千鶴がどれだけ支えになっているのか気づかされる隊士達のお話。
「お前ら、このあとは昼飯があるから片付けておけよー」
巡察から帰って来た原田は平隊士に声をかけると、辺りを見渡した。
どうも調子が狂う。本来なら、この時刻はほとんど桃色の着物を着た土方の小姓、千鶴が掃き掃除をしている。だが今は近藤と出かけ留守にしているのだ。
「今日の飯当番は相馬と野村だったか……」
独り言ちて、溜息を漏らす。この二人は近藤の小姓であるのだが、今回は近藤に付き添っていないのだ。どうして近藤の小姓である相馬と野村が残っているのか。それは単純に近藤が娘に贈り物をするために千鶴を連れて行ったからだった。
「何だか千鶴ちゃんから出迎えて貰わないと調子狂うよなー」
先ほど巡察から戻って来た永倉は原田に同意を求めるような態度で、ちらりと原田を見ている。
「確かにな。俺もそう思ってたところだ」
「それによ、今日の飯当番って相馬と野村だろ。あいつらちゃんと作れるのか」
「源さんがいるから大丈夫だとは思うが……どうだろうな」
二人して溜息を吐き、それぞれ自分の部屋へと戻るのだった。
***
「あーどうも上手くいかねえな。クソっ」
土方は書き損じた紙を丸め、その辺に投げ捨てる。
白紙に目を向けながら、湯呑がある方へと手を伸ばす──が、それは空を切り、そこに湯呑がないことを悟る。
「ち、茶なんて持って来てなかったか……」
座り直し、つい部屋を見回す。いつもなら朝餉後に間を置いたくらいに千鶴が茶を出していた。ただ今日は近藤の付き添いで留守だ。それを思い出し、溜息を漏らす。
何気ないことだったが、千鶴が出す茶を身体が求めている。どうしたものか。確かに茶を淹れて貰うことには感謝をしていたが、こんなにも支えになっていたとは。
「変な顔してますよ、土方さん」
唐突に降って来た言葉に、土方は目を見張る。勝手に障子戸を開けている沖田はぼんに湯呑を乗せて立っていた。
「何勝手に開けてんだよ、お前は」
毎回のことに呆れ、怒る気にもならない。
「そんな言い方してもいいんですか? せっかく僕が土方さんにお茶を持って来てあげたってのに」
「はぁ? 一体何の真似だ」
いつも悪戯ばかりしている沖田にしては気味が悪い。そんなことを思いながら土方は警戒するような目つきで沖田を見やる。
「今日はあの子、いないじゃないですか。だから土方さん、お茶のありがたさを今更ながら気づいて溜息ついてるころだって思ったんですよ」
沖田は部屋に入り、土方の前に湯呑を置いた。
「確かに……あいつの淹れる茶は悪くないからな」
千鶴の話をし出す沖田の目には、優しさが含まれていた。いつも千鶴に意地悪をしている沖田だが、本人なりに思うことがあるのだろう。そんなことを思い、土方は湯呑に手を付けた。
「うぐっ!!」
茶に口を付けた瞬間、生姜の辛さと茶の苦さに舌が痺れる。
「総司!! てめぇえええ!!」
「誰も美味しく淹れました、なーんて言ってませんからー」
さっさと部屋から出て行く沖田を見やりながら、胸に渦巻いていた憂さを外に吐き出した。
「今日という今日は許さねえからな!!」
「鬼と言われるだけあって、心が狭いですねー土方さんは」
笑いながら沖田は逃げていく。それを鬼のような形相で追いかけるのだった。
***
「あーあ、つまんねえの。今日は非番だから千鶴とどっか出かけようと思ってたのに」
自室でごろごろしていた藤堂は暇を持て余していた。
今日は何も予定がないため、千鶴を外に連れ出そうと思っていた藤堂だったのだが、生憎近藤が先約したため、気持ちの行き場がなくなっていた。
「こら総司!! 待ちやがれ!!」
障子戸越しに聞こえて来る怒号。間違いなく土方だ。いつものことで驚くことはないのだが、この不機嫌極まりない土方に会うととばっちりを受けることがしばしばある。
藤堂は気配を消し、身動きすらしないよう心掛ける──が、足音はどんどんこちらに近づいてくる。嫌な予感に駆られながらも息を潜める。
「ちょっと匿って、平助」
いきなり障子戸が開いたかと思うと、沖田だ。
「何でお前を匿わなきゃならねえんだよ。一体土方さんに何をしたんだ、総司」
「生姜入りの濃いお茶を飲んで貰っただけだよ」
「絶対怒るやつじゃん」
沖田は話しながら畳まれた布団と壁の間に座り込む。
「総司、それすぐに見つかるだろ。つうか、俺の部屋に来ること自体間違ってると思うけど」
「これでいいんだよ、平助。それより、今日は何処にも出かけてないんだね。平助の場合、非番の日は必ず出かけてるでしょ」
「そんなことねえって。今日は新八っつあんも左之さんも巡察でいねえし、やることもないだけだって。俺だってそういう日もあるって」
「そうかなぁ。平助はそういうとき、あの子の部屋によく行ってるよね」
「はぁ? そ、そんなことねえって。そういうお前こそ、いつも千鶴を揶揄ってるだろ。必ず一回はさ。いい加減止めてやれよ。今日はいないからいいけどさぁ」
「平助には関係ないじゃない。まぁ、あの子が面白いことしなければ止めてあげてもいいけど」
ドスドスとイラつきを感じる足音が聞こえ始めた。藤堂と沖田は顔を見合わせる。お互い、声を発せずともこの足音は土方だと感づき、無言になる。二人して息を潜め、気配を消すが足音は藤堂の部屋に向かってくる。絶対来るなと念を送る藤堂だったが、それも空しく勝手に障子戸が開く。
「おい、平助。総司を見なかったか」
「え、いやぁーその」
「ここに居ますよ、土方さん」
「総司、今度という今度は容赦しねえ」
怒りに震える土方は沖田を睨みつけている。
「そんなに怒ってたら新人隊士にも怖がられますよ」
「そんなこたぁ、どうでもいい。おい。平助、そこをどけ」
「平助、どいたらあのことバラしちゃうから」
「あのことって何だよ総司!!」
沖田は藤堂を盾にし、土方からの手を逃れようとしている。突然“あのこと”などと言われた平助は頭を巡らし隠しごとについてあれこれと考えるが沖田の手によって身体をぐらぐらと揺らされ考えられるものも考えつかない。しかし、沖田の“新人隊士”という言葉に思い当たることがあり、藤堂は立ち上がった。
「そういや今日の飯当番って千鶴だったから、代わりに相馬と野村だったよな」
藤堂の言葉に沖田も土方もぴたりと動きを止める。
「……そういえばそうだったね。その二人で何が出来るっていうんだろうね」
「雪村に指導してもらってんなら大丈夫じゃねえのか」
「いや、土方さん、あいつら意外と料理に関してはいまいちだったはず……俺、手伝ってくる!」
藤堂は駆け出し、炊事場へと向かうのだった。
取り残された沖田と土方はぽかんとし、どちらともなく藤堂の向かった先へと急ぐのだった。
***
「野村、どういうつもりだ」
今にもぶすりと刺そうとしているのではないかと思えるほど、斎藤は殺気だっていた。その手には包丁が握られ、野村の方を向いている。
「さ、斎藤組長、お、落ち着いてください! 悪気はなかったんっすよ……」
「そうです。野村はこれでも一生懸命やったんです。ただ、一部が崩れただけで」
「一部が崩れただけ? その少しの過ちがどういうことになるのか知っているのか。戦場では一部が崩れただけで戦況は悪化するものだ。その一部を軽んじていては成長など出来ぬ」
相馬は斎藤を落ち着かせようと言葉を掛けたのだが、悪化していく一方だった。
このようなことになったのは、豆腐を切った野村が綺麗に切れず、一部を崩してしまったからであった。それも斎藤が切ると言ったのを「俺に任せてくださいって」と意気揚々と野村が断ったがため、虫の居所の悪い斎藤に包丁を向けられているのだ。
「たかが豆腐で包丁を向けないでくださいって!!」
「たかが豆腐? されど豆腐だ」
冷ややかな目をした斎藤の射貫くような視線に縮こまる二人はどうしたものかと危機に直面している。
「おい、一君何やってんだよ!」
緊張が解れる声が響いた。颯爽と炊事場に入って来たのは藤堂だった。
「見ての通り、この二人に料理の在り方を話していたところだ」
「どう見ても脅しているようにしか見えねえって。包丁は下してやってくれって。私闘はご法度だろ、一君」
溜息を吐いた斎藤は包丁を素直にまな板の上に置いた。
緊張感から完全に解き放たれた相馬と野村は胸を撫でおろす。
「で、原因は何なんだ?」
「大事な食料を無様な切り方をしたのだ。やはり俺が切るべきだった」
真剣な顔の斎藤を見るに、豆腐のことだと悟った藤堂は顔を引きつらせ、相馬に耳打ちした。
「どうせお前ら豆腐を綺麗に切れなかったんだろ。豆腐だけは一君に切らせておけば間違いねえから、気を付けろよ」
「すいません。まさかここまで怒られるとは思ってもみなくて……」
「豆腐は一君の好物だから今度から気を付けるんだな」
藤堂に助言を貰った相馬は気を取り直し、野村にも藤堂に言われたことを耳打ちする。
「なるほど。触らぬ神に祟りなしってやつか」
ぼそりと呟いた野村に背筋の凍るような視線を感じる。
「野村、何か言ったか」
「い、いえ!! 何でもありません!! それより時間が押してるので続きを作りましょうよ」
その通りだと思ったのか、斎藤は作りかけの味噌汁を完成させるべく葱を切り始めた。
「そう言えば平助。何用だ?」
「ああ、今日は千鶴が当番だったけれど、代わりにこいつらだろ。だから手伝ってやろうかと思ってさ。あ、そういや何で一君が飯を作ってるんだ? もう一人は源さんだっただろ?」
「ああ。それが源さんは材料が足りなくなったため買い物に行って貰っている」
「ええ? 何だって今更足りないんだよ。間に合うのか」
「すみません……俺の不注意で魚を焦がしてしまって」
相馬は居心地悪さを感じながらも、素直に訳を話すことに意を決し、ごくりと生唾を呑んだ。
「その、ついぼうっとしてしまって……集中できていませんでした」
「お、俺も悪かったんだ。米を炊いている途中で蓋を開けてしまって」
「ったく、二人とも気を付けるんだぞ」
「そんなことより、口を動かさず手を動かせ。先ほどの失態を取り戻すんだな」
未だに怒っているのか、斎藤は見向きもせずに切り終わった葱を鍋に入れている。
「一君、何か今日、違うくね?」
「俺はいつも通りだ」
「いや、なんつうか……虫の居所が悪い気がするけど」
「そんなことはない!」
斎藤は言葉とは裏腹に味噌を大量に入れ出している。
「ちょいちょい、一君! 味噌入れすぎだって。これでいつも通りとか説得力に欠けるって」
「何だか賑やかだね。ご飯はどうなの?」
飄々として現れた沖田は笑みを絶やさずに炊事場に入って来る。
「時間通りに出来上がるかわかんねえ」
「それはどういうことだ」
更に低い声が響き、炊事場にいる沖田以外の者はびくりと身体を震わせた。
「ひ、土方さんまで……どうしたんだよ」
予想外の登場人物に、皆が皆、動揺を隠せなかった。
「土方副長、すいません!」
恐怖がない訳ではなかったが、己の過ちをきちんと報告せねばという気持ちがあり、相馬は思い切り頭をさげた。それから一連の流れを土方に報告するのだった。
「なるほどな。それで、出来上がってるのは味噌汁と漬物か。で、飯はきちんと炊けたのか?」
「……それが、少し硬い部分が残ってしまって」
相馬は自分で言っていても情けなく感じ、唇を噛んだ。その一言で炊事場の温度が下がっていく気がした。昼間だというのに辺りは暗くなったような錯覚もし、そんなどんよりとした空気は相馬だけのものではない。食事は唯一の楽しみの一つでもあり、平隊士は当然、幹部隊士も例外ではないのだ。
「皆さん、集まってどうされたんですか」
長いこと沈黙が続いたかと思われたが、それはつかの間だった。その声は枯れた大地に花が咲いたかのような鮮やかな声だ。
「千鶴! 戻ったのか!」
「ゆ、雪村」
「千鶴ちゃん、お帰り」
「帰ったか、雪村」
「ゆ、雪村先輩~!!」
泣きつくように野村は千鶴に駆け寄る。相馬も駆け寄り、ほっとする。
「え? 野村君泣きそうになってるけれど、どうかしたの?」
状況を掴めていない千鶴に、相馬と野村で事の顛末を話す。
「大丈夫。ご飯は任せて。私にいい考えがあるの」
「雪村先輩……!」
感極まった相馬は本当に心の底から嬉しさが込み上がり、口端が自然と上がる。
「うわー先輩~!!」
あまりの感動に抱き着こうとする野村は一斉に隊士達に小突かれ、藤堂に引きずられる。
「野村、調子乗んなよな!」
「痛いですってぇ~。何がいけなかったんすかー」
「野村君、本当にわかってないよね」
笑みを湛えたままの沖田だったが、目が笑っていなかった。
「あんたの行いはどうも目に余るな」
再び包丁を持って説教をしてきそうなほど鋭い視線を浴びながら、野村は息を詰まらせ、言葉にならないものを呑んだ。
「おーい、どうにか魚を調達してきたよ」
今度は優しい声が炊事場に響いた。
「源さん待ってました!!」
藤堂は弾け飛ぶように井上の元へ駆けつける。
「おい、お前ら! 時間がねえ。ここにいる奴らだけで魚を焼くぞ! 雪村は米を頼んだ」
一様に返事をした隊士達と千鶴はそれぞれが作業し始めるのだった。
***
「さすが千鶴~飯がうめぇ!」
程よい塩味に梅干しが入った粥。それが身体に染みて、ほっとする、そんな味だ。藤堂も同じことを思っているのか、藤堂は粥を口にかけ込んでいる。
「なんだ、千鶴が作ったのか? 外出していたのに大変だったな」
何も知らない原田は笑みを浮かべ、味噌汁を啜る。
「やっぱり千鶴ちゃんが作った飯は上手いよな!」
魚を骨ごと噛り付いている永倉は頬張るように食べていた。
「千鶴ちゃんが帰って来なかったら、野村君は一君に紙のようにばっさりと切られていたかもね」
「やめてくださいよー! 俺だって一生懸命だったんすから」
呑気に粥をかけ込んでいた野村だったが、食べる手を止めてしまう。
「全く……あんたには暫く豆腐の切り方を教えなければならんようだな」
「お、俺、豆腐はもう切らないでおきますんで! 斎藤組長が好きに切ってください!」
顔が青ざめていく野村は、恐らく斎藤に包丁を突き付けられたことを思い出しているのだろう。
「野村……そこは教えて貰った方が良くないのか」
「馬鹿言え。俺の命がいくらあっても足りねえぞ」
小声で悲鳴のような声を上げる野村は相当堪えているようだ。
「炊事場に来たときは一君が野村を刺しそうな勢いだったもんなぁ。びっくりしたぜ」
楽しそうに話す藤堂の言葉に、斎藤は咳払いをする。
「それにしても、雪村が来なければ硬いご飯を食べることになっていたな。本当に助かった」
炊事場で怒り狂っていたと思われる斎藤だったが、今は穏やかな雰囲気を醸し出している。そもそも、炊事場に来たときから斎藤は妙に不機嫌だったように思えた。相馬の目からはあまり表情は読めなかったのだが、今までと何か違う、というただ漠然としたものを感じ取っていたのだ。
「そういや、一君。炊事場で相当虫の居所が悪かったみたいだけど、何かあったのか?」
「……いいや、そのようなことは決してない」
「今日は千鶴ちゃんがいなかったから、一緒に洗濯物を干せなかったのが詰まらなかったんでしょ、一君」
「何故そのようなことで立腹しなければならんのだ」
「だって一君、干し物が終わったら一人寂しそうにお茶を淹れて二人分のお菓子を食べてたじゃない」
「なっ、何故それを!」
「ふうん、本当にそんなことしてたんだ。僕は後姿しか見てなかったんだけど、当たってたんだ」
斎藤は知られては困ることをバラされ顔を赤くしている。沖田は勝ち誇ったように笑みを深め、心底楽しそうだ。
「それを言うあんたはどうなのだ、総司。今朝、俺が干し物をしている間、雪村が留守のことを忘れて折り紙を持って辺りをうろついていただろう」
にやついた沖田はつまらなさそうな目つきになり、顔をしかめる。
「なーんだ。一君気づいてたんだ。だってしょうがないじゃない。鶴なんて折れる人千鶴ちゃんくらいしかいないんだからさ」
「何だ、総司も千鶴目当てだったのかよ」
ぼそりと言葉を吐いたのは藤堂だった。誰も聞いていないようにも見えたが、鋭い視線で沖田が聞きつけたのがわかった。
「そういう平助も、千鶴ちゃんと過ごしたかったんでしょ」
「なっ! 馬鹿言うなって。たまたま暇だったから千鶴を誘ってやろうと思ってただって」
「何だ、平助。そんなこと考えていたのか。俺達を差し置いて楽しく過ごすつもりだったな。平助のくせに。覚悟しろっ」
新八は話したついでと言わんばかりに平助の膳に箸を伸ばす。それを刀さながらの勢いで箸で食い止める藤堂。
「そう言って俺の飯を奪いたいだけだろ新八っつぁん!」
「新八、そう言うお前も千鶴がいなくて調子狂うって言ってただろうが」
「左之も同じこと思ってただろうがっ」
平助と箸の攻防をしながら答える永倉は箸を持っていない方の手を使いだした。
「そりゃそうだ。いつも出迎えて貰える女がいるっていうのは、気分がいいからな」
永倉の反論を当たり前のように受ける左之は粥を食べ始める。
「組長の皆さんにとって、雪村先輩はある意味中心的な存在なんですね」
感心したように呟く相馬は味噌汁を一口飲んだ。
「相馬。今日はやけにぼんやりしていたようだが、調子が悪かったのか」
静かに斎藤が話を振った。それにどきりとした相馬は背筋を伸ばす。
「い、いえ。そ、そんなことはありませんよ。いつも通りです」
「言われてみれば……相馬。今朝は何であんなに落ち込んでたんだ? いつもだったらはりきって稽古に行ってるだろ」
野村の一言に、幹部隊士達の視線を集めた。箸で攻防を繰り返していた永倉と平助もぴたりと動きを止める。
「え。いや。なんでもありませんよ」
「相馬、怪しいな」
「もしかして相馬君。千鶴ちゃんがいないからって、手を抜いていたの?」
「滅相もありません!! 手を抜くなんてしませんよ!」
「でも相馬、お前今日は力が入らないーなんて言ってなかったか?」
この野村の一言で広間の温度が下がり、異様な殺気が満ちたような気がした。
「お、俺、これで失礼します!!」
相馬は膳を持って一目散に逃げるのだった。
この後、幹部隊士達に徹底的に詰め寄られた相馬の悲鳴が聞こえたとかそうでなかったとか。