とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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なんか書いてみたくなったので書きました。
続きを書くかは未定。

※この作品は原作24巻までの情報を元に執筆しています。


山鳥 鷹-①

きゅいいん、と乾いた音が手元で響く。

 

電気で動く工具の一種、先端だけが少し特殊な形で作られたここでしか使われない特注品。

空回りする直前で止め、蓋を取り外せば中身は幾つかのチップを収めるケースが目に入る。

けれど、埋まっているチップはたったの一枚。

 

「それで、何に変えたいんだっけ?」

「ええと……。」

 

薄目で、しっかりと見ないようにしながらそれを取り外し。

万が一何かが起こっても良いように小さなケースに収め。

此方を心配そうに見る少年へと目線を向け直した。

 

「そんなに心配するようなことでもないよ、向き不向きは誰にだってあるし。」

「そういうもの、なんですか?」

「そういうものなんだよねえ。」

 

最初に与えられたモノがどうにもしっくり来なかったから、と告げた彼。

抱えているものは、自分に対しての不安なのか。

それとも俺自身の腕に対してなのかは分からないが、まあ。

()()()()()()()()()()()()()、という自覚自体は常にある。

 

何しろ、周囲を見れば。

俺より年上しかいない……というよりも、明らかに俺だけが若すぎるんだから。

 

「それで? どの()()()()にするの?」

「ええっと……レイガストから弧月に変えてみたいんですけど……。」

 

はいはい、と口にしながら。

彼の求める武器(トリガー)へとチップを付け替える。

 

(まあ、レイガストはどう扱うかも難しいしなぁ。)

 

新入隊員として加入して、既に二月程が過ぎているからなんだろう。

Cランク隊員……見習いのような、ボランティアのような立ち位置から抜け出そうと試行錯誤する事自体は応援する。

何より、こうして隊員を手伝うのも俺の仕事の一部なのだから。

 

「はいよ、交換終わり。」

「あ、有難うございます。」

「言うまでもないことだろうけど、使い勝手は全然違うから慣らしから入るように。 重さとか本気で違うから。」

「分かってます。」

 

そう、忠告のように口にしてしまうのも。

余計なことだと分かっていても、言葉として発してしまうのも。

 

俺には出来なかったことだから。

 

そんな内心が含まれているのは、誰よりも俺自身が分かっていた。

 

ぺこり、と頭を下げて去っていく彼を見送った後で小さく溜息を漏らす。

机の上に置かれた、一枚の写真を細目で見つめ。

隣に置かれた、小さな置き時計で時間を確認して。

 

「すいません、そろそろ時間なのでいつも通りにしてきます。」

「あ、もうそんな時間? 分かった、おつかれー。」

 

そう、室内の……俺と似たような事をしている先輩方に声を掛け、立ち上がる。

()()()()()()()()()()()()()()、彼等の姿。

 

いつも通りと成りつつある、そんな日常。

求めていたものとは違ったけれど、自分に出来ることを探し続ける日常。

 

悪くはない、という思いと。

変えたい、という思いと。

平穏と変化とを同時に抱えながら、今日も普段と同じように身体を目的地へと向かわせる。

 

此処は、界境防衛機関(ボーダー)本部。

そんな中の、技術者(エンジニア)達が集う一室。

 

俺――――山鳥鷹(やまどりよう)は。

今日もまた、副作用(サイドエフェクト)に苛まれながら……生きていた。

メインにしようかな、と思う年齢/ポジションの女キャラアンケートです。

  • 年上/オペレーター
  • 同い年/オペレーター
  • 年上/戦闘員
  • 年下/戦闘員
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