フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~ 作:ゆるポメラ
今回は向日葵荘で発生するエフォールと果林の会話サブイベント編です。少しオリジナルも入ってます。
楽しんでいただけると幸いです。
それではどうぞ。
定食屋でピピンと遭遇し、向日葵荘に戻ってきた一行はそれぞれ自由時間を過ごしていた。
「果林ちゃん、もっと近くに来てくれないとよく調べられないな。さあ、怖がらないでこっちに来るんだ」
「うう……はい」
「ふむふむ、人型獣耳付きタイプか。可愛い……じゃない、実に興味深い」
「今、可愛いって言いかけなかった?」
「ハーラーちゃん、思いきり可愛いって言いかけてたよ」
ハーラーと果林の様子をたまたま見てたアリンとレイルが突っ込む。そしてファングもその光景を見て何やってんだあれ?と2人に訊く。
「ハーラーの妖聖調査よ。仲間になった妖聖が越えなきゃいけない試練。通過儀礼みたいなものね」
「…通過儀礼って。ああ、だからセグロだけじゃなく、クララやマリさんにも似たような事をやってたんだ……」
「調査ぁ? 楽しんでやってるようにしか見えねえな。マッドサイエンティストの顔だろ、あれは」
現にハーラーは活き活きとした表情をしてるのは確かなのだが。
「おい、ハーラー、そろそろ解放してやれ」
「はいはい。それじゃあ、最後に髪の毛を一本貰えるかな?」
「分かりました。……つっ、はい、どうぞ」
バハスにそう言われ、ハーラーは果林から髪の毛を一本貰った。
「髪なんかどうするんだ?」
「研究に使うんだって。あたしも髪の毛提供したわ」
「あー、渡してたね。そういえば……」
「研究?」
前の世界でもそうだったが、アリンがハーラーに髪の毛を提供してたのをレイルは思い出した。
「妖聖にはまだまだ未知の部分が多い。毛から細胞を採取して、より詳しく調べるのさ」
「凄いですねー」
「私の自慢のコレクションさ。フフフ、グフフフフ……」
「ちょっと気持ち悪いです……」
これには果林もドン引きである。
「これまでに会った全ての妖聖の毛を保管してるよ。あ、ちなみに
「「「…………」」」
「おい、何故そこで俺を見る」
毛がないタイプの妖聖と言われ、レイルとファング、アリンの視線はバハスに向く。
「おお、まさかのバハスオチだな!」
「……(そこは言っちゃうんだ……)」
笑いながらオチを言うハーラーに苦笑いするレイルなのであった。
◇
「……
「さっき定食屋で食べたばかりじゃないか」
レイルが食堂で紅茶を1人で飲んでるとエフォールがやって来た。開口一番がこれである。ちなみに何故エフォールがレイルの事を『お兄ちゃん』と呼んでるのかと言うと……
『……ファングやティアラがそう呼んでたから。あと雰囲気』
という事らしい。
まあレイルからすればエフォールはまだまだ子供だが。逆に身長はエフォールの方が少し高い。
「だって、みんなで食べると美味しい……。みんなが教えてくれたから、ご飯の時間が好きになった」
「それは何より。ところでエフォールって、好きな食べ物とかないの?」
「好きな食べ物……よく分からない……」
なんでもエフォールは特別好きな食べ物がない……というより、分からないとの事。
「まあ小難しい質問をしてもアレだから、とりあえず先に作っておいたおやつをエフォールに進呈しよう」
そう言ってレイルは冷蔵庫の中から、予め作っておいたプリンを取り出し、お皿に乗せた後、アイスや果物、仕上げに生クリームをかけてエフォールの元に持っていく。ついでに自分のも。
「今日のおやつは、特製プリンアラモードだよ。アイスも入ってるから、溶けないうちに食べて?」
「……いただき、ます」
プリンアラモードを口にするエフォール。すると彼女の瞳がキラキラと光った……気がした。
「……おい、しい」
「それは良かった。多めに作ってあるから、食べ過ぎない程度だったら、おかわりしてもいいよ?」
「っ!」
その言葉を聞くとすごい勢いで食べるエフォール。この様子だと、好きな食べ物が早速できたようだ。
◇
「あ、レイルさん」
「果林ちゃん。なんか嬉しそうだね。どうしたの?」
エフォールとおやつを食べ終わったレイルが宿内を歩いてると、果林とばったり遭遇した。しかもなんか嬉しそうだ。
「エフォールが穏やかな表情をするようになったんです。それが嬉しくって」
「そうなんだ。あ、さっきまで一緒におやつを食べてたんだけど、瞳の奥がキラキラしてたよ? なんかプリンアラモードが気に入ってくれたみたいでさ」
「まあ。そうなんですか?」
「うん。今は食堂でスイーツの料理本を熱心に読んでるよ」
あの様子だとスイーツ作りに興味を示すかもねと付け足しながら、レイルは果林に教える。
「時に果林ちゃん?」
「はい?」
「ぶっちゃけ、ホロンの事どう思ってるの?」
「……!!!!」
前から気になってた事を真顔で訊くと果林はレイルの予想通りの反応をしてくれた。その証拠に彼女の顔が紅くなっている。
「呼んできてあげようか?」
「い、いえ、だ、だだだ……大丈夫です!」
「そう? まあ、頑張ってね」
「あう……は、はい」
「……(何? この可愛い生き物ならぬ妖聖は……)」
恥ずかしがる果林を見てレイルは、クララとは別の意味で何この可愛い妖聖と思うのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。