フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第47話 アポローネス

ハーラーとマリアノが仲間になった次の日の朝。

 

「それで今日はどこに行くの?」

「そういえばレイル君には言ってなかったね。実はザワザ平野にフューリーがあるらしいんだ。けど、それが()()()()()()()に守られていてね」

 

なんでもハーラー曰く、ザワザ平野にフューリーがあるとの事。しかもそこでドルファの幹部が守ってるらしい。

 

「ドルファの幹部? 誰だろうねー? パートナー妖聖は龍だって事しか浮かばないやー」

「レイ……貴方、分かってて言ってるでしょ?」

 

絶対にザワザ平野にいるドルファの幹部が誰なのか分かってるような言い方をするレイルをジト目で見るマリアノ。

 

「やだなマリー。誰もザワザ平野に居るのがアポロだなんて言ってないじゃないか♪」

「もう答えを言ってるじゃないの……」

「あ、いい事思いついた♪」

「……まさかアポローネスを仲間に引き込む気?」

 

何かを思いついた表情のレイルを見て察したマリアノが口にした。

 

「なあ、アポローネスを仲間にするって……それって実際にできんのか?」

「正直言って難しいわね。あの男は剣の研鑽にしか興味を持っていない……ただ……」

「ただ?」

「レイとの決着はつけるって()()()()から言ってたから……あるいはだけど」

 

少なくともアポローネスを仲間にできる確率はゼロではないとマリアノはファング達に説明する。

 

「アポロがそれを望むなら、僕は応えるけどね。……ただ万全の状態じゃなかったら、別の方法を取るけども」

「お義兄様、別の方法ってどのような事を?」

「平和的交渉」

 

つまり話し合い的な事をするかもと付け足しながら目的地に向かうのであった。

 

 

 

 

「さて。無事に目的地に着いた訳だけど……」

 

大都市ゼルウィンズから北西にあるザワザ平野に辿り着いたレイル達一行。

 

「唐突だけどさ、ファング達は今夜の晩御飯は何がいい?」

 

何を思ったのか、今夜の晩御飯のメニューをファング達に訊くレイル。

 

「どうすっかなあ。やっぱ兄貴特製の日替わりハンバーグか? いや玉葱多めのオムライスも捨てがたい」

「ガキの食いもんじゃねえか。もっと作り甲斐のあるもんをリクエストしたらどうなんだ?」

「そういう、おっさんはどうなんだよ?」

「俺か? そうだなぁ……レイルの作る料理はどれも絶品だが、手間がかかる料理だったら、ロールキャベツと鯖の味噌煮定食だな」

「ああ、昔作ったあの料理ですか……」

 

だいぶ昔の話になるが、バハスはその2つの料理を気に入ってくれてたのをレイルは思い出した。

 

「私は(きのこ)とチーズのリゾットがいいですわ」

「あ、私も私も~!」

「私も。強いて言うなら、日替わり系リゾットがいいわね」

「私も」

 

ティアラ、ティルア、シャル、マリアノはリゾットをご所望のようだ。

 

「クララは?」

「わたし~? 玉蜀黍の唐揚げがいい~」

「ホロン、揚げ物がリクエストに入ったから、手伝いよろしく」

「……(スッ)」

 

任せてとばかりにレイルの肩でサムズアップするホロン。

 

「お前らよくあんなべちょべちょしたお粥みたいなもん好きだよな。女はみんなそうなのか?」

「世の中の女性がそういう訳じゃないと思うけど……でもよく聞くよね。そんな話」

「俺、あれは食った気にならねえよ」

「リゾットが苦手な人ってそういう理由が多いんだよね」

 

ちなみにレイル自身はリゾットは好きな方だ。ただ特別好きな料理ってわけじゃないけども。

 

「アリンちゃんとハーラーちゃんは何がいい……って、ハーラーちゃん何してるの?」

「何ってアリンちゃんを観察してるのさ♪」

 

さっきから会話に入ってないアリンはハーラーに絡まれていた。そのせいかアリンに元気がない。逆にハーラーは活き活きしていた。

 

「なんだよアリン。元気ねえな。いつもの食欲魔人はどこいったんだよ」

「この状況を見て元気な答えを求めるのは、無茶というものよ……」

「体温は妖聖の平均値だね。筋肉や骨格も人型妖聖の典型みたいだし……」

「うー……うざい……体、勝手に触んないで……」

 

覇気がない。しかもハーラーに絡まれてしまったからなのか、アリンが疲れてるように見える気がする。

 

「ハーラーさんずっとあの調子ですわね」

「なんか流石に気の毒になってくるな……」

「なんかハーラーちゃん、いつも以上にはしゃいでいるなー」

「レイ。感心してないで、止めてあげなさいよ……」

 

そしてマリアノにもそう言われ、とりあえずレイルはファングとバハスの3人でハーラーを止めてあげるのであった。

 

 

 

 

ザワザ平野の最深部の近くまで進むにつれレイルはふと思った。

 

「……(そういえばシャルマンとも合流してないなあ)」

 

アリンが言っていたが、前の世界ではレイルがドルファの兵士達と戦ってる間に、この辺りでシャルマンと合流したそうだ。なんだったらドルファの兵士達とも遭遇してない。

 

「……(ツンツン)」

「何? あー、はいはい。ファング、アリンちゃん。ちょっと……」

「「?」」

 

ホロンがレイルに何かを訴えてきたので、とりあえず前の世界の事を知ってるファングとアリンを呼ぶ。

 

「どうした兄貴?」

「……一応、()()()には警戒しといて?」

「それって前の世界に現れた黒い騎士と喋る骸骨の事?」

 

そうだとばかりに頷くレイル。

この先、アポローネスが居ると思われる場所に行く訳だが、乱入者……つまり黒騎士と骸骨騎士がまた現れる可能性があるかもしれないのだ。

 

「現れるかもしれない事を知ってるのは、未来から来た僕らだけだからさ。その辺を2人にも考慮しといて」

「分かった」

「確かに過去が変わってるとはいえ、その可能性もまだ残ってるかもね……」

 

だから一応、警戒する事に越したことはないだろう。

 

「さて。行きますか……」

「……(コクコク)」

 

そして奥に進むと、アポローネスはやはり居た。無言で佇むその姿は彼らしいなとレイルは思った。

 

「たのもー! 頼もしい目付け役がここに居ると聞いて、やってきたよー!」

(かる)っ!? しかも目付け役って何!?」

「レイ、貴方ねえ……」

「…………」

 

第一声のレイルの掛け声に代弁するかのように突っ込むアリン。マリアノは溜息を吐き、そしてアポローネスに至っては鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていた。

 

「……はは。ふはははは」

『!?』

 

すると突然アポローネスは笑い出したのだ。これにはファング達も驚く。

 

「ちょっとアポロ、今のどこか笑う要素あった?」

「いや。自分でも分からぬ。……久しいな、レイル」

「さっきのは、レイが緊張感のない事を言ったからだと私は思うけど……」

「そこに居るのは……マリアノか。なるほど、そういう事か」

 

レイルの隣に居たマリアノを見つけると、アポローネスは疑問が解けたとばかりに納得していた。

 

「生憎と、私はもうドルファには興味はない」

「? その言い方だと、アポロがドルファを辞めましたって聞こえるんだけど……」

「もう最近の事になるが、私は()()()()()()()()()()もらった」

 

アポローネスのその一言はこの場の全員を驚かせるのに充分な理由だった。

 

「という事は!?」

「ああ。レイルが言っていた通り、目付け役にでもなってやろう」

「「おっしゃあ(やったー)!」」

 

まさかの結果にファングとアリンは声を上げて喜んだ。他のメンバーも驚きはしているが、笑顔を浮かべていた。

 

「よろしくお願いしますね。アポローネスさんは私やファングさんより年上で、お義兄様やお姉様達のように頼りになりそうですわ」

 

そしてハーラーさんは少し残念なところがありますしと付け足すティアラ。

 

「私のどこが残念だって言うんだい?」

「……! ハーラーという女人。そなたは私に近づかないでもらいたい。煩悩が刺激される」

「はい?」

「……(アポロが必死だ。まあ……ハーラーちゃんの格好がアレなせいだから、こうなってるだけなんだよな……うん)」

 

何故か顔を赤くするアポローネスにハーラーは首を傾げる。その理由を察したレイル。

 

「今晩はアポローネスの歓迎会だな。いっちょ腕を振るってやるか」

「この際だから、マリーの歓迎会も一緒にやりましょうか。昨日はなんだかんだで出来なかったので」

「……(コクコク)」

「そうなると宿に戻る前に買い出しもしねえとな」

 

料理担当が定着している3人……バハス、レイル、ホロンがそれぞれ頷き合う。

 

「俺、肉な! 思いっきり肉肉しいもんが食いてえ」

「肉肉しいって……」

 

ファングの注文に軽く呆れるアリン。そもそも『肉肉しい食べ物』なんてあるのだろうか?

 

「…お肉か。あるにはあるけど……」

「どうした? なんか難しい顔してるが……」

「いえ、ホロンが獲ったお肉なんですけど……いや、現物を見てもらったほうがいいですね。ホロン、アレ出してくれない?」

「……(こくり)」

 

何やら渋ってるレイルを見たバハスが訊く。とりあえず現物を見てもらった方が早いと感じたレイルはホロンに指示を出す。

 

「……(よいしょっと)」

 

そしてその小さな体からホロンは見るからに巨大な2本の角が生えた緑色の恐竜型モンスターを取り出し、その場に置いたのだ。

 

「レイルよ。こやつはヴァラファールではないか。まだ生きてるのか?」

「いや。死んでるよ。血抜きはしてあるし、魔法を使って綺麗な冷凍保存状態にしてあるよ。香草を摘んでたホロンにちょっかい出してきて、それを返り討ちにしたんだよ。ね?」

「……(コクコク)」

「相変わらずだな、お前も」

「……(ドヤァ)」

 

なんでもこのヴァラファールというモンスター、アポローネス曰く『ダスヒロウ平野』と呼ばれる場所に生息しており、それなりに凶暴なモンスターだとの事。

 

「……デカいな。兄貴、これ……食えんのか?」

「食べれるよ? 魚でいう大トロとか、色んな部位が食べれるモンスターだし」

「なんかワニが懐かしいね、ファング……」

「あったな、そんな事……」

 

そういえば前の世界で、レイルがワニを片手に宿屋に持ってきてたのをファングとアリンは思い出した。

 

「いっその事、このまま僕が宿屋まで持ってく?」

「レイ、それだけは止めなさい。大騒ぎになるわよ?」

 

マリアノの言う通り、この巨大なモンスターをそのまま大都市ゼルウィンズに持っていったら、大騒ぎになるだろう。

 

「そうなると、ここで部位ごとに分けて捌いちゃうか。ホロン、手伝って」

「……(こくり)」

「レイル、捌くのであれば私も手伝おう。セグロ」

「ぐるる」

「ありがと、助かるよ」

「お前らだけじゃ大変だろう。俺にも手伝わせてくれ」

「助かります。それじゃあ最初は……」

 

そしてバハスも加わり、レイルを中心にヴァラファールを捌き始めるのであった。




読んでいただきありがとうございます。
アポローネスも仲間になったよ☆(平和的な流れで)。
女神編だと、この時点で(もしくはルドケー溶鉱炉跡の攻略までに)ファングのレベルが36以上じゃないと仲間にならない彼ですが『戦わずに普通に仲間になった』という形にしました。
代わりに女神編では絶対に行かないダンジョンで、レイルとアポローネスとの一騎打ちを書きたいと思ってます(本音)
それから本来シャルマンがアポローネスを襲って出てくるんですが、まだ彼は出しません(少し違った感じにしたいので)
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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