モルジアナと行く、超ジェットコースターオリ主の旅 作:pさん
「えぇ!?本当に希少種族ファナリスを金貨千枚で⁉」
おっと、危ない危ない。
俺はポカンとした表情の奴隷商人の前で慌てて口をつぐんだ。
(ファナリスいやぁ戦闘民族で高い膂力を持ち、レーム帝国の闘技場でも引っ張りだこで有名なあの希少一族じゃねーか。それをこの金貨千枚?、、こいつは馬鹿か?)
「買ったぁ!おい商人今すぐニコニコ現金払いするから、それまで誰にも売るんじゃねーぞ!!俺のファナリスをな!」
奴隷の状態を見もしないで即購入を決意した俺は、ルンルン気分で資産をすべて金に換えて脱兎のごとく館にUターンしてきた。
健康状態についての回復魔法サービスと、今奴隷市場ではやっているらしい奴隷を従わせるマグノシュタット性の電撃発動型の隷属首輪もつけたら、結局金貨1500枚になった。
(高額な買い物するとなぜか付属品も欲しくなんだよなーあるあるだわ)
商館からの帰り道、家を売っちまったから今日から野営であるということを思い出し、俺は、これまた高額商品を買った後の後悔にさいなまれ始めていた。
(コッカトリスを買った時も一晩で逃げ出されたし、確認もせずに買ってよかったのかしら…)
なんだか気分まで落ち込んできた。
だが、言葉すら通じないコッカトリスと違い、今回買うのは人間。
しかも、戦闘に秀でたファナリスだ。
それに、俺には今回こそは完全な金策の考えがある。
(そうだ、このままレーム帝国まで行って闘技場で一山あてればいいんや☻)
希望で不安を打ち消し、街中の噴水広場のような場所でテントに入る。
その日はなかなか眠れなかった。
コッケコッコー―――
少し前につかまされた魔法目覚まし(生体)の鶏君2号の声で起きると何やら地面が揺れていた。
ぱさりとテントを開けると、前日に頼んでおいた奴隷商人の馬車が止まっており、奴隷商人の姿が見える。
俺があいさつをすると、ほっとした顔で近寄ってきた。
「このような場所で野宿とは、なかなか高尚な趣味をお持ちのようで」
馬鹿にしているのだろうか?俺は答えずファナリスは?と視線で問いかけた。
「おおぉそうでしたな、こちらに」
するりと馬車から影が下りてきた。
燃えるような赤褐色の髪の毛をサイドポニーにし、印象的な黒いアイラインのようにも見える面持ちをしていた。
しかし、どこかすぐれないのか自分を抱きしめるように背を丸め、伏し目がちだ。
(しかし、間違いない!この特徴的な容姿、レームの闘技場で見たとおりだ!)
「なのりなさい」
「モルジアナと申します。戦闘を得意としております。これからよろしくお願いします。」
「ふ、」
ふ?という表情で見てくる二人。
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉ(゚∀゚)キタコレ!!レームで闘技場で人生勝ったわ!がはは」
「ひっ」
俺のハイテンションに引き気味の商人とびっくりして後ずさりするモルジアナ。
めっちゃ機嫌よくなってきた俺は、さっさと商人を追い返すと、さっそく
モルジアナに指示を出してテントをかたずけさせる。
「いやぁ、すごい力持ちだなぁ、さすがファナリス、俺なんかこれ組むのに軽く2時間はかかっちゃてさー」
雑談しつつ褒めまくりながら、よすよすしてやると体をビクリと震わせながら
「奴隷として当然のことです」
とか
「おそれおおいです」
ていってくる。
(うーむ、ク-ルなやつなんだな)
結局15分くらいで片付け終わった。
全財産売り払ったとはいえ、今までつかまされた謎グッズは買い付けがつかなかったため、なんだかんだいってモルジアナが背負う荷物はまるで山のように大きいバッグパックにぎっしりだ。
「よーし行くぞーおー!」
俺がこぶしを振り上げると。
またもビクッと震えたのちに
「ご主人様のご迷惑にならないよう精神誠意頑張っていきます」
とのことです。
やっぱりクールのやつなんだわ、この娘。