仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲   作:BREAKERZ

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守護者と悪魔

ー獄寺sideー

 

ツナとエンマが仮面ライダーリバイスを発見し、その様子を窺っているのと同時刻。

獄寺と山本と了平は、横浜にある建設途中のビルの中に入ると、自分達を尾行していた人間達に向かって声を発する。

 

「極限に追いかけっこは終わりにしようではないか」

 

「俺達に何の用だ?」

 

「さしずめ、〈財団X〉の特殊戦闘員って処か? わざわざご苦労な事だな?」

 

獄寺がそう言うと、建物内部の上の階から、三人の男女が現れた。

一人は金色の長髪を後ろに結わえた、美しい顔立ちに整ったプロポーションをした高校生位の上品そうな少女。

一人は同じく高校生位だが、小柄で赤い髪をツインテールに結わえた、人懐っこそうな笑みを浮かべる可愛らしい小動物のような少女。

そして最後に現れた大柄の男は、色黒の肌と黒い短髪をした外国人で、服の上からでも鍛えられた肉体をしているのが分かり、小柄な少女を肩に担いでいた。

三人とも、〈財団X〉のメンバーの証である白いスーツに身を包んでいる。

そしてその瞳の奥には、ガラス玉のような冷たい光が宿っており、獄寺達は何人もそう言う目をした人間達を見てきた。

隙を見せればこちらの命を奪う者の、人間の命を簡単に奪ってきた者の、言うならばーーーー『殺人鬼の目』をしていた。

 

「流石はネオ・ボンゴレファミリー守護者、と言った処ね」

 

おそらくリーダー格であろうの金髪の少女が、うっすらと笑みを浮かべながらそう言った。

 

「私は『メノア・ヴァージル』。こっちの彼は『ケイ』」

 

「・・・・・・・・」

 

「私は『ノノ』です! はじめまして♪」

 

ケイと呼ばれた男性は沈黙していたが、ノノと言う少女は人懐っこい可愛い笑みを浮かべていた。

 

「幾度も私達、〈財団X〉のビジネスの邪魔してきたネオ・ボンゴレファミリーにお会いできて光栄だわ」

 

「・・・・気取ってやがるな」

 

「お前達だけなのか? 〈財団X〉は今度は何を企んでんだ?」

 

「お存じの通り。〈財団X〉は多くの闇の組織の技術を兵器として使えるようにし、ビジネスの商品として扱う事で利益を作ってきたわ」

 

「ふん。極限にビジネスとは、死の商人が御大層な事を!」

 

メノア・ヴァージルの言葉に、了平が吐き捨てるように言うが、構わず言葉を続ける。

 

「その中でも、〈仮面ライダー〉の技術は特に花形と言えるわ。『ガイアメモリ』。『オーメダル』。『アストロスイッチ』。『指輪の魔法』。『ロックシード』等、ね。それらの他に、あなた方『裏の人間達』が使う、『死ぬ気の炎』を使った『匣兵器』も、〈財団X〉が注目しているんです」

 

「こっちは迷惑なんだけどなぁ・・・・」

 

「おかげで何度もちょっかいかけられたんだからな」

 

山本と獄寺がウンザリしたような口調でそう言った。

 

「そして、私達の使う、この力もーーーー」

 

メノア・ヴァージル達は自分の腰に『ドライバー』を装着した。

 

「「「っっ!」」」

 

それを見た瞬間、獄寺達は身構えた。

何故ならその『ドライバー』は、『風都』で『ガイアメモリ』を流通させていた秘密結社ーーーー『ミュージアム』の幹部が着けるドライバーに似ていたからだ。

 

「どれ程の力なのか・・・・試させてもらうわ!」

 

三人は『スタンプ』のようなアイテムを取り出すと、スタンプ上部を押した。

 

[ジャッカル!]

 

[カマキリ!]

 

[クロコダイル!]

 

メノアがジャッカルの刻印が彫られたスタンプを、ノノがカマキリの刻印が彫られたスタンプを、ケイがワニの刻印が彫られたスタンプを、ドライバーの中心に押印し、スタンプがドライバーの中に入っていき、ドライバー中心にそれぞれの刻印が浮かんだ。

その瞬間、黒い契約書が三人の身体から溢れ、それが身体を包み込み『形』を成した時、三人の姿が異形の怪人へとなっていた。

メノアは、長い耳が上に向かって伸びており、腰にドライバーの他に前垂れがある、全体的にシャープで女性らしい身体に桃色の体色に黒いエジプト風の装飾が施されたジャッカルのような怪人〈ジャッカル・デッドマン〉へと。

ノノは紺色の体色に、オレンジのカマキリの趣向がある軽装の鎧を纏い、手にカマキリの鎌のような双刃刀を持った〈カマキリ・デッドマン〉に。

ケイは黒い体色に赤いワニ革の宝石のような鎧を着こみ、手にワニ尻尾に刺を付けた大剣を持った〈クロコダイル・デッドマン〉へと変貌した。

 

「今のはまさか!」

 

「〈デッドマンズ〉のアイテムか!?」

 

「ちっ、相変わらず節操がねえなぁ〈財団X〉!」

 

毒づく獄寺にジャッカル・デッドマンは笑いながら声を発する。

 

『ふふふふ、まだまだ、これだけじゃないわ!』

 

三体の怪人は、さらにドライバーの横に『USBメモリ』を差し込んだ。

 

[デスサイズ!]

 

[フリージング!]

 

[ヘヴィーアームズ!]

 

「なにっ!?」

 

「あれは!」

 

「今度は『ガイアメモリ』だと!?」

 

『地球の記憶が内包されたメモリ』、『ガイアメモリ』を使い始め、獄寺達は戦慄する。

が、それに構わず、ジャッカル・デッドマンは両手に死神が持つような大鎌を持ち、カマキリ・デッドマンは双刃刀に冷気を纏わせ、クロコダイル・デッドマンは両手にガトリング砲とミサイルランチャーを着け、両肩にはレールキャノンを装備していた。

 

『・・・・・・・・!!』

 

「「「っ!!」」」

 

クロコダイル・デッドマンが両肩のレールキャノンを放つ。

獄寺と山本と了平が回避するが、レールキャノンの電気が、建物内部の高圧ガス容器に漏電しそしてーーーー。

 

ドガァァァァァァァァァンン!!

 

容器が爆発を起こして、獄寺達を炎が呑み込む。

が。

 

「ーーーー〈SISTEMA C.A.I〉!」

 

「危ねぇ危ねぇ」

 

獄寺が〈SISTEMA C.A.I〉のシールドを、山本が〈雨の死ぬ気の炎〉をバリアのように張って、爆炎を防ぎ、それぞれが武器と装備を展開した。

 

「極限に行くぞ!!」

 

了平が『F<フィアンマ>シューズ』から炎を噴射させ、ジャッカル・デッドマン達に向かうと、獄寺も山本も左右に別れる。

 

「極限ストレート!!」

 

ジャッカル・デッドマンに向けて拳を突き出した。

 

『ふん!』

 

が、ジャッカル・デッドマンは『フェイト』に匹敵するスピードで回避すると、了平に蹴りを叩きつけた。

 

「ぐぉおっ!」

 

地面に叩きつけられそうになるが、Fシューズの炎を噴射させ、体制を整えた。

その近くにいる獄寺の前に、クロコダイル・デッドマンが立ちはだかる。

 

「街中でもお構い無し、てか?・・・・それなら、こっちも! 『嵐+晴れ フレイムランチャー』!!」

獄寺は、晴れの『活性』が混ざり、加速がついたマシンガンの弾がクロコダイル・デッドマンの身体に当たるが、まるで効いていなかった。

 

「ちっ、鰐の硬い皮膚か・・・・!」

 

毒づく獄寺の近くでは、山本が刀に変わった竹刀、『時雨金時』を持って、刃を交えているのは、カマキリ・デッドマンだ。

 

『はぁぁぁぁっ!!』

 

「よっと!」

 

カマキリ・デッドマンから距離を取る山本。

 

『ーーーーシャァッ!!』

 

カマキリ・デッドマンは双刃刀に冷気を纏わせ振るうと、氷の斬撃が山本に襲い来る。

 

「おっと!」

 

が、『雨の死ぬ気の炎』を纏った『時雨金時』で斬撃を斬り捨てる。斬られた斬撃は地面に落ちると、巨大な霜柱を作り上げた。

 

「うわっ! 凄ぇな・・・・!」

 

『へぇ~。それなら、これはどうですっ!?』

 

カマキリ・デッドマンは双刃刀を振り回すと、氷の斬撃を連続して放つ。

 

「うおっ!?」

 

山本は次々と放たれる斬撃を斬り捨てていくが、斬撃が地面に落ちると、山本を取り囲むように霜柱を形成していく。

 

「やっべ!」

 

山本は霜柱に囲まれる前に脱出するが、その先にカマキリ・デッドマンが回り込み、双刃刀を振り下ろす。

 

『はぁっ!!』

 

「くっ!ーーーーうぁぁぁぁっ!」

 

山本は時雨金時で防ぐが、腕力に負けて、吹き飛ばされ、建物の柱に叩きつけらそうになる。

 

「っ! 大丈夫か山本!?」

 

「すまねぇっす!」

 

が、寸前で了平が受け止めた。

それを見て、カマキリ・デッドマンが鼻で笑う。

 

『情けないないですねぇ。この程度の力、受け止められると思ったなのになぁ・・・・』

 

カマキリ・デッドマンは上の階にいるジャッカル・デッドマンに向けて声を発する。

 

『こんなのじゃ実験相手にもなりませんよぉ! さっさと始末しちゃいましょう!』

 

『そう言わないの。彼らも『アナザージオウオーマ』とその配下の軍団と戦い、本来の実力の半分以下で立ち向かっているのだから』

 

「(っ! コイツら、『加古川飛竜』の事も知っているのか?)」

 

クロコダイル・デッドマンと撃ち合いをしている獄寺が、ジャッカル・デッドマンの発言に眉根を寄せた。

 

『・・・・!』

 

「しまっ・・・・」

 

その動作が一瞬の隙となり、クロコダイル・デッドマンが獄寺に向けて、ミサイルを放った。

 

「ぐぅっ! うおっ!」

 

が、獄寺は寸前で、〈SISTEMA C.A.I〉で防御したが、爆風に吹き飛ばされた。

 

「くぅぅぅぅぅ!」

 

ホバリングで急停止する獄寺の元に、山本と了平が合流した。

 

「この者達、やるではないか・・・・!」

 

『・・・・・・・・』

 

クロコダイル・デッドマンが両肩のレールガンを放とうとすると、ジャッカル・デッドマンがそれを制止し、カマキリ・デッドマンが集まった。

 

『少々期待していたんだけど。・・・・やはり本調子ではないようね。次は〈ネオ・ボンゴレファミリー〉お得意の、『ファミリー同士の連携』を見せて貰いたいわね。それまで命を預けておいてあげる』

 

そう言うと、三体のデッドマンはその姿を消した。

 

「ぬぅ、極限に何だったのだ・・・・!」

 

「ご挨拶、ってヤツじゃないっスか? 本気で来られたら、例え本調子でも危なかったな」

 

「ああ。新たな怪人。アイツらまるでーーーー『悪魔』のようだったぜ・・・・!」

 

建物の異変に気づかれ、通報されたのか、パトカーや消防車や救急車のサイレンがけたたましく鳴り響くのを聞きながら、破壊された壁に作られた悪魔の形を見て、獄寺が呟いた。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

基地に戻ったツナとエンマとリボーンは、カメラ付きヘッドフォンで撮影した、新しく確認された〈仮面ライダーリバイス〉をモニターで見ていた。

 

「・・・・新たな〈仮面ライダー〉、か・・・・」

 

「ボス。その〈仮面ライダー〉は、どんな人だったの?」

 

同じく見ていた『霧の守護者 クローム髑髏』が問うと、ツナは後頭部を掻いた。

 

「まだ、何とも言えないが・・・・敵だとは思えないな」

 

リバイスを見据えて、ツナはそう呟くとジャンニーニが、ボロボロの服装になった獄寺と山本と了平、そして、同じくボロボロの状態のランボが戻ってきた。

 

 

 

 

 

ー輝二sideー

 

そして同じ頃。輝二は〈フェニックス〉の狩崎の研究部屋でドローンが撮影していた、メガロドン・デッドマンと交戦している、『死ぬ気の炎』を纏った二人の青年の映像を見ていた。

 

「リベンジボーイ。これは間違いなく、『死ぬ気の炎』だね?」

 

「ああ。オレンジの炎のヤツは、『沢田綱吉』と名乗っていた。もう一人は恐らく、十年ほど前から台頭してきた〈シモンファミリー〉のボス、『古里炎真』だろう」

 

「と言う事は、〈ネオボンゴレファミリー〉と〈シモンファミリー〉が、この事件に関わっていると言う事かな」

 

狩崎の問いかけに、輝二は答えると、狩崎はパソコンを操作し、コンビニの監視カメラの映像から、コンビニ店員に『イーグルバイスタンプ』を渡している、『孔雀のデッドマン』を見せた。

 

「コイツは?」

 

「我々が急行するほんの十数分前の映像だ。恐らく、〈デッドマンズ〉の一員だろう。イーグル・デッドマンとの戦いを〈ネオボンゴレファミリー〉と〈シモンファミリー〉のボス二人が見ていた、と言う事は」

 

「まさか、〈ネオボンゴレファミリー〉と〈シモンファミリー〉が、〈デッドマンズ〉と手を組んだのか?」

 

狩崎と同じ部屋にいた門川ヒトミが、険しい目で『沢田綱吉』と『古里炎真』を睨んだ。

 

「いや、それなら後から現れた『鮫のデッドマン』と交戦する理由がないんじゃないのでは?」

 

「ふん、嵐山。元々奴等は“マフィア”だ。そんな反社会的な組織が前身なら、〈デッドマンズ〉と手を組んだと言う可能性も十分ある。手を組んでいなくても、その技術を自分達の物にしようと目論んでいる可能性もな」

 

「ま、現段階で得た情報では、憶測の域を出ていない。〈ネオボンゴレファミリー〉と〈シモンファミリー〉が何の目的であの場にいたのか、少し調べてみようじゃあないか」

 

「それじゃ、俺は明日も学校ですから、帰らせてもらいますよ」

 

「うん。お疲れ様だね」

 

輝二はそう言って、研究部屋を出ようとすると、テーブルに置かれた“二つのカプセル状の機械”が目に入った。

 

「狩崎さん。この装置は?」

 

「ああ、“新しいライダーシステム”だよ。9割は完成しているから、後は『適合者』を見つければ、新たな〈仮面ライダー〉ができるよ」

 

「・・・・『適合者』はやはり〈フェニックス〉の隊員から選出するんですか?」

 

「ソコは少し考えものだねぇ。君のように、“お兄さん以上の適合率を持った一般人”もいるしねぇ」

 

「ふぅん」

 

輝二はその装置の中に入っている『緑のドライバー』と『赤いドライバー』を一瞥すると、今度こそ部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。教室に入った輝二の目に、ミランダ・フォーミュの姿が入った。

 

「おはよう、ミラ」

 

「おはよう、輝二」

 

愛称で呼び会うようになった。

授業の時間になり、教科書とは別冊の教本を持っていなかったミラに、輝二が自分のを見せた。

 

「いいの?」

 

「ないと、困るだろ?」

 

「・・・・ありがとう」

 

ミラは笑みを浮かべ、二人は授業を受けた。

 

 

 

ー???sideー

 

そこは『ノーブル学園』と呼ばれる学校。その図書館で、一人の中学生の女子生徒が本を借りようと訪れていた。

早く目当ての本を見つけて、昼食を一緒に食べようと約束した友達に合流しようと考えていた。

 

『・・・・・・・・(ニィ)』

 

と、人目がない本棚で目当ての本を見つけて手を伸ばした少女の背後に、孔雀の怪人が、笑みを浮かべていた。

 

「ぇ・・・・?」

 

その少女が振り向いた瞬間、少女の意識が途切れ、その姿が図書館から消え、少女が掛けていた眼鏡が床に落ちており、

 

ーーーーパタン。

 

少女が手に取ろうとしていた本が棚から落ちる音だけが、静かな図書館に響いた。

 

 

 

ー輝二sideー

 

そして昼休みを迎えた輝二とミラはーーーー。

 

「輝二。一緒に、お昼ご飯はどうかな?」

 

「ああ。良いぞ」

 

二人は屋上で弁当を広げていた。ミラはサンドイッチ。輝二はコロッケパンだった。

 

「輝二。コンビニのパンなの?」

 

「・・・・いや、これは前から興味があった『PANPAKAパン』って店で買ったんだ。ちょっと料理は苦手でな」

 

≪ちょっとですかねぇ、あれは?≫

 

バイスが呆れたように言う。

 

「良かったら、私のをどうぞ」

 

「おお。ありがとう」

 

ミラがタマゴサンドを受け取り、頬張る。

 

「・・・・うん。旨いな」

 

「ホント? 良かった」

 

笑みを浮かべるミラに、輝二も笑みを浮かべた。

 

「・・・・ねえ、輝二のお兄さんって、どんな人だったの?」

 

「・・・・・・・・」

 

「あ、ゴメンね。ちょっと、気になっちゃって・・・・」

 

「気にするなよ。・・・・そうだなぁ、俺より全然優秀で、お節介な性格で面倒見が良くて、若いながら優秀な人として、職場の人間関係も良好だったようだ。俺これでも昔、6年くらい家出しててな。兄貴はそんな俺をずっと心配しててくれていた。だが、突然いなくなっちまう物なんだよな、大切な物ってさ」

 

輝二の目に、悲しみが浮かぶ。

 

「兄貴にも、親父にも、まだ何にもしてやれてなかったんだ。二人とも、俺が思っているよりも、辛く苦しい事を背負っていたって言うのにさ。俺は、何もしてやれなかった」

 

「そう」

 

「なぁ、ミラの家族はどんなんだ?」

 

「え、私・・・・?」

 

ミラはその時、少し辛そうに顔を伏せる。

 

「私、一つ下の弟がいるの。思いやりがあって、優しくて・・・・私の両親は早く亡くなったから、私にとって、たった一人の家族。でも、重い病気を患って、それからはずっと眠ってしまったの」

 

「・・・・・・・・」

 

「輝二?」

 

ミラが輝二を見ると、輝二の目に、うっすらと涙が浮かんでいた。

 

「いや、すまん。俺達、似た者同士、だな?」

 

「ーーーーうん。そうだね。輝二には、他に家族はいないの?」

 

ミラは輝二にピンクのハンカチを差し出してそう聞くと、輝二は少し沈黙するが答えた。

 

「昔、離婚した母さんと三~四歳くらい離れた妹がいるんだ。今は中学一年くらいかな?」

 

「そう、なんだ。会おうと思わないの?」

 

「・・・・もう、十年近くも会ってないし、母さんや妹にも自分の生活があるからさ。今さら会おうとは思わないよ」

 

無論、それだけが理由ではないが。

 

「ミラ。喉乾いたな。ちょっと飲み物買ってくる。何が良い? ハンカチのお礼に買ってくるぜ」

 

「ぁーーーーそれじゃ、紅茶を・・・・」

 

「ああ」

 

輝二はそう言うと、屋上から出ていった。

 

 

ーミラsideー

 

「・・・・輝二・・・・っ」

 

ミラはその背中を見つめていると、不意に背後から気配がし、顔を伏せ、目元を前髪で隠す。

すると、背後から女性のような声が響いた。

 

「何の用なの?」

 

『あの男を呼び出す準備ができた』

 

「時が来れば、私が連れていく事になっていた筈よ」

 

『そんな回りくどい事をするまでもない』

 

「どういう事?」

 

『あの男には、“妹がいるな”? ノーブル学園に通っている』

 

「・・・・その子は“『伝説の戦士』の関係者”よ。一体どうやって?」

 

『ふん。『伝説の戦士』と呼ばれていても、所詮は素人の小娘達。やりようはーーーーいくらでもあるわ』

 

その女性、『クジャク・デッドマン』の腕に、中学生くらいの少女を抱えていた。

 

「その子が・・・・」

 

『ええ、あなたも自分の任務を忠実にこなしなさい』

 

そう言うと、クジャク・デッドマンは、少女をミラに渡した。

 

『それでは、私達は先に戻るわね。・・・・ネオボンゴレとシモンが動くかも知れないから、邪魔な奴らを黙らせてくるわ』

 

そう言うと、クジャク・デッドマンは背面に翼を広げ、空高く飛び去っていった。

 

「・・・・・・・・・・輝二、ごめんなさい」

 

ミラはその少女、『七瀬ゆい』を見て、輝二に謝意を呟いた。

 

 

ー輝二sideー

 

「・・・・ミラ?」

 

紅茶とコーヒーを持って屋上に戻ったら輝二だが、その場にミラの姿がなく、首を傾げていると、

 

≪なぁなぁ輝二。何か落ちてるぜ?≫

 

バイスの声に、床に小さな手帳が置かれた紙が置かれていた。

 

「・・・・・・・・」

 

輝二がその紙を拾って広げ、中身を読むと、目を見開いた。

 

「・・・・【イーグルと戦った森に来て。来ないと、大切な家族の安全は保証しない。 ミラ】、だと?」

 

そして、小さな手帳、生徒手帳らしき物の中身を見ると、さらに目を見開いた。何故ならーーーー。

 

「! ゆ、ゆい・・・・!?」

 

『七瀬ゆい』の写真を見て、顔を憤怒に染めた。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

輝二が青春を謳歌している間、ボンゴレ基地にいるツナ達は、獄寺達が遭遇した三体の怪人達について話し合っていた。

 

「コイツらか・・・・」

 

獄寺達のコンタクトディスプレイに記録していた映像をモニターに映し出された、ジャッカル・デッドマン、カマキリ・デッドマンとクロコダイル・デッドマンを見ていた。

 

「隼人。この怪人達が、〈デッドマンズ〉の怪人なんだな?」

 

「はい10代目。〈デッドマンズ〉が使う、スタンプのアイテムを使っていましたから」

 

「さらにヤツら、『ガイアメモリ』まで使っていたからな」

 

三体の映像の隣に、リバイスの映像が表示されていた。

 

「そう言えば、アイツら自己紹介していたな。確か鰐の方は『ケイ』。蟷螂の方は『ノノ』。んでジャッカルの方は『メノア・ヴァージル』ってーーーー」

 

「『メノア・ヴァージル』ですと?」

 

山本の言葉に、ジャンニーニがピクリと眉を動かした。

 

「知っているのかジャンニーニ?」

 

「はい。少々お待ちを・・・・」

 

と言うと、ジャンニーニはボンゴレのデータベースを検索した。

 

「っ、出ました。メノア・ヴァージル。生物学と薬剤学の権威『ヴァージル教授』の娘さんで、高校生でありながら医大に飛び級で入学し、主席を勤めていた程の才媛です」

 

モニターに映し出されたのは、メノア・ヴァージルと、金髪を後ろに伸ばした壮年の男性、ヴァージル教授が表示された。

 

「彼は『死なない人間』の研究をしていたようで〈財団X〉で、ある研究に目を付け、娘と共に財団に入ったようです」

 

「“ある研究”、『死なない人間』、まさか・・・・」

 

「はい。彼は〈NEVER〉の、〈仮面ライダーエターナル〉、『大道克己』の研究を進めていました」

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