フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
今回は定食屋で発生するガルドとマリサのサブイベント回です。少しオリジナルになっています。
それではどうぞ。
ソルオール村のフューリーも回収し、ガルドも仲間にした一行は大都市ゼルウィンズにある定食屋に来ていた。
「あらあら、ガルドちゃん、そんなに急いで食べるとむせちゃうわよ? ほらほら、お口のまわりが汚れてるわよ。はい、ふきふき」
「ん、おーきに」
「マリサ、ほんっとに
「母親と手間のかかる子供のようですわ」
ガルドの世話をするマリサを見て、アリンとティアラが口にした。
「お前、ガルドが小せえ頃から一緒に居るのか?」
「そうでもあらへんで」
ファングの疑問にガルドはそうでもないと答えた。
「ワイが
「今、何気に重い過去をちらつかせたわね」
「「「……(重いな(わね))」」」
アリンの呟きに、レイルとアポローネス、マリアノも何も言わないが同じ事を思っていた。
「10歳なら、まだ
「ほうか? でも10歳なら1人で生きていけるで。もう十分大人や」
それを聞いたティアラは随分とシビアな環境で生きてきたんだなと思った。
「この子は出会った頃なんて、まるで野良犬みたいだったのよ。子供とは思えない険しい顔をしていたの」
「へー、意外。今はこんなにへらへらしてるのに」
マリサの言葉を聞いたアリンが意外そうに言う。他のみんなも頷いていた。
「ちなみに2人の出会いは、どんな感じだったの?」
「ワイが腹空かせとったら、何でも願いが叶うっちゅーフューリーの噂を聞いたんや」
「なるほど。それで
「せやせや! 流石ダンナは、ワイの事よう分かってはるわ」
「そういえば、ファングも第一声が飯出せだったわね……」
「「「……(違和感ないな(わね))」」」
ファングの言葉を聞いて、アリンは自分の時もそうだったなと思い出した。レイルとアポローネス、マリアノも試しに想像してみたが……正直、違和感がなかった。
「そんなこんなで、よっしゃフューリーが抜けたー! 思ったら、マリサが出てきたんや」
「ご飯出せって言われた時は、驚いちゃったわ~」
「あー、分かるわその気持ち」
苦笑いしながら答えるマリサにその気持ちは分かると答えるアリン。
「飯の代わりに出てきたのが、口うるさいマリサやってん、ワイも驚いたわ」
「口うるさかったのか? 甘やかしてるみてえじゃねーか」
「昔はめっちゃ口うるさかったんや、これが」
ガルドはそう言うが、どう考えても甘やかされてるようにしか思えない。
「あの頃のガルドちゃんってば、とーっても不健康な生活を送っていたの。パートナーになったからには、まず生活改善をさせなきゃって燃えちゃったのよ」
「始めはウザかったんやけど、あんまり本気でワイの事を心配するもんやから、なんや情が湧いてまってなぁ」
「だんだん心を開いてくれたのよね、ガルドちゃん」
そして今のような感じになったという訳みたいだ。いい話である。
「……にしても10歳かぁ。
「そういやあったな。そんな事……」
「え、何それ?」
レイルとファングの呟きにアリンが気になったのか聞き返す。
「確かそれって、レイが色々と勉強になったって言ってた頃だよね?」
「そうね。それなりに楽しんでたくらいしか聞いてないけど……」
するとティルアとシャルがそう言った。パートナー妖聖である彼女達もレイルがその頃は色々と勉強してたとしか聞いてないらしい。
「そういえばファングとレイルって、どんな感じで知り合ったの? 前々から気になってたんだけど……」
「私もですわ」
「私も興味あるねー」
「ワイもや」
「確かに興味深いな」
「私も」
これには他のみんなも気になっていたいたらしい。何せ、ファングがレイルの言う事を素直に聞くくらいなのだから。
「なあ、兄貴。あの話してもいいのか?」
「んー? 僕は別に構わないよ? 隠す程でもないと思うけどね」
「ミューイ♪」
一応、レイルに話してもいいのかとファングは訊くが、当の本人は別に隠すほどでもないから平気といった感じで、自分の膝元でくつろいでるミュイを撫でながら質問に答えた。
「俺がまだ4歳の時に、兄貴が村にふらりとやって来たんだよ。そん時が最初だった」
「ファングさんが4歳なら……当時のお義兄様は……」
「8歳ね」
「は、8歳っ!?」
姉であるティルアの一言にティアラは驚きの声を上げる。他のみんなも驚いていた。
「そんで兄貴が村に滞在する事になったんだ。俺みたいな年頃のガキや赤ん坊の面倒を見てくれたんだよ」
「へー。ねえ、その時のレイルの身長ってどうだったの?」
「今と少ししか変わんねえよ。あー……でも、俺が6歳の時は今と同じ身長だったぞ?」
「……あんた、よくそれでレイルが年上だって分かったわね」
「雰囲気だよ、雰囲気!」
アリンの疑問に雰囲気や勘でレイルが自分より年上だと解ったというファング。なんとも彼らしい。
「んで、俺が6歳の時に、村の柵が壊れたと同時にモンスターが襲ってきちまった日があってな。大騒ぎになったんだよ」
「それで村の人達が混乱してた時に、1人の子供が石を投げて、モンスターの気を逸らしてくれたんだよ」
「ちなみにそのバカな行動をしたガキが俺な」
あん時の俺を殴りてぇ……と呟きながら、肩を落とすファング。
「それでファングが上手くモンスターを比較的安全な場所までおびき寄せてくれた後に、僕が仕留めたったって訳」
「へー、そんな事があったんだ……安全な場所で良かったわね、ファング」
「おい、アリン。兄貴は比較的安全な場所って言ってっけど、
「全然危ない場所じゃないの!?」
話を訂正するファングにアリンが突っ込む。
「そのモンスターを倒した直後にちょっとね。威力の加減をミスしちゃって、足場が崩れちゃってさ……流石に焦ったよ。ほんと」
「ええっ!? け、怪我とかしなかったんですの?」
「僕はちょっとだけ怪我しちゃったけど、ファングは無傷で済んだから、大丈夫だったよ」
のほほんとした表情でティアラの質問に答えるレイル。
「ファング。気になる事があるのだけれど」
「なんだよ」
「実際のところ、レイはどんな怪我をしたの?」
するとマリアノが先程の話で気になった事をファングに訊く。それを聞かれたファングはやっぱりそうなるかと肩を落としながら……
「……俺が無傷だったっていうのは本当だが、兄貴は両腕を骨折しちまったんだよ」
「は?」
「だから、両腕骨折だよ」
ファングの口から衝撃の事実が放たれた。マリアノだけでなく、全員が目が点になった。10歳の子供が6歳の子供を助けて両腕骨折である。ちょっとではない。大怪我じゃないか。
「まぁ……そこからちょっと独自の治療をして両腕を治したって感じかな」
「しかも兄貴、治療してる間、普通に足だけで生活してたよな……」
「だって落ち着かないし、当時は体が鈍ったら嫌だったんだもん……」
ちなみにレイルが両腕に赤いリボンを巻いているのは、両腕骨折をした時に活動してた際の感覚を今でも忘れないようにしてる為だとの事。
「お陰で足で包丁を持って、料理もできるようになったんだよ。今は普通に両腕使えるから、やらないけど」
「それはそれでなんか凄い!?」
サラッと凄い事を言うレイルに突っ込むアリンなのであった。
読んでいただきありがとうございます。
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本日はありがとうございました。