フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
前回の続きになります。オリジナルになっています。
それではどうぞ。
「「「フェアライズ!」」」
必殺の鎧の言霊を発する。光は輝きを増しながら、レイルを中心にカヴァレ砂漠を包み込み始めた……
そして光は収まりカヴァレ砂漠に姿を現したのは……
「……」
『『フェアライズ・シーケンス・コンプリート』』
レイル……の筈だが、その姿は完全に別人だった。
髪形はショートヘアから、ロングヘアーに変わっており、瞳の色も『濃い紫色』から『赤色』に変色していた。
次に外装。紫色のヘッドドレスを被り、紫色のレオタード、両手には紫色の指絞め器を絞め付け、靴底に大量の棘がついた紫色のブーツを履いていた。
そしてオーラを纏っており、傍らには、ホロンが魔導書のような物を持ちながら浮遊していた。
「兄、貴……?」
『う、嘘ーーー!? っていうか、誰!?』
「お義兄様の筈……ですが、あの姿は一体……?」
『キュイキューイ』
「こりゃ驚いた……」
『おいおい、別人とかじゃねえのか?』
「ほんまにレイルはんかいな……」
『でもホロンちゃんが傍に居るし、本人で間違いない筈よ』
「むぅ。先程のお嬢さん2人の姿が見えないとなると……あの者は陛下本人で間違いない」
『ええ。どうやらその推測で間違いないようです……』
「す、凄い。リュシン、あれはボクの知る……義兄さんなのか?」
『ポジティブ。計測の結果、シャルマンの知る、レイル本人で間違いない』
ファング達は驚愕する。レイルが自分達の前でフューリーフォームを使用した事に。だが、見た目が完全に変わっている為、レイル本人なのかという状況整理をするだけでいっぱいいっぱいだった。
「……貴様、何者だ?」
「少なくともバーナード、君を倒す者です」
『いや、本当に誰!?』
バーナードの問いかけに答えるレイル。なんと声も余計に女性らしい声色になってる。直で聞いたファング達は心の中で突っ込んだ。
「この私を倒す、だと? それにそれがフューリーフォームだと? フン、笑わせる。ただ見かけが変わっただけじゃないか」
「ならば試してみますか? 尤も、貴方じゃ準備運動程度にしかなりませんが……」
「貴様!!」
その言葉はバーナードを怒らせるには充分だった。まるで自分の方が上だと言わんばかりに。バーナードはレイルに飛びかかる。
「死ねぇぇぇ!」
「……ふぅ」
「な、なに……!? ぐっ!」
バーナードは鋭利な腕をレイルに振り下ろす……。
しかし、その刃はレイルの指先で止められた。力を込めるバーナードだが、ピクリとも動かない。
「軽すぎですね」
「なんだと!?」
「貴方の一撃が軽すぎだと言うんです。その様子だと実戦訓練や自己鍛錬もあまりしてないようですね」
淡々と告げるレイル。
「そろそろ終わりにしましょう、バーナード。どうやら貴方はもう僕の知るバーナードではないみたいですし。ホロン、ティルア、シャル」
「……(こくり)」
『チェーン・カウント1……』
『チェーン・カウント2……』
レイルが合図を送る。するとホロンは手に持ってた魔導書をパラパラと捲り始め、ティルアとシャルは謎の言葉を発していた。
「くそ! 離せ!」
「以前の貴方なら、その気になれば離せた筈ですよ? その気になれば……ですけど」
自身の押さえられてる左腕をレイルから必死に離そうとするバーナードだが、時間の問題だった。
「……これで終わりです」
『『アタックエフェクト『ジャッジメントソード』』』
レイルの右手首に光の柱が纏わりつく。その右手を振り上げ、拘束状態のバーナードに叩きつけた。激しい炸裂音がカヴァレ砂漠全体に響く。
「が、ぐあああああああ!」
「終わりですね……」
その一言と同時にバーナードのフューリーフォームが解除された。
「お、王の座に就く……それこそが我がさだめ! 我が運命!! それを……貴様らのような虫ケラどもがっ!!」
「…………」
そしてレイルもフューリーフォームを解除する。変身前と変わらずのファング達が知るショートヘア時の姿だった。
「ふん!」
「ぐはぁ!」
満身創痍のバーナードの鳩尾に拳をレイルは叩き込んだ。
「……そういえばドルファは踏み台とか言ってたよね? 確認したいんだけど、何? あれは冗談?」
「そのままの意味さ。やはり、勘づいている者は先に消しておくべきだったな……。そう、
「……もういい。お前、黙れ。…マリーの努力を踏みにじったお前は黙れ!」
そしてバーナードがレイルに
「がはぁ! お、愚か者どもよ、よく聞け……この世は闇に還る。その運命は決して変えられない……」
その言葉を最後にバーナードは、流砂の中に落ちていった。
「感じ悪いわね」
「そうね……」
「昔はあんな感じじゃなかったんだけどね……」
「……(コクコク)」
ファング達の元に戻りながらバーナードが消えた流砂を見つめるレイル達。
「今のが兄貴のフェアライズ……なんか色々とすげぇ……」
『う、うん……』
一方でファング達はレイルの戦い方は圧倒的の一言だった。あのバーナードを赤子の手をひねるかのように倒してしまったのだから……
「ファング。フェイスドロップを手に取って」
「あ、ああ」
こちらに戻ったレイルに言われたファングはフェイスドロップを手に取った。
『!!』
「どうした、アリン?」
『……聖域が近い』
フェイスドロップを手にした事でアリンは女神が眠る場所である聖域……儀式の場所をフェイスドロップが教えてくれたらしい。
「よし! このまま一気に進むぞ!」
先に進もうとした矢先、ファングのフューリーフォームが解除されてしまう。
「フェアライズアウト!? 大丈夫か、アリン!」
「ごめん……ちょっと疲れたみたい」
しかしそれはファングだけではなく、ティアラ達のフューリーフォームも解除されてしまう。
「シャルマン、すまない。これ以上、フェアライズは……」
「謝る必要はありません。みな限界のようです。フェンサーもね」
シャルマンが代弁する。みんな限界だったのだ。ガーディアンシードやバーナードとの度重なる戦闘の疲れによって。
「ああ、流石にちょっとな……」
「すまぬが、我が輩も少し休ませていただきたい……」
「……もう一歩も動きたくないぞ」
ガルド、ピピン、ハーラーも同じだった。
「もう日も暮れる事だし、今日はここで野営しよう」
「そうだな」
「僕も賛成。砂漠で行動する際は、計画的にしないと危ないですし……」
バハスの提案で、一同はここで野営する事になった。
◇
「以前から何かあるとは思っていたけど、まさか補佐官にあんな秘密があったなんて……」
一方、カヴァレ砂漠の岩陰に1人の女性……マリアノの姿があった。
「けど……何者であろうと、ドルファへの背信は許されざる行為、その罪は死をもって
「そうそう、死んですっきり! いい気味! いい気味!」
彼女の言葉にパートナー妖聖のクララが言う。
実はかなり前からバーナードが怪しいと思ってたマリアノは彼の後を気づかれないように尾行していた。そしてバーナードが邪神の末裔だという事を知ったのだ。
「ザギ」
「はい、マリアノ様」
「ドルファの全兵を集結させて」
その指示に部下であるザギが少し顔を曇らせた。
「全兵、と言いますと……ザンク様の部隊もですか?」
「ええ。私としては不本意だけど」
マリアノは溜息を吐いた。正直言って気が進まない。あのイカれた戦闘集団も集めるのがである。だがそうも言ってられないのも事実。
「とにかく全兵を集結させなさい」
「はい! かしこまいりました!」
そう指示を受けたザギは近くの街まで走って行った。部下を見送ったマリアノは、ある人物に目を向ける。
「カヴァレ砂漠、久しぶりに来たけど……目ぼしい素材がないね~……」
「……(コクコク)」
それは素材集めをしてるレイルとホロンだった。
「まさかフューリーフォームをバーナードに使う羽目になるとはねぇ……。
「……(コクコク)」
どうやらバーナードと戦闘した際に、フューリーフォームを解放した事について話してるようだった。マリアノもレイルのフューリーフォームを初めて見たが。
「昔はあんなんじゃなかったのにね。いつから人を見下すような発言をする野心家になったんだろう?」
「……(コクコク)」
その会話を聞いてたマリアノは確かにと思った。レイルの知る当時のバーナードだったら、あんな人を見下す発言はしないだろう。
「……(ツンツン)」
「何? 満身創痍のバーナードを珍しく2発も殴ったのかって? ……マリーの努力を踏みにじるような言い方にイラついたから」
「!!」
その言葉を聞いたマリアノは思わず声を上げそうだったが、グッと堪えた。
「さて。早く野営場所まで戻ろっか。みんな待ってると思うし」
「……(コクコク)」
そしてレイルはホロンはその場から去って行った。
「……」
「マリアノ様~?」
「クララ。私はどうすればいいの……」
「え!?」
心配になったクララがマリアノに声を掛けるが、予想外の言葉にクララは驚いた。その表情はどこか迷ってるのが窺えた。
「…………」
「(こういう時ってなんて言えばいいんだろう……。レイル達との約束もあるから、上手く説明できないよ~……)」
マリアノの顔を見たクララはレイルとの
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
そして最後にレイルの152cm状態時でのフューリーフォームの紹介になります。
容姿イメージ:『シャーマンキング』のアイアンメイデン・ジャンヌ(2021年版)
こんな感じです。
次回もよろしくお願いします。