『実際どうなるかは分かんないけど、覚悟だけはしとくように。』
本部の入り口でそんな言葉を残して去っていった小南。
少しの間そこで立ち尽くした後で、自分自身について息を吐いた。
ああ、みたいな。
曖昧な返事を彼女は了承の返事として受け取っていったけれど。
俺は――――はっきりと、返事を返せなかった。
経験が甘い、実際に現場に出たことがない。
幾らでも理由を付けられても、結局の所は自分を認められていなかったから。
(恥ずかしい……。)
自分を恥じる。
自分に何かが出来ると思いこんでいても、前に踏み出す契機として受け取っても。
『防衛部隊』の中で何が出来るのか、大手を振って言い切れないと心の何処かで思ってしまっていたからか。
或いは。
”誰かの為”。
”復讐の為”。
”戦いの為”。
”未来の為”。
俺は、活躍という結果だけを求めているからなのか。
出歩く人数も少ない道を進み……食堂前へ。
思ってしまったものを抱えたまま自室に戻りたくなくて。
少しだけ休んでいこう、そんな逃避の感情を込めて向かった先で。
「……あら。」
(…………。 おいおい。)
防衛任務上がりなのか。
トリオン体の女性――――どうにも忌避感が抜けない少女が珍しく座っていた。
隊の部屋ではなく、此方にいるという意味合いで珍しく。
そして、そもそも一人でいるのもなかなか珍しい少女……那須玲。
「……どうも。 任務上がりですか?」
「そう――――ね。 少しだけ、喉が渇いてしまって。」
身体が弱く、トリオン体で普通の生活を得た彼女。
トリオン量の影響……サイドエフェクトの影響で日常生活を含め影響が出た俺。
同じトリオンを用いても、正と負の影響方向の差が出てしまっている。
だからこそ、彼女のことを不思議と苦手にしていた。
……知り合った当初の出来事がなければ、事務的な話さえ行うか分からない。
余り知らない間柄で済んでいたはずなのに。
「山鳥くんは……今帰り?」
「ええ。 少し用事がありましてね。」
実際は、こうして出会うことがあれば
積極的に探す、ということはお互いに余り無いけれど。
機会があれば話し込んでしまい――――後で、自分に対して何かの負の感情を覚えてしまいがちな人。
精神的にかなり強い……というよりは仲間思いで、同時に『軍人』としてタフな資質を兼ね備えた人物。
そんな事は当然のように分かっていて、誰からも慕われる相手なのも分かっていて。
どうしても比較してしまうから、なのだろうか。
「珍しいわね、用事だなんて。」
「体の良い肉体労働ですよ。
そう、なんて。
呟きながら口を付ける。
薄暗い室内に漂う白い湯気が、棚引いて見えた。
「任務の方は?」
「トリオン兵が一体、弓手町支部の方で出たわね。 特に問題なく片付けたから。」
極自然に、当たり前のようにそう告げる。
それをするだけの訓練をこなし、それを出来るだけの腕前を持つ彼女に。
何も思わないのかと言えば、嘘になる。
「……座らないの?」
「そう……ですね。 それじゃあ。」
何となく、立ち去る機会を失って。
勧められるがままに、腰を落ち着けてしまった。
年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)
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ダメ男育成員月見さん
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超ゲーマー国近さん
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やや寸胴今さん
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姉御肌過ぎるののさん
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謎アイコン製作者橘高さん
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同い年だけど三上さん