Labyrinth of the Violet   作:白波恵

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OrchestraⅠ

 

「ヒヒィ〜ン!ゴッ、コッコッ!キャ〜ン!キャンキャンキャン!!」

 

「叩けよ、さらば開かれん」

 

「馬鹿に力だけはあるんだから」

 

「キャハハ!料理は結局体力勝負なんだよ」

 

「そうでございましょうね」

 

力強いノックの後に破壊された図書館への入り口

 

実体化したことによりあらゆる物理的衝撃、干渉が可能となり…九人の招かれざる客、残響楽団が図書館へと襲撃しに訪れた

 

吹き飛ばされた荘厳な扉はゲストを招き入れるゲートと同じだが、今回ばかりは建物の入り口を守るという役割を全うすることも出来ず、無惨にも木っ端微塵に破壊されてしまっている

 

そんな扉の残骸を踏み越え…八人のねじれと、青い残響が図書館内部へと侵入する

 

「みんな?ここにいらっしゃる方々がびっくりして隠れちゃいそうだよ

初めてみんなで一緒に挨拶するんだし、行儀よくしないとね?」

 

「うるさくしすぎるとゲストとして迎え入れてくれないかもしれませんよ」

 

「じゃあそのまま突っ込んで壊すしかないだろ」

 

土埃を払い除け、不躾にも招待なく訪れた残響楽団を拒絶するような空気が図書館内を充満させる

 

肌を粗い鑢で削るような不快な雰囲気の中でも…むしろそれが演奏を待ちわびる拍手でもあるかのように、ねじれた楽団員達は悠々としていた

 

これまでの過程を懐かしむように思い出話に花を咲かせ…今から図書館を侵攻し光を奪おうとしているのだ

 

「ここが図書館ですね〜!噂には聞いてましたけど、初めて来ましたよ!」

 

「オズワルドは粗末な場所で長い間サーカスをしていらっしゃいましたよね」

 

「だからいつも感謝していますよ!お陰様で酷い花の匂いが漂っていた天幕の外へ出られましたからねぇ~!」

 

「お前がはしゃいだせいでどれだけ疲れたと思ってるんだ?下手したらこっちが被害を被るところだったんだぞ」

 

「あの時には目に入るものがなかったんです、一緒に公演をやろうってことかと思ったんですよ」

 

「それでも最後には同じ道を歩めることになって本当に良かったと思います」

 

「私もです…アルガリア様のお陰で真の救いを得たんです」

 

団員達は羨望と期待の視線をアルガリアへ向けた

 

楽団に入った者達は皆、都市に順応できなかった者たちだった

 

大切なものを失ったもの、奪われたもの、騙されたもの…大きな存在に魅入られ、狂気的に信奉するもの

 

ここに集った誰もを、そして都市の人間全員をあるべき姿に導く演奏をするために、アルガリアは力を集めた

 

己の思うままに生きたいという欲望を発露させる、その目的のため

 

それを叶えるためにアルガリアは彼らを集め、団員の誰もがアルガリアに救われている

 

「はは、違うよ…違うよ、みんな

俺一人じゃここまで来れなかったはずだよ、みんなありがとう」

 

アルガリアは心の底から、団員達への感謝を示す

 

そこに嘘偽りはなく、ただ純然たる信頼と、志の一致がアルガリアの決意を揺るぎないものとさせている

 

…しかし、まだひとつ、足りないものがある

 

「ねぇアルガリア様、あと一人…足りないんじゃないかしら?」

 

「うん、そうだね…君の言う通りだエレナ

図書館に逃げ込んだときは少しは抵抗を見せてくれて愉快だったけど、やっぱり少し足りなかったね

ねぇプルート、ここならもう、()()()の効果は届くんだよね?」

 

「ええもちろん、貴方様の望むままに」

 

プルートに確認した後、アルガリアは嬉しそうに懐から一枚の紙を取り出した

 

それはプルートの力を用いて作られた契約書であり…それは青白い光を宿している

 

「さぁ、戻っておいで…イナ」

 

アルガリアがそう告げると、青い光は強まり、アルガリアの前へ収束する

 

小さな人一人分の光が集った後…その中から体中穴だらけでボロボロになっているイナが現れた

 

「あ…あ……アル、ガリ…」

 

「随分と()になったね、イナ」

 

怯えた瞳で咄嗟に距離を取ろうとするイナの動きを読み、アルガリアはイナより先に彼女の腕を掴み上げた

 

「逃げようだなんて、悪い子だ」

 

「いっ…あ、あの…わたし」

 

「紫の涙の本があれば俺から逃げきれると思ったのかな…本当に愚かで可愛いことをするんだね

でも、この契約書がある限りどこに行っても君は逃げられないんだ」

 

アルガリアが持つ契約書…それに書かれた条件は至ってシンプル

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()というもの

 

イナの言葉も、体も、命さえもアルガリアがすべての権限を握るもの

 

イナがアルガリアの元へ贖罪を求めに行ったあの時、彼はイナのこの契約書に署名させた

 

精神が正常ではなかったイナは、なにも躊躇うことなくそこに名前を書き記し…文字通り、縛られることとなった

 

「…わ…私、もう…もう嫌です…貴方の言う通りには、したくありません…!」

 

それでもイナは、真正面からの抵抗を続けた

 

微笑みが薄れ、冷たい視線を向けるアルガリアは、微かにイナの腕を握る拳の力を強める

 

骨の軋む音にイナは顔を歪ませた

 

「そう…イナ、お前は本当に愚かだ

昔からそう…お前が俺に敵ったことが、一度でもあったのかい?」

 

なにかが、イナの首に巻き付いて締め上げる

 

重く硬いそれは…鈍い金色の、鎖

 

それは首輪のようにイナの首を巻き取り、鎖の先は手綱のようにアルガリアが握っている

 

「なん…ですか、これは…!」

 

「覚えてない?昔あの男とアンジェリカが結ばれた日…お前は俺を止めようと向かってきたよね

その時に使った、()()()()()()()()…それの加工前の鎖だよ

契約書だけじゃ拘束力が弱いかと思ってね、持っていて正解だった」

 

鎖に縛られたイナは力が抜け、指先ひとつすら自分の意思で動かすことが叶わない

 

「どう…して…これは、無二に効くものなんじゃ…」

 

「うん?まさか、自分でもわかっていなかったのかい?」

 

座り込んだイナを、アルガリアが見下ろす

 

その冷淡な視線は、今まで何度も浴びてきたものだったが…今のそれは、内包する感情の色が違って見えた

 

「どうしてあの蛇の力…君の影が蛇の腸に繋がったままだと思う?」

 

「え…」

 

「疑問に思わなかったのかな、蛇は君の元から離れたのに、君の影はそのままだ

…簡単な話だ、君自身が蛇に()()()んだよ」

 

無二はイナの元から去っていった

 

イナが突き放したからだ

 

アンジェリカの死と魔女の言葉で正気を失ったイナが、無二を信じることができずに強く拒絶した

 

にも拘らず…イナの影は無二の腹に繋がっている

 

そのお陰で、今まで使っていた銃も弾丸も、あらゆる武器が今まで通り使うことができている

 

イナは常々疑問だった、だが深追いする余裕はなかった

 

「君から去った蛇は、いわば抜け殻…皮だけの存在

あの怪物の本質は、君に移ったんだよ」

 

元より存在していない左目を、アルガリアは指さす

 

「お前は人間じゃない…

 

怪物になってたんだよ」

 

その言葉は、イナの脳に大きな衝撃を叩きつけた

 

イナはもう、人形でも人間でもない…人の形をした、怪物

 

その事実を突き付けられて、イナは破裂しそうな心臓を抱えたまま項垂れた

 

「人間は皆、怪物を嫌うけど…でも大丈夫、怪物でもお前は俺の可愛い家族だ、見捨てはしない

さぁ…一緒に行こう、光はもうすぐだ」

 

アルガリアが差し出した手を、イナは黒ずんだ左手で握った

 

引き上げられ、イナが立ち上がったところで、図書館の奥からアンジェラとローランが姿を現した

 

敵対心を隠さない、険しい顔を残響楽団へ向けている

 

「あんた達正気?力ずくでこじ開けて入ってくるとか」

 

「こんな風に入ってくるゲストは初めてだな」

 

ローランは鎖に繋がれたイナを見て、こめかみに青筋を浮かべ、更に怒りを露わにする

 

「テメェ…」

 

「自分の家族を捨てたくせに、今更何を言おうと筋違いじゃないかな」

 

一触即発の空気の中で、アンジェラは静かに言葉を選び、問いかけた

 

「あんた達はねじれに呑まれなかった…どうしてできたの?」

 

「呑むか!呑まれるか!その岐路にてギリギリの綱渡りをしているのよ!」

 

「蒼白の司書は完全な人間になったんだろうか…もう蒼白だとも言えなくなったな

柔い肌と赤い血が流れているから」

 

血を主食として扱う血鬼のエレナが、アンジェラを値踏みする

 

機械として作られた体は金属で構成され、血も通っていないため血の赤みも暖かさも存在していなかった

 

しかし、図書館が本…もとい、光を回収する過程でアンジェラの望みを叶えるように、アンジェラの体は金属から肉へ、巡る電気は血液へ変わっていった

 

その変化により、蒼白と呼ばれるに相応しかったアンジェラの体は人のようにぬくもりのある赤みを増していった

 

「それで要件は?お前たちの本はないんだけど、招待してないし」

 

「僕達の探す答えが図書館にあると聞きました、それも最深部に…」

 

フィリップの言う「答え」というのは、図書館が集めた光のこと

 

それを、楽団も狙っているのはアンジェラ達も想定していた

 

「その本をぺろりと食べちゃうために尋ねてきたんですよ!」

 

「アンジェラ、貴方がその本をほとんど完成させたことを知っています」

 

「…誰が大人しく渡すって言った?」

 

「許しを得るとも言ってないよ」

 

楽団はもとより、交渉に来たのではなく、強奪するために来たのだった

 

その横暴さにアンジェラも不快感を隠さない

 

「お前とこんな風に話すのは久しぶりだね、ローラン」

 

「…」

 

ローランは黙ったままアルガリアを睨みつけた

 

時折、片手に握られた鎖に視線を向けながら

 

「返事してあげないってこと?ほんと薄情だね、お前のために喜ばしいニュースを持ってきたのに…

お前があれほど会いたがってた人とここまで来たんだよ」

 

「…は?」

 

「お前とは再会させたくなかったよ、まるで美しいバラの花と野獣みたいなお前達を

でも最後まで逢えないラブストーリーは…すごく胸が苦しくなるだろ?だから特別に一緒に来ることにしたんだ」

 

「何ふざけたことを…」

 

ローランの怒りの我慢が効かなくなりそうなとき、アルガリアの後ろからゼホンが前に出た

 

「久しぶりだな、ローラン」

 

「…どこかで会ったっけ?」

 

「どうしてわからないんだ、ずっと飽きるほど聞いていたのに

 

()()()()()()からな」

 

ゼホンが指を動かすと、その背後から一体の人形が姿を見せる

 

それは先日、ゼホンが完成させた…アンジェリカの亡骸から作った、アンジェリカの人形

 

糸に吊り上げられ、歪に動くその人形を見た瞬間、ローランは目を見開き目の前の光景が信じられないような表情を見せた

 

「…ああ、刺激が強すぎたか?」

 

「は…ぁ……」

 

愛した妻の肉と骨と血を使ったそれは、まさしくアンジェリカと呼べる体であり、その艶やかな髪と青い瞳はローランも見覚えのあるもの

 

記憶の中の輝く笑顔のアンジェリカを、ローランは思い出す

 

いくらアンジェリカの肉体で構成されているとはいえ、その記憶の中の笑顔と目の前のそれとでは、似ても似つかない

 

言葉を失ったローランに、アルガリアは語り掛ける

 

「どうしたんだよ…夢に描いていた再会ってまさにこういうことじゃないのか?」

 

「いったい…なんなんだよ、これは…?」

 

「見たとおりだ、あるいは昔よりもより美しくなった姿に驚嘆を禁じ得ないのか?」

 

ゼホンは糸を巧みに操り、アンジェリカ人形に恭しいお辞儀をさせて見せる

 

「…アルガリア!!!」

 

とうとう怒りを爆発させたローランは、手袋から取り出した剣を握ってアルガリアに斬りかかる

 

アルガリアはローランの刃を鎌の柄で受け止め、力は拮抗する

 

「怖いなぁ…どうしたんだ?お前が愛するアンジェリカにやっと逢えただろ

まさか…また一目惚れしたのか?また俺からアンジェリカを奪うのか?

いや、今度はそうはならない」

 

アルガリアはローランの攻撃を弾き返し、ローランは数歩後ろへ飛び退いた

 

「アンジェリカはお前にとって分に過ぎる存在だ

お前なんかのせいで、人生が壊れてはいけなかったんだ」

 

「…お前はあの姿を見ても、何とも思わないのか?」

 

「より完璧になった姿に、そこまで驚いたんだね」

 

「……楽に死ねると思うなよ、生きたまま骨まで嚙み砕いてやる」

 

「まだ目が眩んだまま過去に囚われてるんだね、愚かなローラン

本当…君達親子はそっくりだ

俺みたいに前を向いて歩けよ、ゼホン達がどれだけ苦労したか知ってるか?」

 

()()()に混じった死体を選び出すのは俺にとっても結構な苦行だったな」

 

「私も、暑さで膨れ上がった死体の塊からアンジェリカの血だけ抽出するのは苦労したよ」

 

ゼホンとエレナがアンジェリカ人形を作った時の苦労を口々にすると、それまで険しい表情をしていたアンジェラの瞳が揺れる

 

何かに気付いて、動揺しているのが目に見える

 

その揺れる瞳を、アンジェラはローランへ向けた

 

「……ピアノ?」

 

困惑に染まったその言葉をアンジェラが口にすると、アルガリアは滑稽そうに笑い声をあげた

 

「え?…はは、ははははは…!

あぁ…これはこれは、まだその時じゃなかったかな?

本当に申し訳なさすぎるなぁ、ローラン?もしかして俺が、お前の計画をぶち壊したわけじゃないよね?」

 

「……」

 

「ピアニストの…ことを言ってるの?」

 

アンジェラは思い返している

 

ローランが大切な妻とお腹の子を失ったこと

 

共に暮らしていた養子(イナ)が何かの贖罪でアルガリアの命令を聞いていたこと

 

イナの接待時の心象風景に…ピアノが存在していたこと

 

その他にも…真実を推測する要素は、取り揃っていた

 

「ウヒンヒンヒィン!キャンキャン、キャキャキャン!!」

 

「キャハハハッ!私も知っていることをご存じないのかしら?頭でっかちなのね!」

 

「思ってたよりショーがより甘酸っぱくなっていきますねぇ~ん!」

 

「あはははは!!あぁ~俺もできれば言うの我慢しようと思ってたんだけど…笑いすぎて涙が出てくるなぁ

純真で間抜けな機械が」

 

腹の底から込み上げてくる笑いに委ねながら、アルガリアは容赦なく、真実を突き付ける

 

「アンジェラ…お前があの腹黒野郎の片割れを殺したんだよ?お前が俺の妹を殺したんだ」

 

その言葉に、真っ先に異を唱えたのは他でもない、イナだった

 

「…ちがう…違います、アンジェリカを死なせてしまったのは、私です…!」

 

「いいや、アンジェラが全ての元凶だ

お前には黙っていたけど…皆はそれを知っているんだ」

 

「白夜黒昼のせいでねじれが、そしてねじれのせいでピアニストが」

 

「そして白夜黒昼はアンジェラ、お前の()()で起こったことだ」

 

「明白な因果ですね」

 

「可哀相なアンジェラ様、どうしてまだ盲目でいらっしゃるのでしょうか」

 

アンジェリカが死んだのは、ピアニストからイナを庇ったから

 

そもそもピアニストが生まれたのは、白夜黒昼が起こったから

 

その白夜黒昼が起こったのは…アンジェラが光を横取りしようとしたから

 

イナ、ローラン、アルガリアが不幸の円環に陥ったのは…その根本的な元凶は、アンジェラにあった

 

信じられない、信じたくないようにイナはアンジェラを見た

 

イナの記憶にあるアンジェラとは纏う空気も性格も全く違う、アンジェラ

 

誰よりもシナリオの成功を…光の種を人類に配ることを目指していたはずのアンジェラが、それを妨害した

 

そのせいで、イナの幸福な生活は崩壊した

 

言い表せられない黒い感情が、イナの胸の内に芽生え始める

 

「…それくらいで十分だろ」

 

ローランがアンジェラを庇うように彼女の前に立った

 

「今回は予想より落ち着いているな、じたばたも、暴れまわりもせずに」

 

「あの目の眩んだ野郎のお陰で、少しでも怪しい実験をしていた組織や事務所が荒らされた」

 

「そしてその目の眩んだ憤怒に…私達まで被害を被ったんです」

 

楽団に集まった者達は、己の思うままに生きたいという欲望を発露させるためだけじゃない

 

「ローラン、お前は俺達を覚えてないだろうけどな…私はただ、不幸な事故で死んだ俺の息子を生き返らせたかっただけだ」

 

ローラン個人に人生を、希望を潰された者達も楽団に身を寄せていた

 

「当然、お前の妻の死とは何の関係もなかった」

 

ローランへの恨みを言葉に込め、視線に込め、そしてアンジェリカ人形を作る手に込めた

 

ローランもまた、アンジェリカ人形の姿を見て思い出した

 

かつて自身がピアニストへの恨みを晴らすために、ねじれ(それ)が発生した原因を探すためにあらゆる研究所などを襲撃したこと

 

そこで、一人の男が悍ましい手段で精巧な人形を作っていたことを

 

「お前らがどんな切ない事情を持ち合わせていた野郎どもであれもう関係ない…それが全部俺のせいだったとしても関係ない…

お前…お前は…!!」

 

怒り心頭になったローランを、アンジェラが静かに鎮める

 

「ローラン、落ち着いて…どうしたの、貴方らしくないわ」

 

「…俺らしくない、だぁ…?」

 

しかし、二人の間の空気も重苦しく、穏やかとは呼べないものになっている

 

それもそのはずで…ローランが一番復讐を果たしたい相手は、今自分を気遣っているアンジェラなのだから

 

「ああ…状況が凄く面白い感じで移り変わってるなぁ

それでも誤解しないいでね、アンジェラ

俺はあの黒い奴みたいに君に復讐したいからこの場まで来たわけじゃないんだよ

いや…むしろ感謝してるんだよ?」

 

「君のお陰で私達が力を得てここまで来れたってことじゃない!」

 

「ありがとうございます…私達が救われる道を拓いてくださって」

 

「ここで俺達は図書館の光を得て、ピアニストを超えた美しさで都市を照らすんだ

誰も俺達を忘れないように!

だからアンジェラ…俺がどうして君に感謝せずにいられようか」

 

「俺も感謝しよう、お陰で思い通りにアイツの心を揺さぶることができたから」

 

「この次にのストーリーがすぅ~っごく気になりますけど!惜しいことに我々は見れなさそうですねぇ」

 

各々が感謝の言葉を述べる中、大きな影たちに隠れたイナは、静かにアンジェラを見つめていた

 

きっと、アルガリアがこれを秘していたのは、イナを罪悪感で縛り思うままに動かすためでもあるんだろう

 

しかし…多くの殺しに手を染め上げ、心が壊れた今…全ての元凶がアンジェラにあると知れば

 

自分の苦痛の原因を見つけた少女は、どう動くのか

 

そんなイナの様子を見守っては、アルガリアは嬉しそうに鎖を握った

 

「さぁ!それじゃあ準備して

この都市の歌がフィナーレを控えているから…お前はお前達のストーリーを守らないとね?」

 

舞台は暗転し、光は消失し、暗闇が広がる

 

招かれざる客人達を出迎えるために、図書館は接待の準備をする

 

 

 

「…ローラン」

 

「何も言うな

まだ、アルガリアを止めるべきという同じ目的があるから…」

 

 

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