とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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冬島 慎次-①

食堂で別れて技術者(エンジニア)部屋へ。

途中で光景を見られていた奴等に絡まれたけど努めて無視しつつ。

到着してみれば、冬島さんは何やら作業を寺島さんと行っていた。

そろそろいつもの時間ですよ、と口にして。

一礼しながらその場を離れて最初に向かった先。

其処は、夜勤者とかで直ぐ売り切れることで知られている自販機だった。

 

「ついさっき補充されたんだよ。」

 

置かれているのは主にエナジードリンクとかブラックコーヒー。

飲み過ぎれば身体に悪い、と分かった上で売り切れているという事情を察するべきか。

トリオン体は栄養の吸収効率が異様に高いから、態々トリガー解除までして飲みたくなるのを咎めるべきか。

少なくとも寺島さんは食ってばかりだけども。

 

「一本だけ飲んで、もう少し研究進めねーとな。」

 

そんな事を呟きながら、小銭を入れてがちゃんと取り出した二本。

取り出されたのはカフェオレとブラックコーヒーだった。

 

「ほれ。」

「あの、遅れますよ?」

「それならそれでいいだろ、俺が謝れば済む話だ。」

「そういう問題でもないと思うんですけど……。」

 

ほれ、と差し出されたカフェオレ(わいろ)を受け取りつつも礼を言う。

 

「喜多川ちゃんは理由言えば納得してくれるやつだって、お前だって知ってるだろ?」

「……まあ、はい。」

 

そんなこんなで飲み始め。

そういえば、と持ち出されたのが先程の話。

既に広まってるってどうなってんだ、と暇人達に恐怖すら覚えながらも。

一体何があったんだ、と問われて答えて。

 

「正直戸惑ってるんですよねー。」

「若いねぇ。」

 

そんな笑うような、でも少しだけ怯えているような表情を浮かべた。

……女子高生苦手って言っても其処までなのか。

まあ真木さんとか怖いのは分かるけど絶対要因其処だけじゃないし。 この人の場合。

 

「ただ、鷹。 いい機会だしお前も挑戦したほうが良いのは分かってんだよな?」

「……はい、其処は。」

 

技術者(エンジニア)一本で割り切るなら断ってもいいけれど。

そうしない道を選んだのは俺の意思だし、それを告げたのも分かった上で。

ただ、何となく気になるからこそ引っかかってしまっている――――というだけ。

向こうが善意のみで協力を依頼している……()()()()()()()()()()()()、という引っ掛かり。

 

「向こうも特殊工作兵(トラッパー)のスイッチボックスに慣れといて損はないしな。」

「大分特殊なトリガーですもんねえ。」

 

”トリオン”を多く使うトリガーである代わりに、設置した罠の種類を入れ替えることすら出来るトリガー。

射程は目視圏内、且つトリオン量に寄って変動。

主に冬島さんは小転移(ショートテレポート)や防衛用の罠などに使用し、その後輩となる俺達も基本的には同じような扱い方をしている。

 

「実際問題、小南や那須が扱うなら小転移だけでも十分な支援になるからな。」

「”トリオン反応が目立つ”って弱点も他と組み合わせればいいですからね。」

 

味方と連携しての置きメテオラ。

偽装発信機(ダミービーコン)と合わせての一瞬の迷いの誘発。

何方かと言えばランク戦そのものよりも、「防衛手段」として扱うトリガー。

 

「それが分かってんだったら素直に行って来い。」

「うっ。」

「それでもまあ、まだ引っ掛かるっていうんだったら。」

 

缶コーヒーを飲み干して。

 

「終わった後で礼でもしてやれ。 噂にならないようにやれよ?」

「……冬島さんは出来なかった事を?」

「余計なこと言うんじゃねー。」

 

まあ、そうか、と。

立ち上がって。

何か礼でもすればいい、という言葉が。

すとん、と胸の内側に落ちてきた。

年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)

  • ダメ男育成員月見さん
  • 超ゲーマー国近さん
  • やや寸胴今さん
  • 姉御肌過ぎるののさん
  • 謎アイコン製作者橘高さん
  • 同い年だけど三上さん
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