周囲に漂っていたのは甘い匂いと、少しのカフェインのような香り。
カフェオレか何かでも飲んでいたのか。
両手に抱えられたカップの中には未だ半分程中身が残っているようだった。
「……。」
「…………。」
目線を交わす。
口を開こうにも、話題が浮かばなかった。
苦手としていても、嫌いなわけではない。
それなのに浮かばないのは、多分に。
先程までの混乱が残っているのが大きな要因を占めていたのだと、そう思う。
けれど。
こういった静寂の環境は時折起こるもので。
そして互いに、それを嫌うというよりは
だからこそ、飲み物を飲む際の喉音さえも響く環境で。
――――心を落ち着けるには、十分過ぎる時間が過ぎていく。
「……ねえ。」
「はい?」
そんな静けさが打ち破られたのは数分後。
彼女から告げられたそんな言葉が切っ掛け。
「……少しは、落ち着いた?」
ぽつり、と漏らす言葉が闇の中に響く。
「……え、っと。」
「気付かないと思ったのなら。 少しだけ、嫌な気分かな。」
上手く誤魔化す言葉を選ぶのにも失敗し。
畳み掛けるように告げられた言葉に、頷くしかなくなる。
「何があった、とかは……
君、と言った少しだけ離れた言葉。
変に気を使わずに言ってくれる言葉。
それ自体が、此方を慮って告げてくれる気持ちを示しているのが伝わってくる。
「大丈夫?」
「……はい。 ちょっと、その。 個人的な感情というか、バカバカしい事なので。」
入隊の時期としては彼女のほうが後で。
年齢としては同い年で。
そして、組織への貢献や知名度としては彼女が上で。
後輩のような、上司のような。
俺が一方的に抱く感情を含め、昔父が言っていた『難しい間柄』というのはこういうものなのか。
ただ、男女間にある性別差――――という言葉だけでは片付けられない奇妙な想い。
「話を聞くくらいなら、いつでも出来るからね。」
「……有難うございます。」
任務以外では。
殆どが家にいなければならない、病弱の身であるからこその言葉で。
そして、それを良く知っている俺は……させてはいけない表情で。
「那須さんも。」
だから。
咄嗟に言葉を口にしたのだと思う。
少しでも、そんな顔を打ち消そうと思ってしまったから。
「うん?」
「……時間がある、ってのも中々無いでしょうけど。 少しくらいなら付き合えますからね。」
普通にしているのなら、隊員達と仲良くしている筈なので。
特にオペレーターの志岐さんは男性が極度に苦手だったはずだから、余計に無いとは思うけど。
「隊員には言い難いことの吐き出し先くらいには、なれますから。」
正負の反対側だからこそ。
実際の肉体面でも、正反対だからこそ。
受け止められることがあるのだと、そんな風に思って口にする。
「ふふ。」
「……笑うことですか?」
小さい笑み。
その意味合いは、多分先程とは違っていた。
「ううん、有難う。 ……色々考えて言ってくれたことは、嬉しかったわ。」
「なら良いんですけどね。」
「後一杯だけ飲んだら、部屋に戻るわ。」
「家には戻らないので?」
「今日は家に戻っても、誰もいない日だから。」
そうですか、と答え。
そうなのよ、と返され。
「だから……もうちょっとだけ、付き合ってくれる?」
「……熊谷さんとか、呼べばどうですか?」
「くまちゃんは心配性だから。 それに、鷹くんが見ててくれるでしょ?」
「……そうですか。」
彼女の手元の湯気は――――気付けば、完全に消えていた。
年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)
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ダメ男育成員月見さん
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超ゲーマー国近さん
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やや寸胴今さん
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姉御肌過ぎるののさん
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謎アイコン製作者橘高さん
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同い年だけど三上さん