フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第46話 妖聖研究家との再会、そして新たな仲間

カダカス氷窟のフューリーも無事に回収できた一同は宿に戻り各々の部屋に戻る。マリアノとクララはレイルが彼女が目を覚ますまで介抱するとの事。

 

「あー、色々あって疲れた。腹が減った。なんかこう、甘ったるいもんが食いてえな」

 

自分が使わせてもらってる部屋にファングは呟きながら入る。

 

「その願い、叶えてしんぜようぞ」

「うお!? 部屋に大量の菓子が並んでやがる! とうとうランプの魔人でも現れたか?」

 

テーブルには大量のお菓子類が並んでいた。

 

「やあ、邪魔してるよ少年」

「ハーラー! おっさん!」

 

そこに現れたのはハーラーとバハスだった。

 

「ん? なんで君は私の名前を知ってるんだい?」

「……あ。いやその……俺はこう見えて妖聖研究に興味があってだな。だからお前の事も知ってるんだ」

 

ハーラーとも初対面だったという事を思い出したファングは、ありきたりな理由で誤魔化す。

 

「ふうん。君がねえ」

「な、なんだよ。言っとくがストーカーじゃねーからな」

「ストーカーだなんて思う訳ないだろ。面白いね君は」

 

ちょっとだけ安心するファング。実際、過去に戻ってティアラに会った際に言われたのが原因なのだが。

 

「ハッハッハッ。こいつがストーカーされるタマかよ」

 

俺がいなきゃゴミ溜と化した部屋でジャンクフードを片手に研究ばっかしてる女だと笑いながら付け足すバハス。

 

「ところで君、そのマントはどうしたんだい?」

「ああ、さっき拾ったんだ。全くありがてえ」

「それは()()()()()()()()もんだよ。でもまあいい、君にあげよう」

「このマント、ハーラーのもんだったのか。なら、お前、あんなとこで何をしてたんだよ?」

 

ファングがその理由を訊こうとした時……

 

「騒がしいけどなんかあったー? あっ! ハーラーとおっさん!」

 

アリンがちょうど部屋に入ってきた。隣にはティアラも居た。そしてアリンもファングと同じ反応をする。

 

「おや、君も私を知ってるのかい」

「おいおい、俺はおっさんじゃねえぞ」

「ファングさんとアリンさんのお知り合いなのですか?」

 

ティアラが口を挟もう前に要件はなんだ?とファングがハーラーに訊ねる。どうやら折り入って頼み事があるようだった。

 

 

 

 

「なんかファングが居る部屋が騒がしい……というか、賑やかなんだけど」

「……(コクコク)」

「しかもなんだか()()()()()()()()()()()がする~」

『あっ……誰だか察したかも……』

 

クララの一言でファングの部屋が賑やかな原因を察したレイル達。

 

「こ、ここは……」

「マリー!」

 

そんな事を考えてると、マリアノが目を覚ました。

 

「レイ……? それに貴方達は……? クララは!?」

「マリアノ様~! 目が覚めたんですね~!」

「クララ! ええ。お前も、よく無事で……」

 

目を覚ました主に安心するクララ。それはレイルも同じ気持ちだが。

 

「マリー、身体は大丈夫そう?」

「ええ……動ける程度には」

「それじゃあ別の部屋に移動しよっか。二度手間な説明はアレだからね」

 

本当はこの場でも聞いてもよかったレイルだが、それだとファング達にも説明するのが二度手間になってしまうからだ。

 

ひとまず6人は賑やかな声がしたファングが使ってる部屋に入る。

 

「い、イヤーっ! このマッドサイエンティスト! ち、近づかないで! あっ! レイル、助けて!」

「やあー♪ レイル君、それにティルアちゃんとシャルロットちゃんも! 久しぶりー♪」

「……(パタパタ)」

「ミューイ♪」

「あー! その子も一緒なのかい? 相変わらずレイル君にべったりだね~」

「ハーラーちゃん、久し振り。戯れてるところ悪いんだけどさ……」

「……ふむ、レイル君がその顔しながら言うって事は相当な事だろうね。話を聞こうか」

 

レイルが割と真面目な表情をしてるのを見て何かを察したハーラーは直ぐにアリンを放すのだった。

 

 

 

 

「なるほど。そちらのお嬢さんはドルファの幹部でレイル君の昔の同期、しかもカダカス氷窟で倒れてたのを助けてあげたという訳だね?」

「大まかに説明するとそんな感じ。それでハーラーちゃんに聞きたいんだけどさ、カダカス氷洞窟の噂について何か知ってる?」

 

マリアノとの関係をレイルが説明した後、ハーラーにカダカス氷窟の噂について訊ねる。

 

「死体処理場になってるっていう物騒な噂だろ? ()()()()流れた噂だから私も本当かどうか怪しいけどね」

「最近か。どのくらい最近か具体的に分かってたりする?」

「うーん、そうだね……ドルファ・ホールディングスのパーティが中止になった時期よりちょっと前くらいかな。私が噂を聞いたのもその時期だし」

 

ドルファの立食パーティが中止なったと聞いたレイルは軽く目を見開く。

 

「マリー、パーティが中止になった理由って知ってたりする?」

「悪いけど私も明確な理由は分からないの。具体的な説明なしに中止になったって言われてはぐらかされただけだったし……」

 

パーティが中止になった理由をマリアノにも聞いてみたが、幹部である彼女にも明確な説明はなかったという。

 

「……そういう事か。噂の正体だけど、ドルファの人間だろうね」

『っ!?』

 

そしてある結論に至ったレイルが口にすると、全員が驚きの表情をした。噂の正体はドルファ社員による人為的な犯行だと言うのだ。

 

「だっておかしくない? パーティが中止になったなら社員全員に連絡する筈だし、僕が知ってる昔の同期だって1人くらいは疑問に思うよ? 現にマリーが良い例だよ」

「でもなんでカダカス氷窟を噂の出処にしたの?」

「それは単純に死体処理場に適した場所だからだよ」

 

アリンの疑問にレイルは答える。

 

「カダカス氷窟の内部って寒かったでしょ? 入る日によって内部の寒さも変わるし、まさにカダカス氷窟は天然の冷凍倉庫。気絶した人や死人を置きっぱなしにしたらどうなる事やら……」

「お、おい兄貴、待てよ……。まさかそれ……!」

「もうここまで言えば、みんな分かるでしょ? 噂のからくりはそういう事だよ」

 

ファング達は背筋がゾッとした。何故カダカス氷窟が死体処理場なのかという由来を知ってしまったからだ。

 

「ですが、どうしてマリアノさんが狙われたんですか? そもそも何の為にそんな事を?」

「マリーを亡き者にする事で、得する誰かがドルファに居るというのが可能性の高い理由かもね」

 

マリアノとクララが狙われたのはそういう理由かもしれないと答える。

 

「あ、そういえばファング。カダカス氷窟のフューリーは回収できたの?」

「なんとかな。一時はフューリーが折れちまってどうなるかと思ったけど、アリンのお陰でフューリーが進化したみてえなんだ」

「それはまた災難だったね……」

 

あの時はマジで焦ったと肩を落とすファング。

 

「それでマリーはこれからどうするの? この際だからはっきり言うけど、ドルファに戻っても直ぐに殺されるよ」

「私は……」

 

これからどうするんだとマリアノに問うレイル。しかし彼女の表情は見る限り迷ってるのが窺えた。

 

「マリーは僕が守るから」

「え?」

「だからさ? マリーは少しくらい我儘になってもいいんだよ」

「レイ……」

 

前の世界で彼女は自分を庇って死んでしまった。その事は当然マリアノは知らない。自分と同じく時間逆行したファングとアリンでさえも。

 

「マリアノ様、レイル達と一緒に行きましょうよ~♪」

「クララ……」

「だってその方が色々と楽しそうですし~、マリアノ様もレイルとまた一緒に居たいって前々から言ってたじゃないですか~」

「なっ……!」

 

そして追い打ちをかけるかのように、お顔が真っ赤ですよ~と言うクララ。

 

「余計な事を言うんじゃないの」

「なんかマリーは決まったっぽいし、ハーラーちゃんはどうする?」

「レイル君と行動するのは退屈しないし、それにファング君の妖聖の力を間近で見たいってのもあるよ」

「だと思った♪」

「む……!」

 

その言葉を聞いたレイルはなんとも彼女らしいなと思った。レイルの反応を見たマリアノは頬を軽く膨らます。

 

「ファング達もいいよね?」

「俺は構わないぜ。なんと言うか……こういうのは、慣れてるからな」

「あたしも」

「私もですわ」

 

ファングとアリン、それにティアラも納得してくれたようだ。

 

「それじゃ僕は宿の外で少し休んでくるよ。マリーに()()()()()()()を使っちゃったからさ」

 

そう言うとレイルは背伸びをしながら部屋から出ていった。

 

「おいティアラ。なんだ? 兄貴が言ってた超高速回復魔法って」

「いえ、私も初めて聞きました……」

 

先程レイルが言ってた『超高速回復魔法』という単語が気になったファングがティアラに訊くが、彼女も初耳だった。

 

「えっ、何々? レイル君、また超高速回復魔法を使ったの?」

「うん。シャル、これで何回目だっけ?」

「そうね……ミュイの分も合わせるなら、これで5回目になるわね……」

「ミュイミュイ!」

 

その魔法が何なのか知ってるハーラー、ティルア、シャル、そしてミュイの3人と1匹。

 

「ねえ、さっきレイルが言ってた超高速回復魔法ってどんな魔法なの?」

「そーだね……簡単に言うと()()()()()()()()()って言えば分かりやすいかな?」

 

アリンの質問にハーラーが答えた。

 

「私達が使ってる回復魔法は、外傷……つまり外側の傷を速く治せるけど、内面の傷……心臓とかの臓器類は治すのが遅いの。粉砕骨折とか吐血のし過ぎで血が足りないとかね」

「けどレイが使ったのは、1週間は安静にしないと治らない傷をその日に治せる回復魔法。それが今言った超高速回復魔法よ」

「「……」」

 

ティルアとシャルが更に分かりやすく説明する。

彼女達と同じく回復魔法を使えるティアラとマリアノは唖然とした。何せ、回復魔法の領域を完全に超えているのだから……

 

「まあでもレイル君曰く、()()()()()にしか使わないのが流儀だそうだよ。学生時代の時に教えてもらったけど」

「そうなんですか? 私もお義兄様に教えてもらいたいですわ……」

「…ティアラ。私とシャルはレイに超高速回復魔法をかけてもらった事もあるし、なんだったらその魔法も使えるけど……止めておいた方がいいわよ?」

 

ハーラーの言葉にティアラはレイルに超高速回復魔法を教えてもらおうかな?と呟いたが、姉であるティルアにジト目で返された。

 

「え? まさかレイルが使う魔法の事だから、常識外れなやり方だったり?」

「それは人によるかもね。少なくとも危険度はかなり低いから大丈夫」

「それでしたら、心臓マッサージとか……でしょうか?」

「それもハズレ。どっちかっていうと、レイの性格で考えた方が分かりやすいかもね」

「レイの性格で? 私が知る限りだと……魔法の重ね掛けとか?」

「「それもあるけど、答えは()()()()」」

「「「っ!!?」」」

 

やり方を聞いた女性陣……アリン、ティアラそしてマリアノは別の意味で目を見開く。特にマリアノは顔が真っ赤である。

 

「それでも覚えたいなら、レイに頼んで教えてもらったら?」

「か、考えさせてもらいますわ……。お姉様が言いたいのは、つまり……羞恥心を捨てろと?」

「そういう事。ある意味、レイらしいでしょ?」

 

超高速回復魔法は大事な人達にしか使わない……その意味が分かった気がした一同、特に女性陣なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
ハーラーさんだけでなく、マリアノちゃんも仲間になったよ☆(成り行き上でだけど)。
本来『魔神編』以外では絶対に仲間にならない彼女ですが『クララの後押しもあって仲間になった』という形にしました。
……だって女神編でも仲間になったマリアノちゃんが書きたかったんだもん(本音)
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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