仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲 作:BREAKERZ
ーアギレラsideー
「フリオの潜入は順調のようです」
〈デッドマンズ〉の基地にて、オルテカからの報告をアギレラはソファーに寝転がりながら聞いていた。
「この前アンタが連れてきたオオムカデくん。あ、もう違うっけ? えっと、『スタイリッシュ何とか』くんはどうしてるの?」
「『スタイリッシュ悪者デストロイヤー』ですね。彼は戦闘力は勿論ですが、特に非常に強い『欲望』を持っています。『新しいバイスタンプ』も与えており、既に〈第二フェーズ〉に到達しています。今は力を使いこなすように訓練中ですよ」
「頑張り屋さんねぇ。ーーーーそれに比べてあのチーターくん、全っ然使えないんですけど!」
「まあ、巧く逃げ切ったと言う点だけは、評価すべきかと」
オルテカもチーター・デッドマンに対して最低限のフォローに留めた。どう見ても、彼が〈第二フェーズ〉以上になる事を期待していない風だった。
「ふーん。あれ、『生け贄』になりそう?」
ソファーから起き上がったアギレラが、『〈ギフ〉の石棺』に近づき、石棺を撫でる。
「早く世界中の皆を〈ギフ〉様の家族にして、幸せになって欲しいなあ」
「勿論ですアギレラ様。ーーーーカゲロウの『寄り代』になっている少年も、少しずつ、カゲロウの傀儡になっていますよ」
オルテカが含み笑みを浮かべて呟いた。
ーカゲロウsideー
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
〈デッドマンズ〉の基地の一室。
灯りの無い暗い部屋で、カゲロウの『寄り代』となった“少年”は苦しみながら、部屋に設えられた鏡に映る自分を見ると、自分に憑依している『悪魔』の姿が映し出された。
≪よう相棒。調子はどうだ?≫
「くっ・・・・!」
≪おいおいそんなに怖い顔で睨むなよ。俺達は今や『運命共同体』だぜ?≫
「・・・・!!」
ーーーーバキャ!
ニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべるカゲロウを、“少年”は視線を鋭くして睨み、鏡に拳を叩きつけた。鏡に大きな皹が走り、“少年”は拳を少し切ってしまい血が流れ、皹が走った鏡に、カゲロウの姿か幾つも映った。
≪まあ、お前はどう足掻いても、俺からはもう逃げられない。この身体はーーーー俺の物だ!≫
「ーーーーーーーー!!」
“少年”が声にならない悲鳴を上げると、その身体を影から伸びた触手のようなものが包み込み、“少年”の身体は、〈仮面ライダーエビル〉へと変貌した。
『くくくくく、はははははははははははははははははははははははははは!!!!』
暗い一室に、エビルの高笑いが響いた。
ー前園仁志sideー
「おいどうすんだよっ!? マジヤベエぞ!」
その日の夜。街の裏路地で、覆面窃盗団である学生達は、今の自分達の状況に酷く狼狽していた。
最初はただの『遊び』だった。陸上部で問題を起こして停学になり、親からも叱られ、鬱積した気持ちをぶつける先が欲しかっただけであった。
チンケな窃盗をして、陸上で鍛えた脚でフリーランニングのように街を駆け回りながら警察との鬼ごっこをして、スリルを味わいたかっただけであった。
「チーター・デッドマン<アイツ>、やり過ぎだって・・・・!」
しかし、あんなチーター・デッドマン<怪物>まで現れて事がここまで大きくなってしまい、どうしたらいいのか、彼らにも分からなくなってしまったのだ。
仲間の二人は、貧乏揺すりをする前園仁志に目を向ける。
「おい!」
「うるせぇなっ!!」
「あっ、仁志!」
「待てよ!」
仁志はヒステリックに怒鳴り、その場を離れると、仲間の二人もそれについていく。
『・・・・・・・・・・・・!!』
そして、そんな進退窮まった三人を、チーター・デッドマンが隠れながら見ていた。
ー輝二sideー
翌日。
「頼みます狩裂さん。『ジャッカルバイスタンプ』、俺達に下さい! ほらバイスお前も!」
《カリちゃんゴメンね。やっぱり『ジャッカル』頂戴!!》
ガンデフォンの液晶から飛び出しながら、狩崎に懇願するバイス。
しかし。
「断る」
《えっ!?》
「君には、ダサくて! 似合わないだろうからね!」
《まあね》
「お前状況分かってンのかこのアホ悪魔!」
《(コン!)あてっ!》
すっかりふて腐れている狩崎に、悪戦苦闘する輝二とバイス。
「まぁ、見ようによっては、カッコいい、よな?」
《えっ・・・・? カッコ悪くても良い。我慢する! だからお願い! 頂戴!!》
「ふん」
狩崎はプイッと、顔を背けた。因みに、プリキュア達に〈ジャッカルゲノム〉のバイスの姿を写真で見せたら、『うわっ、カッコ悪い・・・・』、『何か遅そう・・・・』と酷評だったのは黙っている。
「頼む狩崎さん。『ジャッカル』が必要なんだ!」
《そうそう!》
「《お願いします!》」
「・・・・・・・・」
「狩崎!」
頼み込む二人に顔を背ける狩崎に、見かねた雄二郎司令が声をあげ、全員が目を向けた。
「くだらん意地を張るな」
雄二郎司令が、『ジャッカルバイスタンプ』を狩崎に投げ渡した。
《そうだよ》
バイスが小さく呟くと、狩崎は小さくため息を吐いてから椅子から立ち上がり、研究室へと向かう。
「少し時間を頂くよ」
《ウハハハッ!》
「助かります。ありがとうございます」
《カリちゃん大好き! よっ! 天才!!》
輝二が頭を下げ、バイスが調子の良い台詞を言うと、雄二郎司令が声をかける。
「それで、窃盗団の方の調査はどうだ?」
「うん。そっちはプリキュア達に任せているよ」
ーありすsideー
【覆面窃盗団は大白水学園で停学処分された陸上部の生徒達だ。水無月と四葉と立神なら、学校見学とか言って中に入れるだろう。ソコで彼らの情報を聞き出してくれ。任せた】
「と! 輝二さんに任されたので! かれんさん! ありすちゃん! あおいちゃん! 潜入捜査宜しくお願いします!!」
「いや、それは良いんだけど・・・・」
「何やらサスペンスドラマみたいでワクワクしますね」
「前に水島が高校の進学先として見せてくれた学園の生徒が、〈デッドマンズ〉なのかよ」
のぞみが大白水学園に向かおうとする、かれん、ありす、あおいのお嬢様トリオにそう言い、ありすが執事のセバスチャンに指示をすると、セバスチャンは大白水学園に連絡を取り、すぐに学校見学の許可が下り、大白水学園へと向かった。
本来ならば、こんな突然の訪問が罷り通る筈が無いのだが、ソコは大財閥のありすの存在が大きく影響していると言っても良いだろう。
まだ中学生でありながら四葉財閥の経営を任せられる手腕を持った才媛であるありすが大白水学園に通うようになれば、名門の名は更に大きくなる。
三人はお付きとして、ありすはセバスチャン。かれんはくるみ、あおいは水島を連れて、ひとしきりに大白水学園を案内されると応接室にて、校長から色々と話を聞き流しながら、本題である停学された生徒達の話へと入った。
「うーん・・・・まあ、確かに、体操部の生徒が四人停学になりましたね。部室で財布の盗難事件がありまして」
「その四人が盗んだのですか?」
「前園仁志って言う生徒が疑われて、その友達が、それを庇う形で喧嘩になって、暴れたんです」
「濡れ衣かも知れないか、学校側は調査しましたか?」
ありすとかれんが聞くと、校長はそれを否定する。
「いや、学校側も調べましたが、それはないですよ」
「あのさ! 停学中の四人に会っても良いかな?」
あおいの問いに、校長は歯切れ悪く答える。
「・・・・構わないですけど、一人は退学して、親の仕事の都合で海外に行ってますよ」
「「「えっ?」」」
「っ・・・・」
かれんとありすとあおい、くるみが眉根を寄せた。窃盗団は四人、内一人がチーター・デッドマンになっている筈なのだから、当然の反応であった。
ーいちかsideー
いちか達は四手に別れ、それぞれが停学中の四人の元に向かっていた。
そんな中、前園仁志の家に向かっていたいちかとマナとのぞみと小々田コージ<ココ>が、【前園】の表札を見つけると、前園家の玄関で警察官と話している女性の会話が聞こえた。
「病院の方から連絡がございまして、もう一週間も行ってないって、でもわたくしね・・・・」
「何があったのかしら?」
と、そんな会話を聞いていると、近所のマダム達の話が聞こえた。
「前園さん家の旦那さんが、“行方不明らしいのよ”」
「えっ!? 仁志くん、もうすぐ大学受験でしょ?」
「そうよ! 病院継がせるって教育熱心だったじゃない?」
「ちょっと過保護って感じもしたけどねぇ」
「っ!」
「ココ?」
コージが、輝二から貰った前園仁志の写真を見ると、父親が病院の院長である事が記されていた。
「まさか・・・・!」
コージは嫌な予感を感じて渋面を作った。
ー前園仁志sideー
そして前園仁志とその窃盗仲間は、交番へと赴いた。
「どうしました?」
駐在する警察官が聞くと、前園仁志が代表して声を発する。
「僕達を逮捕してください・・・・」
「はい?」
「良いから早く逮捕しろよ! “パパが来るだろ”!!」
何が言いたいのか分からなく、警官が声を発そうとしたその瞬間、
ーーーーズガァァァァァンッ!!
交番の壁をぶち破り、チーター・デッドマンが現れた。
「「うわぁぁぁぁっ!?」」
驚く警官達をチーター・デッドマンが殴って気絶させた。
「パパ!」
『来い!』
仲間の二人を置き去りに、チーター・デッドマンは前園仁志を連れ出す。
「おい! なんだよ離せよ!」
抵抗する前園仁志だが、チーター・デッドマンは構わず交番から出ると、道を塞ぐように、輝二の他に、のぞみ達とマナ達といちか達がいた。
輝二がチーター・デッドマンに向けて口を開く。
「アンタ、ソイツの父親だったんだな」
『・・・・・・・・』
「息子さんが自首しようとしているのに、邪魔しちゃ駄目だよ!」
のぞみがそう言うが、チーター・デッドマンは声を上げる。
『私の息子は犯罪などしない! 私と同じ! 『医学の道』に進むんだ!』
「・・・・・・・・」
チーター・デッドマン、否、父親の言葉に、前園仁志は何か言いたげな顔になる。
「子供を信じてあげて下さい!」
「無理にレールに入れっから脱線するんだろう!?」
『口出しするなっ!』
六花とあおいがそう言うが、チーター・デッドマンが怒鳴る。輝二は『リバイスドライバー』を腰に巻いた。
「口出しするなって言われても無理だな。ーーーーここにいる娘さん方は、“日本一お節介な集団”なんだよ! 変身!」
≪はいさっとっ!≫
[バディアップ! オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング! 仮面ライダー! リバイ! バイス! リバイス!]
輝二とバイスがリバイスに変身すると、それにしても続くようにプリキュア達も変身する。
「「「「「プリキュア・メタモルフォーゼ!」」」」」
「大いなる希望の力! キュアドリーム!」
「情熱の赤い炎! キュアルージュ!」
「弾けるレモンの香り! キュアレモネード!」
「安らぎの緑の大地! キュアミント!」
「知性の青き泉! キュアアクア!」
「「「「「希望の力と未来の光! 華麗に羽ばたく五つの心! YES! プリキュア5!」」」」」
「スカイローズ! トランスレイト!」
「青い薔薇は秘密の印! ミルキィローズ!」
「「「「プリキュア・ラブリンク!」」」」
[L・O・V・E]
「プリキュア・ドレスアップ!!」
「みなぎる愛! キュアハート!」
「英知の光! キュアダイヤモンド!」
「ひだまりポカポカ! キュアロゼッタ!」
「勇気の刃! キュアソード!」
「愛の切り札! キュアエース!」
「「「「「響け! 愛の鼓動! ドキドキプリキュア!!」」」」」
「愛が行きすぎたチーターお父さん! このキュアハートが、あなたのドキドキ、取り戻して見せる!」
「「「「「「キュアアラモード! デコレーション!」」」」」」
「ショートケーキ! 元気と笑顔を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアホイップ、できあがり!」
「プリン! 知性と勇気を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアカスタード、できあがり!」
「アイス! 自由と情熱を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアジェラート、できあがり!」
「マカロン! 美しさとトキメキを! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアマカロン、できあがり!」
「チョコレート! 強さと愛を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアショコラ、できあがり!」
「パルフェ! 夢と希望を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアパルフェ、できあがり!」
「「「「「「キラキラ☆プリキュアアラモード!」」」」」」
『っ!』
チーター・デッドマンが一同の上を飛び越えると、そのまま走り去る。
「追うぞ!」
「待たんかいっ!!」
『待てーーーー!!』
走り出すリバイスとプリキュア達。追うとチーター・デッドマンは、運動施設スケボーパークに到着した。
「回り込め!」
「あいよ!」
『うん!』
リバイがオーインバスター50でチーター・デッドマンを撃つが、チーター・デッドマンは瞬発力で回避する。
「なら、閃け! 『ホーリーソード』!!」
「『エースショット』! バキューン!」
「『プリキュア・サファイアアロー』!」
「『プリキュア・ファイヤーストライク』!」
ソードとエース、アクアとルージュも攻撃して、チーター・デッドマンの動きを狭め他のプリキュア達が捕らえようとするが、徐々にチーター・デッドマンの走力が上がっていき、かわされていく。
「『プリキュア・エメラルドソーサー』!」
「カッチカチの『ロゼッタウォール』!」
『っ!』
ミントとロゼッタが障壁を作って行く手を遮ると、
「捕まえたぁ!!」
「「えーい!!」」
上からバイスが、左右からドリームとハートが、飛びかかるが。
『フン!』
「「あらっ!?」」
『シャァッ!!』
「あらんっ!!」
なんとチーター・デッドマンは飛び上がり、ドリームとハートから逃げると、バイスの頭を踏み台にして逃れた。
「やるぜ(ザシュンッ!) ぐぁっ!!」
「ぁ、輝二!」
『輝二さん!』
突然背中から斬られて倒れるリバイ。その後ろには、エビルがエビルブレードの刀身を撫でながら立っていた。
「カゲロウ! またお前か!」
『ハハハハハハハハハハ!!(シュバッ!)うん?』
エビルブレードを構えて斬り込もうとするエビルの身体に、糸が巻き付いて拘束する。糸の先を見ると、デモンズとエリオとキャロとフリードがいた。
「あっ! 相楽くん!」
「エリオくんにキャロちゃん!」
ホイップとショコラが名前を叫んだ。
「輝二さん!!」
「おっと!」
エリオが『ジャッカルバイスタンプ』をリバイに投げ渡した。
「狩崎さんから届けてくれって渡されました!」
「それを使って、デッドマンを人間に戻してください!」
「キュクゥ!!」
「エビルは俺が止める!ーーーーハッ!」
『フン!』
デモンズが身体に巻き付いた糸を切り裂いたエビルと組み合いながらその場を離れた。
「良いタイミングだ! バイス! 行くぞ!」
「あいさ!」
[ジャッカル!]
「フッ!」
『ジャッカルバイスタンプ』を起動させると、リバイは息を吹き掛ける。
ーーーーはてさて、どんな姿になるのかな?
ーーーーカリちゃん、ちゃんと改良してくれたかな?
ーーーーそれを確かめるか。
[Come on! ジャ・ジャ・ジャ・ジャッカル! Come on! ジャ・ジャ・ジャ・ジャッカル! Come on! ジャ・ジャ・ジャ・ジャッカル!]
『ジャッカルバイスタンプ』をベルトに押印しスタンプを横に傾ける。
≪はいやっ!≫
リバイに向けてスタンプを振り下ろしすバイス。
[バディアップ! テクニカル! リズミカル! クリティカル! ジャッカル! ノンストップでクリアしてやるぜ!」
スタンプが砕けて現れたのは、ヒロイックな姿にバイザーを付けたマスク。背部にはジャッカルゲノムの頭部がデフォルメされたのを背負った姿、〈仮面ライダーリバイス ジャッカルゲノム〉だ。
≪やるぞー! うわあああ・・・・!≫
そしてバイスはーーーースケートボードになっていた。
『えぇぇぇぇっ!? バイス何それぇっ!?』
スケートボードになったバイスを見て、プリキュア達が驚愕し、リバイがボードを立てると、ボードの中央にあるバイスの顔が飛び出て、自分の身体を見下ろすと、驚愕の声をあげた。
「ウッヒョー!! 俺っち板なの!? ねぇ板になっちゃったのー!?」
「あの、ドクターこれって・・・・?」
キャロが戸惑いながら、タブレットに表示された狩崎に聞くと、
《お望み通り、“速くてカッコいい”ゲノムにしてあげたよ~♪》
「いや、こう言う問題ですか・・・・?」
エリオとキャロとフリードが、頭に大きな汗をタラリと垂らした。
「まぁ、良い。取り敢えずーーーーコンティニュー無しで、クリアしてやるぜ!」
「俺っち達のスペシャル協力プレイ! 見せちゃうよぉ!」
「「「「うぁぁぁぁぁ・・・・!!」」」」
「「んん・・・・??」」
何故か、アラモードチームが『それ違うでしょ!』と言いたげなツッコミの姿勢になり、ホイップとカスタードとジェラートとパルフェが訳の分からない衝動に悶え、マカロンとショコラも首を傾げていた。
次回、ジャッカルゲノムとアラモードのコンビネーションが炸裂!