フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

エフォールと果林、遭遇回です。
あの単語だけで翻訳できる果林ちゃん凄いなって思った……

それではどうぞ。


第5話 シャイでアンチキショウな暗殺者

女神の封印を1つ解いた翌日。

 

「いらっしゃーい! お兄ちゃん達、今日も来てくれたんだね」

 

フューリーを集めるのに必要な情報を買う為、ファングの案で広場にやって来たレイル達。そこにはリュックサックを背負った金髪の幼い少女が居た。

 

「そっちの()()()()()()は初めましてだね。情報屋さんのロロです!」

「こんな小さな子が、情報屋……!? 危険な目に遭ったりするのでは……?」

「ティアラ。情報屋っていうのは、相当な実力がないとやってけない仕事だから、この子の場合は心配しなくてもいいと思う」

「大丈夫大丈夫! そっちの()()()()()の言う通り、あたし、結構強いんだよ!」

 

そしてレイルが自分は男だとロロに訂正すると、ロロは興味深そうな表情でまじまじとレイルを見た。

 

「へ~。じゃあ、お兄ちゃんが()()()()()かあ~……」

「……君が僕のどの噂を言ってるのかはさておき、情報が欲しいんだけど?」

「はいはーい。じゃ、お値段はこちらになりまーす」

 

ロロから提示された情報代を確認する一同。

 

「高っ。昨日も払ったんだぜ? ちょっとは負けようって気はねえのか」

「ファングさん、お支払いしましょう。子供相手に値切るなんて、大人のする事ではありませんわ」

 

あまりの値段に不満なファングだが、ティアラが全額払うと言った事に驚く。

 

「なんだよ、お前なんて一番文句言いそうじゃねえか」

「へええ~意外と優しいところあるんだあ~」

「か、からかわないで下さい。私はただ、当然の事を言ったまでですわ」

「こらこら。ファング、アリンちゃん。あんまりティアラをからかわないの。ティアラは照れ屋さんな部分もあるから、程々にしてあげなよ?」

「そうだよ。ティアラは昔から変なところで照れ屋だから、程々にね?」

「「はーい」」

「お義兄様!? お姉様まで!?」

 

フォローしているようでフォローしてないレイルとティルアに地味にショックを受けるティアラ。

 

「毎度あり~! フューリーは、クラヴィーセ洞窟のどこかにあるって話だよ」

 

ロロからフューリーの情報を貰った一同は街中を歩きだすのだった。

 

「そういやまた目的地に向けて探索するのか……めんどくせえなあ」

「仕方ないでしょ? ほら、行くよ」

 

めんどくさそうに答えるファング。それは仕方ないでしょと言うアリン。

 

「……それにしてもクラヴィーセ洞窟か。暗さ加減が前と変わってなければいいんだけど。一応途中でランタンか何か買って行こうか」

「それもそうだね」

「? お義兄様とお姉様はクラヴィーセ洞窟に行った事がございますの?」

 

気になったティアラがレイルとティルアに訊いた。

 

「昔、()()してた時や今みたいに旅をしてる時にね。モンスター自体はそんなに強くないけど、あの場所って毎回入る度に暗さが変わるから」

「それでレイが洞窟に行く際は、念の為に携帯型のランタンを2つか3つくらい買って行こうって」

「使わなかった分は、旅してるの時に何かに使えばいいし」

「な、なるほど……」

 

用意周到な理由を聞いて、感心するティアラであった。

 

 

 

 

「着きましたわ。さあ、お2人のお手並みを拝見いたしますわよ」

「何よ偉そうに。どんだけ上から目線なのよ」

「あらごめんあそばせ。私おチビのアリンさんより背が高いものですから」

「身長の話してんじゃないの。精神的な話! あんた絶対分かって言ってんでしょ!」

 

クラヴィーセ洞窟に着いて早々、ティアラとアリンの喧嘩が始まった。この2人はもしかして犬猿の仲なのだろうか?とレイルとティルアは見てて思った。

 

「……なんだろ、すっげー疲れる」

「ファング。ああいうのは今の内に慣れておかないと、この先もっと大変だよ? はい。僕とホロンの手作りアイスキャンディーあげるから、元気出しなよ」

「……(スッ)」

「……あー、サンキュな。……うまっ!」

 

レイルの肩に乗ってたホロンがファングにアイスキャンディーを渡す。

何故かホロンの顔が形になってる水色のアイスキャンディーだった。口にすると爽やかな味で、心なしか疲れも取れる感じがした。

 

「殺、殺殺殺……」

 

その様子を憎々しく睨む者がいた。

 

「……(ツンツン)」

「ん? うん。確かに誰かが僕達を見てるね。別に放っておいていいんじゃない? みんなー、誰かさんが僕らを見てるから注意してねー?」

「誰かって、誰ですの?」

 

気配に気づいたレイルとホロン。そしてレイルは敢えて相手に聞こえるような声でファング達に注意した時だった。

 

「殺。殺殺殺殺、殺殺」

 

現れたのは、フードを被った陰気な雰囲気を纏った少女。その隣には、和服に割烹着のような出で立ちをした白銀の狐耳の少女。

 

「こんにちは。こちらはエフォール。そして私はパートナー妖聖の果林(かりん)と申します」

「……(あの子、律儀だなあ。暗殺者っぽいあの子も根は絶対に良い子だな……)」

 

明らかにフードを被った少女が暗殺者っぽいのに、律儀に自己紹介をする彼女のパートナー妖聖は凄いなとレイルは思った。

 

「殺。殺殺殺殺殺、殺殺」

「てめえらフェンサーか。男女でイチャつきやがって。私はてめえらみたいな恋愛脳ヤローが大っ嫌いなんだよ、とりあえず死ね。と、エフォールは申しております」

「ええ!? 色々ツッコミどころはあるけど、その二文字にそんな意味が含まれてんの!?」

 

エフォールの口調の意味に驚愕するアリン。

 

「……(プンプン)」

「……何? 自分もあの子のような素敵な人とデートしてみたいだって? それ本気で言ってんの?」

 

レイルの肩で地団駄を踏みながら、果林を指差しつつ、何かを訴えるホロン。それを訳すレイル。

 

「……(シューン)」

「だってこんな辛気臭いクラヴィーセ洞窟のイメージを覆す女神とその担い手が目の前にいるんだよって? 要は絵になるって事ね、それは僕も分かる」

「……(ハァ)」

「ほんと自分も()()()()()()や、あそこにいる果林ちゃんのような素敵な人と一度でいいから、お出かけとかしてみたいなって? ……それクララにどこかで会った時に言わない方がいいよ。クララが自信無くす」

 

ホロンの言い分に呆れるレイル。試しに果林の方に視線を向けると……

 

「~~~~~っ!」

 

何故か顔が少しだけ紅くなっていた。

 

「で、なんで殺殺言ってんだよ」

「ファングさんいけませんわ。きっと深い事情がありますのよ。そうでなければ、こんな恥ずかしい喋り方をする筈がありませんわ」

「確かにどんな理由かは分からないけど、可哀相に……」

「……」

 

エフォールの喋り方にティアラが気の毒そうに言う。アリンも同情的な目線をエフォールに送った。

 

「ちなみにエフォールがこのような喋り方なのは、お話するのが恥ずかしいシャイなアンチキショウだからです」

「……それってただの照れ屋さんじゃん」

「…………殺っ!」

 

果林の言葉を聞いたレイルが決定的な事を言うと、エフォールは逃げるように洞窟の中に消えていった。

 

「ああっ! 待ってくださいエフォール!」

 

そして果林もエフォールを追いかけていった。

 

「なあ兄貴、なんだったんだアレ……?」

「さあ? 照れ屋な暗殺者だったんじゃない?」

 

 

 

 

クラヴィーセ洞窟の奥まで進んだレイル達は、突き刺さったフューリーを見つけた。

 

「フューリー発見! いただきー」

 

アリンが笑顔でフューリーを取りに向かうと……

 

「殺、殺殺殺」

「あ、また出た」

 

先程のシャイでアンチキショウな暗殺者、エフォールがアリンの行く手を阻んだ。

 

「さっきはよくもバカにしたな。絶対に許さないし殺すから覚悟しろ。とエフォールは申しております」

「来やがったな。で、何の用だ?」

「殺っ!」

「だから殺すって言ってんだろうが!とエフォールは申しております」

 

ファングの疑問に果林がエフォールの言葉を翻訳する。

 

「ところでエフォール、もう少し女の子らしい言葉遣いをしたらどうでしょう。せっかく可愛らしいお顔なのですから」

「……言葉遣い以前の問題でしょうに。つうかさ……」

 

やれやれと溜息を吐くレイル。そして……

 

「……そういう風に育てられたのか、わざと言ってるのか知らないけど…………あんまり調子に乗るなよ、小娘」

「「「「「っ!?」」」」」

 

いつも以上の低い声でエフォールに呟くレイル。突然の変化にティルア以外の全員は背筋に寒気を感じた。

 

「レイ、手を貸そうか?」

「要らない」

「うん、分かった。それじゃあ私達は観戦でもしてましょ」

「おい!」

「ちょっとティルア!?」

「お姉様!?」

 

まさかの言葉にファングとアリン、そしてティアラはティルアへ非難めいた視線を向けた。だがしかしティルアは3人の視線を受けながらも、レイなら大丈夫だからと言い張る。

 

そしてレイルは指でちょいちょいと来いよとエフォールを挑発した。

 

「……殺」

 

その行動が気に障ったのか、エフォールはレイルに鎌を振り下ろそうとするが……

 

「っ!?」

 

その刃は届かず、何時の間にか彼の頭に居たホロンに()()()()をされていた。鎌に力を籠めるエフォールだが、うんともすんとも言わない。そしてレイルが鎌の柄部分に手に取り、エフォールごと空中に投げ返した。

 

「殺!」

 

壁にぶつかる寸前に、エフォールは受け身を取り、態勢を整えて自身の武器を鎌から弓に変形させレイルに狙いを定めるが……

 

『! エフォール、後ろです!』

「っ!?」

 

果林の警告にエフォールは反射的に、身体を横に避ける。襲ってきた攻撃の正体は地面に当たると速度は保ったまま跳ね返り、なんとホロンの手に収まった。先程の攻撃の正体はホロンの基本形態の武器だった。

 

「……パートナー妖聖の警告がなかったら、心臓貫通して死んでたよ? 君」

「……(コクコク)」

「ごめんね、ホロン。いきなり()()調()()とかさせちゃって」

「っ!?」

 

レイルの威力調整という言葉を聞いたティルア以外の全員が耳を疑った。この言い方から察するに、レイルはエフォールを殺す気でいたのは確かだが、そうさせないようにしたのは彼のパートナー妖聖であるホロンという事になる。

 

「さてと……」

 

ゆっくりとエフォールに近づくレイル。目の前の人物とそのパートナー妖聖の強さは明らかに異質で自分とは違う……殺されると思った彼女だったが……

 

「フューリー、取ったど~」

「……(パチパチパチ)」

「殺?」

 

何故か彼は、エフォールをスルーして目的物であるフューリーを取って仲間達の元に帰ろうとしたのだ。

 

「殺、殺殺!」

「おい! なんで私を殺さないんだ!とエフォールは申しております」

「? だって君、子供じゃん……今くらいのお仕置きで充分だよ」

 

レイルの口から『今くらいのお仕置き』という言葉を聞いて、ファング達はいやいやいや!?と首を何度も横に振っていた。あんな物騒なお仕置きがあってたまるか!と口にしたかったが、言えなかった。

 

「……(スッ)」

 

するとレイルの頭に乗ってたホロンがエフォールと果林の前に降りてきて、2人にアイスキャンディーを渡した。ホロンの顔が形になってる水色のアイスキャンディーを。

 

「これを……私達にくれるんですか……?」

「……(コクコク)」

「……そう言ってくれる人なんて、初めてです。エフォール、ここは一旦退きましょう。では皆様、また会う日までごきげんよう!」

「殺」

 

そう言い残すと、エフォールと果林は洞窟の外へと消えていった。

 

「……(結局、さっきの暗殺者はなんだったんだろ? まぁ、1つだけ分かったのは、ホロンがまた他の妖聖の女の子に好かれたって事ぐらいか……)」

 

未だにバイバイしてる自分のパートナー妖聖の姿を見て、やれやれと思うレイルであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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