仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲   作:BREAKERZ

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不死を目指す者

ーツナsideー

 

『大道克己』。

かつて『風都』と言う街で、破壊活動を行った悪の仮面ライダー、〈仮面ライダーエターナル〉。『風都』を守る『二人で一人の探偵仮面ライダー』によって倒された、『風都』史上最大の危機をもたらしたテロリストであった。

が、その圧倒的な存在感は、『風都』の半グレ達からカルト的な人気を得ていた。

 

「ジャンニーニ。ヴァージル教授が『大道克己』達、〈NEVER〉の技術を研究していたって?」

 

「詳しい事は、『彼』の方が知っていると思います。私も彼からヴァージル教授の事を聞いていたので」

 

ジャンニーニが操作すると、モニターにある人物が現れた。

 

《やぁ、綱吉君》

 

「正一?」

 

画面に映されたのは、『ネオボンゴレファミリー・メカニックチーフ』にして、『バニングス重工』の技術開発部門のリーダー、『入江正一』であった。

現在重役である『奥さん』は海外へ行っていた。

 

「正一。今は『スパナ』と一緒に、『飛電インテリジェンス』と共同開発している『新型通信衛星WE'RE<ウィア>初号機』のプログラミングで手が離せないんじゃ?」

 

《うん。大体部分は終わってね。ジャンニーニからメールが届いたから、少し休憩させてもらっているんだ。ところで、ヴァージル教授の事だけど》

 

「何か知っているのか?」

 

《ああ。彼は以前から、人間の身体をより強く、『死』をも克服する程に強い肉体に進化させる研究をしていた》

 

「『死』を克服、か。成る程。それで目を付けたのが、〈NEVER〉の『NECRO OVER<ネクロオーバー>技術』と言う訳だな?」

 

リボーンが言った『NECRO OVER<ネクロオーバー>技術』。

人間の死体を『人体蘇生酵素』により蘇生させた生物兵器、『死者蘇生兵士』であり、死者を超えた者の事である。

 

《ヴァージル教授は長年、病弱だった奥方、ヴァージル夫人の身体の治療の為に研究を続けてきた。教授が生物学と薬剤学の権威になれたのも、夫人の為の努力と言っても過言では無かった。メノア・ヴァージルも、そんな父親を尊敬し支え、母親の身体を良くする為に研究者になったんだ。僕は、教授達が横浜にある自宅で夫人の介護の為に用意された『ヒューマギア』のプログラミング等の調整の為に、何度か会っていたんだ》

 

「・・・・まさか、奥さんの身体を良くする為に」

 

エンマの言葉に、正一は渋面を作る。

 

《だが、長年の研究と薬で何とか夫人の命を繋ぎ止めていたけど、年々それも効かなくなり、遂に夫人は昨年、植物状態となった。絶望に暮れる教授とメノア・ヴァージルに〈財団X〉が近づき、死者蘇生とも言える『NECRO OVER<ネクロオーバー>技術』を提示し、二人は〈財団X〉に入った。〈財団X〉は〈NEVER〉壊滅後、出資提供を断った彼らの技術だけを、秘密裏に盗んでいたようだからね》

 

「その事は裏の世界でも、結構ウワサになっていましたよね?」

 

「ふん。出資を断った相手から技術だけはかすめ取る。本当に卑劣で節操がねぇぜ」

 

「・・・・教授達も大切な人を失って、その人を取り戻せる術があるなら、それに手を出してしまうのも仕方ないかも知れないけどね」

 

ランボと獄寺は〈財団X〉のやり方に反吐が出ると言いたげな顔を作り、エンマは『妻の母親』と似た境遇の二人に、複雑な表情を浮かべていた。

 

《教授とメノア・ヴァージルは、『NECRO OVER<ネクロオーバー>』の唯一の欠点、酵素が不足すると肉体崩壊を起こす部分を徹底的に排除し、死者蘇生技術を完成させようとした。が、その開発中で事故が起こり、メノア・ヴァージルは死亡したそうだ》

 

「何? 俺達はメノア・ヴァージルと戦ったぞ!」

 

「・・・・まさか」

 

了平とクロームの言葉に、正一が答える。

 

《そう。メノア・ヴァージルも研究中の死者蘇生技術で、蘇ったのだと思う》

 

「自分の娘も、実験に使ったって訳か・・・・」

 

リボーンが帽子で目元を隠す。

 

《綱吉君。敵の戦力が、襲ってきた三人だけとは思えない》

 

「ああ。俺とエンマも、メガロドンの怪人と戦ったし、新しい〈仮面ライダー〉もコブラの怪人と戦っていた」

 

《僕の予想だけど、恐らくあと一人か二人は怪人がいるんじゃないかな?》

 

「僕もそう思う」

 

「しかし正一。良くここまでの情報を掴んだな?」

 

リボーンの問いに、正一は少し目を泳がせながら、口を開く。

 

《・・・・実は、この情報、僕のパソコンに送られてきてね。綱吉君達に伝えるように頼まれていたんだ・・・・》

 

「えっ? 頼まれたって、誰に?」

 

《・・・・・・・・『六道骸』に、ね》

 

「骸様が?」

 

「何で骸の野郎が?」

 

『もう一人の霧の守護者 六道骸』。ツナ達とは利害が一致しなければ協力しない。そんな男から届いた情報に、クロームは目をパチクリさせ、獄寺が訝しげな顔を作った。

 

「骸の動きも気になるけど。今は兎に角、新たに現れた〈仮面ライダー〉。ヴァージル教授達の企みと居場所。これらを重点的に調べよう」

 

『了解!』

 

ツナの言葉に、守護者達と正一とジャンニーニが頷き、エンマとリボーンも頷いた。

 

 

 

 

ー???sideー

 

ソコは、広い研究施設のような場所。

その中心となる場所に、あらゆる医療機械が周りに置かれたベッドの上に、白い髪を短く伸ばした中性的な顔をした少年が横になっていた。

と、その少年に近づく、白衣を着用した金髪の壮年の男性、ヴァージル教授が現れた。

 

「古来より、人間と悪魔との契約には、悪魔が言う対等の条件で成される。だが、それも全て、言葉巧みに人間を弄ぶ悪魔の罠。だが、私はそれでも成して見せる! 人は弱く脆い。幾ら科学が発達しても、人の脆弱さが克服される訳ではない」

 

ヴァージル教授がタブレットを操作すると、少年のベッドの近くの床が、プシュゥ~・・・・! と、駆動音を鳴らしながらせり上がると、棺のようなカプセルの中に、メノア・ヴァージルが大人になったような美しい女性がコールドスリープ状態で眠っていた。

 

「妻よ。寒い中に閉じ込めてすまない。だが、もうすぐだ。人間の身体が弱いならば、強靭な悪魔の肉体と一つとなれば、誰ももう、『死』と言う魔物に怖れる事はーーーーゴホッ! ゴホッ! ゴホッ!!」

 

「お父様!!」

 

突然、血を吐きながら咳き込むヴァージル教授に、メノア・ヴァージルが駆け寄る。それに少し遅れて、ノノを肩に担いだケイも近づく。

 

「お父様! 大丈夫ですか!?」

 

「・・・・ぁぁ、あぁ、大丈夫だ。慣れない戦闘など、やるべきではなかったな・・・・!」

 

「くっ、〈クジャク〉がボンゴレや仮面ライダーをこの施設の近くに連れてこなければ、お父様が戦う事も無かったのに!」

 

「メノア。それは後回しだ。今はまず、このスタンプとメモリだ・・・・」

 

袖で口元の血を拭いながらヴァージル教授は、『蝙蝠の刻印がされたバイスタンプ』と、『Aのマークが付いた銀色のガイアメモリ』を少年の枕元に置いた。

 

「このバイスタンプとガイアメモリならば、彼に力を与えてくれるかも知れん・・・・!」

 

「お父様・・・・」

 

「この、“『バットバイスタンプ』に宿る悪魔”の囁きが、私を破滅に導こうとも、私は歩みを止めない!」

 

ヴァージル教授のその目には、確固たる覚悟が宿っていた。

すると、『バットバイスタンプ』がカタカタと独りでに震え出した。

 

「お父様。これは?」

 

「・・・・どうやら、“スタンプに宿る悪魔”も感じているのだろう。殺したくて殺したくて堪らない相手、〈仮面ライダーリバイス〉、嵐山輝二が、間もなくここにやって来るのを、な・・・・」

 

 

 

 

 

ーツナsideー

 

ツナ達は、〈仮面ライダーリバイス〉がイーグル・デッドマンと交戦した樹海を、ボンゴレの衛星から送られてくる映像とこれまでの情報から解析してみると、メガロドンとコブラの怪人が逃げ出した湖がモニターに表示された。

 

「やっぱり、この湖か・・・・」

 

「適度に街から離れていて、その先は人の住んでいない広野と山岳地帯・・・・」

 

「〈財団X〉のような組織が、隠れて悪巧みするにはうってつけの場所だな。んで、行くかツナ?」

 

「ああ」

 

エンマと山本、リボーンがそう言うと、ツナは頷いた。。

 

「でもボンゴレ。俺達も本調子じゃないんですよ。獄寺氏や山本氏、了平氏が手こずった相手を・・・・」

 

「大丈夫だ」

 

「え?」

 

弱気なランボに、ツナが確信を持って言う。

 

「来るさ。新たな〈仮面ライダー〉、リバイスがな」

 

ツナはそう言うと、格納庫に置かれている輸送飛行機へと向かった。

 

 

 

 

ー輝二sideー

 

「・・・・・・・・ん?」

 

学校を早退した輝二から走り出そうとすると、狩崎が運転するスポーツカーが目の前に停車した。

 

≪ありゃ、カリちゃん!≫

 

「やぁリベンジボーイ。・・・・凄い顔だね」

 

ミラからの手紙とゆいの生徒手帳を持ちながら、顔を向けた輝二のその目は、激しい怒りを必至に抑えているように見えた。この威圧感で教師を黙らせ、早退したのだ。

 

「ほっとけ。今にも爆発しそうな怒りを堪えているんだからな・・・・!」

 

「・・・・まぁ、乗りたまえ」

 

輝二は助手席に座ると、狩崎がタブレットを渡して口を開く。

 

「済まないね。現在〈スカイベース〉が修理で動けなくなったんだ」

 

「修理?」

 

「実は、数十分前に〈スカイベース〉に孔雀のデッドマンと、『コイツ』が現れたんだ」

 

狩崎が片手でタブレットの画面を表示させると、イーグル・デッドマンになった店員にバイスタンプを渡していた孔雀のデッドマン、クジャク・デッドマンとガスマスクを被り白い服を着た、とても人と形容しにくい大型のモノが飛行し、飛行中の〈スカイベース〉にミサイルを放っていた。

その人物を見て、輝二は目をさらに鋭くした。

 

≪うっわ! 何よこのロボットっぽいの!?≫

 

「コイツはーーーー『ストゥラオ・モスカ』か?」

 

「そう。旧イタリア軍が作り上げた狂気の兵器、『ゴーラ・モスカ』の発展機さ」

 

『ゴーラ・モスカ』。

第二次世界大戦のおり、旧イタリア軍が開発した軍事兵器であり、そのあまりにも凶悪な兵装と『人間を動力源』とする非人道的過ぎる設計により、開発を中止とされ、大戦後に研究資料は裏社会のマフィアに売りさばかれたらしい。

この『ストゥラオ・モスカ』は、現代の技術で動力源に人間を使わず、自動運転や人間が乗り込んで操作するように改造されており、裏社会でも極々限られたマフィアしか所持していないと言われている。

 

「こんなのが襲撃してきたのか?」

 

「ああ。少しエンジンをやられてね。ヒトミ達が応戦しようとしたが、あっさり返り討ちにあった」

 

「門川さん達は?」

 

「軽傷で済んだが、大事を取って医務室行きだ。そのすぐ後に、『七瀬ゆい』くんが行方不明になったと報告が入ってね。ここに来たのさ」

 

「まさか、ゆいを巻き込むとはな」

 

「これを見たまえ。イーグル・デッドマンと交戦した樹海に入る人間達を、街頭カメラが捉えた物だ」

 

狩崎が赤信号で車を停車させると、タブレットの画面を変えた。そこには、白いスーツを着た何人もの男女が入っていった。

 

「・・・・コイツらは、〈財団X〉か?」

 

裏社会のさらに奥にある闇社会でも悪名高い〈財団X〉に、輝二は訝しげな顔を作る。

 

「ネオボンゴレファミリーとその友好関係にあるマフィアは、〈財団X〉と敵対関係にあると聞いた事がある。恐らく彼らがあの森に来ていたのも」

 

「〈財団X〉を追って、って事か。しかし、何故ソコにゆいが巻き込まれるんだ?」

 

「憶測だが、君を誘き出す為のエサではないかね? 彼女程、君に有効な手札は存在しないしね」

 

「ーーーー必ず、ぶちのめす」

 

輝二は、ゆいを拐った人間にーーーーミラに対して怒りの感情を抱いた。

 

 

 

その後ろを、黒いスポーツカーが追いかけているのに気づかず。

 

 

 

ーエンマsideー

 

ツナ達は輸送飛行機に乗って、件の森へと向かった(ジャンニーニはお留守番)。勿論。周りの民間人や航空レーダーに引っ掛からないように、『霧の死ぬ気の炎』の迷彩機能で輸送機を覆って、姿を消しているが。

 

「?」

 

あと少しで目的地に到着する所で、エンマは、窓の外で藍色の粒子が流れたのを見え、その瞬間、奇妙な違和感を感じた。

 

「何だ? 一体・・・・」

 

『ーーーーエンマ』

 

「え?・・・・フェイト?」

 

自分を呼ぶ声にエンマは振り返るとソコには、『次元世界 ミッドチルダ』にいる筈の妻、『フェイト・T・古里』がいた。

 

「な、何で・・・・?」

 

「よぉ、こんな所で会うとはな」

 

『隼人さん』

 

獄寺の方を見ると、同じくミッドチルダにいる筈の『彼女』を獄寺が抱き締めていた。

 

「極限に元気そうだな!」

 

『うん! 了平さん!』

 

了平も同じく、ミッドチルダにいる『彼女』が抱きついていた。

 

「こ、これは・・・・!」

 

周りを見ると、山本も、ランボも、ミッドチルダにいる筈の『彼女』達と見つめ合っていた。

 

「骸様・・・・」

 

『クローム・・・・』

 

クロームも、六道骸を見つめている。

 

「・・・・・・・・」

 

リボーンも、誰かを見つめているのか、虚空を見上げていた。そしてツナもーーーー。

 

「なのは・・・・ヴィヴィオ・・・・」

 

なんとツナの目の前には、ミッドチルダにいる妻、『沢田なのは』が、養女である『ヴィヴィオ・K・沢田』を抱っこして立っていた。

 

『ツナさん』

 

『ツナパパ!』

 

二人がツナを呼ぶと、ゆっくりとツナに近づき、二人の手がツナの頬に触れそうにーーーー。

 

「違う」

 

ツナが二人の手を振り払うと、なのはとヴィヴィオの姿が霧状となって消えた。

 

『エンマ』

 

「っ・・・・ゴメンね。幻覚に惑わされちゃ、本物に申し訳ないから!」

 

エンマも、自分に抱きつこうとするフェイトを振り払うと、フェイトの姿が霧状となって消えた。

 

「良くやったぞ。ツナ。エンマ」

 

「リボーン!」

 

「無事だったんだね!」

 

「俺があんなくだらねぇ幻術にやられるか。ほれ、ジャンニーニからの通信だぞ」

 

《10代目! 聞こえますかっ!?》

 

ツナのヘッドフォンから、ジャンニーニの声が響いた。

 

「ジャンニーニ。これは?」

 

《今機体の周囲に、無数の『死ぬ気の炎』の反応がありました!》

 

「っ! さっき、窓の外に藍色の粒子が舞っていたけど」

 

《それです! 恐らく『霧の死ぬ気の炎』を使ったチャフによる攻撃です! それによって、皆さんは、意識下にいる大切な人の幻影を見せられていたんです! あのままだったら、機体の操縦もできなくなり、墜落してしましたよ!》

 

「クローム!!」

 

「っ! はい!」

 

ツナの声で正気に戻ったクロームが、全員に幻術を使って正気に戻した。

 

「っ、10代目、今のは?」

 

「幻覚を見せられていたんだ! 来るぞ!」

 

「っ! ぐぴゃぁああああ!!」

 

ランボが目を見開いて驚くと、飛行機の前方から、ストゥラオ・モスカの大軍が迫ってきていた。

そして一体のストゥラオ・モスカの上に、〈財団X〉の白スーツを着用した。長い茶髪と、美しい顔立ちだが、何処か蠱惑的な雰囲気がある二十代前半の女性が腰にドライバーを付けて立っていた。

 

「ストゥラオ・モスカ!! あんなのまで持っているのかよっ!?」

 

「ほ、本当に、〈財団X〉は節操が無い・・・・!」

 

「それにあの女! メノア・ヴァージル達と同じドライバーを付けてやがる!」

 

「極限に団体でお出迎えかっ!」

 

「行くぞ!」

 

ツナとエンマ、山本と了平、飛行能力があるメンバーが外に出ると、女性が乗ったストゥラオ・モスカが前に出る。

 

「あら。名高いネオボンゴレファミリーボスと売り出し中のシモンファミリーボスね。私は『川西美春<カワニシ ミハル>』よ」

 

『川西美春』と名乗った女性を、ジャンニーニが検索し、ヘッドフォンの通信機越しに伝える。

 

《ありました! 『川西美春』! 元日本の高校の教師でしたが、数年前に素行不良の生徒達を次々と殺してきた殺人鬼で、全国指名手配されています!》

 

「殺人鬼、だと?」

 

エンマがそう言うと、川西美春は頬に人差し指をおきながら、口を開く。

 

「殺人鬼なんて酷いわぁ。私はただ、親が有力者だからってその権力を笠に着て立場の弱い生徒達を苦しめていたり、暴力で弱い生徒達を恐がらせてきたり、強姦とか万引き、窃盗から麻薬の転売をしていた、『社会のゴミ』になりそうな生徒達を世に出さないように、『掃除』していただけなのにぃ」

 

心外と言わんばかりの言葉に、ツナ達は目を細める。

 

「俺達はこの先に用があるんだ。退いてもらおうか?」

 

「・・・・うふふ。それじゃぁ面白くないじゃない」

 

[クジャク!]

 

小悪魔のような笑みを浮かべるが、その瞳にはメノア・ヴァージル達以上の、『殺人鬼の目』をしていた。

そして女性は、孔雀の刻印がされたスタンプを取りだし起動させ、ドライバーの中心に押し込んだ。

すると、黒い契約書が女性の身体を包み込み、クジャク・デッドマンへと変貌した。

 

『さぁ、楽しみましょう!』

 

[キラー!]

 

更に『ガイアメモリ』を差し込むと、どす黒い体色に変わり、背面部から孔雀の尾羽を広げながら飛翔し、ツナと交戦する。

 

「くっ!」

 

「ツナ!」

 

「山本! ツナくんなら大丈夫だ! 僕達はストゥラオ・モスカを相手にしよう!」

 

「「ああ!/うむ!」」

 

エンマの言葉に山本と了平は頷くと、ストゥラオ・モスカと交戦を開始した。

 

 

 

ーツナsideー

 

「ふっ!」

 

『あははははははは!!』

 

空中でクジャク・デッドマンと闘うツナ。本来のツナの実力ならば、難なく倒せる相手だが、本調子でない分手こずっていた。

 

『どうしましたぁ? 早く私を倒さないと、お仲間の皆さんが死んじゃいますよぉ?』

 

明らかに、仲間の窮地を伝えて動揺させるのが目的の嫌味ったらしい口調で言う。

が、ツナはその言葉に欠片も動揺を見せず、毅然と言い放つ。

 

「俺の仲間達を、甘く見るな!」

 

 

 

 

ーランボsideー

 

「ひえぇ~! 何で俺まで・・・・!」

 

飛行機の上に出たランボが、腰を引かせながら泣き言を言う。

が、そんなランボの耳に、獄寺とリボーンの声が響く。

 

《10代目達が安心して戦えるように、お前も力を出せ》

 

《グダグダ言うならこのまま振り落とすぞ》

 

「わ、分かりましたよ! 『牛丼』! 形態変化<カンピオ・フォルマ>!」

 

ほぼヤケクソのランボは、黒いヘルメット、『ボンゴレギア 雷のヘルムVer.X』を被り、自分のアニマルである『雷牛の牛丼』を召喚し、自分と合体させると、巨大なコイル状の角付きの兜に、重装備の鎧を纏う。

鎧の胸についているレバーで、角の幅などを操作すると、コイル状の角に鉄柱が伸び、『雷の死ぬ気の炎』が迸った。

 

「『電磁場<カンポウ エレットメ二コ>』!」

 

ランボが叫ぶと、『雷の死ぬ気の炎』でできた電磁フィールドが、飛行機を包み込んだ。

それに触れたストゥラオ・モスカは、感電したようにスパークし、煙を上げて墜落する。

 

「おっと」

 

が、エンマが『大地の重力』で豆粒にまで圧縮し、自分の手に運んで回収した。

 

「不法投棄は自然破壊に繋がるね」

 

「ナイス、エンマ」

 

次々と迫るストゥラオ・モスカに、エンマ達は迎え撃つ。と、飛行機は遂に湖に到着した。

その時ーーーー。

 

ーーーービシュウウウウウウウウウウ!!

 

湖の中央の島から、レールキャノンが発射され、ランボの電磁場とぶつかり合い、激しい放電を起こし、飛行機の機器類が一時的にショートし停止した。

 

「何っ!?」

 

《エンジン停止! このままじゃ墜落するぞ!》

 

「ひぇええええええええええええええ!!」

 

飛行機が湖の手前の森に、一直線に墜落していき、ランボが振り落とされた。

 

 

 

ーツナsideー

 

「っ!」

 

『(ニィッ!!)』

 

一瞬、ツナの視線が飛行機に向くと、クジャク・デッドマンは女性の口元に歪んだ笑みを浮かべ、ツナの頭を貫手で貫こうとしたその刹那ーーーー。

 

「ーーーー邪魔だ」

 

『ぶふっっ!!!?』

 

ツナの裏拳を顔面に叩き込まれ、空から地面に一直線に叩きつけられた。

 

「皆!」

 

ツナはクジャク・デッドマンに一瞥もくれず、仲間の元に向かった。

 

 

 

ーエンマsideー

 

「『大地の重力』!!」

 

が、エンマが『大地の重力』をフルパワーで使い、地面までほんの数ミリの処で、飛行機を止めた。

 

「フゥゥゥゥゥ・・・・!」

 

「流石だな、エンマ」

 

エンマが深く息を吐き、飛行機の体制を元に戻すと、ランボを回収していたツナが合流し、山本と了平が合流する。

そして、クジャク・デッドマンとストゥラオ・モスカ十数体がツナ達から少し離れた位置で降りてくる。

 

『・・・・・・・・やってくれましたねぇ』

 

殴られた鼻を擦りながら、ツナに冷酷な怒りの視線を向けるクジャク・デッドマン。

ネオボンゴレファミリーとシモンファミリーボスが、揃って構える。

 

「やっと暴れられるぜ」

 

「メノア・ヴァージル達も控えてる。さっさと終わらせようか」

 

「うん」

 

獄寺と山本とクロームが言い構えた。

 

『楽しませてちょうだい!』

 

クジャク・デッドマンが叫ぶと、ストゥラオ・モスカ達がブースターに火を吹かせ、ツナ達に向かった。

 

「皆、行くぞ!!」

 

ツナとエンマが飛び出すと、守護者達も動きだし、交戦が開始された。

 

 

 

 

ーヴァージル教授sideー

 

「お父様。ボンゴレ達がここに来ました。ケイが迎撃しましたが、全員無事のようです。クジャクとストゥラオ・モスカが交戦に入っています」

 

「そうか。彼女だけでは荷が重いかも知れんな。メノア。ノノとケイと共に、お前も迎撃に当たれ」

 

「はい」

 

メノアが離れるとヴァージル教授は、ベッドで眠る少年に、メノア・ヴァージル達と同じドライバーを装着させた。

 

「かつて、〈ミュージアム〉が使用していた幹部用ドライバー。それを改良し、『バイスタンプ』を使用する事で、契約などさずともフェーズ2の力を宿す事ができる。そして私とメノアの研究によって、〈デッドマンズ〉の力を使わずとも、科学の力で悪魔の強靭な肉体を人間の身体と融合させる事ができる。そしてそれこそ、私達が目指す不死にして、強靭な人間なのだ」

 

[バット!]

 

ヴァージル教授は『バットバイスタンプ』を起動させ、少年のドライバーに押印する。

すると、黒い契約書が飛び出し、少年の真上で人型に形成していくと、今度は『ガイアメモリ』を起動させた。

 

「悪魔の肉体。そしてさらに強化させるのはーーーー“天使の力”!」

 

[エンジェル!]

 

ヴァージル教授は、『エンジェルガイアメモリ』をドライバーに挿入した。そしてその時、少年の身体を白い光が覆い尽くす。

黒い契約書は妖しく輝き、少年の身体は美しく輝き、まるで1つになるように混じりあっていった。

 

「ふふふふふふふ、はははははははははははははははははははははは!!!」

 

それを見て、ヴァージル教授は哄笑を上げたのであった。

 

 

 

 

ーミラsideー

 

そしてその頃、ミラは独房のような場所で、ベッドに横になって眠っている『七瀬ゆい』を見ていた。

 

「・・・・・・・・」

 

その目には、何処か悲しそうな光を宿らせて。

 




『電磁場<カンポウ エレットメ二コ>』
ランボのオリジナル技。電磁バリアを展開し、触れれば感電し、なのはの全力全開スターライト・ブレイカーすらも防げる攻防一体の技。
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