フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第61話 地への回廊で蒼き疾風と再会した

ロロからの情報により、次のフューリーは地への回廊にあると聞いた一行は、地への回廊にやって来た。

 

「なんだろ、羽がムズムズする……」

「背中が痒いなら、かいてやろーか?」

「バカ、そういうんじゃないわよ。でもなんだろ、強いフェンサーが居る、そんな気がする」

 

アリンのその一言にファングはそんな特技があったなら先に言えよと愚痴る。

 

「まあ、何が来ても、俺様の敵じゃないけどな!」

「油断しないでください。ここは古の塔、何が出てくるかわかりませんわ」

「そうだ。ここはドルファもまだ突き止めていない場所だ」

 

ティアラ、アポローネスが言う。

 

「いっその事、この塔ごと崩壊させて、フューリーを持ち帰るっていう手もあるけど?」

「レイ、縁起でもない事を言うの止めて頂戴」

「冗談だよ」

「真顔で言われても困るのだけれど……」

 

真顔でマリアノに返すレイルを見て一同は、どこまでが冗談なのだろうか?と思いながら先に進むのであった。

 

 

 

 

「ね、ねこが~……も、もじゃもじゃが~……」

「なんだ、こいつら?」

 

少し先の広場に辿り着くと、複数の人間が倒れていた。

 

「フューリーは奪われてるけど、フェンサーだよ」

「どなたかに倒された後ですわよね……」

 

どうやら倒れてた人間はフェンサーだった。幸い、フューリーを奪われただけで死んではいないようだ。

 

「この傷、()()()()によるもの……デキる!」

「…………♪」

 

驚くアポローネスに対して、エフォールは逆にウキウキしているが。

 

「それにしても……素手、ねえ……」

 

レイルにはなんとなくだが、心当たりがあった。それはこの倒れてるフェンサーの口から『ねこが……もじゃもじゃが……』という言葉だった。

 

とりあえずこの倒れてるフェンサーを壁際に寄せて、一行は奥に進む。

 

 

 

 

「ん……? なんだこれ……進めないぞ?」

「そんなおバカな事が……あら? 見えない壁がありますわ」

 

地への回廊の最下層と思われる場所まで辿り着く。少し歩くと何故か見えない壁が阻まれていた。

 

「何かの仕掛けかしら。……ちょっと調べてみましょう」

「あー、めんどくせえ……アリン、来い! この見えない壁をぶっ壊してやる!」

「え……? それは幾らなんでも乱暴すぎないかな?」

 

2人のやり取りを見てレイルは正直、どっちの意見も一理あるなと思ったが……

 

「他に方法がない訳だし、別にこの壁をぶっ壊しても問題ないと思うよ。ファング、やるなら思いきりやっちゃって」

「おう! フェアライズ!」

 

必殺の鎧を纏ったファングは見えない壁に向かって剣を叩き込む。すると見えない壁は脆くなったガラスのようにパリンパリンと音を鳴らしながら砕け散った。

 

「よし! 行くぞ!」

 

フューリーフォームを解除したファングの言葉を合図に奥に進む一同。

 

しかしそこには先客が居た。

 

「む……貴公は、いつぞやの、タカりフェンサーか?」

「ピピン、なんでお前がここに……?」

 

なんとその正体はピピンだった。まさかの人物に驚くファング達。ちなみにレイルは定食屋の時と同じく敢えて気配を消してる。

 

「世直しの為である! 巷には粗暴なフェンサーが溢れておる。我が輩はそのような輩を懲らしめながら、全国を行脚しているのだ」

「……(過去に戻っても、ピピンって変わらないな)」

 

逆に前の世界と同じく変わってなくて安心感を覚えるレイル。

 

「そして、この塔のフューリーが悪用されぬように、()()を施すつもりであった。だが……」

「まさか、あなたのような方がピピンの作り出した壁を破壊してやってくるとは思いませんでした」

 

ピピンの隣に立ってる青年、ソウジが言った。

 

「貴方もフェンサーですのね?」

「ティアラ、ちげーよ。変な生き物の方がフェンサーだ」

「ほう……青年よ。もう貴公をタカりとは呼ばん。我が輩がフェンサーだと見抜いたのは流石である」

 

ソウジがフェンサーだと勘違いしているティアラにファングが訂正する。それを聞いたピピンが感心したように言う。

 

「嘘……こっちの紳士然としたイケメンの方がフェンサーではありませんの?」

「はい、私は妖聖のソウジと申します。そして、こちらに控えるピピンの方がフェンサーなのです」

「ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

衝撃の事実に驚きの声を上げるティアラ。

 

「ひょえええ……そんなんありか!?」

「なるほど……そういうパターンなのだね。どう見ても逆にしか見えないけれど」

 

これにはガルドとハーラーも驚いていた。

 

「人間、見た目より中身が肝心と知らんのか? もっと見る目を養うがいい!」

「不覚……私にも見抜けなかった」

「私も分からなかったわ……普通、どんなに目を養っても無理な気がするけど」

「……そう? 私分かったけど……」

 

アポローネスとマリアノも同じ反応である。しかし意外にもエフォールは分かってたようだが。

 

「へー、エフォールはピピンがフェンサーだって分かったんだ? 凄い凄い……」

「へ、陛下!?」

「やあ、ピピン」

 

そしてレイルがエフォールを褒めながら何気なくピピンに声を掛けると、予想通りの反応をしてくれた。

 

「い、いったい何時から……」

「君が定食屋でファングにタカり云々って説教してくれた時からずーっと居たよ? 目を養うのも大事だけど、気配を完全に消してる人間を見つける事も視野に入れてほしいね?」

「ま、まさかあの時から、陛下がいらっしゃったとは……我が輩とした事が……」

 

気づかなかった事に軽く肩を落とすピピン。

 

「という事で、俺はお前の正体を見破った。だから、フューリーをよこせ」

「その厚かましいほどの心意気やよし! 気に入ったぞ、青年。だが、断る! 時に陛下。我が輩と1対1の手合わせをしていただけませぬか?」

「僕と?」

「何……!? 兄貴とピピンが戦う事になるのかよ……」

 

ファングが驚きの声を上げる。

分かっていたが、簡単にはフューリーを渡してくれないようだ。というか、まさか自分と1対1の手合わせを要求してくるとはレイルも思ってなかったが。

 

「思えば最後に陛下と手合わせしたのは、陛下が6()()()()でしたな。フェンサーとしての資質が気になりましてな」

「あー、そんな事もあったねー。それでピピンが納得したら、フューリーをくれるの?」

「それは勿論。我が輩の興味本位ですゆえ」

 

とんとん拍子で話が進んでいきながら、2人は広場のような場所に向かい合い、互いに距離を取る。

 

「ホロン、ティルア、シャル、ミュイ」

「……(コクコク)」

「「フェアリンク!」」

「ミューイ!」

 

自分のパートナー妖聖とフェアリンクをする。妖聖は光となりレイルの元に集まる。

 

「お義兄様1人で、大丈夫なんでしょうか……」

「大丈夫さ。兄貴なら」

 

ファング達が見守る中、広場の空気だけがピリピリと伝わるのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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