フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はカダカス氷窟のフューリー回になります。

それではどうぞ。


第7話 カダカス氷窟は寒いよ

ヤタガン溶窟のフューリーを回収してから数日。

 

「ふあぁぁ……。なんだよ、いきなり叩き起こしやがって……」

「全くよ……お肌が荒れたら、どーしてくれるの。寝不足は美容の敵なんだから」

 

人がいい気持ちで寝てたのに。とファングとアリンが欠伸をしながら言った。何があったかと言うと、2人はティアラに朝早くに起こされたのだ。

 

ちなみにレイルはいつも通り、早めに起きたが。

 

「その程度の顔、多少のお肌の善し悪しなど関係ありませんわ」

「はあ……? あんた朝っぱらから喧嘩売ってんの?」

「何が朝ですか。まっとうな人間なら、もうとっくに起きて働いてる時間です」

 

朝から早々に火花を散らすアリンとティアラ。

 

「ったく、これだからクソ真面目は。ほんの少しくらいサボる事を覚えねえと人生が味気ないぜ?」

「そうそう、ほんのちょっと二度寝したって……って、危ない、危ない。あたしまで流されちゃうところだった」

「……(それにしては、アリンちゃんもファングに似てきた気がする)」

 

口には出さないが、アリンもなんだかんだ言ってファングに似てきたなとレイルは思った。

 

「全くお二人に合わせていたら、いつまで経ってもフューリーは集まりませんわ。さっさと支度してください!」

「……ところでティアラ? ちょうど今フルーツゼリーが完成したところなんだけど。食べる?」

「はい♪ 頂きますわ♪」

「「いや、食べるんかい!」」

 

レイルの一言で、ティアラの行動が変わる事を突っ込むファングとアリンだった。

 

 

 

 

「ヤッホー!」

「ごきげんよう。何かオススメの情報はあるかしら?」

「ご希望やお好みに合わせて、色々用意できるけど、そこはそれ、お金次第ね」

 

広場に行き、ティアラがロロに訊くと、彼女はお金次第で色んな情報が用意できると答えた。

 

「相変わらず露骨ね」

「あたし、お金しか信用してないの。お金大好きなんだもん」

 

ピカピカ光って綺麗だし、チャリンチャリンって、いい音するしと話すロロ。

 

「あたし的にはね、金って書いて、愛って読むんだ」

「……程度によるけど、その価値観の人はいると思うから、いいんじゃない?」

 

まあ、流石にロロくらいの歳で、その価値観になる人はそんなにいないと思うレイル。

 

「ちなみに極上のフューリーの情報があるよ?」

「では、それを頂きますわ」

「おっと、その前に。お金ちょーだい」

 

情報料金をロロに払うティアラ。

 

「まいどありー♪ カダカス氷窟にあるって話だよ」

「カダカス氷窟かぁ……カダカス山脈の中腹にあるあそこか」

 

ロロから情報を教えてもらい、地図を広げるレイル。

カダカス氷窟は、大都市ゼルウィンズの北部にあるカダカス山脈の中腹にある氷穴である。

 

「そうなると、アレとアレが必要かな。ロロちゃんありがと、行ってみるよ」

 

お礼を言うとロロは満面の笑みでまた来てねー、とレイル達に手を振った。

 

 

 

 

「はっくしょん! くしゅん! くしゅん! くしゅん!」

 

山脈の中腹にある隠しの入口を見つけて、カダカス氷窟へ入るとアリンが大きなくしゃみをした。

 

「……ねぇ、ちょっと寒くない?」

「ああ。つーか、異常に寒いぞ」

 

アリンの言葉に、長袖系の服を着ているファングですら僅かにその身体は震えていた。

 

「さむいさむいさむいさむい~!!」

「き、気のせいです。さ、寒いと思うから寒いんですわ」

「地面も壁も完全に凍ってるぞ。これでも気のせいか?」

 

ティアラも意地を張っているのか、寒くないと言っているが震えているのは確かだった。

 

「……おかしいなあ。前に来た時は()()()()()()()()()寒かったのに。そう言う意味では、今日はラッキーかな」

「「「え?」」」

 

レイルの呟きにファング達は目が点になった。

その例えの寒さを想像する。考えるだけで別の意味での寒さが襲ってきた。

 

「て、てか……兄貴は寒くないのかよ?」

「うーん、前に来た時の寒さに慣れちゃったから、そんなに寒くないよ? ただ風邪はひきたくないから、宿に戻ったらお風呂に入りたいなとは思ってるけど」

「いや、慣れで済む問題か? それ……」

 

着ている服装が軽装に近いレイルを見て、ファングはそれって慣れでなんとかなる問題か?と思った。

 

「そうそう。この洞窟内を歩く時は3人共、足元には気を付けなよ? ツルツル滑るから」

 

ファング達に注意事項をしておくレイル。カダカス氷窟は、寒いのも勿論だが、特に移動する際は気を付けねばならない場所でもある。

 

「具体的にはそうだなぁ……あ。いいところに」

 

近くにいた巨大カマキリの足元に向かって、石を投げた。すると巨大カマキリはレイルが投げた石によって転んでしまい、完全に動かなくなってしまった……

 

「……とまぁ、あんな風に頭を打って死んじゃう可能性もあるから、足元は特に気を付けるんだよ?」

「「「は、はーい……」」」

 

今の光景を見せられた3人は、確かに足元には気を付けなければと思ったのだった。

 

 

 

 

「見て! あのモンスターの体の中、フューリーよ!」

 

カダカス氷窟の奥へとたどり着いたレイル達の前にボスと思われるモンスターが居た。アリンがモンスターの体の中にフューリーがあるのを発見した。

 

「あの貝みたいなモンスターを倒せば、フューリーが手に入りそうだね」

「とっとと終わらせて、帰ろうぜ。兄貴が言ってた通り、俺は早く風呂に入りてぇ。寒くてたまんねーから」

「それには同感ですわ」

 

そう言って3人は、貝のようなモンスター……フィルンバクトリテスに斬りかかったが、堅い殻を前に弾かれてしまう。

 

「「『フェアライズ』!」」

 

ファングとティアラはフェアライズと叫ぶ。すると2人の身体に必殺の鎧が纏われた。ファングは深紅の赤の鎧、ティアラは水色の鎧を。これはフューリーフォームと言い、自身の身体能力だけではなく、パートナー妖聖との力を最大限に引き出す事も可能な必殺技でもある。

 

「ギ、ギ、ギィィィィィィ!」

「ぐっ! こいつ……!」

「私達の攻撃を……っ!」

 

フェアライズした2人の攻撃をフィルンバクトリテスは鋭利な爪で受け止める。するとフィルンバクトリテスは大きな巨体を回転させ、ファングとティアラをふっ飛ばした。壁に激突する前にレイルが2人をキャッチして受け止める。

 

「よっと。2人共、大丈夫?」

「ってえ、わりぃ、兄貴。助かった」

「助かりましたわ、お義兄様」

 

フェアライズしてた為、致命的なダメージは受けていないファングとティアラを見て、安心するレイル。

再びフィルンバクトリテスを見る。2人が当てたと思われる攻撃箇所の堅い殻を観察すると、目立った傷はなく、フィルンバクトリテスからすれば、さっきの攻撃は掠り傷にも感じてない筈。

 

「ファング、ティアラ。あのモンスターは多分、物理攻撃……特に斬撃系は効かないと思う。後は多分……この寒さも関係してる筈」

「「っ!!」」

 

それを聞いたファングとティアラはハッとした。

レイルが言いたいのは、この洞窟内の寒さによって、自分達の身体能力が下がってるという事だ。現に今も寒さの影響なのか、体力の消耗が激しい気がするのだ……

 

「ああいう巨大貝みたいなモンスターは、対策が限られてるんだ。とりあえず、ファングとティアラには……」

 

そう言うとレイルはファングとティアラにゴニョニョと小声でフィルンバクトリテスの対策を話す。

 

「え? そんな単純な事でいいのか?」

「成功するイメージが浮かびませんわ……」

「とりあえず僕があいつを壁際まで、ぶっ飛ばすから、直ぐ動けるようにお願いね?」

 

その作戦を聞いたファングとティアラは半信半疑だった。しかも彼はフィルンバクトリテスを向こうの壁までふっ飛ばすと言うのだ。

 

「ギギィィィィィィ!」

 

そう言った傍から、フィルンバクトリテスが凄まじい速さで突進してきた。

 

「お、向こうから来てくれるのは好都合かな。ホロン」

「……(こくり)」

 

いつの間にかレイルの頭に居たホロンがレイルの言葉を聞いて頷いた。

 

そして……

 

「てりゃ!」

「グギィィィィィィ!」

 

突進してくるフィルンバクトリテスに向かって、レイルは3連続の正拳突きを放った。まともに喰らったフィルンバクトリテスは壁際までふっ飛んだ。その衝撃で天井から氷柱が落ちる。

 

「ファング!」

「おう! アリン!」

『ナックルモード』

 

それを合図にファングはフューリーを剣からナックルに形態変化させ、フィルンバクトリテスの懐に入り、レイルが事前に付けたであろう殻のヒビにめがけ、その拳を叩きこんだ。

 

「グギィィィィィィ!?」

「おし! 攻撃が通ってる! ティアラ!」

「はい! 『メイウォル』!」

 

今度はティアラがフィルンバクトリテスめがけて水属性の初級魔法『メイウォル』を放った。足元にから水柱は天井まで届き、一部の氷柱が溶け、フィルンバクトリテスに直撃する。

 

「これなら確実に仕留められる。ファング、直ぐにそこから離れて! そのモンスターと一緒に塩茹でになりたいなら別だけど」

「物騒な例えは止めてくれよ兄貴! てか、塩茹でにされんのかよ俺!?」

 

それを聞いたファングは即座に離れ、レイルとティアラの横に立った。

 

「えーっと、今日の晩御飯は海鮮鍋に決定ね? 『メイルバーン』!」

「グ、グギィ……グギィィィィィィ!!?」

 

レイルがとどめの魔法をフィルンバクトリテスに放った。

『メイルバーン』と呼ばれたその魔法の正体は、いわゆる熱湯で、それをまともに喰らい続けたフィルンバクトリテスは断末魔を上げて倒れた。

 

「倒した……のか?」

「ファング、死んだふりもしてないから大丈夫だよ。ティアラ、フューリーの方は?」

「よいしょっと。はい、無事に取れましたわ」

 

フューリーも無事に回収できて良かったと思うレイル達。するとアリンがこんな事を口にした。

 

「そういえば、さっきレイルが使ってた魔法って何?」

「そういや……俺もアレは初めて見たな」

「確かに気になりますわね。お義兄様、先程の魔法は何ですの?」

 

フィルンバクトリテスにとどめをさした時の魔法が気になったのか、3人はレイルに質問した。

 

「ああ……あれ? 僕、魔法の素質があんまりないからさ、()()()()()()()()()()()だけだよ」

「「「えっ?」」」

「ちなみにさっきのは、火属性の『バーン』と水属性の『メイウォル』を組み合わせて、"熱湯"を生みだしたんだ。カップ麺も作れるし」

「お義兄様、もうそれは学会等に出した方がいいと思いますわ……」

 

それを聞いた3人……特にティアラは常識外れな事をしてないかと同時にレイルが魔法の新しい使い方を何気なくやってる事に驚きだった。

 

「さて。このモンスターを解体して、早くこの寒い洞窟から出よっか」

「なぁ兄貴、解体してどうすんだよ?」

「さっきも言ったけど、海鮮鍋にして食べるんだよ。戻ったら、ミツボさんに大きな鍋がないか訊かないと……」

「「……((やっぱり食べるんだ(ですのね)))」」

 

ヤタガン溶窟の時もそうだったが、もしかするとレイルは、食べれそうなモンスターだったら何でも料理して食べる癖があるのでは?とアリンとティアラは思った。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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