フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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明けましておめでとうございます。
ゆるポメラです。
前回の続きになります。

ゴッドリプロダクトの回になります。

それではどうぞ。



第4話 封印されし女神と邪神、そして再会

「どうぞ。ここが縁者の宿屋、向日葵荘ですわ」

「おー、外観が僕好み。ここを建てた建築者はいいセンスしてるよ」

 

ティアラの案内で宿屋に着いたレイル達。風車も建てられており、例えるなら、『自然豊かな宿屋』とうのがレイルの第一印象だった。

 

「よし、手始めに三ツ星シェフの料理だ。次に三ツ星シェフの料理で、お次に三ツ星シェフの料理。そして最後に兄貴の料理でシメだ」

「あんたね……」

 

ファングの言葉を聞いて呆れるアリン。

…確かに以前、地下牢から脱出する際に、レイルが自分達にくれたお弁当を食べた時は美味しかったが。

 

「いらっしゃい。お待ちしていたよ」

「お世話になりますわ」

「なんだ? このおばちゃんは」

「さあ……?」

 

そして突然現れたおばちゃんに首を傾げるファングとレイル。ティアラが挨拶してる限り、この宿屋の関係者だろうか?

 

「この宿屋の女将さんで、私の縁者の方ですわ。お食事は彼女が作ります」

「……このおばちゃんが三ツ星シェフか?」

「そうは見えないけど」

「だよ……ね?」

 

まぁでも、案外見かけによらず、本当に三ツ星シェフだったりして。とレイルは内心思った。

 

「大丈夫。彼女の料理の腕は三ツ星レベルですわ」

「詐欺だ! お前、嘘ついたのかよ!」

 

ティアラから衝撃の事実を聞いたファングは不満な顔である。

 

「彼女の従兄弟のお嫁さんのお兄さんのご友人が三ツ星シェフです。つまり彼女も、ほぼ三ツ星シェフですわ」

「……ティアラ。それ、他人だからね?」

「しかも料理の腕と全くもって関係ねえ!」

 

レイルの言葉にそうだそうだ!と抗議するファング。

 

「おやおや、お兄さん、私が三ツ星シェフじゃないって疑ってるね? 私の名前は()()()()()()。つまり正真正銘のミツボシシェフさ」

「「なんだその小ネタは!」」

 

まさかのカミングアウトにレイルとファングは驚きの声をあげた。

その顔が見たかったとばかりに、ミツボはあっははと笑う。

 

「(でもまぁ……しばらくの拠点ができた事だし……いっか)」

 

とりあえず拠点は何とかなりそうだ。

ついでに後でミツボにキッチンを使わせてもらう許可をもらおうと思うレイルであった。

 

 

 

 

「話って、なんだ?」

「……ちょっと、目を瞑ってくださいます?」

 

話があるとティアラに言われて、彼女の部屋に呼び出された3人は開口一番に彼女にそう言われた。

 

「……ねえティアラ。ちゃんと説明はしてくれるんだよね?」

「はい。それは勿論」

「……ファング、アリンちゃん。とりあえず言われた通りに目を瞑ってくれない? ティアラが言ってるすぐ分かるっていう言葉は嘘じゃないと思うから」

 

今からティアラが何をするのかを解ってるレイルは念の為、彼女にちゃんと説明するのかを訊く。真剣な表情で返してきた彼女の目を見たレイルは、ファングとアリンに目を瞑れと指示した。一応、自分も目を瞑る。

 

「では……!」

 

すると唐突な浮遊感を感じた。どこか遠くへと引っ張られている。そんな感覚だった。

 

「うわっ! なんだこの感じ!」

「まだですわ! 決して目を開けないで!」

「ちょっと!?」

 

やがて謎の浮遊感は終わりを告げた。レイル達の足元には踏みしめられる地面があることを感じた。

 

「……もう良いですわよ」

「なんだってんだ……いった……い……!?」

「……(まさかまたこの光景を見る事になるとはね……)」

 

目を開くと見たこともないような枯れた大地に立っていた。周囲を見渡せばその目に映った存在に己の目を疑う。この世のものとは思えない超越した存在がそこには居た。巨大な闇の化身。無数の剣のようなものによって鎖付けにされその底知れぬ邪悪を封じ込められた怪物。巨大な光の化身。怪物と同じく無数の剣のようなものによってその身を貫かれ眠りに就いた美女。

 

「でっけえ……女……? 石像か」

「め、女神、様?」

 

ファングはその存在がどういうものか理解してないのか者が物に見えたようだ。逆にアリンはその存在の正体を見抜いた。

 

「! お分かりになりますのね……流石は妖聖。……の、端くれさんですわ」

「今はそんな軽口相手にしてらんないわ。どこよ? ここ。あたし達、どうやってここに来たの?」

 

アリンの疑問にティアラは、ここは時間と時間の狭間にある意識空間で平たく言うと、夢みたいなものだと答えた。

 

「……これは、私……いえ。()()()()()()()()()です」

「キュイ!」

「へ~。あなた、なんか凄い能力持ってるのね……」

「……(えー? アリンちゃん、納得しちゃうの?)」

 

ティアラが明らかに言葉を誤魔化したそぶりを見逃さなかったレイルは、その説明はどうなのか?と思った。

 

「ここはかつて女神が封印された空間。そしてあちらにいるのは……」

「……邪神!?」

「そう、邪神。かつて世界を滅ぼそうとしたと言われる邪悪なもの。現在は、体中に刺さった剣で封印されていますけど」

「ホントだ……微かに魔力の波動を感じる……死んではいないのね。それは女神も同じだけれど」

 

アリンが答える。もしそうだとすれば、女神もそうだが邪神も()()()()に近い状態なのだろうとレイルは推測していた。

 

「あー。よく見りゃなんか、トゲトゲがいっぱい刺さってんな。あれで封印されちまったのか」

「ええ。そして、そのトゲトゲもまたフューリーなのです。宿った妖聖は力を使い果たして消えてしまったけれど」

 

近くで見ても女神と邪神に刺さっている無数のトゲトゲの正体はフューリーであり、それに宿っていたと思われる妖聖の気配は無かった。

 

「かつてお互いを封印したフューリーも、全弾は命中しなかったようです。外れてしまい、人間界に残されたもの。それが……」

「あたし達のような妖聖とフューリーって訳ね」

「……(ま、例外もいるけどね)」

 

ティアラとアリンの言葉を聞いたレイルは、例外もあると心の中で呟いた。何せ、ホロン以外にも自分には()()()2()()という例外がいるのだから。

 

「ふ~ん。よくわかんねえけど、で、なんだってんだ? ここが」

「先ほど手に入れたフューリーを使い、女神に刺さった剣を抜きます」

「! ……それって、封印を解く、って事?」

「……ええ。そうです。女神様の封印を解きます」

 

どうやらソーヨル草原で手に入れたフューリーを使って女神の封印を解くらしい。

 

「おい! もうゴールじゃねえか! 俺はたらふく美味い飯を食わせてもらおう!」

「いや、1本や2本抜いたくらいじゃ復活しないでしょ……」

 

そんな訳ないでしょとファングに突っ込むアリン。

 

「ティアラ。フューリーを使うって言ってたけどさ、具体的には?」

「はい、中に宿る妖聖を、あちらのフューリーに移して起動させ、抜き取ります」

「なるほど。引っ越しみたいな事をする訳ね」

 

ティアラの説明をファングとアリンにも分かりやすく例えると、あーなるほどと言って理解してくれた。

 

「とにかく要はフューリーを集めて、中の妖聖に封印を解いてもらえばいいんだろ?」

「まあそうですわね。ああ、それと……封印を解こうとすると、何かが襲ってきますの。注意なさって」

「何かってなんだよ?」

 

いざ封印を解く作業を行おうとした手前、ティアラがそんな事をファングに言った。それを聞いて首を傾げるファング。

 

「多分……封印を守る防衛装置みたいなものかしらね」

「やっぱりあるんだね。そういうの。逆にない方がおかしいのかな?」

 

アリンの言葉にうな垂れるレイル。正直、防衛装置とかめんどくさい。

 

「そうですわね。なかなか手強い相手です。抜く時は気をつけてください」

「どんなヤツがいるか知ってんの?」

「その……残念ながら契約してる妖聖は無理なようです。パートナーとの絆が継続中だから、でしょうね」

「ふーん……な~んか怪しいわね。さも見てきたっていうか……罠とかじゃないでしょうね?」

 

アリンはじろりとティアラに疑いの目を向ける。

 

「私、そんな手は使いません!」

 

彼女はその視線にムッとしたのか声を荒げて言った。

 

「カモミールティーの件、忘れたとは言わせないわよ?」

「こ、細かい事はいいですわ! 女神を復活させるという目的は、あなたも同じなのでしょう。とにかく! 私達はフューリーを集めて女神の封印を解いていく! いいですわね」

「はいはい。2人共、喧嘩なら封印を解くのが終わってからにして」

「「うっ……はーい……」」

「……(やっぱ、兄貴ってスゲーな)」

 

アリンとティアラを仲裁するレイルを見て、ファングは色んな意味で凄いなと思った。

 

 

 

 

「ひゃ~、ほんとに襲ってきやがったな。てか、兄貴。素手で倒してたけど、手の怪我とかしねーのか?」

「別に素手で戦うのは何度かやってるし、鍛えて損はないからね。それにホロンが拗ねてたし」

「拗ねてた? なんで?」

「……あのちんぴらにお弁当を台無しにされたせいで、ご立腹だったみたい。よっぽど楽しみにしてたんだよ。やっぱあの時、×××(ピー)しておけば良かった……」

「「……((今後、兄貴(レイル)を怒らせないようにしよう))」」

 

ふぅ……と溜息を吐きながら物騒な事を呟くレイルを見て、ファングとアリンは彼を怒らせないように誓うのであった。

 

「キュイキューイ!」

 

キュイも喜びながら何故かレイルの肩に乗っている。

 

「……」

「? どうした兄貴? 難しい顔して」

 

倒した筈の3匹のモンスターを見て、何故かその場から動かないレイル。気になったファングが訊く。

 

「ファング、ちょっとあの真ん中のやつに向かって1回、剣を振ってもらっていい? 軽くでいいから」

「? ああ。分かった」

 

どういう意味か分からなかったファングは言われるがまま、真ん中のモンスターにめがけて剣を振った時だった。

 

「ギュオオオオ!!!」

 

痺れを切らしたのか、倒れてた筈のモンスター……ラクタバシャが雄叫びを上げながら起き上がった。

 

「……やっぱ死んだふりをしてたなあいつ」

「は!? 死んだふり!? まさか他のやつもか!?」

「ううん。他の2体は、ファングとティアラが生命エネルギー箇所を狙ってたから、完全に死んでるから大丈夫」

 

突進してきたラクタバシャの攻撃を回避しながら質問に答えるレイル。

 

「普通のモンスターと違うって事ですか!?」

「……多分。()()()()()()()()が正しいと思う。モンスターだってバカじゃないし、こいつの場合、他の2体と違って、ある意味、防衛装置という役割は果たしてるね」

 

ラクタバシャの連続攻撃を避けながら3人に大事だから覚えておきなよ?と解説するレイル。

 

「ギュ……ギュオオオオ!!!」

「! あのモンスター、魔法を全身に纏わせてる!? ファング、レイル、当たったらヤバいよ!」

 

レイルに攻撃が当たらない事に苛立ったのか、ラクタバシャは火属性の初級魔法、『バーン』を全身に纏わせ構えを取っていた。

 

「なぁ兄貴。あいつ、なんか……勝ち誇ってるように見えるのは俺の気のせいか?」

「気のせいじゃないと思う。あいつ、僕らが避けようが防御しようが関係ない攻撃をしようとしてるみたいだし」

 

最終的に周りは火の海になるだろうねと付け足すと焦り出すファングとティアラ。

 

「流石にあれは素手でだと難易度がちょっと高いかな。あいつ、ファングとティアラの攻撃を喰らっても耐えてたくらいだし」

「で、ですが、お義兄様。お義兄様のパートナー妖聖さんは……」

 

言いにくそうに拗ねてるから使えないのでは、とティアラが言うと、レイルは2人に微笑みながら安心させるかのように問題ないよと答える。

 

「それじゃあ行こっか。()()()()!」

「はーい♪」

 

するとレイルの隣に167cmの女性が現れた。その女性の姿を見たティアラは目を丸くした。

 

「う、嘘……お、お姉、様……?」

「「はあっ!?」」

 

ティアラの言葉にファングとアリンは驚きの声を上げる。確かに女性とティアラは似た服を着てるし、雰囲気もどこか似ていた。

 

「あーもう! レイ、どうしよ? ティアラを直で見たら泣きたくなっちゃった……」

「とりあえず、あれを倒してからね? 終わったらまた()()()()で話せばいいじゃん」

「そうだね」

 

そしてレイルとティルアは、ラクタバシャに向かって走り出した。

 

「ギュオオオオ!!!」

「ティルア、フェアリンク!」

「うん、フェアリンク!」

 

そう叫ぶとティルアの身体が輝き出し、レイルの右手に収まる。彼の右手には、水属性の刀身を帯びた片手剣が握られていた。

 

「ティルア!」

『アタックエフェクト『スプラッシュアサルト』』

「ギュオオオオア!?」

 

ラクタバシャの懐に入り込み、泳ぐように攻撃をするレイル。何とか攻撃から逃れようと試みるラクタバシャだが、それよりも先に渦潮の如くレイルの攻撃が襲ってくる為、逃げられない。

 

そして自身の目の前にレイルが現れる。

 

「さっさと終わらせて、みんなで晩御飯を食べたいんだ。ティルア!」

『アタックエフェクト『ティルアシュート』』

 

レイルの足元に集束した蒼色のボールのような物体が出現し、レイルはラクタバシャめがけてボールを蹴り放った。

 

「ギュオオオオア!?」

 

断末魔のような雄叫びを上げながら、ラクタバシャは蒸発しながら消え去った。

 

「「はい。おしまい」」

「す、すげぇ……」

「あの2人って一体……」

「……」

 

声を揃えて呟くレイルとティルア。それを近くで見てた3人から見ても今の戦闘は圧倒的だった。

 

「ティルア。2人で積もる話はあると思うけど、ご飯を食べてからでいい? 僕とホロンもお腹減っててさ……」

「うん。それでいいよ。私もお腹減ってるし。ティアラも……それでいい?」

「は、はい……」

「それじゃあ……三ツ星シェフの晩御飯を食べに行こうか。ね、ファング?」

「兄貴、思い出させるなよ……俺のがっかりファンタジーを……」

 

こうして封印を1つ解いた一同は、元の場所に戻って、宿屋の食堂に向かうのであった。




読んでいただきありがとうございます。

次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

最後にティルアのフューリー状態での基本形態の紹介になります。

基本形態:『ファイナルファンタジー10』のフラタニティ

こんな感じです。
今後、能力や魔法等も紹介しますので、
次回もよろしくお願いします。
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