数日後。
玉狛支部の入口前で一人佇む俺がいた。
(予定噛み合った、って言っても良くこの短期間で決まったな……。)
内心そんな事を思いつつ、時計を見て嘆息。
女性は時間が掛かる、とは言うが何で彼奴は人を入口前で待たせているのか。
せめて入って直ぐとかにしてくれませんかね。
春先とは言え、まだ少し寒さが残ってるんだが。
(ん、で……。 もう
B級隊員、及び単独で1チーム扱い、そして職員。
前者二人はスケジュール的に余裕を空けやすい立場とは言え、一番苦労したのは俺だったりする。
これが
考えるのも少し恐ろしい位。
そんなこんなで決まった俺の実験、及び那須さんの秘密訓練日。
ただの訓練、というよりは学校でのクラスメイトと(小南にしては非常に珍しく)
まあ学校内で自分のポジションを偽ってるやつだとそうもなるんだろうけど。
問題としては、初の来客者……那須さんの生身での不調を加味した場合。
トリオン体で移動すれば済む話ではあるが……
出来れば車などで移動できる相手がいる此方で見て貰えるほうがいい、と言い張ったのが彼女当人だった。
その為、駅前で合流からの玉狛への案内……の前の段階で小南と合流後に出発するということになっていたのだが。
(流石にそろそろ出ねえと待たせることになるぞ?)
はぁ、と溜息を吐きながら入り口に手を掛ける。
開けようとすると同時。
向かい側、内側からきゃっなんていう声がして。
腰を落とした……転んだ様子の小南が目の前に映っていた。
「……何してんだ?」
「何も何も無いわよ!」
手を伸ばす、手を取って立ち上がる。
もっと身軽に動くのは知ってるが、目の前でそんな体勢だったら手を差し伸べるくらいはする。
「開けようとしたらアンタが反対側で同じことしたせいでバランス崩したじゃない!」
「いやそれは理不尽じゃねえ?」
どうどう、噛み付こうとするのは落ち着け。
子供……いや、獣か何かか?
物理手段に出るのはまあ個性と思って諦めるが……。
玉狛の外じゃ流石にやってはないよな?
「全く……。 折角卸したっていうのに。」
「卸した……ああ。」
大きく溜息を吐いた後で服に付いた砂埃を払う。
背中を見せて見ろ、と仰るので問題ないことを告げて。
「だから普段見ない私服だったのか?」
「そーよ。」
「まさかとは思うが、それでこんなに人を待たせたとか言わないよな?」
「言うけど?」
おいコラ、初めから時間分かってたんだから言い訳にもならねえだろ。
そんな目線を向ければ。
やれやれとか言いつつも口を開いたので怒りゲージが更に加速する。
「星輪らしい格好ってのが必要になるのよねー、特に多数の目がある場所だと。」
「だったら普段からそうすれば?」
「嫌よ肩が凝っちゃう。」
なんで其処行ってるんだよ、と前々から疑問ではあった。
ただ、それを問い掛ける機会がなく。
同時に何かを抱えているのだろう、という感覚だけはあったから有耶無耶になったまま今日まで至っている。
「で。」
「何だよ。」
「感想。」
「似合ってるとは思うぞ。 小南は何だかんだ明るいイメージ似合うよな。」
細かい感想は従兄弟殿にでも聞いてくれ。
「そ、そーう?」
あからさまにテンション上げたな。
くるり、と背中を向けて歩き出す。
「……とっとと行くぞ。 那須さん待たせるかもしれんだろ。」
「あ、ちょっと!」
後ろから走る物音。
隣まで追いつくまで、後数秒。
ヒロインイチャコラ@2021年版
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コナセン
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那須さん
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柚宇さん