文明監視員・ウルトラマンナイスのナ、ナ、ナ、ナイスな奮闘記 作:Sashimi4lyfe
人類の危機を救うべく、巨人超獣ラグナロンの前へと降り立ったウルトラマンエース。エースに対し、ヤプロイドは怒りのこもった声で怒鳴りかける。
『なぜここに貴様がいるのだ、ウルトラマンエース!!』
「ヤプールが生み出した敵ならば、私が倒す!それが私の宿命なのだ!」
『おのれぇ...我が主、ヤプールの仇…今ここで打ち取ってくれるわぁ!!!!』
ヤプロイドと共鳴するように、ラグナロンは狂暴化し、口から業火を吹き放つ。エースはすかさず光の壁を両手で描き、それを実体化させる。
「ウルトラネオバリアー!!」
ラグナロンの炎はバリアにより防がれ、ラグナロンの方向へと逆流を始める。火炎放射攻撃が効かないことを察してか、ラグナロンは口を閉じ、今度はすさまじい勢いでエースに襲い掛かってくる。
エースはバリアを解除し、襲い掛かってくるラグナロンにボディタックルを仕掛け、ラグナロンの猛攻を止める。すかさずがら空きになったボディに膝を叩きこみ、そこからさらに背中へとチョップをかます。
ラグナロンは体を起こし、一旦エースを押しのけるが、すぐにエースに首をつかまれ、背負い投げを食らう。ラグナロンの動きをエースは完全に封じ込んでいた。
「す、すげぇ…」
輝は戦いの様子をテレビで眺めながら思わずそうこぼした。落ち着きがないような動きだが、確実に相手の隙をつき、一方的に超獣に攻撃を与えていくエースの戦法は、まさに超獣退治の専門家の名にふさわしかった。
『くっ…この戦いごときにこれを使う気ではなかったが…やむを得ん!ラグナロン・フェンリル
ラグナロンがうめき声をあげると、両手からかぎづめのようなものが伸び始め、頭部が変形し狼のような形へと変わっていった。
「グルル….」
無表情な巨人の姿とは違い、今度は獲物を借る野獣のような形相でエースを睨みつける。エースも戦いの構えを立て直し、敵の様子をうかがっている。
次の瞬間、ラグナロンは目にもとまらぬ速さでエースに襲い掛かり、気づけばエースに馬乗りになっていた。エースの頭めがけ、ラグナロンは大きな爪を地面に突き刺す。それをエースはかろうじてよけながら、一瞬の隙を突きラグナロンを蹴飛ばした。
瞬時にエースは体勢を立て直し、両手を合わせ光線の弾を発射する。
「ダイヤ光線!!」
それをも華麗なフットワークでラグナロンはかわしていく。エースは覚悟を決め、少し念ずると手から小刀を作り出した。エースブレードである。
まるで時代劇のような、ラグナロンの爪による攻撃とエースの剣捌きによる拮抗した戦いが幕を開けた。目にもとまらぬ速さで両者の連続攻撃が行われ、あの質量を持つ生物がなぜあれほどの速さで動けるのか不思議なくらいであった。
そして、エースが優勢に立ったのか、ラグナロンが大きく後ろに飛んで距離を取る、そこで生まれた隙をエースは見逃さなかった。
エースブレードを投げ捨て、ラグナロンに向かって円状の光線を発射する!
「ストップリング!!」
空中ではさすがにうまく動けないのか、ストップリングは見事命中し、ラグナロンの動きを止めた。すかさずエースは両手を横にそらし、エネルギーを両手に集めるとL字に組み、
「メタリウム光線!!!」
メタリウム光線を叩きこんだ。しかし、ラグナロンは口を開けると、また光線を吸収してしまった。そのエネルギーを利用してか、ストップリングを自力で引きちぎり、またエースに襲い掛かる。
だが、エースも慢心してはいなかった。素早くキックを繰り出し、ラグナロンを退けると両手を空に掲げ、両手に光エネルギーを充満させる。
フラッシュハンドという戦法だ。しかし、この戦法は諸刃の剣。両手からの打撃攻撃に爆発的な破壊力を付与するが、連続的に光エネルギーを消費するため、長時間は使用できない。
エースがフラッシュハンドを発動するとともに、エースのカラータイマーが点滅を始める。残された時間はあとわずか。エースは先ほどとは違う、落ち着いた様子でラグナロンの様子をじっと観察する。
デヤッ、という掛け声とともにエースが前進したかと思うと、ラグナロンもそれに反応するようにエースへ飛び掛かる。エースはラグナロンの右手の攻撃をかろうじてかわすと、ボディに強烈なアッパーをかます。フラッシュハンドの影響で、エースのアッパーはラグナロンを空高く突き上げた。すぐさまエースはフラッシュハンドを解除し、右手からのこぎり状の光線を生み出すと、それをラグナロンめがけて放り投げる。
「ウルトラギロチン!!!」
ギロチンは3つに分離し、ラグナロンの首、胸、腰にそれぞれ命中。ズバッ、という痛快な音と共に超獣の体はバラバラになり、大爆発を起こした。
『おのれエース…我々を甘く見るなよ…』
苦し紛れにヤプロイドはそう言い残した。その途端、エースはガクリと体勢を崩してしまった。平行宇宙を移動し、強敵と激闘を繰り広げたためエネルギーを必要以上に消費してしまったのだ。エースはひとまず空に向かってウルトラサインを送り、上へ飛びあがるとそのまま空の彼方へと姿を消した。
輝は呆然としていた。突如現れたウルトラマンが、人類の手ではどうすることもできなかったであろう敵を一人で、しかもこの短時間で葬ってしまったのだ。
(僕がナイスとやってきたことはこれだったのか…?これが…これがウルトラマンになる、ということだったのか?)
「勝った…勝ったのね!?あのウルトラマン、勝ってくれたのね!?」
輝は月子と彗星を抱き寄せ、両手で抱きしめながら答える。
「あぁ…勝ったんだよ、月子…あのウルトラマンは勝ってくれたんだ!!」
輝はウルトラマンが戦う姿を第三者の視点から見たことがなかった。テレビやSNSなどでナイスの戦う姿を見ることはあったが、彼が「救われる側」として戦いを見るのは初めてだったのだ。絶望の中、たとえ一人であっても、勝利を信じて最後まで戦ったあのエースの勇士は、輝の目の裏にこびりついて離れなかった。
(この希望、この躍動感…僕がナイスと戦っていた時も、こんな感情を人々に与えていたのか…!?)
今、戦えずして輝は実感したのだ。ウルトラマンとして戦うことの本当の意味を。
そして、彼は再びもうナイスと戦えないことを悔いたのであった。
その夜、HTDFは戦闘区域周辺の半径100キロメール内の区域すべてに一時的な避難命令を出し、警戒態勢を緩めない体制をとった。輝たちは必要な日用品をスーツケースに詰め込み、避難の準備をしていた。
「ねぇママ、あたしたちこれからじぃじのとこ行くの?」
彗星はこれから輝の実家に帰省すると勘違いしているらしく、どこか明かるげな様子で荷造りの手伝いをしていた。
「ちょっと違うわね…でもすぐおうちに帰って来れると思うわよ!」
「じゃあ、明日は幼稚園はお休み?」
「そういうことになるんじゃないかしら…」
「やったー!ファンガ―見放題だぁ!!」
無邪気によろこぶ彗星の顔を見て、輝たちもどこかほっとした。
「こらっ、ちゃんとお絵描きとか絵本も読まないとだめだぞ!タブレットばっかり見てると頭がバカになっちゃんだぞ!」
「う、うぅ…わかったよぉ…」
しかし、平和な時は長くは続かなかった。テレビのモニターから再び不気味な警告音が鳴り響き、臨時ニュースの見出しが映し出される。彗星は思わず輝の足をつかみ、ぎゅっと握りしめた。彗星の体の震えが輝の足から伝わってくる。
―臨時ニュースです!先ほどの激戦区に未確認生物が再び姿を現しました!繰り返します、先ほどの…-
「くそっ、敵の攻撃はまだ続いていたのか...」
テレビの画面には二足歩行の竜のような神話生物を彷彿とさせる巨大生物が映っていた。体は青い結晶のようなものが露出しており、背中には白い翼のようなものが付いている。
『エースよ、出て来い!!ここで我々の決着を付けようじゃあないか!!!』
またあの声が頭に流れ込んでくる。ヤプロイドの攻撃はまだ終わってはいなかったのだ。
『出てこぉい!!!さもなくば、貴様らが大事にしているこの星もろともこの下等生物どもを駆除してくれる!!!』
その生物は口から白い破壊光線をまき散らし、見える物を手当たり次第にすべて破壊し尽くしていった。
(こんな時にナイスがいてくれたなら…)
輝は初めて自分から戦いたいと思うことができた。娘を守る父として、妻を守る夫として、そして何よりも一人の人間として、人々の心に闇を植え込むこの敵と戦いたいと。
その思いを胸に、彼はナイスに変身する際に使ったペンを取り出し、力強く握りしめるのだった。
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ナイスがレオに鍛えられてから、4ヶ月の月日が経った。
と言っても、Z94星での1ヶ月は反重力圏外の1日間に相当するので、いて座
ナイスが今日のトレーニングに備え、気合を入れているとレオがいつもと少し違った雰囲気で近づいてくる。
「ナイス、出かけるぞ。」
「えっ、師匠、エネルギー補給ですか?まだ修業は始まって...」
「俺についてこい。質問はあそこに着いてからだ。」
何が何だかわからぬまま、ナイスはレオの後をついていった。反重力圏を脱出し、こんどはT45星雲方面に進んでいく。すると、レオが向かう先には太陽系にそっくりの惑星系があった。めらめらと燃え盛る恒星を中心に、いくつもの天体がその周りを周回している。その一つに、地球と同じぐらいの大きさの真っ青な惑星があった。
レオはその惑星にどんどん近づき、大気圏内へ入っていく。この惑星の大気の影響で、空気摩擦によりレオとナイスの体がどんどん過熱されていくが、ここ四ヶ月の訓練でナイスはこの程度の熱には余裕で耐えられるほどになっていた。
高度が下がるにつれ、どんどん惑星の表面が露になっていく。
「これは…」
まさに、宇宙の秘境とも言えるような光景がそこには広がっていた。深さ3メートルほどの湖が見渡す限りどこまでも続いているのだ。青い空が水面に反射され、まるで大きな球体の鏡の上をナイスは飛んでいるようだった。
レオは徐々に高度を下げ、ゆっくりと着地した。それに続いてナイスも着地する。
「師匠、この星は…」
「この惑星の名はアズラージュ。この惑星を発見した星人の言葉で『青い宝石』という意味なのだそうだ。」
「青い宝石…その名前にふさわしい…」
「しかし、俺たちはここに観光に来たわけではない。ナイス、今から俺はお前をもう一度試す。この星の重力は地球の重力場とほぼ同値。この四か月間、お前が俺から何を学んできたか、今一度見させてもらおう。」
(師匠のことだから絶対何かあるとは踏んでいたが…まさか抜き打ちテストとはね…)
ナイスは覚悟を決め、戦闘の構えを取る。二人のウルトラマンの姿がアズラージュの水面に映り、まるで二人の戦いを見守っているかのようだった。
「師匠、参りまぁす!!」
ナイスは一気に距離を詰め、パンチを繰り出す。それをレオは受け止め、そのまま勢いを使ってナイスを投げ飛ばした。投げ飛ばされる瞬間にナイスは地面を蹴り、空高く自分を放り投げる。
宙に舞ったまま、ナイスは右手からミレニアムショットを発射する。不意を突かれたのか、レオはよけようと体をそらしたが光線弾は彼の肩をかすり、そこから火花が散った。
「ぐっ。味な真似をするようになったではないか。」
ザブンと水面に着地し、ナイスは満足げにレオの方を見る。
「伊達に毎日しごかれてたんじゃないんですよ!」
「言ってくれる。どれ、俺も手を抜いてはいられんようだな!」
レオは空高く飛びあがり、ナイスに向かって急降下しながら手刀を作り、それを振り下ろす。かろうじてそれをよけたナイスだったが、彼はレオの至近距離に入っていた。レオはすかさず持ち前の連速打撃攻撃をナイスに繰り出す。
(やばい、この距離からは…ってあれ?)
レオの繰り出す攻撃をナイスは一撃、また一撃と華麗にかわしていく。
(軽い…軽いぞ!体が嘘みたいに軽い!!)
それもそのはず、反重力の影響を受けず、3万トンの岩を持っていない今、ナイスの体は重い束縛から解き放たれたのである。
しかし、避けているばかりでは勝負はつかない。ナイスはレオの連続攻撃を受け流しながら反撃の隙を探していた。
(これだけ動いても一向に疲れない…これも師匠の特訓のおかげなのか!!)
レオが少し強めにパンチを繰り出したその瞬間だった。彼の体は前のめりになり、ほんの一瞬だがボディががら空きになる。
「今だぁ!!」
左手で拳をはじき、右手の張り手で思いっきりレオを突き飛ばす。これにはレオも受け身を取れず、彼の体は後方に吹っ飛ばされた。
「や、やったぁ!!!!」
ナイスがレオに打撃を与えられたのは、これが初めてだった。あまりの嬉しさに何が起こったのか信じられず、自分の両手を見ながらナイスははしゃいだ。
「ふん、やればできたじゃあないか。合格だ、ナイス。俺がお前に教えることはもうない。」
「え…ほ、本当ですか、師匠!?」
「早く光の国へ向かえ。何やら物騒なことが起こっているらしい。」
「ってことは…修業ももう終わりですか、師匠!?」
「そうだ。お前は強くなったのだ。」
必死の訓練の末、ナイスはついにレオに戦士として認められたのだ。喜びより先に、感謝の気持ちがナイスの心に津波のように押し寄せる。
「師匠…今まで本当にありがとうございました!!この御恩は絶対に、ぜっっっっったいに忘れません!!」
ナイスは深々と頭を下げ、レオに礼を言った。
「早く行けと言っている。これが師匠としての、俺の最後の命令だ。」
「う、うぅぅ…師匠…」
「やめんか、みっともない。そうだ、これを持っていけ。」
レオは獅子の柄が描かれたブレスレットをナイスに渡した。
「いざという時役に立つだろう。さぁ、行け!俺の弟子よ!」
「は、はい!!行ってまいります!!!」
ナイスはそのブレスレットを左手に付けると、右手のアナザーブレスを起動させ、亜光速でM78星雲へと向かっていった。
「お前の意志を、正しいと信じる道をその力で貫き通せ。お前ならできるはずだ、ナイス。」
レオはナイスが去っていく姿を見届けながら、天に向かって旅立ちの言葉を伝えるのだった。
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光の国では、ウルトラマンエースからのウルトラサインを受け、緊急会議が行われていた。
サインの内容は、「援軍を要請する」との旨のものだった。平行宇宙を移動した際のエネルギーの消費と、巨人超獣ラグナロンとの激闘が重なり、エースは自分のエネルギー回復が次のヤプロイドからの逆襲に間に合わないと懸念したのだ。
宇宙警備隊隊長のゾフィーは宇宙警備隊の精鋭たちを集め、緊急会議を開いていた。
「一体、エースに何が起きたのでしょう?」
惑星軌道観測部のウルトラマンレグスが訪ねる。
「我々にもそれはわからない。ウルトラサインの内容は援軍要請のみだったが、自分の身の危機を知らせてこないところを見ると彼はまだ無事なのだろう。」
ゾフィーは冷静に状況を考察した。
「仮に彼が倒された場合、彼が装着していたアナザーブレスが自動的にSOSのウルトラサインを送るよう設定してある。彼は無事だろう。」
技術開発部のウルトラマンヒカリが補足する。
「エースさんからのウルトラサインが受信される直前に、我々の観測装置がN-51にて異常な量の反物質反応を検知しました。あの異次元生命体、ヤプロイドが本格的に動き出したと思われます。」
宇宙間エネルギー観測部のウルトラウーマンキャスはデータを空中に映し出しながら報告した。
「このエネルギー量は…小さな惑星を一つ壊滅状態まで追い込める量だぞ!」
文明監視部のウルトラマンマックスはその映し出されたデータを見ながら驚愕した。
「エース一人で向かわせるのは危険だったか…よし、ウルトラ兄弟の一人をN-51に向かわそう。」
レグスはその判断に賛成できないのか、身を乗り出してゾフィーに反論する。
「お言葉ですが隊長、我が宇宙警備隊の主力であるウルトラ戦士を二人も別宇宙に派遣すると…」
「この異次元生命体はかつてエースが倒したヤプールの持つ固有の波動と同じ波動を有している。間違いなくヤプールと関わりがある者たちなのだ。何の目的でN-51の地球を狙っているのかは定かではないが、野放しにしておくには危険すぎる存在だ。」
「私もそう思います。異次元生命体に関しては我々もまだあまり知識がありません。ベリアルのような脅威とならぬうちに倒すのが最善かと。」
「そ、そうですね…」
「案ずることはない。万が一の時は別宇宙のウルトラマンに要請を頼めばいいことだ。」
ヒカリはレグスに言い聞かせるように言った。
「よし、決定だな。では早速…」
「待ってください!!」
割り込んできたのはなんとウルトラマンナイスだった。アズルージュから亜光速で飛行してきたため、この会議にかろうじて間に合うことができたのだ。
「君は…確かウルトラマンナイスといったな?」
「はい!その任務…私に行かせてください!」
「おい、なぜお前のような漫才師がここにいる?この会議には我々宇宙警備隊の主要人物5人しか参加できないはずだぞ!」
レグスが不機嫌そうにナイスに言い放つ。
「レグスさん、彼の左手を…」
「何、左手?キャス、こんな男の身なりなど気にしている時では…それは…!」
彼の左手には、レオが授けたブレスが付いている。
「それはレオブレス!ということは…ナイス、君は認められたんだな、あのレオに!」
マックスはナイスを称えるように言った。レオがナイスに授けたのはレオブレスといい、レオに力を認められた戦士しか受け取ることができない代物なのだ。
「師匠に鍛えられて、私は強くなったんです!お願いです、ゾフィー隊長!私にエースさんの援護を務めさせてください!」
ナイスはゾフィーに頭を下げる。レグスはそれが気に入らないようだったが、レオブレスを見せつけられては反論のしようがなかった。
(なんだ…?この前まであのゼアスとかいうやつと漫才をしていた男が、なぜここまで強くなれたんだ…?)
「ふむ…実力は本物のようだな。」
「ゾフィー、私からも頼もう。彼の責任は、私がすべて引き受ける。」
「マックスさん…」
マックスには分かった。ナイスがレオとの特訓の末、どれほど強くなり、どれほどのことを学んだのかを。同じ地球を守り抜いた戦士として、ナイスにはもっと強くなってほしい。そう彼は願ったのだ。
「よし、いいだろう。レオが認めた戦士だ、きっとすさまじい可能性を秘めているに違いない。」
「あ、あ、あ…ありがとうございます!!!」
ナイスは歓喜した。あの失敗を挽回するチャンスが回ってきたのだと。
そして何よりも、輝とまた共に戦える日がやってきたことを、何よりも喜んだのだ。
「さぁ、もう時間がない。行くのだ、ウルトラマンナイスよ!!」
「はい!行ってまいりまぁぁす!!」
ナイスはアナザーブレスを起動させ、素早く飛び去って行った。
「大した男だな、あいつは。」
ヒカリがその姿を見守りながらつぶやいた。
「この前超獣に敗れたばかりだというのに。レオに認められるほど強くなるとは。」
「彼は出会えたのさ。そこまでして強くなりたいと思わせてくれる仲間に。」
マックスが空を見上げながら答える。
「仲間…か。彼もメビウスと同じなのだな。」
ヒカリはメビウスとの出会いを思い出し、それを懐かしみながら空の彼方へ消えていくナイスの姿を見送った。