東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ リメイク   作:フジパンホンジコミ

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旧都での出来事

 

 

 

 

 

俺が地霊殿で過ごす様になって早1ヶ月が過ぎた。

 

さとりの怪我もすっかり完治し、今では普通に生活できるようになった。

 

1ヶ月のほとんどは、さとりの治療だけでなく飛鳥と組手を行ったり、書斎から持ってきて本を読んでいるか、さとりの代わりに仕事をしたりまたはこいし達の遊び相手をすることが多かった。

 

おかげでこの時代のことについて知ることができたし、こいし達にもすっかりなつかれてしまった。

 

ちなみに食事に関しては、さとりと話し合った結果一緒に作るようにした。

 

この1ヶ月でさとり達と信頼関係を築くことができたのが俺としてはとても嬉しいことだ。

 

 

 

 

玄武SIDE OUT

 

 

 

 

昼食を食べ終わり、少し休憩してからお燐とお空は仕事に戻りこいしはペット達と遊ぶために部屋に戻った。

 

食堂に残った2人は、椅子に座りお茶を飲んでいた。

 

さとりは話しかけようか迷っており、少しそわそわしていたが逆に玄武の方から話しかけてきた。

 

 

「そういえば料理をしていて気づいたんだが食料がなくなってきているが、買い出しなどをしなくていいのか」

 

「そ、そうですね、備蓄が少なくなってきているので、旧都の方に買い出しに行かなくてはいけませんね。」

 

「だから一緒に行こうと思っていたんだ私でも荷物持ちくらいにはなるだろう。それに旧都の町をゆっくり見てみたかったからな」

 

「いいのですか?では30分後にロビーで待ち合わせということで」

 

「わかった」

 

 

2人は、身支度をするためにそれぞれの部屋へと帰っていった。

 

身支度を終えた玄武は一足早くロビーにむかった。

 

早く来すぎてしまった玄武は、さとりが来るまで本を読んで待つことにした。

 

5分後にさとりがロビーにやって来たのでそのまま旧都に向かった。

 

 

さとりSIDE

 

 

旧都に来た私達は、先ず八百屋に向かいました。

 

 

「すみません」

 

「へいな・・・んでしょうか・・・」

 

 

店員が私の顔を見るなり、嫌そうな表情を向ける。

 

 

(めんどくさい奴が来た)

 

 

心の声を無視して、様々な食材を玄武さんと手分けして選んでいく。

 

 

(さとりだ!やっば)

 

(ちっ・・・あいつかよ。)

 

(あれがさとり・・・こわやこわや。)

 

 

周りから何時も通りの反応が心に響く。

 

・・・もう慣れたもので、そんなことに気にも留めず、会計を済ませようと店員に近づいた。

 

 

「会計をお願いします。」

 

「へい・・・占めて3800円だよ。(早く違うところに行ってくれないかね)」

 

「はい。」

 

 

私は財布から4000円を出しそっと会計台に置いた。

 

 

(・・・気味が悪くてしょうがねぇ)

 

 

昔なら心が痛んだその声も、気にならない。

 

店員がおつりを出す。

 

チャリンと私の手ではなく会計台へと乱雑に置く。

 

これも何十年と続けてきたやりとり・・・手にすら触れるのを嫌がる。

 

私は会計台に置かれたお釣りを取ろうとしたとき

 

 

「・・・ちょっと待て。」

 

 

そんな言葉が私の後ろから聞こえた。

 

私が後ろを振り向くと、玄武さんが店員を睨みつけていた。

 

 

 

さとりSIDE

 

 

 

「おい、あんたそれでも八百屋の店員なのかよ。お客に対して失礼なんじゃないか。」

 

「いえ・・・その・・・。」

 

「言うのか言わないのかはっきりしろっ!?」

 

 

怒りの表情の玄武に、店員がたじろぐ。

 

大声で叫んだことにより、周りにいた客が一斉になんごとかと集まってきた。

 

 

「し、しかし彼女は・・・その、覚と呼ばれる妖怪でして、おまけに『心を読む程度の能力』を持っているし・・・」

 

「それだけか。」

 

「・・・へ?」

 

「さとりがこの店になにかしたか?」

 

「え・・・そ、それは・・・していません・・・」

 

「・・・あんたは、何もしてないのにそんな態度をとったんだな。」

 

「いや・・・しかしですね。」

 

「覚妖怪だからなんだっ!『心を読む程度の能力』を持っているからってなんなんだっ!種族や能力だけの上辺の部分で判断してんじゃねぇ!」

 

「っ!?」

 

「周りの者たちにも言えることだが、彼女の気持ちを考えたことがあるのか、ただ一方的に嫌っているんじゃないのか」

 

 

そんなことを言われ、周りの人達は何も言い返せなかった。

 

そんな中――

 

 

「ちょいと通しておくれよ」

 

 

人ごみの中を進んでくる者がいた。

 

 

「この騒ぎはなんだい、喧嘩でも起きたのかい」

 

 

頭をパーマにして、肉のロゴが入ったエプロンをつけた小太りの女性が話に乱入してきた。

 

そしたらさとりがその女性に近づいた。

 

 

「こんにちは、お肉屋のおばさん。」

 

「おや、さとりちゃんじゃないか!聞いたよ汚してたんだってね大丈夫会かい?」

 

「はい見ての通り完治しました。」

 

「ははは・・・それは良かったよ。ところで聞いてもいいかい?」

 

「はいなんでしょう」

 

「この騒ぎはどういった理由で起きたんだい。」

 

 

理由を聞かれたのでさとりは、これまでのいきさつを話した。

 

 

 

玄武SIDE

 

 

 

さとりが肉屋の女性に説明しているのを見ていたが、その女性は聴き終わるとこちらに向かってきた。

 

そしたらいきなり俺と八百屋の店員は頭に拳骨を喰らった。

 

 

「(むっ!なかなか威力のある拳骨だな。)」

 

 

俺は殴られた部分を摩りながらそう考えていた。

 

その後、私と店員はお説教をされた。(正座で)

 

30分ぐらいで終わったが体感的に1時間説教されていたんじゃないかと感じた。

 

 

「ほら、あんたは元の持ち場に戻んな。あと、さとりちゃんには普通に接するようにすること・・・わかったね。」

 

『はい(小声で)』

 

「声が小さいよ!?それでも男かいあんたらっ!?」

 

『はい!?』

 

 

そういって八百屋の店員は戻っていった。

 

それを見送った後、肉屋の女性とさとりが俺に近づいてきた。

 

 

「玄武さん。大丈夫ですか?」

 

 

さとりが心配してくれていたので、大丈夫と答えておいた。

 

 

「悪かったね、あんたはさとりちゃんのことで怒ってくれたのに。」

 

「いいや、ここで騒動を起こしてしまった俺も悪いのですから。」

 

「ふふ、しかしあんなこと言えるのがこの地底にいたなんて知らなかったよ。」

 

「知らないのは当然だと思いますよ。玄武さんが地底に来たのは1ヶ月ほど前ですから」

 

「なんだそうだったのかい」

 

「ええ、俺は元々この地底の者ではありません。」

 

「なるほどね、納得が言ったよ。地底の者じゃないからこそ偏見することがなかったんだね。」

 

 

肉屋のおばさんは頷いていた。

 

そして俺に話しかけてきた。

 

 

「あんたにお願いしたいことがあるんだけどいいかい?」

 

「何ですか?」

 

「さとりちゃんのことこれからも守ってくれないかい。」

 

 

俺は笑いながら

 

 

「素よりそのつもりです。」

 

 

そう私は答えた。

 

肉屋のおばさんは頷いてこの場を離れていった。

 

 

 

玄武SIDE OUT

 

 

 

買い物を終わらせた2人は、地霊殿に帰っている途中である。

 

 

「玄武さん、今日はありがとうございます。私のことで怒ってくれて。」

 

「気にしなくっていい俺が勝手にしたことだ。」

 

「でも!」

 

「なんだか大切なものを傷つけられたような気がしていてもたってもいられなかったんだ。」

 

「玄武・・・さん」

 

 

さとりは、玄武がそんなふうに思っていてくれたことが嬉しくって泣き出してしまった。

 

 

「ど、どうしたんだっ!どこか痛いところでもあるのか!」

 

「いいえ・・・違うんです・・・ひっく・・・嬉しくって・・・い、今まであんな・・・風に思われた・・・ことがなくて」

 

 

涙を止めようとしても、止めどなく流れ出てしまう。

 

 

「さとり・・・」

 

「玄武さん。」

 

 

さとりは玄武に抱きついた。

 

 

「玄武さん・・・今だけこのままでいさせてください。」

 

 

玄武はさとりが泣き止むまでその場を動かなかった。

 

「見苦しいものを見せてしまいましたね。」

 

「気にすることはないと思う。それに少しはすっきりしたんじゃないのか。」

 

「そうですね、心に溜め込んでいたものが一気に出た感じですね、これも玄武さんのおかげです。」

 

「どういたしまして。」

 

 

その時さとりは何か思いつき、玄武を呼び止めた。

 

玄武はさとりの方を見ようとしたとき、ほほに何やら柔らかいものが当たった。

 

 

「っ!?」

 

「これはそのお礼です。」

 

 

その時のさとりの笑顔はとても綺麗で、玄武は見惚れていた。

 

 

「先に戻っていますね。」

 

 

さとりがそう言って先に戻っていったが、玄武は顔を赤くしてその場所から動かなかった。

 

ちなみに玄武が再起動したのがさとりがこの場から去って10分後であった。

 

 

 

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