仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲 作:BREAKERZ
ーツナsideー
沢田綱吉。通称ツナは現在、〈時空管理局〉のある世界『ミッドチルダ』の機動六課(仮)隊舎にて、膝の上に座る養女のヴィヴィオに絵本を読んであげていた。
「パパ♪」
「ん? どうしたヴィヴィオ?」
「ん~ん、何でもな~い♪」
ヴィヴィオはツナにまるで、主人に甘える子犬か子猫のようにすり寄っていた。
「10代目」
「どうした『隼人』?」
「奥方との結婚式ですが、やはり『JS事件』の後始末が立て込んでいて、しばらくは先になりそうです」
「そうか。籍は入れたんだけどな」
「でもよ。ちゃんと籍は入れたんだから、後は式だけだよな?」
「ああそうだな『武』」
自分の守護者である『獄寺隼人』と『山本武』にそう言うと、自分と同じくヴィヴィオのパパであり、今度一緒に結婚式をする事になった古里炎真が結婚式のパンフレットをもって来た。
「ツナくん。式は洋式にする? それとも和式にする? なのはとフェイトに聞いたら、なのはは洋式が、フェイトが和式が良いって言い出してね」
「う~ん。悩むなぁ・・・・」
と、そんな会話をしていると、自分の眼前に空中ディスプレイが現れた。
《やぁ綱吉クン☆ 元気かな?》
「『白蘭』」
「んぅ!」
ディスプレイに映る青年は白い髪を逆立たせ、白いスーツを着た青年、『白蘭』だった。ヴィヴィオは白蘭の顔を見るなり、ツナに抱きつき、怯えているのか肩を震わせていた。
《あらら、ヴィヴィオちゃんったらそんなに脅えちゃって♪ ま、安心して良いよ。僕は君には何もしないから☆・・・・“まだね”♪》
「うぅ~・・・・」
若干涙目になるヴィヴィオを守るようにツナは抱きしめ、エンマが二人を庇うように前に立つと、静かに圧を放つ。
「白蘭。ヴィヴィオを恐がらせる為に来たのか? 要件を言ってくれ」
「・・・・・・・・」
「ツナパパ・・・・! エンマパパ・・・・!」
ツナも同じく圧を放っている。白蘭は肩を竦めたまま笑みを浮かべる。
《まぁまぁ、ちょっとしたお茶目だよエンマクン♪ 少し君達に伝えておきたい事があってね☆》
「伝えておきたい事?」
《うん。だから、ちょっとヴィヴィオちゃんには、お外に行ってきて欲しいんだけど?》
「・・・・・・・・皆」
『コクン』
ツナがそう言うと、隼人と武が自分の“相棒の動物達”を召喚した。
「ヴィヴィオ。パパ達はちょっと難しいお話をするから、『ナッツ』達と遊んできてくれるかな?」
「んゆ・・・・うん!」
ヴィヴィオは『ナッツ』達と一緒に外に遊びに行こうとする。
「ランボ」
「了解。ボンゴレ」
近くにいた伊達男風の男、守護者の『ランボ』がヴィヴィオ達と一緒に外に行った。それを確認したツナは白蘭に顔を向ける。
「それで、白蘭。話とは?」
《うん。〈財団X〉が妙な動きを見せているんだ☆》
「っ、〈財団X〉が?」
〈財団X〉ーーーー。
表向きは知名度のある科学研究財団だが、裏では強力な兵士を手にするため、様々な組織・個人に援助を行う死の商人とも称される闇の組織。
これまで『地球の記憶を宿すメモリ』。『不死身や特殊能力を備えた兵士』。『欲望のメダル』。『星座のスイッチ』。『ゲームの力が宿るソフト』。『ロボット兵士』等、あらゆる組織の技術を手にし、それを利用しようとしていた。最近では〈クライアス社〉と呼ばれる企業にも出資をしていたとか。
その度に、ツナ達や仲間達は、時に『仮面ライダー』達と協力し、その企みを粉砕していった。
《この前、最近台頭してきた悪魔崇拝組織〈デッドマンズ〉って組織が、政府直属組織〈フェニックス〉から『悪魔を生み出すスタンプ』を大量に奪い取り、財団所属の科学者の一人が、〈デッドマンズ〉に接触して、そのスタンプを何個かを買い取って、それを使って何かをやろうとしているようだよ☆》
「〈デッドマンズ〉か・・・・」
「まさか『〈フェニックス〉襲撃』も〈財団X〉が絡んでいるんじゃねぇだろうな?」
《その可能性は大きいね☆ 『探偵コンビ』は自分達の守る街の“裏の連中”との戦いで手が離せないし、『パンツくん』はこの間ちょっと激戦があって療養中だし、『青春先生』は海外の友達の所に行っているし、〈財団X〉が動いているとなると、綱吉クン達も無視できないでしょ?》
「・・・・・・・・分かった。俺達が行こう」
ツナの言葉に同意するように、守護者達やエンマも頷く。
《うんうん☆ じゃヨロシクね♪》
と言って、白蘭が通信を切った。
「武、ランボを呼び戻してくれ。隼人は他の皆を」
「「はい/応!」」
ツナの言葉にそう返事して、獄寺と山本は部屋を離れると、ツナはエンマに話しかける。
「エンマ。お前は・・・・」
「いや、僕も行くよ。白蘭がわざわざ任せるだなんて、引っかかるし。ファミリーの方は『アーデル』に任せるよ」
「助かる」
そう言って、ツナとエンマは立ち上がると、『嫁さん』達に出掛ける事を伝えようと、部屋を出た。
ー輝二sideー
嵐山輝二は朝の通学路を歩きながら、電車で二駅ほど離れた高校である『並森高校』へと向かっていた。
「・・・・・・・・」
しかし、朝の爽やかな日射しに照らされたその目には何処と無く、暗い光が宿っていた。
「あっ! ちょっと!」
「へへへへへ!」
「イヤッホォ!」
と、目の前でスクーターに乗ったチンピラ二人が、歩いていた老婦人から手提げバックをひったくり、自分のいる方に走ってきた。
「・・・・・・・・」
「退け退けーーーー!!」
輝二はスッと避け、その隣をスクーターが横切ろうとした瞬間。
ーーーーカチャッ。
「「えっ? うおわぁああああああああ!?」」
何と、輝二はスクーターのキーを抜いた。突然キーが抜かれスクーターが機能を停止し、そのまま前に向かってグワシャァァァァァァァンン! と、盛大に転倒した。
チンピラ達はあまりに突然だったので対処が遅れ、地面に派手に転がり、目を回して気を失っていた。転がる拍子にバックが輝二の元に飛んできて。
「・・・・・・・・」
輝二はそれを無言でキャッチし、キーを捨てると、老婦人にバックを渡した。
「あ、ありがとう」
「この辺はああいう馬鹿がいますから、気をつけてください」
老婦人はお礼を言って離れ、輝二は無様に地面に半壊したスクーターと、目を回して倒れている馬鹿なチンピラ達に見向きもせずに、通学路を歩いていった。
◇
教室に入ると、ホームルーム前に騒いでいたクラスメート達がシン・・・・、と静まり、憐憫の目で輝二を見ていたが、それも仕方ない。何故ならーーーーほんの数週間前に、輝二は父親と兄を同時に喪い、今日久しぶりに学校に登校してからだ。
「・・・・・・・・」
輝二は学友達の視線をさして気にする素振りもなく、窓際の自分の席に座り、外の景色を眺めていた。
クラスメート達は、そんな空気に耐えられなくなり、自分達の会話に戻った。
≪なぁなぁ! クラス奴ら、ちょっぴり冷たくない? ちょっと前まで輝二に話しかけたり友達面してた癖に、輝二に御不幸があったからって離れやがってさ!≫
「(構わねぇよ。可哀想なヤツ扱いされるのが1番腹が立つからな)」
と、ソコでホームルームを告げるチャイムが鳴り、教師が入ってくると生徒達は自分の席に戻る。
「・・・・えぇ~。今日からこのクラスに転校生がやって来る」
教師は輝二を一瞥した後にそう言うと、クラスメート達がざわめく。
「はい静かに。入って来なさい」
教師が扉に向かって声を発すると、扉を開けてやって来た転校生に、クラスメート達、特に男子は歓声の声をあげた。
転校生が、美少女だったから。
「初めまして。『ミランダ・フォーミュ』と言います。フランスから来ました。皆さんヨロシクお願いします」
プラチナブロンドの長髪をストレートに流し、綺麗な赤い瞳に、美術品のような美麗な顔立ちをしたスタイルも制服越しでも抜群である、清楚な雰囲気の美少女だった。
「ではフォーミュさんの案内を・・・・嵐山。お前がやってくれ」
「・・・・は? 俺が、ですか? こう言うのは女子がやった方がフォーミュさんも気が楽だと思いますが?」
「いやお前は一応『便利屋』の息子だろう。任せたぞ」
そう言う担任の様子に、輝二は訝しそうに眉根を寄せる。
「・・・・分かりました」
「ではフォーミュさん。嵐山の隣の席に」
「はい」
ミランダ・フォーミュは輝二の隣の席に座ると、にこやかな笑みを浮かべる。
「よろしくお願いしますね、嵐山さん」
「ああ。よろしく」
≪うっひょぉ! 可愛子ちゃん登場!≫
バイスが煩く騒ぐが、輝二は担任に視線を戻した。
ミランダ・フォーミュは、横目で、輝二をジッと見つめていた。
ー守護者sideー
そしてその頃、ツナの守護者である獄寺隼人。山本武。ランボ。そして守護者である『笹川了平』は、横浜の街を歩きながら、〈財団X〉の情報を集めていた。
横浜の町は『伝説の戦士達』関連で事件が起こるので、〈財団X〉はそれに隠れて暗躍をしていたりするからだ。
「・・・・動くとなると、経済的な影響もあるこのビルを狙うか?」
獄寺は高層ビルを見上げて呟き。その後ろを、高校生位の少女が通り過ぎた。
◇
「〈財団X〉の奴ら。何を企んでんだ?」
サングラスをかけた山本が横浜港の帆船日本丸を眺めながら呟いていると、その近くで日本丸をバックに写真を撮っている高校の制服を着た小柄な少女がいた。
◇
「う~む。極限に分からんぞぉ」
了平は中華街で肉まんを頬張りながら、情報を集めていた。その近くの街角でトレンチコートに目深く帽子を被った大柄の男性がいた。
◇
「ん~。子猫ちゃん達が離してくれないなぁ」
そしてランボは、横浜のクラブでリズムの良い曲調を聞きながら、年上の女性達に囲まれていた。
ーツナsideー
ツナとエンマ。そしてツナの家庭教師の10歳の男の子『リボーン』と、守護者の『クローム髑髏』が『並森』にある地下基地にて、大型ディスプレイに表示された獄寺達からの報告を聞いていた。
「皆。調査はどうだ?」
《すみません10代目。〈デットマンズ〉に関する情報もあまり手に入りませんでした》
《こっちもだ。前に財団Xの下請け会社に探りを入れても、何も出なかったぜ》
《極限に中華街の情報屋を片っ端から当たってみたが、〈デットマンズ〉に関わった奴らは皆消されてしまって、情報が入っておらん》
「そうか・・・・ランボ。そっちは?」
《申し訳ないボンゴレ。愛くるしい子猫ちゃん達が俺を離してくれなくて・・・・》
《・・・・後でシバく》
「やっちまえ獄寺」
ランボの言葉に獄寺がボソッと呟き、リボーンが許可を出した。
苦笑いを浮かべるツナ達。エンマがボンゴレメカニック『ジャンニーニ』に話しかける。
「ジャンニーニ。最近、〈財団X〉の人間が接触している企業か、場所は割り出せない?」
「少々お待ちを」
ジャンニーニがパソコンを操作していると、ディスプレイに地図が表示された。
「ややっ!?」
「どうしたジャンニーニ?」
「はい! 最近〈財団X〉の人間が乗った車が、ある地区の郊外にある道路のコンビニで、何度も見かけられたようです!」
ソコは、『ノーブル学園』がある地域の郊外の森に続く道路のコンビニの監視映像だった。
ー輝二sideー
「ここが屋上。あまり生徒は来ない場所だ」
「へぇ~」
輝二は昼休みの昼食の後、ミランダ・フォーミュに学校を案内していた。一通りの案内を終えると、最後に屋上に連れていった。
そしてふと、ミランダ・フォーミュが口を開く。
「すみません。嵐山さん・・・・」
「何が?」
「クラスメートの皆から聞きました。嵐山さんは先日お父さんもお兄さんを亡くしてしまった。と、それなのに私の案内役をやらされて・・・・」
「・・・・気にしなくて良い。先生も多分そのことを気にして、気分転換になれば良いと思ったんだろう」
「はい・・・・」
「・・・・フォーミュさんは、ご家族はいますか?」
「一つ下の弟が一人います。両親は、私が幼い頃に・・・・」
「そうか。俺は八歳の頃に両親が離婚して、母親と妹にはここ十年近くはあっていない。ほとんど天涯孤独だよ」
そう言う輝二の目には、悲しみが色濃く浮かんでいたのを、ミランダ・フォーミュは気づいた。
「ミランダ・フォーミュさん」
「は、はい」
「大切にしなよ。弟さんの事、喪ってからじゃ遅いんだからさ」
「ええ。・・・・あの、嵐山さん」
「ん?」
「『ミラ』、と愛称で呼んでください。私も、輝二って、呼ばせて貰っても良いですか?」
「・・・・ああ。よろしくミラ」
「こちらこそ、輝二くん」
お互いに笑みを浮かべて名前を呼びあった。
≪いやん! 輝二ったら! こぉんな可愛い子と仲良くなっちゃって! 隅に置けないわぁ!≫
「(うるさい)」
バイスに心の中でうるさそうにしていると、ポケットに入れていたスマホが震えた。
「ちょっとゴメンね」
ミラにそう断ると少し離れ、スマホを取り出すと、画面に【狩崎】と表示されていた。目を鋭くすると、スマホに出る。
「もしもし?」
《やぁリベンジボーイ。〈デットマンズ〉の情報だよ》
「それで?」
《何でも君の妹の学園の近くで、悪魔が出現しているようだ》
「・・・・何?」
狩崎の言葉に、輝二は目を鋭くする。
《場所の詳細はこれから送る。放課後にでも頼むよ》
「ああ」
そう言って通信を切った輝二は目を元に戻して、ミラに振り返る。
「それじゃ続きと行こうか。ミラ」
「ええ」
そして二人は、校舎に戻っていった。
ー獄寺sideー
陽も沈み始めた夕方。横浜の住宅街で合流した獄寺と山本と了平。
「調査は?」
「空振り三振だ」
「極限にこっちもだ。ランボはどうした?」
「・・・・侍らせていた女達の彼氏達に絡まれて逃げていった」
ーランボsideー
「お助け~!!」
「テメエ待ちやがれ!」
「よくも俺らの女に手ぇ出しやがったなっ!」
「いや、一緒に飲み物飲んだりご飯奢って貰っただけで!」
『死ねやぁぁぁぁぁ!!』
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
こっちの話を聞いてくれない男達から、ランボは横浜赤レンガ倉庫の周りを逃げ回っていた。
ー獄寺sideー
「仕方ねぇなぁ、ランボの奴。・・・・っ」
「極限にな。・・・・っ」
苦笑いを浮かべていた山本と了平だが、後ろから感じる気配に視線を鋭くする。
「テメエらもつけられていたか」
獄寺も後ろから感じる怪しい気配に、視線を鋭くしていた。
「ああ。昼間からずっとつけられていたぜ」
「どうやら向こうから来てくれたようだ」
「それじゃ、ご挨拶してやるか!」
獄寺達は、建設中の小さなビルへと走っていった。
ちなみに、集まる事前に三人は追跡者達の事をツナ達に報告していた。
ーツナsideー
その頃、ツナとリボーンは、エンマが運転する車に乗りながら、『ノーブル学園』の郊外の森にあるコンビニに向かっていた。
「このスピードだと、到着するのは夜になるね」
「・・・・隼人達、大丈夫かな? まだ『あの戦い』から数日くらいだから、本調子じゃないし・・・・」
「ま。お前らも本来の3分の1って所だろうが。ちゃんと援軍も呼んでいる。そうそう送れは取らねぇだろ」
『加古川飛龍』との激戦からまだ3日。その消耗により本調子ではない獄寺達を心配するツナに、リボーンがそう言った。
「取り敢えず。俺らはこっちの調査をするぞ」
「「ああ」」
二人は頷いて、目的の場所へと向かった。
ー輝二sideー
「それじゃミラ。また明日」
「ええ。ありがとう輝二」
輝二はミラと別れると、目の前に狩崎が運転するオープンカーがやって来た。
「やぁ。リベンジボーイ。行くよ」
「・・・・ああ」
そう言って車に乗った輝二も、目的の場所へと向かった。
「・・・・・・・・・・・・」
そしてその様子を、ミラは離れた位置から静かに見据えていた。
ー???sideー
日も完全に落ち、夜となった町から離れた郊外の森の道路に建っているコンビニの駐車場で、暴走族のような若者達が、けたたましく音楽を鳴らしながら踊っていた。
そしてそれをコンビニの中で見ていた店長。
若者達の騒音にいつも腹を立てていたが、注意すればナイフや数で脅されて、今まで泣き寝入りをするしかなかった彼に、『女性のような身体付きの孔雀の姿をしたドライバーを付けた異形』が、『鳥の刻印をされたバイスタンプ』を渡した。
『これを使いなさい。あの五月蝿い坊や達を黙らせてくるのよ』
「は、はい!」
[イーグル!]
店長は『イーグルバイスタンプ』を起動させて自分に押印させた。
ー輝二sideー
≪お?≫
「どうしたバイス?」
≪悪魔の気配だぜ!≫
「悪魔か」
コンビニの近くにまで来た所でバイスが気配を感じ、輝二は視線を鋭くしたその時、コンビニの駐車場から小さな爆発と人間の悲鳴が聞こえた。
「・・・・これは、急いだ方がよさそうだね」
狩崎はアクセルを踏んで、さらに急いだ。
◇
そして、件のコンビニに到着するとソコはーーーー地獄絵図と化していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ひぃ、ひひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
『クカァァァァァァァァァァァァァ!!!』
「あっははははは!! ザマァ見ろ! 毎日毎日、俺の店の駐車場でバカ騒ぎしやがって!」
『イーグル・デッドマン』を従えた男性が、暴走族のような若者達を襲っていた。
「コイツは・・・・」
「見たまえ。どうやらあの男性、第2フェーズに行くようだよ」
狩崎が指差すと、孔雀のデッドマンが、男に話をしていた。
「俺は、更に強くなる!」
男がそう言うと、身体から契約書が現出し、それに『イーグルバイスタンプ』で押印させると、イーグル・デッドマンが紙の束になり、男の身体に纏わりつき、別納姿へと変貌した。
鷲の頭部と背中に翼を生やし、両手と両足が鷲のカギ爪へと変わったーーーー『第2フェーズ イーグル・デッドマン』へと。そして、孔雀のデッドマンがギフジュニアを召喚した。
『クカァァッ!!!』
「どうやら、一筋縄ではいかないようだね。リベンジボーイ!」
狩崎が輝二に、『プテラノドンの刻印がされたバイスタンプ』を渡した。
「ん。下がっていてくれ狩崎さん」
「ああ」
狩崎が車から降りて離れるのを確認した輝二は、リバイスドライバーを腰にあて、ベルトを展開させる。
「燃えてくるぜぇ!」
[レックス!]
「はぁ・・・・」
〈レックス・バイスタンプ〉を取りだし息を吐くと、ドライバーに押し込む。
≪今夜はオールナイトっ!≫
[Come On!レ・レ・レ・レックス! Come On! レ・レ・レ・レックス!]
同時に音声が鳴り響くと輝二の背中に、ラインの映像が現れる。
ーーーー今度は鳥かよ! 焼き鳥にしてやろうぜ!
ーーーー形からした鷲、『イーグルデッドマン』か。
ーーーーなぁなぁ! 鷲って喰えるの!?
ーーーー猛禽類は肉食獣だから、不味いって聞くな。
ーーーーえぇ!? しみるわ~! テンション下がるわぁ~!
ーーーーボヤクな。これもお仕事だ。
とスタンプを持つバイスが現れる。
「変身!」
≪ほいっ!≫
輝二はそのままスタンプをベルトに押し込み、スタンプを横に傾ける。
[バディアップ! オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング! 仮面ライダー! リバイ! バイス! リバイス!]
音声が響くと、輝二は仮面ライダーリバイに、バイスは仮面ライダーバイスとなった。
『あら、〈仮面ライダー〉ね』
『誰だお前はッ!?』
イーグル・デッドマンの言葉に、リバイは答える。
「俺達か? 俺達はお前ら〈デッドマンズ〉を狩る者ーーーー〈仮面ライダーリバイス〉だっ!」
「へへへ、シクヨロ!」
リバイとバイスはそう答えると、ギフジュニア達へと向かっていった。
ーツナsideー
ツナ達は、目前のコンビニから火が上がっているのを確認すると、車を路側帯に止めて、車から下りた。
「リボーン! あれは!?」
「どうやら事が起こったようだな」
「行こうツナくん!」
「ああ!」
ツナが手編み手袋を嵌め、エンマが指輪に意識を集中させると、二人の額にそれぞれ、橙色と真紅の炎が角のように燃え上がり、両手に炎を灯したゴツいガントレットを装備した。
リボーンがツナの肩に乗ると、二人は両手から橙色と真紅の炎を噴射させ、コンビニへと向かった。
次回、悪魔と炎が交差し、物語が始まります。