とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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那須 玲-④

 

果たして駅前。

街路樹の真下で立つ、私服姿の那須さんの姿があった。

 

「ほら、やっぱり待たせてる。」

 

落ち着いた色合い、白を基調としつつも茶褐色の上着を羽織る姿で立ちつくす少女。

()()()範囲で目線が彼女に向く人物が複数人。

 

「まだ時間前!」

「時間前から待ってくれる人ってことじゃないか……。」

 

途中から小走りで向かっていた俺達。

並走しながらの雑談は相応に迷惑を掛ける危険性もあったが……そこはまあ、ボーダー隊員。

裏道に近い道筋を把握しているからこそ人気も余り無く、故に時間内に何とか間に合わせた。

 

軽く息を整える意味もあり、見え始めた距離から歩いて近付く。

サイドエフェクトの関係でそれなりに遠くが見えるわけだけどそれが丁度いい。

時計を見れば待ち合わせた時間に対して五分前。

 

「というか、こういう事言うのは何だが……少し前に着くのは礼儀みたいなもんじゃないか?」

「それはそうね。 でも待ち合わせ時間に遅れてないのに何か言われるのは嫌。」

 

特に(アンタ)には言われたくない、ってどういう意味だお前。

問い詰めようとしたら一人だけ逃げるように駆け出して、溜息を漏らしながらその後を追いかける。

 

「玲、お待たせ!」

「あ、桐絵ちゃん。」

 

…………やっぱり違和感があるんだよなぁ。

 

そんな言葉は口には出さず。

二人の話が耳に届く。

 

学校で元気っ娘全開に押し出してるとは思えないし、少なくとも猫を被ってるのは間違いなく。

同時に同クラスで友人(当人談)だからこそ、一定以上の親交があるのも間違いない。

ただ、学校(そと)ボーダー(みうち)で大きな差があって違和感を抱かれないものなんだろうか。

或いは隠しているを気付かれていて――――?

 

「山鳥くんも、こんにちわ。」

「ぁー……はい。 どうも、那須さん。 早いね。」

「そうは言ってもほんの少し前に着いちゃっただけだから。」

 

気付けば二人の間近まで近付いていて。

掛けられた言葉に反応して思考の海から浮かび上がる。

外で生身と生身、という状態では()()()感じる挨拶を返し。

 

「どれくらい前?」

「ええっと……十分くらい前、かな?」

 

とすると、大体十五分くらい前には待っていたと。

……本来出る予定だった時間に出てればほぼ同じくらいには到着できたんじゃないのか?

 

「十分早いじゃないのよ。 もっとゆっくりで良かったのに。」

「まあ確かに。 那須さんの場合は身体のこともあるんだし。」

 

小南の名誉のためにも(そして言うとしても二人きりのほうが都合がいいのも有り)今は黙っておくことにする。

心配するのは何方も彼女自身の身体の事。

言われ慣れているとは思っても、口にしないのは有り得ない――――そう思う。

 

「待たせるの、余り好きじゃないから。」

 

小さく笑いながら、羽織った上着の肩口を軽く整え。

それに合わせて身体が揺れて、何とも無しにそれを眺めた。

 

「って言ってもねー……。」

 

更に何かを言いたげな小南に対して肩を叩く。

 

「なによ。」

「此処でずっと話すような内容でもねーだろ。 それに今日はまだ冷え込むし。」

「そう?」

 

そうだよ気付けよ。

震えるとまでは言わないとしても。

俺はともかくとしても。

 

「んー……じゃあ玲。 予定通りで良い?」

「ええ。 今日は宜しくね、二人共。」

「それは俺の言葉ですよ、っと……。」

 

三者三様に言葉を告げて。

予定通りに、まずは玉狛支部へ。

用事が終わればその後は――――珍しくも、昼食会だ。




コナセン:明るい衣装、動きやすい衣装(猫被りだとお嬢様っぽいロングとか着る)
那須さん:落ち着いた衣装、温かい格好(トリオン体だと別)
柚宇さん:女の子っぽさが時折感じられる感じ?(余り服装に拘り過ぎない)

大雑把なイメージ。

ヒロインイチャコラ@2021年版

  • コナセン
  • 那須さん
  • 柚宇さん
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