とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

24 / 33
喜多川 真衣-①

 

中空に浮かび上がる各隊の部隊章(エンブレム)を模した印。

幾度となく見た、というのが正しいくらいに目に焼き付いた二種類の刻印。

冬島隊と加古隊、それぞれA級の隊としての誇りとも言える証。

 

「ほう。 喜多川ちゃんはそんなとこに、か?」

「ここなら ふたばちゃん うごきやすい。」

 

訓練室、それもランク戦でのマップを再現した戦術を練るのに使われるモード内。

内部に存在するのは、俺を含めて三名。

けれど、浮かび上がった部隊章は二つ。

残り一つは薄い、本部……界境防衛機関(ボーダー)自体が持つ印が浮かんでいた。

 

「うーん……。 トリオン消費量の兼ね合いからしても()()()()()()と差別化しやすい距離はやっぱりこんなものですかね。」

攻撃手(アタッカー)は……グラスホッパーと合わせられるかの相性もあるからな。」

 

視界を送った先に転移できる試作型トリガー、テレポーター。

最近技術者(エンジニア)内で正隊員との相談の上で開発された、新たなオプショントリガーの一つ。

無論転移自体もノーリスクで無制限に使用できるはずもなく、当然のように制限はあるものの。

「攻撃を透かす」「想定外の方向からの連撃」など様々な策に利用できる事が予想できる一品。

特殊工作兵(トラッパー)と連携することで更にその方向性は柔軟性を増す。

 

銃手(ガンナー)でもそうですけど、両攻撃(フルアタック)に近い態勢だったらほぼほぼグラスホッパーみたいなこと出来ますよね。」

散弾銃(ショットガン)握って射撃しつつ近接、足元で転移からのテレポーターで更に転移……だがその前に逃げるだろ?」

「グラスホッパー+弧月かスコーピオンで不規則稼動とあまり変わらないこと出来るとは思うんですけどねー。」

「それなら素直にグラスホッパーと銃でだな……。」

 

難度は絶対高いけど。

オペレーターの負担も半端無さそうだけど、上手く決まるなら最初の一人は持っていけると思う。

…………どっかの魔王とその配下みたいなのは普通に逃げ出しそうだよなぁ。

確実に詰められる盤面の一つくらいは作ってみたいものだけど。

 

「よーくん ちょっと いい?」

「あ。はい。 どうしたんです真衣さん。」

 

思考に浸る中。

声を掛けられたので少しだけそちらに移動する。

 

「うん。 那須さん と 小南ちゃん だと いろいろちがうとおもうけど。」

「……あー、どっち向きで合わせていくか、みたいな?」

 

そう、と頷く丸い人(まいさん)

先程、口頭での報告の時には真衣さんにも伝達済みだから……この人も考えてくれたんだな。

 

「と、言いましてもね。」

 

確かに機動力を活かしつつも毎回弾の軌道を描いて詰めていくタイプの那須さんと。

二刀・合体して大型武器と変幻自在に振るう小南だとそれぞれへの相性問題もある。

……とは言え、今回の主題は合わせる合わせないの前のお試し的な要素が強いし。

何より、簡易にでも合わせられない人間がB級中位以上にいるとは思えない。

 

「その内考えますよ。 そういう事考えられる段階にすらいませんし。」

「そう?」

「そうです。」

 

そもそもの話。

()()()()()()()()()事を分かった上で、というのがどれだけ負担なのかは分かってる。

狙撃手……狙撃や移動、潜伏は出来ても単独で見つかれば確実に一点を取られる(ころされる)仲間。

”普通じゃない”のが分かった上で普通に接してくれるボーダーの仲間達には口にはしないが感謝してる。

 

「まあ……少しでも、何か出来るようになりたいですね。」

「そう だね。」

 

内心を知ってか知らずか。

そう呟いた声に、そう返答が返ってきた。

年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)

  • ダメ男育成員月見さん
  • 超ゲーマー国近さん
  • やや寸胴今さん
  • 姉御肌過ぎるののさん
  • 謎アイコン製作者橘高さん
  • 同い年だけど三上さん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。