「何にしろ今直ぐ決められることじゃねーな。」
数秒間考え込むような仕草の後。
諏訪さんはそう断じるように呟いた。
「柿崎、お前はどう思うよ?」
「大方のところで諏訪さんと同意見ですかね。 ただ、個人個人で教える分には今まで通りでいいでしょうし。」
「お前は自分で話しかけに行くヤツだろうが……。」
ケッ、と
「で、お前はどう考えてたんだ山鳥。 何も考えねーで話持ちかけてくるようなやつじゃねえのは知ってる。」
「そこで評価されてるのは嬉しいっすけどね。 万が一を考えれば外に流出は絶対に防止しなきゃいけないでしょうし。」
「電子媒体って手もあるだろうが結局B級以上じゃなきゃ持ち歩けねーしな。」
今回の話には該当しない、どころか本末転倒になってしまうやつ。
書面や案内板なんかが一番楽ではあるが、万が一外部への流出――――引いては本部への攻撃があった際には大問題になり得る。
「最初の……あー、入隊式の後のタイミングで全員に一回説明しとくくらいですかね。 今考えてるのは。」
「後の……っつーと、トリオン兵との模擬戦の時か?」
「ええ。」
あの部屋全体を縮小した感じなのが各隊に用意される部屋内部の訓練室。
なので用途次第に寄って使い分けるのが大事になるわけで。
「『此処でも良いけど、個人で練習がしたいなら職員に確認しろ』……と、言って貰うだけでも結構違うと思うんですよ。」
「複数での訓練やら対人戦の練習なら普通に仮想訓練室使うからか。」
「ええ。 次、誰が手伝いやるかは分かりませんけど……もし担当するなら言っといて貰えます? 嵐山さんには俺から言います。」
まあそんくらいなら、と二人の頷き。
根本的にはそういったルールを全体に浸透させる必要があるとは思ってるが。
幹部勢が考えていないとは全く思ってない。
ただ、
何方の意見も共通したなら話は早い……それだけの話。
「話はそんだけか?」
「ええ。 お時間有り難うございました。」
「話聞いただけだ。 草壁、時間もあるし少し見てやるから付いてこい。」
「あ、はい!」
時間を取ったことに礼。
ただいつも通りそんな事を気にせずに、一声だけを告げて立ち去っていく。
草壁さんにも当然声を掛けているところ、ホントそつがないな。
「ああ、じゃあ俺も行く。」
「柿崎さんも、有り難うございました。」
「後から入る奴等を大事にするのは必要だからな。」
互いに礼を告げ、柿崎さんが立ち去るのを見送り。
妙に緊張したような気がする体を解しながら息を吐いた。
サイドエフェクトが発動しなかった、というのは純粋に相手が見知った相手だったからに過ぎないし。
(俺だけでも何とかできるようにしたいんだがなー……。)
根本的な対策には別のアプローチが必要。
そんな事は分かっているが、それでも考えてしまう。
悪癖だな、と自分の心の内側にその感情を沈めた。
そんな折に。
ぴぴっ。
携帯電話が小さく震え。
その鳴り方から、メールが届いたことを示す。
「……誰だ?」
ポケットからそれを取り出し――――内容を上から確認し始めた。
ヒロインイチャコラ@2021年版
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コナセン
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那須さん
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柚宇さん