とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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国近 柚宇-②

 

「其処だー!」

「ちょっ、破砕手榴弾(フラグ)で纏めて薙ぎ払ってるよこの人!?」

 

目の前の光景をどこか遠くに見ながら、ふと思い返す。

 

彼女に対して”そう”思ったのはふとした切っ掛け。

入隊時に、サイドエフェクトで弾かれて。

その後に、トリオンの正負で苦手な相手が現れて。

色々な感情を内面に溜め込んでいた時期。

 

『ねえ、君。 今時間ある?』

『……へ?』

 

休日に食堂で一人食事を食べていた時の事。

新しいゲームを買ってきたらしい先輩が相手を探していて、それに捕まって。

それが改善の切っ掛け。

当時はまだA級に届いていなかった太刀川隊から縁が広がって。

あちこちに伝手も出来、礼をと言ってもそれを受け取らず。

 

『わたしはただゲーム出来る知り合いが欲しかっただけだから。』

 

と、小さくはにかみながらもそれだけを口にした。

それくらいからだったっけ、互いに下の名前で呼び出したのは。

今となってはそれが本心だというのも分かる。

一人でいたからこそ声を掛けてくれた、という事も少しだけは理解できる。

ただ、その時はそれに救われたような気がして――――気付けば、その感情が切り替わっていた。

 

小南にも、那須さんにも。

二人に対して見せられる感情の大本、始まりは彼女との出会いから。

絶対に誰にも言う気はないが、何処かの趣味:暗躍な人(じんゆういち)は気付いてる節がある。

だからこそ苦手で、同時にだからこそ頼れる人。

 

「鷹くーん、次から混じる?」

「鷹、この人止めるの手伝え! おれ一人じゃ無理だわ!」

 

ぼーっと画面を見ていれば、前方から飛ぶ声が2つ。

一人は購入者、ある意味で部屋の主の一人である柚宇さん。

もう一人はこれでも射手(シューター)ランク二位をキープし続ける弾バカ、出水公平。

槍バカ弾バカ罠バカ、と冗談めかして纏めて呼ばれたりするのでイラッとする。

そんな集まりの一人。

 

「いやぁ、そりゃぁ見てれば分かるけどさぁ……。」

「何だよ。」

「この人相当やり込んでるでしょ? 二人で対処できんの?」

 

今もほら、掛かってこいやー!みたいな顔してるし。

 

「少なくともおれ一人じゃ無理だわ!」

「まあうん、それも見てたら分かる。」

 

明らかに公平数人分くらい差が出来てたし。

っていうか置き弾系の炸裂弾(メテオラ)とかでも応用できそうだな、ランカー達は普通に見破って来そうだけど。

それを踏まえた上での二重罠。

 

「なら言ってねえで協力しろ!」

「全く操作も知らない人間を引き込もうとは……。」

「じゃあはいこれ、説明書。」

 

相変わらずだなこの人。

俺が何言うのか読んだ上で被せるように手渡してきたぞ。

 

「あっ、はい。」

「じゃあ出水君。 鷹くんがやってる間にもう一回。」

「柚宇さん、虐殺する気!?」

「頑張ればいけるって! 今日は寝かさないよー!」

 

…………。

説明書を見ているフリをして、冷めた目で二人を見た。

 

(勉強する気がマジで一切ない……。)

 

今さんに後で告げ口しとこう。

あの人なら多分叱ってくれるだろう。

効くかどうかは別として。

相変わらず色々な意味で問題児が多いなこの隊。

 

「じゃ、じゃあ次はこの突撃銃で……。」

「ならわたしは狙撃銃でも使おうかなー。」

「……狙い撃ちする気だこの人?」

「そんな事しないよ? 狙えるなら狙うけど。」

 

……まあ。

居心地は良いんだよな、この場所。

諏訪さんとことか荒船さんとこくらいには。

年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)

  • ダメ男育成員月見さん
  • 超ゲーマー国近さん
  • やや寸胴今さん
  • 姉御肌過ぎるののさん
  • 謎アイコン製作者橘高さん
  • 同い年だけど三上さん
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