仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲   作:BREAKERZ

28 / 75
ケジメの為の復讐

ー松田歩sideー

 

「・・・・・・・・」

 

松田歩は、自分の身体から生まれた〈デッドマン〉、〈ヘッジホッグ・デッドマン〉を見ていた。

 

「・・・・これが、俺の中の悪魔、か」

 

「おい」

 

そんな松田歩に話し掛けてきたのは、幹部のフリオだった。松田歩がフリオに振り向くと、フリオの後ろにいるギフジュニア達が人間達を連れてきていた。松田歩の取り巻きだった男子達と、恋人だった女子だ。全員が必死に助けを求めるように喚くが、フリオはソイツら侮蔑の視線を向けて口を開く。

 

「お前を無価値だとかほざいていた連中を連れてきてやったぞ。好きにしな」

 

フリオがギフジュニア達に命じて、連れてきて人間達を松田歩の前に放り投げた。

地面を転がりながら倒れた彼等は、松田歩の姿とヘッジホッグ・デッドマンを見た瞬間、惨めに泣きながら、その場で土下座を繰り返しながら命乞いをしていた。

 

「・・・・・・・・下らない」

 

松田歩は情けない様を晒すソイツらに、冷たい視線でそう呟くと、『ヘッジホッグバイスタンプ』を、自分に押印したーーーー。

 

 

 

 

 

ー輝二sideー

 

キングクラブ・デッドマンとの戦いから翌日。

輝二は、〈フェニックス〉のスカイベースに来ており、ソコの取調室で行われている宮岡孝治郎の尋問を聴いていた。

 

《では君は、松田歩さんが〈デッドマンズ〉に入ろうとするのを止めようと、自分があのスタンプを使ったのか?》

 

《はい・・・・アイツが、松田が手に入れようとしている物が、何となくヤバい物だって思って、怪我人のアイツが使って痛い目に合う前に、俺が使って危険性を見せようと思ったんです。〈デッドマンズ〉と戦う〈仮面ライダー〉と戦って負ければ、アイツも「所詮こんな程度の物」って見切りを付けると、そう思って・・・・!》

 

取調室の隣でマジックミラー越しに聞いていた輝二に、れいかが声をかける。

 

「どうですか嵐山さん? あの方は嘘をついているように見ますか?」

 

「・・・・いや、嘘はついている風には見えないな」

 

「さっきヒトミさん達の方でも、嘘発見機を使って調べた言うたけど、嘘は言っていないって判定されとったなぁ」

 

「それじゃあ、松田歩さんは〈デットマンズ〉に入ったのかな?」

 

「多分ね・・・・」

 

輝二がそう言うと、あかねとやよいとなおが結論した。いちか達は負傷したなのは達六課隊長陣のお見舞いに、めぐみ達は狩崎に診療されている誠司の付き添いをしている。

 

「〈デットマンズ〉に入って何するつもりクル?」

 

「もしかして・・・・」

 

キャンディの言葉に、みゆきは顔を曇らせる。『バイスタンプ』の力を使って、自分を捨てた取り巻き達や恋人に復讐するつもりなのかと思ったからだ。

 

「ま、だと思って、〈フェニックス〉がソイツらを保護に向かったからな。取り敢えず、この場は門川さん達に任せるか」

 

そう言って、取調室を離れる輝二とスマイルチームは、丁度診療を終えたハピネスチャージチームと出会した。因みに真崎有美は既に検査を終えて、〈フェニックス〉隊員が家まで送っている。

 

「あ、めぐみちゃん達!」

 

「みゆきちゃん! 皆!」

 

「相楽君、大丈夫だったの?」

 

「あぁ。問題無いってさ」

 

「・・・・狩崎さんに、どんな検査されたんだ?」

 

「えっと、何か血液なら色々検査されたけど」

 

「そうか・・・・さて、次は魔導師連中だな」

 

輝二を先頭に、一同はなのは達が治療を受けているスカイベースの治療室に入ると、白衣を着て、髪の毛の下の方だけオレンジがかっているという独特のファッションをした女医『御子柴朱美』と、医療官のシャマルに治療を受けている背中を向けて寝そべるなのはと、首にギプスを着けたフェイト、外された肩にギプスを着けたはやてに、包帯まみれのシグナムとヴィータとザフィーラのお見舞いに来ていたアインスとリイン、FW陣にアラモードチームがいた。

 

「あっ、輝二くんにプリキュアちゃん達」

 

「お邪魔します朱美さん。どんな感じですか?」

 

「魔法って便利ねぇ、八神さんは完治に二週間は掛かる程の、沢田さんと古里さんは一ヶ月、シグナムさんとザフィーラさんとヴィータちゃんの傷なんて下手すれば三ヶ月以上は掛かる怪我を一週間以内で完治させちゃうんだから」

 

「でも、重傷のシグナム達を優先しなくちゃいけないから、なのはちゃんとフェイトちゃんの治療は後回しね」

 

関節を外されたなのはとフェイトとはやては勿論、数階上のフロアから床をぶち破って一気に一階まで叩き落とされ、さらに爆弾で攻撃されたシグナムとヴィータとザフィーラの負傷が特に酷いようだった。

 

≪あららぁ、痛々しい姿なのねぇ≫

 

「・・・・・・・・」

 

「ん? どうしたの輝二さん?」

 

「お前らさ、この魔導師の隊長達って強いんだよな?」

 

輝二が、なのは達を親指で差しながら、アラモードチームに尋ねた。

 

「え、うん。私達とはなちゃん達、一度〈ミッドチルダ〉って、管理局のある世界に行ってシグナムさんと模擬戦したんだ」

 

「いきなり実力が知りたいって言われまして・・・・」

 

「最初はガジェットって言う変な機械と戦わされてさ・・・・」

 

「それを全滅させたらシグナムさんが突然現れて・・・・」

 

「私達11人で模擬戦する事になったね・・・・」

 

「その後、なのはさんやフェイトさんとも模擬戦やったし・・・・」

 

半眼で苦笑いを浮かべるアラモードチームから、模擬戦が大変だった事が窺えた。そしてなのはとフェイト、シグナムはバツが悪そうに目を反らした。

 

「それで、実力は?」

 

「凄い強かったよなのはさん達! 私達が戦ってきた人達でも、幹部の人達くらい強かったよ!」

 

現在なのは達隊長陣は魔力を制限するリミッター状態だが、それでも幹部級の実力者達なのだ。

 

「だが、そんな連中でもここまで負傷してしまうんだな。・・・・相楽って言ったっけ?」

 

「あ、はい・・・・」

 

「お前、もう関わるな」

 

「えっ?」

 

輝二は誠司に向かってそう言った。

 

「ちょっと輝二さん! 何でそんな事を言うの!?」

 

「そうだよ!」

 

「「・・・・・・・・」」

 

めぐみとひめが噛みつくが、ゆう子といおなは表情を少し曇らせるが、輝二の意見に反対しようとしなかった。

 

「今回の件で分かったろうが。相楽みたいな一般人が巻き込まれる事もある。この間の戦闘でも、巻き添え食らってた可能性だって十分あっただろうが」

 

「(グサッ)ぅっ・・・・!」

 

輝二は知らずに、自分の砲撃魔法に巻き込みそうになったなのは(しかも敵である宮岡孝治郎<キングクラブ・デッドマン>が誠司や他の人達を守ってくれた)に、言葉の流れ弾で撃ち殺してしまった。

フェイトとはやてが憐憫な視線をなのはに向け、輝二はなのはに目もくれず、言葉を続ける。

 

「相楽はお前らみたいにプリキュアでもなければ魔導師でもない、ただの一般人だ。お前らな、もしかしたら今怪我だらけのボロ雑巾になった魔導師達が、相楽になっていたかも知れないんだぞ?」

 

『うっ』

 

『(ボロ雑巾って・・・・)』

 

ハピネスチャージチームは言葉を詰まらせ、なのは達は輝二の言葉に片眉をヒクヒクとさせる。

 

「魔導師連中が見せてくれただろう。〈デッドマンズ〉と関わるのは危険な目に、それこそこんなズタボロな目に合うって事をーーーー彼女達は身を持ってお前達に見せてくれたんだ」

 

『(うわっ、強烈な皮肉ーーーーって言うか・・・・)』

 

『(嫌味かっ!?)』

 

あかね、やよい、なお、れいか、ひめ、ゆう子、いおな、ひまり、あおい、ゆかり、あきら、シエルが半眼で苦笑し、なのは達隊長陣はちょっと頭に血管を浮かばせ、アインスとシャマルと朱美が「まあまあ」と宥め、FW陣がアワアワとなる。

が、輝二はそんな隊長陣の視線なんて完全無視する。

 

「相楽。正直言って、お前さんは足手まといだ。〈デッドマンズ〉には、もう関わるな」

 

「・・・・・・・・」

 

誠司は黙ったまま、医務室から出ようとする。

 

「誠司!」

 

「めぐみ。確かに嵐山さんの言うとおりだ。今回で分かったよ。〈デッドマンズ〉ってのは、〈幻影帝国〉みたいなアホばかりじゃない。アイツらよりもヤバい奴らだ」

 

〈幻影帝国〉だけでなく、プリキュアが今まで戦ったきた『闇の勢力』の幹部は、基本大半が、ドジでマヌケで頓珍漢で協調性も殆ど無いアンポンタンばかりだったが、そのくせプライドだけは無駄に高い故に、人質と言った卑怯な作戦は使わなかった。

だが、〈デッドマンズ〉は違う。奴らは人質と言った卑劣な手段も辞さない連中である事を、誠司は何となく理解した。めぐみ達の足手まといにはなりたくないから、身を引こうとしているのだ。

 

「誠司っ!」

 

「・・・・悪い。俺、足手まといにはなりたくないんだ」

 

そう言って、誠司は医務室から出ていった。

 

「誠司待って!」

 

めぐみは誠司を追いかけ、ひめ達やみゆき達、いちか達も追いかけた。

 

「・・・・もう少し優しい言い方をすれば良かったんじゃない?」

 

「逆に惨めになるだけですよ。“中途半端な優しさで固めた薄っぺらな言葉”は、時に相手にとって逆効果になりますからね」

 

「うっ・・・・!」

 

輝二の言った言葉に、またもやなのはが苦しそうな声を漏らし、フェイト達とFW陣(取り分け何故かティアナ)が苦笑した。

 

「んじゃ、俺はこれで」

 

「あっ、ちょぉ待って嵐山くん!」

 

「・・・・・・・・」

 

「いや、そんな嫌そうな顔せんでもええやんか・・・・」

 

はやてが声をかけると、輝二は冷たい目で凄い嫌そうな顔で振り返り、ここまで嫌われているのに、はやては苦笑する。

 

「何か御用で?」

 

「いやそのな・・・・狩崎さんから聞いたで、君が〈デッドマンズ〉と戦う理由・・・・」

 

「・・・・あっそ」

 

「待って!!」

 

それだけ答えると、輝二は医務室を出ようとするが、今度はフェイトが声をあげて止め、輝二は今度は何だよ、と言いたげに鬱陶しそうに顔を向ける。

 

「あの・・・・私もね、少し前にある犯罪者を追っていたんだ。ちょっと、ううん、かなり、個人的な感情で・・・・」

 

「・・・・アンタも『復讐』を、か?」

 

「・・・・そうだったのかも知れない。でも、私はただ、『八つ当たり』や『逆恨み』を晴らしたいだけだったんだと思う・・・・」

 

「・・・・それで? 俺の戦う理由もソレだと言いたいのか?」

 

輝二の言葉に、フェイトに小さく頷いた。

 

「・・・・うん。気持ちは分かるけど、それで「それで親父と兄貴は喜ばないし浮かばれない。赦す事が大事だ。復讐は何も生まない。っとでも言いたいのかい?」えっ?」

 

フェイトの言葉を遮るように、輝二が声を発し、フェイトだけでなく、なのは達も驚いた、

 

「俺のやってる事が自分のエゴイズムだって事は十分理解してんだよ。理解して貰いたいと思わない。だがな・・・・!」

 

『っっ!!』

 

フェイト達は、輝二のその瞳を見た時、息を呑んだ。その瞳にはーーーー『なのは達の旦那達』と同様の、強い『覚悟』を宿した『炎』があったのだ。

 

「俺は、ケジメ付けなきゃ納得できねえんだ。そんな安っぽい言葉で折れる程度の『覚悟』で、戦っちゃあいねえんだよ」

 

「あの、輝二さん。どちらに?」

 

「・・・・まだ、“『依頼』の途中なんでな”」

 

エリオにそう応えると、今度こそ輝二は、医務室を出て行った。

 

 

 

ーなのはsideー

 

「嵐山くん・・・・!」

 

「無理だよなのは」

 

なのはが止めようとするが、ヴィータが止め、シグナムが口を開く。

 

「あの目を見ただろう。『あの方達』と同じ、強く確かな『覚悟』を決めている目だ。生半可な『力』と『言葉』では、あの少年が止まる事はない」

 

「でも・・・・それじゃ彼は・・・・!」

 

「我々では、彼を止められないだろう」

 

ザフィーラもまた、輝二を見てそう呟いた。そして、朱美も口を開く。

 

「・・・・輝二くんは、止まらないわね。自分が納得する方法で決着をつけない限り」

 

その言葉に応じる人間は、この場にいなかった。

 

 

 

 

 

ーいちかsideー

 

めぐみ達が誠司を止めようとしたが、「今は一人にしてくれ・・・・」と誠司は〈スカイベース〉を後にしてしまい、そのまま少し暗くなっていた。

あおいがこの空気が耐えられないと云わんばかりに声を張り上げる。

 

「何だよ輝二さんってば! あんな言い方ないだろうが!」

 

「誠司は私達の大事な仲間なのに!」

 

「酷いと思わないっ!?」

 

あおいに便乗してめぐみとひめが叫ぶが、ゆかりは静かに口を開く。

 

「そうかしら? 私は嵐山くんはーーーー“優しい人”だなって思ったけどね」

 

「えっ? どうしてですかゆかりさん?」

 

ひまりの問いにゆかりは淑やかな笑みを浮かべる。

 

「わざわざ憎まれっ子をやってまで、相楽くんを危ない事から遠ざけようとするだなんて、本当に優しい人じゃなきゃやらない事よ」

 

「誠司、凄い傷ついていたけど・・・・?」

 

「でも、男の子は遠回しに言ったり、気遣う事を言っても、逆にもっと傷つけてちゃう事もあるからね」

 

「男って妙にプライドがあるからなぁ。ウチらも弟がいるから経験あるわ」

 

「確かに、私のお兄様も、殿方には殿方のプライドがあると言ってましたからね。そう言うと、輝二さんも随分嫌な役をしたようですね」

 

弟がいるなおとあかねと、兄がいるれいかは理解を示していた。

 

「おや、プリキュアガールズ。良いところに!」

 

と、ソコで狩崎がやって来て、シエルが声を発する。

 

「あら、ドクターどうしたの?」

 

「先ほど松田歩が狙っているかも知れない元取り巻きや、元恋人を保護しに行った隊員達から連絡が入ってね。彼等は何者かに誘拐されたようなんだ」

 

『えっ!?』

 

驚くプリキュア一同。が、その瞬間、狩崎から振動音が聞こえ、狩崎は懐からガンデフォンを取り出して通話する。

 

「もしもし・・・・何?・・・・分かった。丁度ガールズ達もいるから急行させよう」

 

そしてガンデフォンの通話を切った狩崎に、いおなが話しかける。

 

「何かあったのですか?」

 

「うむ。はな<エールガール>達から連絡だ。針ネズミの姿をしたデッドマンと交戦中。のぞみ<ドリームガール>達も一緒に戦っているらしい」

 

「っ! はなちゃん達とのぞみちゃん達がっ!?」

 

「うん。既に輝二もスカイベースを出て、向かっているようだ」

 

 

ープリキュアsideー

 

『きゃぁっ!!』

 

エールとアンジュとエトワールとマシェリとアムール、HUGっとチームが、衣装を少し傷つけられ後退する。

 

「大丈夫エール!?」

 

「う、うん・・・・! それにしても、このデッドマン、強い・・・・!!」

 

5GoGoチームが駆け寄ると、エールは目の前のデッドマンを見てそう呟いた。

全身は黒く、銀と赤のプロテクターを装備し、両手と両足には小さなトゲが着いたグローブとグローブを装備しているが、一番目を引くのはその頭であろう。盛り上がった長い長髪はドレッドヘアのように束にされ、鋭い針となって後ろに流されている。

 

『・・・・・・・・〈仮面ライダーリバイス〉は、何処だ?』

 

そう言って近づいてくるデッドマン、〈ヘッジホッグ・デッドマン〉である。

 

「あのデッドマン、輝二さんが狙いなのっ!?」

 

「何が狙いか分からないけど! 『プリキュア ファイヤーストライク』!!」

 

『ふん!』

 

ルージュが炎の玉を蹴り飛ばすが、ヘッジホッグ・デッドマンは鋭い回し蹴りで、逆に蹴り返した。

 

「うわっ!?」

 

「ルージュ! 『プリキュア サファイアアロー』!」

 

ルージュが蹴り返された自分の技を回避すると、アクアが水の矢を放つ。

 

『はぁっ!』

 

が、ヘッジホッグ・デッドマンは頭をまるで歌舞伎のように振り回すと、水の矢は長い針の髪によって削り消された。

 

「『プリキュア プリズムチェーン』!」

 

レモネードが黄色の水晶の鎖をヘッジホッグ・デッドマンの両手に巻き付けて動きを封じた。

 

「これでどうですかっ!?」

 

『・・・・ふっ!』

 

しかし、ヘッジホッグ・デッドマンは両手が拘束されたにも関わらず、レモネードに向かって走りだした。

 

「えっ!?」

 

レモネードもまさか接近してくると思わず、一瞬対応が遅れ、ヘッジホッグ・デッドマンが上段蹴りを繰り出す。

 

「『プリキュア エメラルドソーサー』!」

 

そうはさせまいと、ミントがエメラルドソーサーを盾にして蹴りを防いだ。

 

『・・・・うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

 

ヘッジホッグ・デッドマンは力を込めてプリズムチェーンを引きちぎると両手と足を使ったキックボクシングのようなコンビネーションでエメラルドソーサーを攻撃し、遂に罅を入れた。

 

「っ! ミント! レモネード!」

 

ローズが二人は抱えて離れると同時に、エメラルドソーサーが砕かれた。

 

『・・・・・・・・〈仮面ライダーリバイス〉は何処だ?』

 

「しつっこいのよ! この針ネズミ!!」

 

ローズが力を込めた右の拳をヘッジホッグ・デッドマンに突き出し、ヘッジホッグ・デッドマンも左の拳で応戦する。

華奢そうな見た目に反して、ミルキィローズはプリキュアでも一二を争うパワー系だ。その拳を地面に叩きつけて巨大なクレーターを作りあげる程である。

時空管理局のティアナ曰くーーーー「スバル以上の馬鹿力ね・・・・」と、戦慄した程だ。

 

ーーーードゴンッ!!

 

拳を叩きつけられた音が響くと、ローズの腹部に、ヘッジホッグ・デッドマンの拳が叩き込まれていた。

 

「・・・・かはっ!(ボフンッ)ミル~・・・・」

 

ローズが息を吐き出すような声を漏らすと、妖精ミルクに戻り、地面に倒れる。

 

「ミ、ミルク・・・・!」

 

「一体何が・・・・!?」

 

「アムール、分かりますです?」

 

「・・・・はい。二人の拳がぶつかるほんの一瞬でしたが、デッドマンの方が僅かに左の拳をローズの拳の内側に滑り込むように反らしました」

 

「ああ。凄いテクニックだな」

 

「あっ、輝二さん!」

 

ドリームとエトワールが驚き、マシェリがアムールが何が起こったか聞くと、プテラゲノムのリバイスが駆けつけ、アンジュが声を発し、エアバイクになったバイスが問いかける。

 

「なぁなぁ輝二? 詳しく説明して」

 

リバイは両手をクロスするように動かし、左手が右手の内側に滑らせながら自分の腹部を叩いた。

 

「つまり、右手を突き出したミルキィローズの拳と正面からぶつかろうとせず、左手の拳を僅かに腕の内側に入り込むように反らし、そこから滑り込むようにミルキィローズの腹部に拳を叩き込んだんだ。相当のテクニックと動体視力、そして度胸がなければできない芸当だ。こんな事ができるとしたら、全国チャンピオン、松田歩。アンタだな?」

 

リバイが言うと、ヘッジホッグ・デッドマンはリバイに目を向けて声を発する。

 

『・・・・そうだ』

 

「ま、松田歩さんっ!?」

 

「その人って、輝二さんに依頼に来た人の事?」

 

エールとドリームが驚くが、リバイは気にせず声を発する。

 

「アンタの目的は何だ? 〈デッドマンズ〉に入って、その力を得て、自分を捨てた奴等に復讐か?」

 

『・・・・・・・・アイツらの事は、もうどうでも良い』

 

「あ?」

 

『・・・・日常生活に支障はないが、もう二度と格闘ができなくなったこの身体が、再び使えるようになった。だから俺はーーーー』

 

そう言うと、ヘッジホッグ・デッドマンはリバイに拳を突き出した。

 

「〈仮面ライダーリバイス〉。アンタに決闘を申し込む!」

 

『け、決闘っ!?』

 

「おう、受けてたつ」

 

『受けちゃうのぉ!?』

 

突然の果たし状に5GoGoチームが驚き、それに応じたリバイにバイスとHUGっとチームが驚く。

 

「だが、勝負は明日の夕方。場所はーーーー『大和武道館』!」

 

『何?』

 

「アンタが、日本チャンピオンになった場所だ。受けるか?」

 

『・・・・・・・・良いだろう』

 

ヘッジホッグ・デッドマンはそう応えると、その場を去った。

 

「・・・・・・・・」

 

「良いのかよ輝二?」

 

「あんな勝負なんて受けちゃって」

 

「・・・・依頼は、ちゃんとやらないと、な」

 

『えっ?』

 

首を傾げるプリキュアチームに、リバイはそう言うと、ガンデフォンで連絡をした。

 

 

 

 

 

 

ー誠司sideー

 

「はぁっ! ふっ! せやっ! たぁあっ!!」

 

相楽誠司はスカイベースを出てすぐ、空手道場に来て鍛練をしていた。

『足手まといになる』、と輝二にハッキリと言われてどうしても大人しくしていられず、道場で身体を動かせば少しはスッキリすると思ったが、全く晴れなかった。

こんなに努力しても、結局自分はプリキュアでもなれば魔導師でもないーーーー結局は『足手まとい』なのだ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・クソッ」

 

汗だらけになった誠司は、誰もいない道場で小さく毒づいた。

 

「荒れてるねぇ『空手ボーイ』」

 

「っ、狩崎、さん・・・・?」

 

道場入り口から、タブレットを持った狩崎が現れた。

 

「何か、用ですか?」

 

「イヤね。悩める若人に、ちょっとした提案さ。ーーーー君に、本気で命を賭けられるかを、ね」

 

狩崎がタブレットに表示された物を誠司に見せた。

 

「これは・・・・?」

 

「空手ボーイ、いや、相楽誠司くん。君に『覚悟』はあるかい?」

 

液晶に映し出されたのは、リバイスの使うものと違う『ドライバー』だった。




はてさて、誠司はどうするのか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。