ダンボール戦機WW   作:マザー母ッカー

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正真正銘初投稿です。



第一話 上陸

2053年、セカンドワールド。

 

鬱蒼とした森林エリア、デスフォレスト。

セカンドワールドでも最大規模の仮想国家、ロシウス軍が有すその土地は今、一体の”兵器”によって火の海に包まれていた。

 

『クソ!バンデッドの奴ら、こんなもんまで持ってんのかよ!』

 

ロシウス第13小隊隊長、ガーディがコックピットの中で吠える。

彼の視線の先ではLBXよりも遥か巨大な兵器、キラードロイド・ドラガンゼイドが暴れる姿と、それに特攻してゆく仲間の姿があった。

ロシウスの汎用機体、ガウンタの機体が二本の巨大な刃に引き裂かれ、胸部のレーダーコアから放たれるレーザーに焼き払われていく。

 

まさしく地獄の様相、ここが戦場なのだと否応なく理解させられる光景。

そしてガーディに死にゆく勇気はなく、ただ呆然と仲間(LBX)(破壊)されるのを眺めていた。

 

『どうするガーディ!このままじゃ俺らもお陀仏だ!』

『逃げようぜ!勝ち目ねぇよ!』

『ダメだ……!アレを放っておいたらロシウスは終わりだ!ここでなんとかしなきゃなんねぇ!』

 

とは言うものの、ガーディにはドラガンゼイドを破壊できる未来が見えない。

しかし逃げる事も出来ず、まさしく絶体絶命。

ロシウス軍に配属された事を呪い出した、その瞬間。

 

『必殺ファンクション!』

 

そんな声が、どこからか響いた。

そして数瞬を置いてガウンタのセンサーが遠くから放たれた高エネルギー反応を捉え、

 

『なっ!?』

 

地震と見紛うほどの揺れとともに地割れがドラガンゼイドの四本の足を巻き込み、バランスを大きく崩させた。

今のは間違いなくアタックファンクション、インパクトカイザーのものだ。

けれど、通常の機体が使うものとは威力が比べ物にならない。

あんなのを放てるのはロシウス……いや、セカンドワールド内でもただ一人だけだ。

 

『いたのか……!海道ジン!』

 

頼もしすぎる援軍の登場に、ロシウス軍が湧いた。

けれど、過去何度もキラードロイドと戦った経験のあるジンはわかっている。

あの程度で、ドラガンゼイドが機能を停止するはずがないと。

しかし、アタックファンクションはクールタイムに入りしばらく使えない。

 

『今だ!バン君!』

『あぁ!必殺ファンクション!』

 

故に、止めは親友に任せる事にした。

 

《Attack Function!JETストライカー!》

 

バンと呼ばれた少年のコックピット内に、アタックファンクションの発動を知らせる人工音声が響き渡る。

それと同時にロシウス軍が見たのは、空から飛来する青いLBXだった。

 

その機体、オーディーンは凄まじい勢いで急降下し、ドラガンゼイドが迎撃しようとレーザーを放射するも捉える事は出来ない。

そして飛行形態のオーディーンの先端が剥き出しのセンターコア(弱点)に突き刺さり、そのまま貫通する。

溢れたエネルギーは漏洩し、ドラガンゼイドの全身を電流が走り、爆音と衝撃波がデスフォレストの木々を襲った。

 

その光景をバンは、飛行形態から通常形態に戻ったオーディーンの視点から眺めている。

 

「ふぅー……やったな、ジン」

「あぁ、バン君のおかげだ」

 

目的を達したというのに彼の表情に達成感はなく、ドラガンゼイドに無惨に破壊されたLBXの数々を見て、ひたすらに悔しがった。

また、LBXを戦争の道具にしてしまった事が悲しくて、悔しくて。

 

(……でも、だからこそ、俺たちで止めるんだ。LBXを戦争に利用するなんて、絶対に許せない)

 

バンデッドも、仮想国家も、バンには関係ない。

第二の世界を謳うこのセカンドワールドを破壊する。

あたかも、悪に塗れた世界を壊そうとしたレックスのように。

そんな茨の道を歩み始めたのは、わずか二ヶ月前の事だった。

 

◆◇◆◇

 

「――ん! ――さん! バンさん!」

 

耳元で響く、ハキハキとした少年の声。

あぁ、もうそんな時間かと、バンはゆっくりと瞼を開いた。

 

「あっ、おはようございます、バンさん」

「あぁ、おはよう、ヒロ」

 

上半身を起こすと正面には見慣れた、しかし随分と久し振りな顔がある。

およそ2年前、一緒に世界中を旅した大空ヒロが、あの時と変わらない快活さでバンの前に立っていた。

 

「とうとう着きましたよ! 早く行きましょう!」

「えっ、もう?」

 

そう言われれば確かに、地面が揺れる感覚は無くなっている。

どうやらバンは、本当に今の今まで眠ってしまっていたらしい。

横になっていたベッドから急いで降り、バッグと机の上に置いたオーディーンを手に、ヒロと共に部屋から出る。

 

鼻腔を刺激する塩水の香り、肌に絡み付くような潮風、燦々と降り注ぐ陽光。

港特有のそれらの感覚を味わいながら、バンとヒロは船から降りた。

 

「バン、おせーぞ?」

「ごめんごめん、昨日、寝るの遅くなっちゃってさ」

 

そこで待っていたのは、懐かしい面子の数々。

カズ、アミ、ジン、ユウヤ、ラン、アスカの6人。

これまでも何度か集まった事はあったが、ほぼフルメンバーが集合するのはミゼル事変の時以来である。

 

「珍しいね〜、バンが寝坊するなんて」

「仕方ないよ、2年ぶりにみんなに会えるんだから」

「オレも久々にタケルに会えるからな〜。元気にしてっかな〜」

 

各々が表情を綻ばせ、楽しげに会話をしている。

思えば、一年前はずっと張り詰めた状況だった。

自由な時間はあったものの、やはりどこかで焦りもあって……それに比べて今は縛るものは何もない。

だからみんな、年相応な笑顔を見せるのだ。

 

それにしては、ジンの表情が若干固いのが気になるが。

 

「話だと私たち専用の案内人がいるらしいけど……見当たらないわね」

「考えられるのは予定が変更したか、案内人が忘れているかのどちらかだろう」

「えーっ!? じゃ、待ちぼうけってことか? めんどくせー」

「まぁまぁ、取り敢えず連絡しておくよ」

「その必要はないわ」

 

バンがカバンからCCMを取り出すと同時、斜め上の方から若い女性の声が響いた。

その場の全員がそちらを、船の甲板の方を向くと、そこにいたのは見慣れた人物。

バーリーウッドの制服に身を包み、チャームポイントであるウェスタン風の帽子を被ったジェシカ・カイオスであった。

 

「ジェシカ! どうしてここに?」

「どうしてって、私が案内人だからよ」

「でも、何も言ってなかったじゃないですか。みんなが来るのを楽しみにしてるわって、それだけですよ?」

「そりゃあ、先に言ったら面白くないでしょう? ちょっとしたサプライズよ」

 

応答しながらバン達の元へ歩いていくジェシカ。

そんな彼女に更なる疑問を投げたのは、ジンだった。

 

「……まさか、往復したのか?」

「えぇ、御明察よ」

「……どういうこと?」

「つまり、ジェシカは僕らと一緒に海を渡ってたんだよ。誰にも気付かれずにね」

「はー、手の込んだ事するなー」

 

と、そのタイミングでジェシカのCCMに着信が入る。

彼女がそれを確認すると、

 

「どうした?」

「早く来いってお達しね。相当レジェンド達を招きたいらしいわ」

 

A国副大統領、ガーダインが起こした事件、通称『パラダイス事件』の解決に尽力した9人の少年少女を、世間は敬意を込めてレジェンドと呼んでいる。

LBXに携わる者なら一度は聞いた事があるレジェンドの面々は、神威大門の上層部でも一目置かれていた。

 

「じゃあ、改めて言うわ。みんな、神威大門へようこそ!」

 

ディテクター事件、パラダイス事件、そしてミゼル事変。

集結し、別れた者達がここで再び集まった。

 

(胸騒ぎがする……何か、嫌な感じの……)

 

山の上に聳える校舎を見て、バンはふとそう感じる。

上手く言語化出来ないそれを払おうとして、けれど拭いきれないまま、皆と歩き出した。




ちなみにタイトルのWWはダブルウォーズの略です。
センスがないという意見は受け入れておりません。

それと、バンとヒロランを同時入学させたかったため年齢設定をいじりました。
のでバンとヒロランは同い年ですが、ジェシカは原作通り彼らより一歳上です。

仙道ダイキと郷田ハンゾウの番長コンビは出て欲しい?

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