とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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もうちょい。
多分一番合う適正は狙撃手だと思います。どっちか片方の副作用だけなら。


山鳥 鷹-③

踏み入れた一室の中は、灰色一色で染まった空き部屋のような場所だった。

正確に言えば、この場所はB級に上がった隊員の中でもランク戦に参加するメンバー。

チームに与えられる一室と同じ作りをした、申請を出せば関係者なら誰でも使える。

そんな部屋。

 

「おう、元気か?」

「どう見えます?」

「相変わらず、って感じには見えるがな。」

 

そんな部屋で、中央に置かれたテーブルにパソコンを置いた男性が一人だけ。

普段とは違う、そんな室内の人員に疑問がまず一つ。

 

「……あれ? 今日は()()()()だけですか?」

「ん、(ヨウ)に連絡してなかったか?」

「特に聞いてませんけど。」

「シフトが変わったらしくてな、今は防衛任務に出てる。」

 

冬島隊隊長、冬島慎次。

技術者(エンジニア)、現特殊工作兵(トラッパー)の第一人者。

俺に取っては技術者としての基礎からを叩き込んでくれた先輩で。

そして、『俺に出来る可能性』を提示し続けてくれる師匠。

 

「また急ですね。」

「しかたねーだろ、丁度手隙の人間がいなかったらしいんでな。」

 

成程、と言葉を一つ。

色んな意味で頭が上がらないし、口には出さないけれど尊敬し続けている相手に目線を向けた。

直視はしないように、少しだけ瞳を逸らしながら。

 

「そんじゃ真衣さんは……不参加で俺達だけですか。」

「不満か?」

「いえ全く。」

 

その分色々教われるだろうし、とは口にしない。

教え合う、意見を発するというのがこの集まりの趣旨なのだから。

内心そうは思っていても、決して言葉にはしない心持ちでいた。

その感情を、ある程度以上に察しているのが目の前の人物だとしても。

 

今現在、隊員として登録がある特殊工作兵は見習いとかいう曖昧な立ち位置な俺を除いて二名。

俺より半年程前に加入した、何故かトリオン体を丸く加工している(生身は愛嬌のある美人な)先輩……喜多川真衣。

そして、目の前の冬島慎次。

だから、予定を合わせる事は余り難しくもない筈なんだけれど。

 

「ま、とは言っても共有できるのが鷹だけじゃあんまり意味ないけどな。」

「まあ、この集まりの趣旨的にそうですよね……。」

 

特殊工作兵の性質上、そしてポジションの少なさと人員上。

ランク戦という形で戦うことは難しく、同時にC級からB級に上がるための条件も相応に特殊になる。

狙撃手であれば三週連続で正隊員を含めた全狙撃手の上位15%に所属すること。

 

そして、特殊工作兵として重視されるのは隠密性、戦術性、そして発想力。

トリオン量という大前提を超えても、其れ等が欠けた人物は工作兵としては成り立たない。

だからこそ。

数少ない特殊工作兵達はこうして集まり、互いに意見を交わしたり研究することをその代わりとしている。

 

「それでもしないよりはいいだろ。」

「それもそうですけど。 良いんですか?」

「後でお前から伝えとけよ。 そういう纏めるの得意だろ。」

「はいはい……。」

 

こうして振られることも、それなりに慣れてきた。

文書化、記録とすることで再度どういう目的で行われるのか、の復習にもなる。

理屈化された体術とも違う、相手の心理を読んだ上での攻防。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

狙撃手でさえどうしても出来なかった俺にとって、戦場で何かが出来る唯()の手段の一つ。

 

「じゃ、鷹。 いつも通りだが、お前から一つ出してみろ。」

 

指差した先にある一室――――仮想戦闘を行う為の訓練室。

いつも通りに、実際に設置・発動した上での意見交換を主としての教導。

 

「はい。」

 

それを、少しだけ楽しみにしている――――俺がいた。




プロフィール続き:

外見:
黒髪、後ろ髪は首元よりやや伸ばしている長髪。
目元は副作用を「軽減できる気がする」ので目が隠れる程度まで伸ばしている。
その上でやや狂った度のコンタクトを嵌めることで「注視」するのを物理的に防いでいる。(が視力自体は変わっていない)
体型はやや痩せ型、筋力はそこそこ。 瞬発型というよりは持久力型。

対人関係とかはぼちぼち描写しだしたら何処かの後書きで書きます。

メインにしようかな、と思う年齢/ポジションの女キャラアンケートです。

  • 年上/オペレーター
  • 同い年/オペレーター
  • 年上/戦闘員
  • 年下/戦闘員
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