東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ リメイク 作:フジパンホンジコミ
あの旧都での出来事から半年が経過しました。
私と玄武さんは現在、旧都の商店街に来ています。
今では、普通に旧都に買い物に来ることができるので嬉しい限りです。
「おや?さとりちゃんに玄武の旦那じゃないか!どうだい新鮮な魚が入ったんだよってかなかい。」
「抜け駆けしてんじゃねー魚屋!さとり様こっちの店にも寄ってくれよ。」
「さとりさんに玄武さん。こんちはー!うちの店寄って下さいね。」
ふふっ半年前ならば自分の心を読む能力のせいで忌み嫌われていたばかりでしたけれど、今では皆優しく接してきてくれる。
そしてそれが心の底から接しているのがわかる。
「これも全部玄武さんのおかげです・・・ありがとう。」
私は聞こえないようにボソっとつぶやいた。
「何か言ったか?」
「いいえ何も。それより夕食はどうしますか?」
「そうだな――」
私と玄武さんは、今日の夕食のことについて話し合っていると複数の人影が近づいてきていました。
「おお~ここにいたかさとり!」
私と玄武さんは声のした方を見た。
さとりSIDE OUT
玄武SIDE
「勇儀さんそれにパルスィさんにヤマメさん、キスメさんも。皆さん揃ってどうしたんですか?」
「噂に聞いたよ、最近旧都の連中ともうまくやってるそうじゃないか」
「あれだけ怖がられてたのに、今じゃ普通に接してもらってるそうじゃない。妬ましいわね。」
「いや~あたし達としては、嬉しい限りだね。やっと地底が一つにまとまったって感じてさ。」
「(コクコク)」
どうやらさとりとは顔見知りらしい。
さとりに感じたちが誰なのか聞いた。
「さとり彼女たちが誰なのか教えてくれないか。」
「そういえば玄武さんは、お会いしたことがありませんでしたね。」
「あたしらからもお願いするよ。あとそこの男についても教えてもらえると嬉しいね。」
どうやらこの一本角の鬼の女性は、俺に興味深々らしい。
「紹介します。右の方から鬼の星熊勇儀さん、橋姫の水橋パルスィさん、土蜘蛛の黒谷ヤマメさん、釣瓶落としのキスメさんです。」
「よろしく頼むよ。」
「・・・ふん。」
「どうも~。」
「(コクり)」
「そしてこちらの男性が現在地霊殿に一緒に住んでいる亀山 玄武さんです。」
「よろしく。」
「こちらこそよろしくさね。」
「玄武さんは飛鳥さんの武術の師に当たる方なんです。それに守護神とも呼ばれているそうです。」
「へぇ~。」
勇儀という女性の目つきと雰囲気が変わったな。
なんだか嫌な予感がするな。
「ちょっといいかい。」
「なんだ?」
「あたしと戦ってくれないか。」
やっぱりこうなるか。
玄武SIDE OUT
玄武達は迷惑がかからない様に違う場所に移動した。
しかもどこで話を聞いたのか飛鳥とこいしも来ていた。
人気のない場所まで移動してきた玄武達は、それぞれのことを考えていた。
「(面倒なことに巻き込まれたな。)」
「(体が疼いてしょうがないねぇ~。)」
「(勇儀さんには困ったものです。)」
「(まぁ~た勇儀の悪い癖が出た。)」
「(これはこれでおもしろそぉ~。)」
「(これからどうなっちゃうんだろう。)」
「(こりゃ大変なことになるな。)」
「(なんだか面白そう♪)」
玄武は確認したいことがあったため、勇儀に話しかけた。
「ひとつ聞きたいことがある。」
「何だい。」
「戦って欲しいと言われても、具体的な内容がわからない。弾幕ごっこで戦えばいいのか、それとも素手での戦いなのか教えてくれ。」
「もちろん素手に決まっているよ。」
玄武は、溜め息を吐き、気持ちを切り替えた。
勇儀達は、玄武の雰囲気が一変したことに気づいた。
独特の構えをした玄武からは尋常でない威圧感が出ていた。
これを感じた観戦組はというと
「さすが師匠闘神と呼ばれてただけのことはある。」
「これが・・・玄武さんの戦闘時の威圧・・・」
「飛鳥の師匠なだけあるね。」
「なんでこれだけの存在が地底にいるわけ!」
「私にはちょっときついかな。」
「(ブルブルブルブル)」
そして勇儀にいたっては
「いいねぇ・・・やる気が出るってもんだよ!」
早く戦いたくてうずうずしていた。
勇儀は一歩一歩ゆっくり歩き玄武に近づいた。
「さとり、審判をしてくれないか。やりすぎないためにも。」
さとりは少し考えた。
「わかりました。ではルールを説明します。決闘方法は素手のみ。時間は無制限。先に相手を気絶させるか負けを認めさせた方を勝ちとします。これでよろしいですね。」
「ああ、かまわないよ。」
「了解した。」
「それでは・・・始め!」
ドゴォォォォ!
開始直後に拳同士がぶつかりあった。
ぶつかりあって衝撃波が発生しさとり達は飛ばされそうになった。
「なんて衝撃波だ、飛ばされないようにするのが精一杯だよ!?」
「見てまた動くよ。」
「ダリャァァァ!!!」
「武神流『破岩掌』!!!」
またも攻撃がぶつかりあったが今度は勇儀が力負けして押し返された。
しかし勇儀はすぐさま拳を繰り出した。
「オラアアァァァァ!!!」
「武神流『双牙煉獄掌』!!!」
ドガガガガガガ・・・
そのあとは凄まじい連打の応酬が繰り広げられた。
「すごいですね、勇儀さんと互角に戦えるなんて。」
「互角なものか。師匠はまだ本気も出しちゃいないよ。」
「はぁ!?あれでまだ本気じゃないっていうの!?」
「今はまだ肩慣らしだ、でも徐々にギアを上げてくる頃だと思う。」
「あれで肩慣らし・・・」
さとり達は言葉をなくした。
「ほら勇儀が押され始めてきたぞ。」
飛鳥の言葉どうり次第に勇儀が押され始めたため、勇儀は咄嗟の判断で玄武の腕を掴んで投げ飛ばし距離をとった。
投げ飛ばされた玄武は何事もなかったように着地した。
勇儀は乱れた呼吸を整えながら、玄武を睨みつけた。
「ハア、ハア、全くとんでもない化物じゃないか、こっちは息切れしてるっつーのに、全然乱してないなんて。」
ここにいる飛鳥以外の全員が認識した。
これが玄武の力なのだと。
しかし、勇儀は観喜した。
自分よりも上の実力者がいたことに。
自分はまだまだ強くなれることに。
だから勇儀は最後の大勝負に出た。
「なあ。あたしから提案があるんだがいいかい。」
「なんだ。」
「今のあたしじゃあんたにはかなわない。だから次の一撃で終わりにしようと思う。」
「・・・わかった。その提案受けさせてもらうぞ」
「ありがとうね。あんたの気持ちに応えるために最高の一撃を見せてあげるよ。」
「それはこちらも同じだ。じゃなければ、君に失礼だ。」
そういって双方、腕を構えた。
そして同時に走り出した。
「四天王奥義『三歩必殺』!!!」
「武神流奥義の極み『武王烈震天衝』!!!」
ドゴォォォォ!
今までにないくらいの衝撃が周りに伝わり、いろいろなものが消し飛んだ。
なんとか耐えたさとり達は、煙で見えなくなってしまった玄武と勇儀のいるであろう場所を凝視した。
その時煙の向こうから誰かがこちらに向かっているのを感じた。
勇儀SIDE
「んっ」
あたしが目を覚ましたら、部屋の中にいた。
どうやらこベットに寝かせられていたらしい。
あたしは起き上がろうとしたが、体の節々が痛く起き上がれそうになかった。
そしてあたしは気づいた。
自分がここにいるというのは、あの勝負は負けたんだなと。
正直言って悔しかったが、清々しい気分だった。
すると――
ガチャ
「勇儀さん、目が覚めたんですね。」
「ああ、さとりがいるってことはここは地霊殿ってことか」
「ええ、あのあと大変だったんですけど飛鳥さんが勇儀さんをおぶってここまで連れてくれたんですよ。」
「悪かったね。」
「お礼なら飛鳥さんに言ってください。」
「そうだね。」
「でも勇儀さん大丈夫ですか?」
「ん?」
「玄武さんと勝負して負けてしまったので。」
「気にするな。あたしが勝手に勝負ふっかけて負けたんだから。それに目標も出来たしな。」
「目標?何なんですかそれは。」
「それは秘密さね。言っとくけど心を読んで知ろうとするのもなしだよ。」
「わかりました。」
あたしはそう言ってさとりを納得させた。
そしたらドアの向こうから何やらいい匂いがしてきた。
「なんかいい匂いがしてきた。」
「そういえばいま宴会をしてるんですよ。」
「なにっ!宴会だと、こうしちゃいられない!!!さあいくぞさとり、宴会をしに!!!」
あたしはそのことを聞き、足早に宴会場に向かった。