Kung-Fu / Box   作:勿忘草

14 / 20
タイトルは誤字ではありません。
今回から深道ランキングが始まります。


『化物対峙』

深道から後で聞いたがランカー狩り同士による三つ巴戦が有ったらしい。

リーとの敗戦から数日後…俺は廃校舎にいたが、すでに廃校舎にとんでもない数の人が殺到していた。

 

ここにいる全員は深道ランカー……ではなく、主催者である深道の計らいによって特別参加を認められた奴が数人まぎれている。

 

例を挙げるならばビッグゲストとしては格闘家にして『エアマスター』の父親で有る佐伯四郎。

もしくはランカー狩りであった楊鉄健、小西良徳、時田新之助、北枝金次郎、そして金次郎のそばにいる長門がそういった類だ。

 

全ての参加者が入って行くのをきちんと確認をすると息を大きく吸い込んで深道は叫ぶ、エンターテイナーとして申し分ないほど焚き付ける言葉をつらつらと述べていく。

 

「全員、ちゃんと入ったな!!、今から花火が打ち上がればそれが合図だ!!!、それからは延々と戦って、戦い続けて、いいか、…もうそうなればこの戦いは止まらないぞ!!!!そして『勝つ』のは最後に立っていた一人だけだ!!!!」

 

その次の瞬間、花火が上がり炸裂する、それから一拍置いてすさまじい音が聞こえる。

 

この戦いに参加した以上誰彼にも大きいものか小さいものかは知らないが目的は存在しているだろう。

 

俺はジョンス・リーへの雪辱の為にひた走る、その道を邪魔する奴らを殲滅する事は厭《いと》わない、例えそれがジュリエッタでも、時田新之助でも、エアマスターでも、そして……由紀さんが相手でも。

 

俺は前回のジョンス・リーとの戦いでの敗戦からどうにか精神面としての落ち着きは取り戻した、『屈辱』と『敗北』は俺でも気づかない心の奥底にあった『慢心』を消した、『毒』にも等しいその存在は同時に『薬』でもあった。

 

「とにかく探さないとな、今度こそは勝ってみせる……雪辱をする」

 

俺は校舎の中へと入っていく、するとそこには先に入って待ち伏せしていた大勢の男達がいた。

 

「待っていたぜ……逢間長枝」

「……お前ら何もんだ?」

 

とりあえず一体どういう因縁で待ち伏せされているのだろうかだけ聞いておかないと名、わけも分からずやられるのはゴメンだ。

 

「お前に前回の集合戦でやられた奴だよ!!」

「そうか……それで?」

 

一体どういったつもりなんだ、負けた雪辱の為にさっきの入場からずっと此処に

とどまって待つよりは疲弊した状態を待てば良いのに。

大勢でやっている時点でリーの言う『安いプライド』はこいつらにはないはずだろうからな。

 

「何があったかはしらねぇが潰してやるぜ、覚悟しな!!」

「……一体なんな…」

 

返答する間もなく拳が顔にめり込む、三人がかりで叩こうというわけだ、こっちとしてはエンジンも暖まらないようなやつを相手にしたくはないんだけど仕方あるまい。

 

「オラァ、恨みだぜ!!!」

「受け取りやがれ!!!」

 

拳は絶え間なく腹や背中にめり込む、たとえ余りにも軽く痛くもない攻撃だからといって『気』で体の強化だけは怠らない。

 

「今、敗戦のショックを引きずっているだろうお前を倒して後は時間を稼げば楽になるんだ!!!」

「どうせ二位になったのも深道に賄賂でも渡したんだろ!!!」

「負けやがれ!、このくそが!!!」

 

こいつら、言いたい放題も良いところだな、さて……構えていくか、気の練り具合のコンディションを確かめるのは終わりだ。

 

「これ以上は攻撃もさせないぞ……お前ら」

 

不敵な笑みを浮かべて手を閉じたり開いたりする行為を繰り替えす、フム、今日のコンディションは最高だな。

 

「ひぃいいい……」

 

いかんいかん、怯えるという事は殺気が漏れていたか、ジョンス・リーを見つける前に絶好調だと知って少し先走っていたみたいだ。

 

「負けたくないんだよ、だから『獅子搏兎《ししはくと》』の思いで戦う、俺の場合は鬼だが……お前らを捻りつぶすのに決して手加減はしない」

 

俺が構えて宣言をすると相手は逃げの姿勢をとって背中を向け始める、おいおい……そんなつれない真似はやめろよ、お前らもやってきたんだから当然やられる覚悟があって此処にいるんだろ?

 

「オラァ!!!」

「ウェ……」

 

背中を向けていたからその無防備な背中へ向かって踏み込んで『猛虎《もうこ》』を打ち込む、すると苦しそうに体を曲げて崩れ落ちていった。

 

「さてと、残り二人……」

「くそぉ!!!」

「逃げろ逃げろ!!」

「ハァッ!!!」

「おげぇえええええ!!!」

 

急いで逃げているが遅すぎて背中に余裕で照準を合わせられる、踏み込んで一撃を加えて意識を手放させる。

 

「さて、残りは一人か」

「うぁ……」

「逃がさないぞ、待ちやがれ!!」

「うわあああああああ!!!!」

 

逃げる相手を追いかけて、少し時間が経ちその追いかけっこが終わった頃、そこに居たのはよだれとも汗とも、吐瀉物《としゃぶつ》とも涙とも区別できないものにまみれた、深道ランカーの姿だった……

 

「よしっ、階段でも探すか、早くジョンス・リーを見つけないと」

 

俺は倒れている奴らには目もくれず、すぐに階段を探し始めた、しかしその途中で出会うのは今まで見た事がない奴ら、つまりリザーバーでも弱い部類なのと町の喧嘩自慢の奴らというわけだ。

 

「お前ら、本当にここに来て勝てると思っていたのかい?」

「ぐっ……」

「俺も喧嘩なら出来るんだ、八極拳ばっかりするわけじゃないんだぜ」

「うあぁ……」

 

俺はそういった奴らを軽々と八極拳を使わずに目潰しだの金的で倒していく、相手に対して不誠実ではあるかもしれないが極力八極拳をジョンス・リーと戦う時にとっておこうという訳だ。

 

出し惜しみをして勝てる相手でもないし、戦う時に不備があってはいけないから石橋を叩いて渡るほどの姿勢で臨んでいる。

 

体の調子を見ながら調整をして進んでいく、体を慣らす為の相手には困らないのが嬉しい限りだ。

 

「それにしても下位ランカーばかりとは……もしかしてこのフロアは外れなのか?」

 

辺りを見渡してみても他の奴らの気配を感じはしない、そんな事を考えていたら校舎が揺れる、どうやら勝負の途中でとんでもない衝撃が有ったようだ。

 

「この振動、かなりパワーがある奴じゃなくちゃあこんな芸当は無理だろう、考えられるのはジュリエッタかリーと言ったところか?」

 

そう思って階段が目の前に有った為のぼって行き、視界が開けた階層へと出る、すると目の前には二人の男女がいた、どちらも見覚えがある人だった。

 

「アレは由紀さんとジュリエッタか、じゃあさっきのはリーか?」

 

俺は二人の方向とは逆方向へ行く、しかしよく通る声であるため声が聞こえてきた、それも赤裸々な真っ直ぐすぎる言葉が。

 

「私は、坂本さん……あなたに抱かれたいわ」

 

その声が聞こえた瞬間、この場所にはいられなくなるほどに顔が火照るのを感じる、これ以上このような言葉を聞くのは毒というものだ。

 

奇跡的にすぐに階段を見つける事ができた為、すぐにのぼってその場所から俺は遠ざかり廊下を歩き始める、しかし次の瞬間、とんでもない衝撃と共に床に穴が開いた。

 

突き出てきたのはジュリエッタの足だというのが分かる、つまり由紀さんがジュリエッタを投げたという事だ、その穴は思った以上に大きい、穴をよけて通ろうとしてもジュリエッタの蹴りの威力からか、結構ヒビが入っているため万が一の事があれば落下する、そしてこの状況で落下すると由紀さんの怒りを間違いなく買う、それは怖い、怖すぎる、頚動脈を貫手でざっくりとかやられかねない。

 

「仕方ない、降りて別の階段探すか……」

 

そう言って降りると今度は衝撃的な光景を探している途中に見てしまった、ジュリエッタに強引にキスをする由紀さん、心臓が凄い速度で鳴っていやがる、見なければ良かったか、刺激が強すぎる。

 

「とりあえず冷静になれ……階段は見つけた、俺が見たあの光景は強引だった、つまり合意の上じゃあない、だから深刻に考えなくても良い……」

 

俺は目の前にある階段を見ながら息を整え、刺激的な光景を思い出さないように首を振る、もやもやしたような気持ちが胸の中に渦巻くがそれはこの際ほうっておこう。

 

「って何で俺はこんな事をぶつぶつ言ってるんだろうな、訳が分からん……」

 

しかし何故に俺はこんなにも動揺しているのだろうか、全く初めての感覚だから分からない、どう対処すればいいのだろうか?

 

「のぼるんだ、そして切り替えていこう、こんな精神じゃあリーに勝てなくなってしまう……」

 

俺は気持ちを切り替えて目の前に有る階段を登って行った、次の瞬間目の前に広がった光景は、無惨にも装甲が破壊されたスーツを着て気絶した金ちゃんと、倒れこんでいた長戸だった。

 

俺はその瞬間もやもやも刺激的な光景も全て頭から飛んでいき、怒りの感情が噴き出すのを感じる、近くにいる泣いているナースに誰がやったのかを聞く。

 

「おい、あんた……一体誰が金ちゃんと長戸をやったんだ?」

「佐伯《さえき》四郎《しろう》よ、いきなり強くなってそのまま金次郎をこんな状態に」

 

佐伯四郎といえば『軟派な精密機械』の異名を持つ現役の格闘家ではないか、参加していたのか。

 

「メソメソ泣いてんじゃねぇ、一応確認するが金ちゃん達は大丈夫なのか?」

「大丈夫よ、ただこの戦いで起きるかどうかは……」

 

そう言って心配そうな目をする、とにかく最悪ここで二人とも脱落って訳か、長戸は金次郎が原動力だから、金ちゃんを守る為に復帰するかもしれないが。

 

「無事ならば良い、俺は佐伯四郎を……やってくる」

「何で金次郎の為にそこまでするの?」

 

俺が佐伯四郎を倒す事を告げるとナースが理由を聞いてくる、そんなもの聞く方が野暮ってものだろうが、単純なもんさ。

 

「金ちゃんの為だけじゃない、長戸の為でもある、何でってお前、そりゃあ……二人が俺の『親友』だからさ、それ以外に理由なんざ必要か?」

「男の友情って訳ね……」

「そうだな、それが適切な表現だろうよ、行ってくるから二人の事ちゃんと頼んだぞ……、えっと、あんたの名前は?」

「久坂静菜よ」

 

名前を言われた後、俺は佐伯四郎が行ったであろう方向と教えてもらったフロアの階段へと行く、許さないぞ……佐伯四郎。

 

俺は速度を上げて早々と階段へと向かっていった。

 

.

.

 

 

長枝が階段を登る数分前に時間は遡る、鉄健は階段を登りながら絡んで来る相手を倒して、ある一つの階層に出てきていた。

 

「誰も目ぼしいのがいねぇじゃんかよ、この道は外れだったか?」

 

辺りを見回してもよさげな奴が一人もいない事を確認して落胆する、とりあえず倒して邪魔者を消しておくか……

 

「おいおい、ここに居るのはあいつ一人か?」

「そのようだな、月雄」

 

俺が全員倒したら後ろから声がしたから振り向く、そこにいたのは懐かしい顔ぶれの人たちだった、金次郎と戦っていたであろうマスクマン、麗一さん、そして長髪のマッチョマンに、マッチョマンよりゴツイ人、背の高い学生帽の男が立っていた。

 

「おいおい、コイツは久々な顔ぶれじゃあないか……でも」

 

俺は更に体を動かして今振り向いた方向と逆の方向を見る、そこには時田ではないもう一人の待ち人が来ていた。

 

「来たか、小西さん」

 

しかしその目は俺を見てはいない、遥か向こうの方を見ている、それにつられて見るとそこには時田が居た、仕方ない、眼中に無いならばあの二人に横槍は入れないで置こう。

 

そして二人の戦いが始まっていく、まるで取り残された虚しさを感じていた、しかし二人の戦いを見ると口角が上がり血が沸いていく、筋肉が脈動して臨戦態勢をとる事を余儀なくされる。

 

「とりあえず、あんたらはやるか?」

 

俺はマスクマン達に問いかける、こんな状況でほったらかしなんて良い気はしないだろうしな。

 

だけれど、この質問の答えはかき消される事になる、なぜならばとてつもない存在が近づいてくるのが分かったからだ、小西さんや時田とはまた違うタイプの『強者』、坊主頭で頭に刺青の有る男、あれがまさか『元一位』の男『渺茫』か?

 

瞬く間にゴツイ人と学生帽の人を倒す、これは今まで見た奴に比べても全くもって異常、あまりにも化物じみていやがる、目の前にすると良く分かるぜ、俺は近づいてきたその男へ質問をしていた。

 

「おい、お前が渺茫か?」

「そうだ」

 

俺からすれば目的である小西さんと時田との戦いは完全に蔑《ないがし》ろにされているんだから、俺は別の相手と戦う事しかこの状況をどうかする方法はない。

 

「お前自身に用はない、弱いと思っているならば隅で震えておけ」

 

渺茫がそう言って俺に見向きもせず小西さんと時田へと向かう、二人の勝負を邪魔するつもりなら許せないな、というか今回の俺はそこまで眼中にない存在か?

 

「邪魔したら殺すし、あいつに手を出すんじゃねえぞ、あいつも俺の獲物だ」

 

小西さんが乱入しようとした渺茫に釘を刺す、って俺も獲物って事はできるだけ全力を出せる状態で時田と戦いたかったって訳か、納得。

 

ただ、こちらとしてはそうなったら邪魔者は消さないとな、この坊主をここから遠ざけるか。

 

「おい、こっちを向けよ、渺茫」

「弱いが胆力は備わっているか、邪魔な男だ」

「お前はこの場ではミスキャストなんだよ、『壁の花』なのさ」

 

そう言って構える、ちなみに壁の花とはダンスパーティーなどで踊る相手がいない淑女の事をさす、この場合は男女問わず相手が居ないということを暗に示した。

 

「何が言いたい……?」

「つまり邪魔者同士、消えようってわけだ!!」

「ふん……」

「お前さんのパンチは雑だな、カウンターを取られやすい」

 

俺の主張に呆れた様な顔でパンチを二発放ってきた、どちらも最短のストレートなのだがどうも腕のモーションが大きく、普通にカウンターが取れる。

 

「それは一体なんだ?」

「何だって……ただのボクシングだよ」

 

すると質問の隙に俺の答えを若干無視するように時田へと攻撃を放つ、しかし俺のようにカウンターを決められる。

しかし俺のとは違って完全に同時、それを感づいたのか俺のとは同一視をせずに渺茫は聞いていた、名前を聞くと曲芸のようだがこれはたまらないと言っていた。

 

だが、渺茫……邪魔して良いなんて言ってないよな、俺は手をついた渺茫へ駆けていきその勢いを活かして顔面へ強烈な膝蹴りを入れた、するとその一撃で鼻血を出しながら顎が跳ね上がる、すると即座に怒りの目を向けた小西さんが渺茫の腕を極める。

 

「なっ、これは……」

「お前さ……邪魔したら殺すって言ったよな?」

 

小西さんはその言葉と同時に渺茫の腕を壊す、相変わらず鮮やかなものだな。

 

「とりあえず左腕を破壊しといた、片手のお前なんて鉄健にも勝てないだろうよ、やってみれば分かると思うぜ……今度邪魔したら次は首だ、肝に銘じとけよ」

 

そう言って小西さんは俺に後を任せる、時田との勝負にどれだけ集中したいんだよ、気持ちが分からないわけじゃあないけどさ。

 

「さっきはよくもコケにしてくれたな、コラ」

「お前はさっきでもう実力の差が分かったのではないのか……?」

「あいにくそんなもんで諦めるような性分じゃないんでな!!!」

 

マッチョマン、あのマスクマンが言っていたのを聞いていたが確か月雄とか言う名前だったな、年は上のようだからさん付けが良いだろうな。

 

月雄さんが連続させたパンチを渺茫に対して放っていく、さっきまでは時田に受け流されて変な事になっていたのが印象的だった。

 

「むっ……」

 

手数の多さにさっきまで効いていなかった筈の渺茫が避けていく、これを手で受けたら次に来る俺の一撃を無防備に喰らうだろう、どうやらそれが嫌なようだ。

 

「避けようにも片手が不自由だったら両利きは上手く捌けないぜ、坊さん」

「ぬぅう……」

「シャオラァァアアアアア!!!!」

「ぐっ……」

 

渺茫が避けている時に気合一閃、動かない腕の死角を狙い顎を叩く。

それによって頭が揺らされ、よろめいた時に頭へ打ち下ろしの一撃を与える、そして下がってきた顔面へ幾度と無く体重が乗ったパンチを食らわせる、鳩尾や肝臓といった部分にも満遍なく浴びせていきダメージを蓄積させる。

 

「こっちの方も気にしろよ、だらっ!!!!」

「ぬっ…邪魔な真似を……」

「ぐあっ!!!」

 

渺茫は月雄さんの攻撃を片腕で受け止めようとする、しかし手数が多いからか、少しながら腕が顔に押し込まれる形となり徐々に下がっていく、渺茫はこの状況を打開する為に、顔に喰らうのを引きかえに月雄さんを攻撃するが俺の存在を忘れたらいかんだろ。

 

「ちゃんとこっちの事を気にしろよ、坊さん、時田や小西さんを見たり随分と浮気性なもんだな」

「ぐっ……」

「そのまま一気にやっちまえ!!!」

 

殴り飛ばされながらも俺を応援する月雄さん、声に答えて俺は深く踏み込んで照準を渺茫に合わせる、そして勢いに任せて拳を出した。

 

「オラァアアアア!!!!」

 

月雄さんの攻撃で僅かに下がった顔にベストパンチであろう一撃を全力で打ち下ろして振り抜く、最後に渺茫のカウンターがアバラに入ったがこっちの方が一瞬速かったのと、渺茫自身が意識を手放す瞬間だったおかげで、動くのが無理になるほど折れているわけではなかった。

 

「……流石に気絶したか、随分と疲れる相手だったな、アバラが想像以上に折れちまってる分、この先はそこまで激しくは戦えないだろうな、なるべくやばい奴と遭遇しないように気をつけないと」

 

結構激しく戦ったから息が荒い、深呼吸をしてうつぶせに倒れこんだ渺茫を見下ろす、深呼吸をするとズキズキと体が痛む、こちらのアバラは随分とやられているな。

 

まあ、それでも歩ける事に変わりは無い。

向こう側を見ると時田が居なくなっていた、という事はどうやら小西さんはやられてしまったようだ、俺はとにかく目的だった時田を探そう、まだ今ならば間に合うし、コンディションとしても戦えるはずだろうから…。

俺はアバラを押さえながら時田が行ったであろう階段へと向かうのだった。




次回は短いですが信彦を再登場させようと思います。
何かご指摘の点がありましたらお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。