近いレイルを見て驚愕するバーナード。直後、その場からレイルが消える。

 

「ファング、シャルマン。みんなも大丈夫?」

 

声に反応する方にバーナードが振り向くと、レイルはファングとシャルマンの場所に居た。

 

「時間稼いでくれてありがと。回復薬を渡しておくから、みんなの事をお願い」

「ああ、分かった……」

「分かりました。義兄さん、気を付けてください」

 

そう言ってレイルは2人に全員分の回復薬を渡し、バーナードの方を向く。

 

「レイル君、恐らくヤツのフューリーフォームは融合係数を高めたものだ!」

「…そういう事ね。道理で僕の知ってるフューリーフォームと違う訳だ」

 

ハーラーの声を聞いたレイルが納得したとばかりに軽く頷く。

 

「……ホロン」

「……(コクコク)」

 

そしてレイルはホロンをフェアリンクさせ、反り身の長剣ではなく、()()()()()()に変形させ右手に持つ。

 

「ハハハハ……。そんなただの武器で何ができる?」

「……」

 

そしてバーナードに向かいながら、レイルは鞘から刀を抜く。鞘は粒子となり、レイルの体に纏わりついた。バーナードは鋭利な巨大な腕でレイルに叩きつけようと振り上げる。

 

「がはっ!?」

「…ほら。斬れた」

 

その瞬間、強化されたバーナードの身体から血が噴き出したのだ。よく見ると、彼の胸部分にはレイルが斬ったと思われる痕跡がはっきりと残っている。

 

「お、おのれ……!」

 

だが斬られた痛みに怯む事なく、バーナードは腕を振り下ろすが……

 

「……ふん!」

「ぐおっ!」

 

レイルは刀でバーナードの腕の鋭利な部分を受け止めた後、即座に弾き返し態勢を崩したバーナードの顔面に蹴りを決め込んだ。あまりの衝撃でバーナードは吹き飛ばされる。

 

「く、くそぉ……!」

「……ここだよ」

「っ!?」

「はあ!」

「ぐあっ……!?」

 

砂煙の中、バーナードは立ちながらも次の攻撃を仕掛けようとした途端、レイルは既に彼の背後におり、バーナードが気付いた時にはレイルの左の拳を腹に叩きこまれ、今度は反対方向に吹き飛ばされた。

 

「き、貴様……」

「……残念だよ。バーナード」

「何?」

 

そう言うとレイルは、なんとフェアリンク状態を自ら解除したのだ。その証拠に彼の両脇にはティルアとシャルが居る。この行動にはバーナードだけではなく、ファング達も目を見開く。

 

「嘘っ!? フェアリンク状態を解除した!? レイルなんで!?」

 

アリンの言葉はこの場に居る全員の代弁でもあった。そして、レイルが口を開く。

 

()()姿()でのフューリーフォームは()()()()とはいえ、発動したくない時に限って発動条件を充たすんだもの……」

 

バーナードを見据えながら、そう呟いたのだ。

 

「フューリーフォームを使えない出来損ないが何をほざく。元ドルファ四天王の中で最強だった貴様でも、所詮この姿の私には勝つ事は不可能!」

「…は? 何を勘違いしてる訳? フューリーフォームくらい()()()()()()()()()()から使えてたよ」

「な、なんだと!?」

 

その言葉を聞いたバーナードはありえないとばかりに声を上げる。

 

「この姿でのフューリーフォームのお披露目は、バーナード。君が初だから……」

 

不敵に笑うレイル。

それが合図かのように、ティルアとシャルはレイルと同じ()()()()()()()()目を閉じた。するとレイルの足元から銀色と虹色が混じり合った光が出現する。

 

そしてレイルは目をゆっくりと開き……

 

「「「フェアライズ!」」」

 

光は輝きを増しながら、レイルを中心にカヴァレ砂漠を包み込み始めた……




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

そして最後にレイルのパートナー妖聖、ホロンのフューリー状態での新形態の紹介になります。

新形態・鞘入りの長刀:『テイルズオブヴェスペリア』のニバンボシ

この形態は、後の『魔神編』でのキーカードとなってるので、お楽しみにです。
次回もよろしくお願いします。
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