仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲   作:BREAKERZ

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〈便利屋 嵐〉

ー輝二sideー

 

その日、〈便利屋 嵐〉の給湯室にて、輝二はコーヒーミルでコーヒー豆を挽いていた。

 

「(コーヒーミルで好みのコーヒー豆を挽く。これによってコーヒー豆から芳しい香りが漂い、その鼻腔を燻る香りが、俺の疲弊した心を癒してくれる。そうーーーーこのド阿呆共が吹き溜まってしまった事務所の現実から!)」

 

「輝二さぁん! お煎餅のおかわりない?」

 

「輝二さん、このファイルって何のファイル?」

 

「嵐山くん。私にもコーヒーを」

 

「輝二さん、私はコーヒーよりカフェ・オレがいい」

 

「あ、私はカフェラテ」

 

「うるせぇっ! 人の事務所で吹き溜まるなアホ共!!」

 

日替わりで事務所にやって来るプリキュアオールスターズに、頭に血管を浮かべながら怒鳴る輝二。

今日来ているのはアラモードチームとHUGっとチームであり、お煎餅のおかわりをねだるはな、調査ファイルを読もうとするいちか、しれっとコーヒーを頼むゆかり、カフェオレを頼むほまれ、カフェラテを頼むシエル。他は輝二が録り溜めていたクイズ番組とかサスペンスドラマや映画を見ていた。

最初から結構気遣った口調をしていた輝二だが、プリキュア達の図々しさとふてぶてしさにもう素の口調になり遠慮をやめた。

 

「たくっ・・・・」

 

文句を言いつつも作ってやり、さらにお煎餅の追加も持っていく輝二。

 

「ん~。嵐山くんの淹れてくれるコーヒーはとても美味しいわ。プロ級ね」

 

「カフェラテやカフェ・オレも素晴らしいわ。『キラキラパティスリー』で出したいくらいよ」

 

「そらどうも!」

 

ゆかりとシエルが絶賛するが、輝二は事務所をたまり場にされるのにイラついていた。

不機嫌そうに自分の席に座る輝二は、目の前のソファで飲み物や煎餅やスイーツを頬張り、サスペンス映画で誰が犯人なのか当てっこしているプリキュア達に向けて声を発する。

 

「お前らなぁ、人ん家の事務所で毎日毎日入れ代わり立ち代わりで現れやがって、学校とか店はどうした?」

 

「ちゃんと放課後や定休日で来ているから大丈夫!」

 

「それに一緒に戦う事になったんだから、交流を深めるのは大切だよ!」

 

ちなみに、なのは達〈時空管理局〉は、〈フェニックス〉の〈スカイベース〉に行き、〈デッドマンズ〉に関する情報などの為に交流をしている。

輝二とも交流しようと、なのは達は事務所に訪れたが輝二は、

 

【アンタら胡散臭い】

 

と、言って門前払いしたのだ。

それもあって、輝二に関してはプリキュアオールスターズが積極的に関わろうとしているのだ。

 

「学校云々って言うけど、嵐山くんだって学校はどうしたの?」

 

「俺は『休学』しているからいいんだよ」

 

などと駄弁っていると、事務所のドアがコンコンとノックされ、ドアが開くと中学の制服を着た、はな達と同い年の女子中学生が入ってきた。

 

「あの、依頼いいですか?」

 

「うわぁぁぁっ! アホの掃き溜めにようこそ! すぐにこのアホ共片付けますから!」

 

依頼人が来たので輝二は慌ててプリキュア達を給湯室に無理矢理押し込もうとした。

12人も給湯室に押し込められて、プリキュア達がギャーギャー騒ぐが、輝二は構わず押し込むと、給湯室の扉を閉め、手をパンパンと払い少女をソファに座らせた。

ちなみに、赤ちゃんのはぐたんは輝二が用意していたベビーベッド(アイちゃんも使う)で寝ている。

 

「えぇ・・・・オホン。騒がしくて申し訳ないありません。先程のはーーーー野性動物の集団みたいな物とでも思ってください」

 

「はぁ・・・・」

 

ーーーー野性動物とは何だ~!

 

給湯室からそんな声が聞こえるが、輝二は無視して、プリキュア達を押し込む前に取り出したお茶と彼女達が少し散らかしたテーブルを片付け、女子生徒をソファに座らせてから話を聞いた。

女子生徒の名前は『真崎有美<マサキ ユミ>』。ある中学の女子生徒であり、友人からの紹介でこの事務所に来たと言う。

そして依頼の内容は、

 

「ーーーー『松田歩<マツダ アユム>』? あの『全国総合格闘トーナメント 学生の部・男子』で去年優勝した、キックボクシングの?」

 

『全国総合格闘トーナメント 学生の部』。

それは、日本中の中学生から高校生の格闘家達が戦う大会であり、キックボクシングの他に、空手。柔道。ボクシング。レスリング。テコンドー。ジークンドー。ムエタイ。サンボ。カラリパヤット等、徒手空拳の武術を使う学生達か試合をする格闘トーナメントである。

そのトーナメントに去年、高校1年でありながら優勝を果たし、現在は高校二年生となっている筈の学生が『松田歩』である。しかしーーーー。

 

「確か彼は二~三ヶ月程前に交通事故にあって、二度と格闘技ができない身体になってしまって引退した、っと噂に聞いてましたけど・・・・」

 

「はい・・・・私、松田歩さんのファンで、彼の事を調べていたら。松田さん、一週間程前から行方不明になったって聞いて」

 

「! 行方不明? 家族は警察に捜索願を出したんですか?」

 

「出ているようですけど、一向に行方が分からないって聞きました」

 

「(ま、警察なんて一時停止違反や無断駐車やスマホ運転してるヤツを取り締まる事か、人のプライバシーを根掘り葉掘りほじくり回す事くらいしかできないからな)・・・・友人の方達とかは?」

 

「・・・・一応、“恋人だった人”や“友人だった人達”に聞いて見ましたけど、心当たりが無いと」

 

少女が言った言葉に、輝二は一瞬目を細めたが、すぐに戻して話を続ける。

 

「しかし、警察が動いているなら、わざわざ便利屋に相談する事はないと思いますが」

 

「実は、クラスメートの子が、【この便利屋さんに頼んだ方が良いよ】、って紹介してくれたんです」

 

「クラスメート・・・・はっ!」

 

ソコで輝二は気づいた、彼女の着用している制服はーーーー『七色ヶ丘中学』の制服であると。そして、事務所の扉に張り付いている『五つの影』があると。

 

「・・・・・・・・分かりました。出来る限り調査をします。が、その前にーーーー」

 

輝二がサッと扉に近づき、思いっきり開けるとーーーー。

 

「「「「「うわああああああ!!?」」」」」

 

扉に張り付いていたみゆきとあかねとやよいとなおとれいかのスマイルチームが雪崩れ込むように倒れた。

ちゃっかり何人かのスカートの中が一瞬見えそうになったが、輝二は見なかった。

 

≪うっひょぉぉっ! みゆきちゃんは白なのねぇ! れいかちゃんは水色でやよいちゃんはレモン色と白のシマシマぁ!≫

 

「(バイス。後でチクるぞ)」

 

≪ごめんちゃい!≫

 

バイスが興奮するが、輝二にそう言われて大人しくなった。

 

「やっぱり、お前ら依頼人を紹介しやがってどういうつもりだ?」

 

「いたた、どういうつもりって、クラスメートの真崎さんが困っていたから力になろうと思って」

 

「輝二さんって探偵さんみたいな事もしてるって狩崎さんに聞いてたから・・・・」

 

「せやから、ウチらが紹介したんや」

 

「・・・・たくっ」

 

「星空さん達」

 

輝二はみゆき達を事務所に入れると、真崎有美に向き直る。

 

「依頼はーーーー『松田歩を見つけて欲しい』って事ですか?」

 

「はい・・・・あの人を、松田歩さんを、“救って欲しいんです”」

 

「・・・・その依頼、引き受けましょう」

 

「! ありがとうございます!」

 

「じゃ早速、松田歩さんと交流を持った人達から、改めて話を聞いてみましょうか。星空、日野、黄瀬、緑川、青木。お前らはここまでだ」

 

「えぇ~! 何でぇ~!」

 

「私達だって一緒に行きた~い!」

 

「真崎さんにここを紹介したの私達だよ!」

 

「私達にも紹介した責任があります」

 

「・・・・お前らは便利屋の人間じゃないんだ。これ以上は首を突っ込むな。事務所で水道水でも飲んでろ!」

 

「あの、水道水は酷いんじゃ・・・・」

 

「良いんです。人の事務所を遊び場にして入り浸るアホ共なんて、水道水でも勿体無い位なんですから」

 

「アンタ酷すぎやろ!」

 

ブー! ブー! ブー!とブーイングするみゆき達(れいかは除く)だが、輝二は耳を塞いで聞こうとせず、真崎有美を連れて事務所を出ようとする。

 

「あ、そうそう。そろそろ赤ん坊が起きるから、あやしておけ。後給湯室にいるアホの後輩達もな」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

みゆき達が振り向くと、はぐたんが起き出して、はな達がいないと確認してグズリ初め、給湯室からドンドンと叩く音が響き、中からはな達やいちか達の声が聞こえた。

 

ーーーーみゆきちゃん達助けて!

 

ーーーーギュウギュウ詰めになって出られないの!

 

ーーーー密着されてるから身体が痛くなってきた!

 

ーーーーい、息も苦しくなって・・・・!

 

ーーーーうわっ! さあや、おっぱい大きいのです!

 

ーーーーあ、あきらさんも、意外な大きさ・・・・!

 

ーーーーゆかり姫は、予想通りの凄まじい大きさ・・・・!

 

「「「「「・・・・・・・・」」」」」

 

給湯室から聞こえる後輩達の声に、みゆき達は中の地獄絵図を予想して頬をひきつらせていた。

 

「じゃ、後ヨロシク」

 

と、そう言って、輝二は真崎有美を連れて事務所を後にした。

 

 

 

 

 

ー狩崎sideー

 

「あの、狩崎さん」

 

「ん? 何かなミス・沢田?」

 

丁度その頃、〈スカイベース〉に来ていたなのは、フェイト、はやての隊長陣が来ていた。

そしてなのはが、バイスタンプの調整に勤しんでいる狩崎に話しかけた。

 

「何故嵐山くんは、私達の事を【胡散臭い】って言うのか、分かりますか?」

 

なのはは輝二の自分達に対する冷淡過ぎる態度に、ムッとなりつつも腑に落ちないのか、狩崎に聞いてみた。

狩崎はパソコンの画面から視線を外さず、なのは達に向けて口を開く。

 

「・・・・・・・・質問を質問で返すようで失礼だが。私も〈時空管理局〉には、色々と腑に落ちない点があるのだよ」

 

「えっ? それって・・・・」

 

「君達〈時空管理局〉はーーーー今更になって何故地球の問題に首を突っ込んで来たんだい?」

 

「「「っ!!」」」

 

なのはだけでなく、フェイトとはやても肩をビクッと震わせた。

 

「君達が一応解決した『10年前に起きた二つの事件』。それから10年間、この世界には様々な事件が起こった。『沢芽市で起こったクラック事件』。『グローバルフリーズ』。『バグスターウィルス』。『国家を揺るがすテロ』。『ヒューマギア事件』。『異常な時空湾曲』と言った事件。『ドツクゾーン』。『ダークフォール』。『管理国家ラビリンス』。『砂漠の使徒』。『幻影帝国』と言った暗黒の勢力。そんな事件や勢力の中には、この『次元世界』処か、『全平行世界』が危機に陥るような事態が多発していた地球に、今の今まで全く干渉してこなかった〈時空管理局〉が、何故今更になって介入してきたのかな?」

 

なのはに代わって、はやてが話に入ってくる。

 

「それはーーーー地球は管理局にとって、『管理外世界』と定められていて、その管理外世界には干渉してはならないって規則があるんです」

 

「ほぉ、では私達が知らない内に地球は管理局の管理保護下に置かれたから君達が派遣されたのかな? そんな情報は入っていないが?」

 

調整を終えた狩崎は画面から視線を外して、なのは達に向かって振り替えってそう言うと、なのはとフェイトは気まずそうになるが、はやてが何食わぬ顔で続ける。

 

「確かに、今まで私達は何もしてきませんでした。せやけど、私達の故郷である地球に危機が訪れているんです。私達は管理局の魔導師であると同時に、個人としても、この地球を守る為に上層部に無理を言って派遣させて貰ったんです。ソコだけは信じてください!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

はやてが真摯な目を見つめて、狩崎は肩を落とす。

 

「ま。その言葉を“一応”信じよう。だが、輝二くんは私のような理論型と違って、意外に直感型の人間だからね。しかも、彼の『直感力』はかなり優れている。おそらく今私に言った言葉を輝二くんにそのまま伝えても、プリキュアオールスターズが一緒に説得してくれても、彼は君達に対する不信感を撤回しないだろう。彼は他人の評価と自分の直感、どっちを信じるかと言われれば、自分の直感だからね」

 

「そうーーーーですか・・・・」

 

はやてがそう返すと、狩崎は調整を終えたバイスタンプを懐にしまうと、更に新たなバイスタンプの調整を始める。

 

「君達管理局が何の目的で〈デッドマンズ〉に関わるのか今は知るつもりは無いが、輝二くんの邪魔だけはしない方が良いよ。・・・・彼は、『復讐』で戦っているからね」

 

「「「えっ?」」」

 

狩崎の言った言葉に、なのは達は間の抜けた声を発した。

と、ソコで調整を終えた狩崎は、スマホで『ハッピーガール』と表示された相手に連絡をいれた。

 

 

 

 

 

ー輝二sideー

 

そしてその頃、松田歩の関係者達から話を聞き終えた輝二は真崎有美と共に公園のベンチに腰掛けながら、一息吐いていた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「(あのアホ共を連れてこなくて良かったぜ)」

 

双方に沈黙が訪れるが、輝二は気づかれずホッとした。

輝二がプリキュア達を調査に連れてこなかったのは、何も彼女達がウザったいからだとか、邪魔だからと言った理由ではない。まぁ、七~八割ほどそう思っているが、他にも理由がある。

 

「予想通りの“銀蝿”な連中だったな。君も最初から知っていたようだし」

 

「ええ。少し話を聞いてみたので・・・・」

 

≪ひっどい奴等だったよなぁ~、悪魔の俺っちでも引いたよ~≫

 

真崎有美が、“友達だった人達”や“恋人だった人”と、過去形で言っていたので、輝二も予想していた。

ーーーー松田歩の友人達は、松田歩の寄生虫のような人間であり、恋人だった人は松田歩の他にも複数の男子生徒と付き合っていたのだった。

友人だった人達は、『全国総合格闘トーナメント優勝者』と言う肩書きを持った松田歩にゴマ刷っており、さらに彼の名前を勝手に使って、他校の生徒達にカツアゲやらナンパ等を行っていた。

恋人だった女性は、他校のバスケ部のエースだったり、モデルをしている生徒とかと秘密裏に付き合っており、松田歩の事も、『格闘チャンピオンの彼氏』と言うアクセサリーが欲しかったから付き合っていただけだったのだ。

彼らが松田歩の事を【格闘ができなくなったら価値の無いゴミ】と、もう松田歩の事を何とも思っていない態度で悪びれる事なくそう言った時は、正直輝二はソイツらの顔面に拳と蹴りを叩きつけてやりたくて、それを押さえようとかなりの胆力を使ったくらいだ。こんな穢らわしい銀蝿のような奴等をプリキュア達に見せなくてホッとしている。

 

「松田歩さんは、あの人達に捨てられて自暴自棄になって行方を眩ませたって事でしょうか?」

 

「・・・・いや、クラスメートやキックボクシングジムの人達から聞くと、そうでもないようですね」

 

その恋人や友人達だけでなく、同じ高校のクラスメート達やジムの人達にも聞いてみた所ーーーー松田歩は気が優しく人当たりも良く、自分が学生チャンピオンだからとひけらかそうともせず、気さくな感じで接し、練習もひた向きに、真面目に取り組む模範的な性格だったらしい。

どちらかと言えば、友人だった奴等と恋人だった女が付きまとっていて、その人の良さから邪険にできず、仕方なく付き合っていたようだ。

 

「(煙たがっていた奴等が近づかなくなった。俺だったら少し安心感すら持てる。それなのに行方不明とは・・・・)この人からも、聞いてみようかな?」

 

と、ソコで輝二はジムの人達から、松田歩が交通事故にあって一週間後にやって来た、学生トーナメント決勝戦で松田歩と戦ったレスリングの選手の事を聞き、スマホで調べて写真が表示された画像を見る。

 

「名前は『宮岡孝治郎<ミヤオカ コウジロウ>』。レスリングの選手で、松田歩さんとは中学時代からの格闘のライバルだった人物。松田歩さんが怪我で格闘ができなくなってしまったと聞いて、何度か尋ねたりしていたようだ。しかも、彼が行方不明になったのを期に彼もジムに来なくなったーーーー」

 

「その人から松田歩さんの事が聞けるかも知れないね!」

 

「ああ、ちょうどこの辺りがランニングコースにもなっているから・・・・ん? どおぉぅっ!?」

 

不意に聞こえた声に応対した輝二は、嫌な予感をして顔をあげると、めぐみ、ひめ、ゆう子、いおなのハピネスチャージチームがおり、思わず座ったまま器用にずっこけた。

 

「な、何でお前らがここにっ!?」

 

「ふっふ~ん。実は、この〈プリキュアライン〉で、輝二さんがめぐみちゃん達が連れてきた依頼人さんと、松田歩さんの捜索をしているって書かれていたの!」

 

めぐみがスマホを取り出して画面を見せると、ソコにはみゆきにいちかにはなの顔写真が入ったラインに、【輝二さんに依頼が入ったよー☆】、【私達のクラスメートの女の子(^-^)】、【輝二さんの手助けできる子達はヨロシクー♪】、と書かれていた。

 

「こんなアプリいつ出来た!?」

 

「ありすの四葉財団が作ったプリキュア専用のアプリ!」

 

「これで私達連絡を取り合っているんです」

 

「金持ちがしょうもない事に金を使いやがって!!」

 

「まぁまぁ落ち着いて・・・・」

 

ひめといおなが〈プリキュアライン〉を見せると、輝二は頭に血管を浮かばせて怒鳴るが、ゆう子が笑みを浮かべながら抑える。

 

「んで、そこのいる青少年は誰だ?」

 

めぐみ達と一緒にいる、学生服を着た少年を見て、輝二はある程度の予想を立てながらコメカミをピクピクさせる。

 

「はい! 私達の友達で、『誠司』です!」

 

「あぁ~、『相楽誠司』です。どうも・・・・」

 

「お前ら、春野達から聞いていなかったのか? 俺の事を知る人間を作るなって! その頭には記憶力ってモンがねぇのかっ!?」

 

「大丈夫です! 誠司はちゃんと秘密は守ってくれますから!」

 

「そうじゃねぇよ! 人の頼みをマトモに聞けねぇのかっ!?」

 

「お、落ち着いて嵐山さん!」

 

それから数分して漸く輝二の怒りも収まっていき。

 

「あの、嵐山さん、この子達は?」

 

「ーーーーあぁ、気にしないでください。星空達のように事務所に集まってくるドアホウ軍団の一つです」

 

「「「ドアホウって何ですかっ!?」」」

 

「「あははは・・・・」」

 

輝二がそう言うと、めぐみとひめといおながツッコむが、ゆう子と誠司は苦笑いを浮かべた。

 

「それで、その宮岡孝治郎さんはここを通るの?」

 

「・・・・ここがランニングコースだからな。この時間帯に通る事は調査済みーーーー言った側からだ」

 

輝二が目を向けると、ランニングウェアを着用した高校生とは思えない大柄の体格をした少年がランニングをしていた。ウェア越しからでも、鍛えられた身体をしているのが分かり、写真と見比べて見て一致していた。

 

「ちょっとすみません宮岡孝治郎さんですよね?」

 

「あ?」

 

宮岡孝治郎は足を止めて、輝二と真崎有美を見ると目を細めた。

 

「そうだけど。なんの用だ?」

 

「いやですね。俺達松田歩さんのファンでしてね。彼が最近行方不明となったと心配になりまして、ライバルであったあなたなら、何か知っているのではないかと思いましてね」

 

「・・・・へぇ~」

 

宮岡孝治郎は、唇の端を小さくあげると、ウェアのポケットから、スタンプを取り出した。

 

「これ、何か分かる?」

 

「っ! バイスタンプ・・・・!?」

 

「えっ?」

 

「「「「っ!!?」」」」

 

「何っ!?」

 

宮岡孝治郎が出したのは、『蟹が刻印されたバイスタンプ』だった。

 

[キングクラブ!]

 

「さぁ、死合開始だっ!」

 

宮岡孝治郎はバイスタンプを自分に押印したその時、白い契約書の束か身体から溢れ出て人型に集まり、頭部が折紙の蟹となり、両手が鋭い鋏となった怪人を形成した。

 

『キシャァァァァァ!!』

 

怪人、〈キングクラブ・デッドマン〉は、両手の鋏を振り下ろして、輝二と真崎有美に襲い来るが、輝二が真崎有美を抱えて後方に飛び退くと、鋏は地面に叩きつけられ地面に切り傷を作った。

 

「ちっ! 〈デッドマンズ〉の信者かよ・・・・!」

 

[リバイスドライバー!]

 

輝二はリバイスドライバーを装着すると、めぐみとひめとゆう子は『プリチェンミラー』を、いおなは『フォーチュンピアノ』を取り出す。

 

「今一燃えてこねえけど・・・・」

 

[レックス!]

 

「はぁ・・・・」

 

その音声と共に、輝二はスタンプに息を吹き、ドライバーにセットすると、輝二の身体からバイスが現れ、巨大なスタンプを手に持っていた。

 

「変身!」

 

輝二はそのまま『レックスバイスタンプ』をベルトに押印しスタンプを横に傾ける。

 

≪ほいっとっ!≫

 

スタンプを掲げたバイスが、輝二に向けてスタンプを振り上げる。

 

[バディアップ! オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング! 仮面ライダー! リバイ! バイス! リバイス!]

 

「ふっ」

 

「イエイ!」

 

[かわルンルン!]

 

「「「プリキュア! くるりんミラーチェンジ!」」」

 

「プリキュア! きらりんスターシンフォニー!」

 

「世界に広がるビッグな愛! キュアラブリー!」

 

「天空に舞う蒼き風! キュアプリンセス!」

 

「大地に実る命の光! キュアハニー!」

 

「夜空にきらめく希望の星! キュアフォーチュン!」

 

「「「「ハピネス注入! しあわせチャージ! ハピネスチャージプリキュア!」」」」

 

リバイスに変身した輝二とラブリー達が、キングクラブ・デッドマンへと向かった。

 

「はぁぁぁ!」

 

「とわぁ!」

 

先陣を切って、ラブリーとバイスがキングクラブ・デッドマンに拳と蹴りを繰り出す。

 

『キシっ!』

 

その時、キングクラブ・デッドマンは頭を向け二人の攻撃を受けた。

 

バキィィィィッ!

 

二人の攻撃を受け、その音が辺りに響くと。

 

「「い、いぃ、いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃっ!!」」

 

ラブリーが殴った拳が真っ赤に腫れ、バイスが足を押さえてピョンピョンと跳ねた。

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