カエデは、パラレルワールド座標と空間座標をクデュックへ送信し、マツモトを伴って帰還した。
転移が完了すると同時に、巨大なドックの照明が二人を照らし出す。
冷たい金属と静かな機械音が、この組織の本拠地であることを強く主張していた。
総合管理AI「AQUA」とイズモの承認を得て、加粒子砲の使用許可が正式に下りた。
その事実は、今回の作戦が後戻りできない段階に入ったことを意味している。
クデュック兵士「私たちは、今回の任務を完遂するため、クデュックの最新兵器を使用します」
兵士の声には、訓練で鍛えられた揺るぎない自信があった。
カエデ「クデュックの兵器を使えば、私たちは確実に一段上の戦力になれるわね」
マツモト「ただ、新しい兵器となると、性能や制御特性に慣れるまで時間が必要かもしれません」
クデュック兵士「問題ありません。今日から私が直接、説明と実戦を想定した訓練を担当します」
カエデ「助かるわ」
カエデ「場所はクデュック第5エリア、兵器訓練施設B棟」
カエデ「大型特異兵器訓練室のVR訓練装置を使用しましょう」
巨大な訓練室に入ると、視界が瞬時に仮想戦場へと切り替わる。
現実と区別がつかないほどの重力感と振動が、兵器の規模を物語っていた。
マツモト「これは……想定以上ですね」
マツモト「攻撃力が高すぎます。一撃で戦局が変わる」
クデュック「その通りです」
クデュック「ただし、この兵器は膨大なエネルギーを消費します」
クデュック「運用を誤れば、戦闘中に完全停止する危険もある」
カエデ「だからこそ、使いこなす必要がある」
カエデ「兵器に振り回されるわけにはいかないもの」
訓練は何度も繰り返された。
失敗と修正を積み重ねるたび、三人の動きは確実に噛み合っていく。
マツモトは演算と予測で補佐し、カエデは判断と決断を磨き上げていった。
クデュック設備担当職員「準備が整いました」
クデュック設備担当職員「次の任務へ移行できます」
マツモト「敵も同様に、未知の兵器を投入してくる可能性があります」
マツモト「警戒レベルは最大で」
カエデ「ええ、油断はしない」
カエデ「でも、私たちは勝つ」
クデュック設備担当職員「その言葉が、我々の支えになります」
出撃後、クデュックが保有するEN-158大型加粒子砲が火を噴いた。
月規模の天体すら破壊可能な一撃が、衛星型パラレルワールド崩壊装置を正確に貫く。
AQUAとイズモの承認を必要とするその兵器は、例外なく任務の核心を撃ち抜いた。
マツモト「……圧倒的ですね」
マツモト「これが、クデュックの本気」
クデュック職員「ありがとうございます」
クデュック職員「私たちは常に強化と改善を続け、より強い組織であり続けます」
カエデ「次の任務も全力でいくわ」
カエデ「人々を守るため」
カエデ「そして、平和な世界を繋ぐために」