とある特殊工作兵見習いの日常   作:氷桜

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迅 悠一-①

 

「少し、相談含めて考えてみます。」

 

結局、少しの時間を費やして彼女が告げた言葉はそんな結論だった。

確かに今までと立ち回りそのものが変わる、という部分はあるし。

今のままで対応したい、という考えの場合も尊重するものでもあるのだから。

 

「分かった、なら何かあったら技術者(エンジニア)の部屋に来てくれ。 あー……俺は山鳥。 多分その場合は俺が担当することになるし。」

「山鳥さん、ですね。 改めまして……草壁早紀です。」

「ついでに俺も。 米屋陽介、三輪隊所属の攻撃手(アタッカー)。 宜しくなー。」

 

その後、陽介は適当にランク戦吹っ掛けて腕を磨くというので別れ。

草壁さん(ちゃん、と言うにはしっかりしすぎてるしそう呼ぶ勇気がなかったともいう)も少し休んで帰るというので別れ。

一人、元来た通路……とは少しだけ違う道を戻っていく。

トリオンで補強された、普通の――――学校などで見かける壁とは少しだけ違う、硬質性を保った道。

()()()()()()()()()()()()()()()、前髪越しに道の先をはっきりと見ることが出来る。

集中する余地がないから。 危険を感じる理由がないから。

特に俺のサイドエフェクトは、心持ち次第で作用してしまう部分が大きい側面を抱えているから。

自然に『安心』しているのだと、そう思う。

 

(副作用、とはよく言ったもんだ。)

 

それを身につける素養は、トリオン量次第。

仮にそれだけの量を保有していても持たない人間もいる。

例えば……そう、二宮隊の隊長とか。 本当に羨ましいと、そう思ってしまう。

ボーダーにも一定数の副作用保持者はいるけれど……。

 

「お。」

 

そんな感情を掘り下げながらの道行きの先。

考えすぎも良くない、と思った矢先。

曲がり角からぬっと現れた、見覚えのあるゴーグル姿。

 

「迅さん、何してるんです? こんなとこで。」

 

迅悠一。

たった二人のS級隊員……(ブラック)トリガー保有者。

そして、未来を見るというサイドエフェクトを保有する凄い人(へんじん)

視覚に関係するサイドエフェクト保有者同士、ということでそこそこ仲良くはさせて貰ってる。

 

「お、鷹。 いや、鬼怒田さんにちょっと用事があったんだけど……城戸さんに呼ばれてるとかでさー。」

「へえ。 あ、そうだ。 またオペレーターにセクハラしたんですって?」

「えー、どの件?」

 

それが趣味かというレベルで手を出しては殴られたりなんだり。

まあ愚痴とか文句、物理行使で済んでいる時点でこの人も相手選んでるんだろうなーと思わなくもない。

その内訴えられても一切庇う気はないが。

 

「複数ある時点で間違ってると思いましょうよ。 女子の間で噂されてましたよ?」

「え、このエリートのことを?」

「その内仕返しでボッコボコにする計画らしいです。」

「うわこっわ。」

 

城戸さん……城戸司令の一室と寮のある方向は同じ。

だからこそ、隣り合うように同じ方向へと向かっていく。

 

「あ、そうだ。 鷹、一応忠告しとくよ。」

「忠告……って何か見えたんですか?」

「ああ。 まあ半々くらいの確率だし、お前なら見過ごさないと思うんだけどな。」

 

先程の情報の礼とばかりに、一つ忠告をと。

なんだろう、この先で何か見るのだろうか。

 

「近い内にどうするか迷う事があると思うけど、お前の普段通りの判断してくれ。」

「……それが、忠告ですか?」

「そう。 少なくともお前さんには悪い影響が起きる未来は見えないから。」

 

分かりました、と。

少しだけ、嫌な予感を覚えつつ。

 

そう忠告される相手で、迷う事。

……一方的に距離を取ってる人達の誰かじゃなかろうか、という不安。

何となく、当たりそうだなぁなんて思わされてしまった。

年上/オペレーターの中から。(※原作2014年2月時点で高校三年生以上を指す)

  • ダメ男育成員月見さん
  • 超ゲーマー国近さん
  • やや寸胴今さん
  • 姉御肌過ぎるののさん
  • 謎アイコン製作者橘高さん
  • 同い年だけど三上さん
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