仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲 作:BREAKERZ
ープリキュアsideー
「負けるな二人とも!」
「立って!」
「頑張って下さい!」
なぎさとほのかとひかりが、否、客席にいるプリキュアオールスターズや、宮岡孝治郎と真崎有美が、12R<ラウンド>もリングの中央でノーガードの殴り合いを続けるリバイとヘッジホッグ・デッドマンに声援を送っていた。
「ぐはぁっ!!」
リバイがヘッジホッグ・デッドマンの一撃を受けてよろける。
「立て! 立つんでちゅ輝二! 辛かった特訓の日々を思い出すんでちゅ!」
「いや、何ごっこよソレッ!?」
「今よ! ソコで必殺の拳を叩きつけるのよ!」
「えりかまで何言ってるの!?」
「このままじゃ輝二さんは真っ白に・・・・」
「燃え尽きちゃ駄目でしょ! てか、さあやまで乗らないの!」
ボケる連中に流れるような連続ツッコミを入れるのは、プリキュア最強のツッコミ担当、夏木りんであった。
ーリバイスsideー
「たぁっ!!」
『ぐぉ! がぁぁっ!』
「っ! つぁぁぁぁぁぁっ!!」
『がぁっ!!』
リバイの拳による連打で、グラつくヘッジホッグ・デッドマン。
「うぉらぁぁぁぁぁぁぁっ!」
『がぁぁぁぁっ!』
リバイは渾身の力を込めて拳を叩きつけると、遂にヘッジホッグ・デッドマンはヨロヨロになる。
「っ、バイス! 決めるぞ!」
「あいよでちゅ!」
バイスがつぼみの手から飛び出し、リバイは後方に飛び、ロープを足場にして大ジャンプをすると、ドライバーを操作した。
[カンガルー! スタンピングフィニッシュ!]
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「でちゅううううううっ!!」
後方宙返りしながら前に進むアクロバティックな動きでスタンプ状のエネルギーを足に纏い、キックを繰り出すリバイと、それより先にキックを繰り出すバイス。
『くっ! まだまだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
と、ヘッジホッグ・デッドマンが全身に刺を生やし、防御の態勢を取った。
ープリキュアsideー
「うわぁっ! 刺だらけナリ!」
「輝二さん! バイス! 中止して!」
咲と舞があれではダメージを受けてしまうと考え、二人を止めようと声を張り上げる。
しかし、リバイは。
「それがーーーーどうしたっっ!!!」
「フィニッシュでちゅっ!」
しかし、二人は構うことなく、キックをヘッジホッグ・デッドマンに叩きつけた。
バイスが身体が小さく、刺の隙間からキックを打ち込んだ。が、リバイは思いっきり叩きつけ、足から血が流れた。
「構わず叩きつけたっ!」
「痛い痛い痛い痛い痛い! 見てるだけで痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
めぐみが驚きひめの他、何人かのプリキュアが足を抑えた。
ーリバイsideー
「ぐぅ・・・・うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」
『うあああああああああああああっっ!!」
ーーーードォォォォォォォォォンンッ!!
【カンガルースタンピングフィニッシュ】
吹き飛びながら、ヘッジホッグ・デッドマンから分離した松田歩。ヘッジホッグ・デッドマンはリングの上で爆散するが、松田歩はロープに叩きつけられ、反動でリングの外に放り出される。
「ヘイ!」
が、狩崎がスライディングでキャッチした。
「おおっ! ドクターナイス!」
えりかが狩崎を賞賛した。
「ぁ・・・・ぁぁっ・・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
『ヘッジホッグバイスタンプ』を回収したリバイは、息切れをしながらも足を引きずり、リングから狩崎に抱えられた松田歩を見る。
「どうだ、狩崎さん」
「うむ。無事だよ」
「・・・・・・・・俺は、負けた、のか?」
目を覚ました松田歩は、自分の身体を見てそう呟き、輝二は肯定した。
「そうか・・・・負けたか・・・・」
「どうよ? 『未練』は、断ち切れたか?」
「あぁ。やっとーーーー『未練って鎖』から、解き放たれた気分だよ・・・・! もう、うぅ、思い残す、事はない・・・・!」
啜り泣きのような声を漏らす松田歩。しかしその声には、何処か晴れ晴れとした想いが滲んでいた。
「そうかーーーーアンタは、もう大丈夫だ。これで、前に進めるな?」
「あぁ、やっと、前に進めるよ、ありがとう・・・・! 本当に、ありがとう・・・・!!」
涙を拭って、やって来たヒトミ達〈フェニックス〉隊員達に運ばれようとしている松田歩。真崎有美と宮岡孝治郎が近づき、松田歩が声を発する。
「宮岡、済まない。俺のせいで・・・・」
「気にするな。俺が終生のライバルと認めた男が、腐っていくのを止めたかっただけだ。俺もレスリングを引退するつもりだ」
「引退、するのか?」
「あぁ。それが親父との約束だったし、何より俺自身のもう一つの夢だからな」
「お前の夢?」
「おう。親父の店を継ぐ、ラーメン屋だっ!」
ドドンッ! と、擬音が聞こえそうな堂々とした物言いをする宮岡孝治郎。それを見て、松田歩は笑みを浮かべる。
「そうか。お前はちゃんと、レスリングの後の事を考えていたんだな・・・・」
「おうよ! 親父の店を継ぐのが俺の夢だ。レスリングやキックボクシングができなくなった。だがそれだけで俺らの人生が終わる訳じゃねえ。俺らもコレからいっぱい考えて、いっぱい悩んで、時には間違う事もあるだろうけどよ。鍛えてきた心と肉体がありゃぁ、どうにかなるっ!」
「お前は凄いな。じゃ俺は、スポーツドクターを目指そうかな。俺みたいに、怪我でスポーツができなくなった人達の、力になりたい・・・・」
「おう。良い夢だな!」
ライバル二人の会話に、真崎有美がオズオズとだが割り込み、松田歩の手を取る。
「あの! 松田さん!」
「あっ、君は、去年の優勝した時、花束をくれた・・・・」
「ぁっ・・・・私も! 松田さんの力になります!」
「でも、俺は、アイツらをーーーー」
「君に寄生していた連中なら、〈フェニックス〉が保護したよ」
そう。松田歩は彼らを殺していなかった。友達面してゴマすり、恋人気取りで付きまとっていた連中は、〈デッドマンズ〉がヘッジホッグ・デッドマンになった時に連れてきたが、勝手にビビって、涙や鼻水を垂れ流しながら汚ならしく命乞いする奴らの眼前に、襲うような素振りを見せた瞬間、彼らは気絶し、更には失禁までした。ソコで松田歩の復讐は終わった。
その後見捨てられ、〈フェニックス〉隊員達が発見し、彼らを保護したが、最早悪事ができないレベルにまで精神が折れたようである。
「そうか・・・・」
「これでーーーー」
「っ! 嵐山くん! 後ろ!」
不意に客席からゆりの声が響き、リバイはガードの体制になって振り向くとーーーー黒い影が襲いかかった、
『はぁっ!』
「ぐぁっ!」
黒い影が持っていたブレードに両手のグローブを切られ、その衝撃でコーナーにまで吹き飛ばされるリバイス。
「わぁっ! 何事でちゅっ!?」
『・・・・くくくく、寸前で防御したか。存外、油断はしてなかったようだなぁ?』
驚くバイスに、くぐもった声が響く。
「戦っている最中、客席から妙な視線と、殺気を感じていたから、だ」
『そうかい。だが、その足じゃ踏ん張りが効かなかったようだなぁ?』
「ちっ・・・・お前、何者だ・・・・!?」
血が流れる足でヨロヨロと立ち上がろうとするリバイ。客席にいるプリキュアオールスターズも、リング外の狩崎達も、その影を見て驚愕する。
マスクの形は上が剣のように伸び、羽を閉じて逆さまにぶら下がっているコウモリようで、複眼は小さくせり上がり、黒とターコイズの姿。複眼と胸部の紋章の色はそれぞれターコイズとイエローとなっているその姿はーーーー仮面ライダーに酷似していたからだ。
『くくくくくくくく・・・・!』
が、その仮面ライダーは不気味に笑うと、リバイスに向かって声を発する。
『忘れちまったのかよ仮面ライダーリバイス! いや、嵐山輝二ぃっ!』
「何?」
『この俺の名を! 『カジキゲノム』で斬りつけたこの俺を! 『ミハエル・フォーミュ』の身体に入った俺をよぉ!』
「『カジキゲノム』、『ミハエル・フォーミュ』・・・・! まさかお前ーーーー『カゲロウ』かっ!?」
「えぇぇぇっ!? 『カゲロウ』って、あの『カゲロウ』でちゅかっ!?」
「Whats!?」
リバイスと狩崎の顔に驚愕に染まる。
「ドクター、『カゲロウ』って・・・・?」
「あぁ、輝二くんがホイップガール達にエールガール達、そしてミス・沢田とミス・古里と初めて共闘した日の先日に戦った、『バイスタンプに憑依した悪魔』の名前だ」
「えっ!? 『バイスタンプに憑依した悪魔』って?」
「言った通りさ。カゲロウは『バットバイスタンプ』に憑依し、それを押印した人間に取り憑いて、精神を支配し、肉体の主導権を奪ってしまうんだ。君達の知るバイスも、『レックスバイスタンプ』を器物に押印すると、その器物に憑依する事ができるんだ」
「バイスってそんな能力があったんだ・・・・」
狩崎の説明に、ゆかりといつきとほまれがそう答えた。
「しかし、驚くべきはソコではない。輝二くん! ヤツの持っている武器とドライバーを見たまえ!」
「っ!」
カゲロウがその手に持っている武器とドライバーを見て、リバイは驚愕した。ソレはーーーー黒と緑色のカラーに、二つの顔のエンブレムがついたドライバーと、『バットバイスタンプ』を装填した銃のトリガーの柄をしたブレードだった。
「まさか、『ツーサイドライバー』だと!?」
「えぇっ!? それって、盗まれたって言うドライバーでちゅ! あんなの持ってるって事はカゲロウのヤツまさか・・・・!」
「・・・・カゲロウ、お前、〈デッドマンズ〉と手を組んだって事か・・・・!」
リバイスが怒気を込めた声を発すると、カゲロウは身体を震わせながら笑った。
『くくくく、はははは・・・・あーっははははははははははははははははは!!! 当然だろ? じゃなきゃ何で俺があんな悪魔崇拝者達に協力しなきゃあならねぇんだ? お前をぶっ殺せるなら、どんな手段も使ってやるよ! そして改めて、俺カゲロウが変身するこの姿。そうだなぁーーーー〈仮面ライダーエビル〉とでも名乗ろうかっ!』
「仮面ライダー・・・・!」
「悪<エビル>・・・・でちゅ?」
「台無しだよ」
リバイが戦慄の顔で言うが、バイスのせいでシリアスになりきれなかった。
が、カゲロウ、嫌、エビルはそんな漫才コンビに気にも止めず、手を上げて指を鳴らした。
『(スッ・・・・パチン!)』
『ギフゥゥゥゥゥゥ・・・・!!』
その瞬間、客席からギフジュニア達が這いずり出てきた。
『っ! ギフジュニア!』
『やれ』
エビルがそう短く言うと、ギフジュニア達はプリキュア達や狩崎達、さらに松田歩達にも襲いかかる。
「野郎(ズキンッ!)ぐぁっ!」
動こうとするリバイだったが、足の負傷で動きが止まる。
ギフジュニア達が迫ったその瞬間ーーーー客席、正確に言えばプリキュアオールスターズがいた席から光が溢れ出て。
『はぁあああああああああああああああっ!!』
プリキュアオールスターズが変身し、自分達に迫っていたギフジュニア達を薙ぎ倒し、アラモードチームとスマイルチームが飛び出し、狩崎達と松田歩達を守り、MHチームがリバイスの元に駆けつけた。
「お前ら・・・・」
「大丈夫輝二さん! バイス!」
「ここは私達に任せてください! ルミナス!」
「はい!」
ルミナスはリバイの足に手を当てると、淡い光が放射され、リバイの足の負傷が癒えていった。
「ルミナス。アンタ、回復が使えたのか?」
「最近になって使えるようになったんです。あまり大きな傷は治せませんが、この程度なら」
ルミナスが回復させていると、エビルがブラックとホワイトを見据える。
『へぇ・・・・お前らがキュアブラックとキュアホワイト、か』
「私達の事、知ってるの?」
『くくくくくく、因果ってのは巡る物だなぁ?』
「何の事なの!?」
愉快そうに身体を震わせるエビルに、ブラックとホワイトは訝しそうな顔となる。
「はっ・・・・教えねぇよ!!」
[ブレード!]
エビルは武器『ツーサイドウェポン・エビルブレード』を振って、二人に斬りかかるが、ブラックとホワイトは左右に別れてすぐ、エビルを挟撃する。
「「はぁぁぁぁぁっ!!」」
『キュアブラック、右手のストレート。キュアホワイト、右足の回し蹴り』
が、エビルは大きく動かず、ソッと体制を僅かに動かして二人の攻撃を回避した。
「「えっ!? たぁぁぁぁぁっ!」」
二人は驚きながら、次の攻撃に移る。
『キュアブラック、拳での1・2ラッシュの後に回転裏拳。キュアホワイト、回転キックの後に踵落とし』
エビルはまたもや二人の攻撃を見切っているように僅かなモーションで回避した。
「「っ!」」
『攻撃が回避され続け、一旦リズムを整えようと、二人は距離を空ける・・・・!』
「「っ!!?」」
エビルが言うと同時に、ブラックが後方に飛んで、ホワイトがバク転で距離を空けた。完全に動きを読まれていると直感した二人に戦慄が走るが、その瞬間。
『だが! キュアホワイトは僅かに体制を整えるのにコンマ数秒の遅れが、ある!』
「はっ!」
ホワイトの眼前に、エビルがその仮面をギリギリまで近づけ、ホワイトが退こうとするが、リングのロープに遮られる。
「しまっーーーー」
『しゃぁっ!!』
「ホワイト!」
エビルブレードを突き立てるように、ホワイトへと腕を伸ばしたエビル。しかしーーーー。
「ふっ!」
『っ』
ホワイトはその腕を掴んで、投げ飛ばそうとした。
「やった!」
「いや、ダメだ!」
ルミナスが安堵するが、リバイがそう言った瞬間、エビルは掴まれていない手でロープを掴み、その握力で投げ飛ばされる体勢のまま動きを止めた。
「なっ!?」
『またまた残念、だな!』
「ホワイト!」
掴まれていた腕を外して再び身体を動かしリングに戻り、ホワイトの首根っこを掴むと、助けに向かおうとするブラックに向けて投げ飛ばした。
「うわっ!」
「きゃっ!」
ブラックはホワイトを受け止めるが、衝撃で動きが止まった。
『終わりだ!』
[必殺承認!]
「マズイ! ルミナス! 二人の所に!」
「でも輝二さん!」
「傷は塞がった! 急げ!」
「・・・・はい!」
ルミナスがリバイから離れると同時に、エビルはエビルブレードに付いた『バットバイスタンプ』のスイッチを押してから、エビルブレードのトリガーを引いた。
[バット! ダークネスフィニッシュ!]
『させない!』
ルミナスが二人の前に出てバリアを張り、リング外にいた何人かのプリキュア達が、一斉にリングに飛び込んでくるーーーーしかし、エビルは慌てた様子もなく。
『ふっーーーーはぁぁぁぁっ!!』
【バットダークネスフィニッシュ】
エビルは、ルミナスにブラックとホワイトではなく、リング外のプリキュア達に向かって、エビルブレードを数回振るうと、青緑色の斬撃を放った。
『えっ!? きゃぁぁぁぁぁぁ!!』
突然の攻撃にプリキュア達は反応が僅かに遅れ、斬撃を浴びてしまい、リング外に弾き出された。
「皆さん!」
『はぁぁぁぁぁっ!!』
「くっ! あぁぁぁっ!」
「「ルミナスっ!」」
エビルは次にルミナスに向けて斬撃を連続で放ち、ルミナスのバリアが破れ、衝撃で吹き飛んだルミナスを受け止めるブラックとホワイト。
弾き出され倒れたプリキュア達にギフジュニアが迫るが、他の仲間達がフォローに回る。
「えぇっ!? アイツ、プリキュアちゃん達の動きを読んでいるでちゅかっ!?」
「(・・・・妙だ。一度戦ったが、カゲロウはアソコまで頭脳的な戦闘ができるタイプじゃないし、プリキュア達の行動パターンはある程度付き合ってみれば読めるだろうが、ブラックのホワイトの動きを、まるで“以前から知っているような戦い方”なんてできるか・・・・?)」
「ああああああっ! ギフジュニアって本当に面倒くさいっ!!」
「スナッキーやチョイアークくらいのヤツだと思ってたけど・・・・!」
「彼らよりタフだね!」
マリンが叫び、サンシャインとハニーも同意するように応える。
『さて、と。取り敢えず邪魔だから、テメエらから始末してやるよ! プリキュア!!』
「くっ! バイス! 『レックスゲノム』だ!」
「あいでちゅ!」
「輝二くん! これを使いたまえ!」
ゲノムチェンジをしようとするリバイが、バイスに頼むがリング外でアラモードチームに守られている狩崎が、新たなバイスタンプを投げ込んだ。
「っ! バイス!」
「キャッチ! カリちゃんナイスでちゅ!」
「カリちゃん!?」
『あ、ちょっとアリかも』
バイスタンプを受け取ったバイスがそう言うと、狩崎が面食らうが、プリキュア達は好評だった。
バイスは『カンガルーバイスタンプ』を取り外すと、『ライオンが刻印されたバイスタンプ』を起動させる。
[ライオン!]
「行くでちゅよ輝二!」
「あぁ! ゲノムチェンジだ!」
[Come on!ラ・ラ・ライオン!Come on!ラ・ラ・ライオン! Come on!ラ・ラ・ライオン]
「何っ!?」
「ライオンっ!?」
エビルとジェラートが反応すると、バイスがスタンプをリバイに叩き込んだ。
[バディアップ! ガオーン! ゲットオン! 野獣の王!ラーイーオーン! 見ててください!俺の雄叫び!]
「はっ!」
「ニャオ!」
バイスが左手を腰に、右手を左側に向けて伸ばすと、リバイは中腰で両手を下に広げるポーズを取った。
二人とも、ライオンを彷彿させる仮面を着け、リバイは両肩にライオンの爪の装飾を、バイスは赤いかぎ爪を装備し、胸と足にプロテクターを装備して赤いマフラーまで巻いていた。
「「うぐっ!」」
「ブラック? ホワイト?」
何故かブラックとホワイトがツッコミのポージングをして固まり、ルミナスが首を傾げた。
「うわぉ! ライオンかよっ!?」
「行くぜバイス!」
「あいよ!」
ジェラートが喜びの声をあげ、リバイとバイスがいつもの腕タッチをしてから駆け出し拳を繰り出すと、二人の拳が炎を纏った。
「おらっ!」
『くっ!』
「あちゃぁっ!」
『ぬぁっ!』
左右からの連続パンチにエビルは
一瞬気後れするが、すぐにエビルブレードを振るうと、二人は後退した。
「輝二! まだ傷治りきってないだろ? 一気にやったろうぜ!」
「あぁ」
[リミックス! 必殺! チャンピオン! 爆音! ライオン!]
後ろ向きの四つん這いとなったバイスの両足を、中腰になったリバイとリバイの上半身が上顎、バイスの両足が下顎を担う巨大なライオンの頭に変化して、『リバイスライオン』へとリミックスした。
ーーーーガォオオオオオオオオオオオン!!
「と、見せかけてぇっ!」
「は? うおっ!?」
がしかし、バイスが身体を動かすと、リバイと位置が逆転するとバイスの頭と両手に、猫の被り物と猫の手が装備され、ご丁寧に左手に大きな小判まであった。
「ニャ~! 俺っちのリミックスだニャ~!」
「何じゃこりゃぁぁぁぁ!?」
『何じゃそりゃーーーー!?』
リバイとプリキュアオールスターズ(大半)が、同時にツッコミを入れた。
『・・・・馬鹿かお前?』
「ニャ~! 馬鹿かどうか、この力を見せてやるニャン! ウニャ~!!」
リバイスライオン(笑)がエビルに近づき、連続パンチを繰り出す。
『ぐぅ! この!』
勝手が違う敵を相手に、エビルは戦い辛そうにする。
「うわっ! バイスネコちゃんスゴい!」
「てかあれって事務所に置かれてる招き猫でしょ!」
ギフジュニアと戦いながら、ミラクルとマジカルがそう会話をする。
「ニャ~! ネコちゃん最強~!」
「ネコじゃない!ライオンだライオン!!」
『調子こいてんじゃ!』
「っ、こんのっ!」
「あニャンっ!」
リバイスライオン(笑)がエビルに飛びかかろうとする際、リバイが体勢を変えると、リバイスライオンにチェンジすると、エビルブレードを突き出そうとしていたが、牙でエビルブレードの側面を咥えて、コーナーへと投げ飛ばした。
『ぐはっ!』
「決めるぞ!」
「おうよ!」
距離を空けたリバイスライオンは、四足に炎を纏いながら駆け出し、全身に光を纏って突進する。
『ちっ!』
[バット! ダークネスフィニッシュ!]
「「おりゃあああああああああああああっ!!」」
『しゃぁぁぁっ!!』
【ライオンスタンピングフィニッシュ】
【バットダークネスフィニッシュ】
ーーーーガォオオオオオオオオオオオン!!
『ちっ・・・・んっ!? しまっーーーーぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』
エビルが青緑の斬撃を連続で放つが、リバイスライオンの突進を止められず、逃れようと動こうとしたが、突如身体が動けなくなり、炎と光を纏った突進を受けてしまいリングから吹き飛び、客席へと落下した。
ーーーーガォオオオオオオオオオオオン!!
リバイスライオンが勝利の雄叫びをあげた。
「やったね輝二さん! バイス!」
リミックスを解除したリバイスに向けてホイップが声を発した。
「・・・・・・・・ふっ」
「イエイッ!」
『(パァッ!)』
ホイップに向けてサムズアップするリバイスに、ホイップや他のプリキュアオールスターズも笑みを浮かべて、同じくサムズアップで返した。
『かはっ! ふっ、流石にやるなぁ・・・・!』
『っ!』
すると、ヨロヨロとボロボロになりながらも立ち上がる。【ダークネスフィニッシュ】によって威力が多少落ちたようだ。ギフジュニア達がプリキュアオールスターズに全滅されそうになっていた。
『ちっ。ここまでか』
「待ちやがれカゲロウ!」
「逃がさないもんね!」
『・・・・ふっ!』
リバイスが攻撃するが、エビルは全身を真っ黒な蝙蝠の群れに変えると、宙を舞いながら声だけが響き渡る。
ーーーーくくくくく、そう慌てるなよリバイス! 今日はほんのご挨拶代わりだ! 次も楽しもうじゃぁねえか! 伝説の戦士のお嬢ちゃん達も、せいぜい楽しませてもらうぜ! はっはっはっはっはっはっ! アーハッハッハッハッハッハッ!!
そして蝙蝠の群れは散開し、武道館から消えていった。
残されたギフジュニアも、プリキュアオールスターズによって、全滅させられた。
* * *
「~~~~~~~~!!」
「はい輝二さん、我慢して下さい」
翌日。輝二は事務所に集まったプリキュア達(5GoGoとドキドキとHUGっと)から、かれんに六花、さあやと言った医者志望のプリキュア達に治療を受けていた。消毒液が顔や足に染み込む度に痛みに悶えそうになるが、意地で我慢する輝二。松田歩と宮岡孝治郎は〈フェニックス〉の保護監視下に置かれたが、危険性はほぼ皆無なので早い内に釈放されるとの事。
「染みますか輝二さん?」
「ば、馬鹿野郎・・・・! こんな程度、何とも、ないわい・・・・!!」
「あらそうですか、じゃもっとキツメに!」
「~~~~~~~~~~~!!!!」
六花が心配するように言うが輝二はそう返し、さあやが消毒液が染みたガーゼを傷口に押し付けると、輝二は声にならない悲鳴をあげる。
端から見れば美麗な乙女三人に治療され、役得な物だが。
「てか、お前ら、まだウチに・・・・! 吹き溜まる、つもりかよ・・・・!?」
「まぁまぁ! 私達も、輝二さんが復讐をやり過ぎないようにしようって事にしたんだ! けって~い!」
「いや勝手にけって~いする「はい輝二さんまた染みますよぉ」~~~~~~~~~~!!」
抗議しようとする輝二だが、六花が消毒液付きガーゼで足の傷につけると、激痛で黙った。
≪どうやらさ、プリキュアちゃん達とのつき合いはまだまだ続きそうね?≫
「な、何でこうなんだよ・・・・!!」
「諦めろ。コイツらに目を付けられたら逃げられないからな」
輝二は苦しそうな声をあげ、そんな輝二に、シロップことシローは確信を込めて言うのであった。
ーカゲロウsideー
「デビュー戦はそれなりの活躍でしたね、カゲロウ?」
『ふん。この身体の元々の持ち主がまだ少し抵抗しているがな。だが、それも直ぐに終わる』
〈デッドマンズ〉の本拠地にて、エビルの姿でテーブルに足を乗せながらソファにふんぞり返るカゲロウ。
「それで、次はどうするの?」
『どんな人間にだって弱点はある。勿論ーーーー嵐山輝二にもな』
エビルが一枚の写真をテーブルに放り投げた。その写真にはーーーー『七瀬ゆい』が写っていた。
「・・・・・・・・」
「あらフリオ? どうしたの?」
「あ、いえ、何でもありませんアギレラ様。スマ~イル!」
そんな中、一人浮かない顔をするフリオだが、アギレラに声をかけられ無理に笑顔を作った。
フリオには分からなかった。自分を裏切った人間達を見逃した松田歩を。
ー輝二sideー
夕方。プリキュア達が漸く帰り、ガンデフォンにメールが届き、あまり人のいない公園にやって来た輝二。そして目の前には、ギブスを外せたなのはとフェイト、そしたはやてがいた。
「何だよ、突然呼び出しやがって」
「輝二くん。今日の戦い私達も見せてもろうたで」
「ふぅん」
「あんな戦い方をしていたら輝二くん身体を壊すよ! あんな無茶な戦いはやめなさい!」
「・・・・くっだらねえ」
なのはが輝二の戦い方を否定するが、輝二は冷めきった目で一蹴した。
「えっ?」
「無茶な戦い? 戦いに『安全』なんて物は無いんだよ。そんな線引きをして戦えるような甘ったるいヤツらじゃないってのは、ボロ雑巾にされたアンタらが分かってるんじゃないのか?」
「「「っ!」」」
「アンタらはどうやら『安全』に戦える雑魚か、『ルールのある戦い』をしてきたようだな?」
「「「うっ!!」」」
輝二の言葉に、なのは達は息を詰まらせる。その言葉は、『ほんの数週間前の事件』の時にも言われた言葉だからだ。
「それに、アンタらの命令に従うつもりもないし、アンタらの事を信用していない」
「何で・・・・何で私達を信用しないの!?」
フェイトが噛みつくが、輝二は淡々と応える。
「逆に聞くけどさ。アンタらはーーーー“何を隠しているんだ”?」
「「「っ・・・・!」」」
再び息を詰まらせる三人を見て、輝二の『不信感』は『確信』へと変わっていく。
「俺も『隠し事』をしている人間だからさ。匂いで分かるんだよ。FW陣は兎も角、アンタら隊長陣は『何か』を隠している。その隠している『何か』が、俺だけでなくプリキュア連中にも関わる物じゃないのか?」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
顔を俯かせるなのは達を見て、これ以上の問答は無意味と思ったのか輝二は去ろうとするが、一瞬だけ止まり。
「この事は俺の胸にしまっておくが忘れるな。アンタらへの『不信感』が拭えない限り、俺はアンタらを信用しない」
そう言って、今度こそ輝二は去って行った。
ーなのはsideー
輝二が去った後、なのは達は念話で会話する。
《彼・・・・気づいているのかな?》
《いや、今は多分疑っている段階やと思いたいわ》
《・・・・私達、破廉恥な事をしているよね》
なのはの自虐的な言葉に、フェイトとはやても黙った。なのは達機動六課の隊長陣は、〈時空管理局〉上層部から密命を受けていたのだ。それは・・・・
【伝説の戦士プリキュアが所持する『ロストロギア』を全て回収せよ】
とーーーー。
ー狩崎sideー
そして夕方の公園。ここにも、一人の少年を呼び寄せていた人物がいた。足元に小型のアタッシュケースを置いた狩崎だ。
「・・・・・・・・・・・・来たね」
「・・・・・・・・・・・・」
狩崎は振り向いてその少年に向けて声を発する。
「言い訳を言うようだが、私は『コレ』を君に渡すのは本意ではない。だが、〈フェニックス〉上層部が『コレ』に適合する人間を見つけろ、と催促されている。君の適合率はヒトミ達〈フェニックス〉隊員の誰よりと高い。それに君の潜在能力は“彼女達以上”だ。まぁだからと言って、『コレ』を渡して良い訳ではないがね」
「・・・・・・・・・・・・」
「断っておく。『コレ』は私が作った物ではない。“既にあった物を調整しただけだ”。『コレ』を使う事で何が起きるか、どんな副作用があるかは検討もつかない。それでも、『コレ』を求めるかい? もう一度良く考えてくれたまえ」
「・・・・・・・・・・・・」
少年は狩崎に自分の決意を伝えると、狩崎は両肩を落として、アタッシュケースを少年に差し出した。
少年はケースを開けると、『スパイダーバイスタンプ』と『赤いドライバー』を手に取り、決意を込めて頷いた。
次回の話で、遂にプリキュア達、特にGoプリメンバーは知ってしまう。輝二とゆいの関係に。