仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲   作:BREAKERZ

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弱いゆい 強いゆい

ー輝二sideー

 

「エリオ少年と奏太‹南野弟›は?」

 

「今は二人共、医務室で検査&メンタルケアだ。特にリズムガールの弟くんは完全に巻き込まれた子だからね。暫くは定期的に検査が必要だろつ。今はミス・古里とキャロ‹ドラゴンガール›とスイートガールズが付き添ってくれている」

 

〈スカイベース〉に戻った一同は、エリオと奏太を保護者達に任せ、司令室へと来ていた。

 

「・・・・ドクター。聞きたい事があるんだけど」

 

「『プラナリアバイスタンプ』を輝二さんが回収した時に、そのバイスタンプが消えて、また別のプラナリアのデッドマンが現れたんです。あれは一体?」

 

「うん、エトワールガールにアンジュガールの疑問は尤もだ。ーーーー実は、プラナリアと言う生物には、『再生能力』だけでなく、『分裂能力』があるのさ」

 

『『分裂能力』!?』

 

狩崎の言葉に、その場の一同が驚きの声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーオルテカsideー

 

〈デッドマンズ〉の『ギフの間』にて、オルテカは甘彦をアギレラとフリオに紹介していた。

 

「自らが生み出した悪魔を別の人間と上級契約させ、フェーズ2のデッドマンを作る。秀逸なアイデアです」

 

「まだ! リバイとバイスは倒せてないけど?」

 

フリオは気に入らなさそうに吐き捨てるが、甘彦は慇懃無礼な笑みを浮かべたまま口を開く。

 

「では次は、ソレをお見せし、満足していただきましょう」

 

[プラナリア!]

 

甘彦が『プラナリアバイスタンプ』を起動させると、スタンプから新たな『プラナリアバイスタンプ』が出てきた。

 

 

 

 

 

 

ー輝ニsideー

 

「つまり、一つのバイスタンプからフェーズ2のデッドマンを量産できると言う事か・・・・」

 

「相当頭の切れるヤツが、〈デッドマンズ〉に入ったようだな」

 

ヒトミと輝ニが渋面を作ってそう呟いた。

 

「ぁ! そう言えば、奏太くんとエリオくんが、大川先生にバイスタンプを渡した男の人を見たって言ってたです!」

 

「今の所、あのお二人の証言から、その『黒幕』の正体を暴くしかありませんね」

 

えみるとルールーが言った。

 

 

 

 

 

 

 

ー甘彦sideー

 

「一体貴様の目的は何だ?」

 

「さぁ・・・・考えた事もなかったですね。では、“私がギフにでもなりましょうか”」

 

フリオが甘彦にそう問うと、甘彦は含み笑みを浮かべながら、石棺のギフへと近づく。

 

「「っ!?」」

 

「ふふ・・・・」

 

その言葉に、興味無しだったアギレラは勿論、フリオは更に目を鋭くして甘彦を睨み、オルテカは顔を俯かせながら、笑いを堪えるようにしていた。

 

「ギフに代わってアギレラ様の『家族』になり、新しい〈デッドマンズ〉を創る。・・・・と言うのはどうです?」

 

「っ!」

 

「フン・・・・面白くない冗談ね」

 

フリオが掴みかかる勢いで迫るが、アギレラがつまらなそうな態度で部屋を出ていき、動きを止めるが、相変わらず慇懃無礼な笑みを浮かべる甘彦を睨み付けていた。

 

「さて、オルテカさん。見つけてくれましたか?」

 

「ーーーーええ。身元不明の子供を預かっている児童養護施設で、“記憶を失った子供を見つけました”」

 

オルテカがタブレットを操作し、画面を見せると、施設の一室のベッドで眠っているーーーー髪の色が黒いエリオに似た少年が映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー輝ニsideー

 

「一刻も早く、元のデッドマンを生み出している『黒幕』を突き止めろ」

 

『はい!』

 

嵐山雄二郎司令官の言葉に、狩崎以外の一同が頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「輝ニさん!」

 

「ん?」

 

他の皆は大川聖奈の行方を探しに向かうと、輝ニは『黒幕』の顔を見たと思われるエリオから話を聞こうと向かう途中、はるかに話しかけられた。

 

「どうした?」

 

「その、ゆいちゃんの、事なんですけど・・・・」

 

「・・・・聞こう」

 

休憩エリアで紅茶(ペットボトル)を奢り、はるか達と話をする輝ニ。

 

「それで、ゆいがどうかしたのか?」

 

「ゆいちゃん、何か思い詰めている気がするんです」

 

「やっぱり、お父様やお兄様の事を気に病んでいるんだと思いますわ」

 

「・・・・俺としては、ゆいにはこのまま〈デッドマンズ〉に関わらないでいて欲しいと言うのが本音なんだが」

 

「そりゃあ、私達だってゆいゆいを危ない目に合わせたくないって言うのが本音だけどさ」

 

「ですが、ゆいは『守られているだけのか弱い女の子』じゃありませんわ」

 

「・・・・・・・・」

 

はるか達の言葉に、輝ニは少し考えるようにブラックコーヒーをひとのみしてから、はるか達に向き直る。

 

「ーーーー少し、話してくれないか? お前達と過ごしてきた、ゆいの事をさ」

 

 

 

 

 

 

 

ーゆいsideー

 

ゆいは学園の浜辺で海を眺めながら黄昏れていた。

 

「ゆ〜いちゃん!」

 

「っ! アギレラ!?」

 

と、不意に後ろから声をかけられ振り向くと、いつもの真っ赤で派手なドレスではなく、おとなし目の私服姿のアギレラだった。

 

「考えてくれた? 〈デッドマンズ〉に入ろうかなって」

 

「何度言われても入る訳ないでしょう・・・・」

 

少しため息交じりに応えたゆい。

 

「良い所よ〜。私ね、物心付いた時にはもう〈デッドマンズ〉にいたの」

 

「えっ?」

 

「スッゴく感謝してるんだ。だってーーーー今がとても幸せだもん」

 

「・・・・私には、あなたが幸せに見えないよ」

 

ゆいがそう言った瞬間、アギレラはギロっと睨み付けながら振り向くと、ゆいにズイと顔を近づけた。

 

「ーーーー覚えときなさい。この世には色んな『幸せの形』があるの。ゆいちゃんのお友達のプリキュア達が掲げる。『みんな仲良しこよしが幸せ』。『お友達とお手て繋いで歩いて行ける幸せ』。『頑張れぱ夢は叶うと信じる幸せ』。『愛は世界を救う幸せ』。そんなの、『押し付けがましい幸せ』ばかりじゃないのよ」

 

「・・・・っ」

 

その言葉に気圧され、ゆいは息を詰まらせた。

アギレラはゆいの横を通り過ぎてから、改めて声をかけた。

 

「ゆいちゃんもおいで。弱いゆいちゃんが、戦う必要なんてないし。何よりーーーー恐いんでしょう?」

 

「っ!」

 

「私達と、『家族』になろう」

 

「・・・・私は」

 

「ーーーーまだ迷ってるの? ゆいちゃんの事、大好きなのにな」

 

そう言って、アギレラは去ろうとする。ゆいは思わずその背中に向けて声を上げた。

 

「大川先生を返して・・・・!」

 

「ざ〜んねん。弱い人の言葉なんて響かないの」

 

そう言い残し、アギレラは去って行った。

 

 

 

 

 

ー甘彦sideー

 

そしてその頃、町中では。

再び『プラナリア・デッドマン フェーズ2』となった大川聖奈が、『プラナリア・デッドマン フェーズ1』とギフジュニア達について囲まれながら、〈フェニックス〉隊員達と交戦していた。

 

『・・・・・・・・』

 

プラナリア・デッドマンとなった大川聖奈を、近くのビルの屋上から、高みの見物を決め込む甘彦とオルテカ。

大川聖奈に、記憶喪失になってベッドで眠った息子の涼太の姿を見せたのだ。

 

【先生! 涼太は!?】

 

【一年前にあなたと離れ離れになってから、交通事故に合い記憶喪失になってしまったようです】

 

【わ、私は・・・・どうすれば・・・・?】

 

【〈デッドマン〉ならば、あなたの願いを叶えてくれるかも知れませんよ?】

 

記憶を失った息子を助けたいが為に、大川聖奈は再び、プラナリア・デッドマンへとなった。

ほくそ笑む甘彦達は、駆けつけた仮面ライダーとプリキュア達に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーキリヤsideー

 

現場に到着したキリヤとMHチーム、誠司とハピネスチャージチーム。

 

「この敵の数、かなりのものだね?」 

 

「それでも、命をかけるぜ!」

 

[デモンズドライバー!]

 

[スパイダー!]

 

誠司はデモンズドライバーを腰に巻き、『スパイダーバイスタンブ』を取りだしバイスタンブを起動させ、『スパイダーバイスタンブ』をドライバーの上に押印した。

 

[Deal・・・・]

 

音声が響くと、重いオーケストラが鳴り響き、誠司の横に糸を垂らして降りてきた『蜘蛛』が現れ、足元に四角の液晶が現れる。

誠司は、左手を顔の前まで持っていき、ゆっくり下げながら右手をゆっくり大きくあげる。

 

「変身!!」

 

ドライバーの中心の液晶に押印すると、液晶につり上がった眼が表示される。

 

[Decide up]

 

音声が響き『蜘蛛』が動き出す。

 

[Deep.深く Drop.落ちる Danger.危険]

 

蜘蛛が誠司の周りを動き、蜘蛛が糸を出し、誠司の身体を包み込み、誠司の身体が見えなくなり、赤い光に包まれ、中から弾け飛ぶ。

 

[Kamen.Rider DEMONS!]

 

『スパイダーバイスタンプ』の紋章を浮かばせながら、〈仮面ライダーデモンズ〉へと変身した。

 

[ツーサイドライバー!]

 

[バット! Confirmed!]

 

音声を響かせると、キリヤの影から無数のコウモリが飛んでいく。キリヤはスタンプを持った手と待っていない手を交差させ、回しながら顔の近くに持っていく。

 

「変身!」

 

『バットバイスタンプ』を『ツーサイドライバー』に押印させると、エビルブレードをライブガンに変形させ、ドライバーのエンブレムのもう片方が白く発光し、漆黒のコウモリ達が純白となる。

 

[Eeny, meeny, miny, moe♪ Eeny, meeny, miny, moe♪]

 

音声が響く中、純白のコウモリ達がキリヤの背後で一つとなり、巨大なコウモリが逆さにぶら下がる。

 

キリヤが、ライブガンを取り外すと、引き金を引いた。

 

[バーサスアップ!]

 

次いで純白のコウモリがキリヤに飛びつき翼で包み込むと、そのまま回転しながらスタンプの形となる。

 

[Precious!Trust us!Justis!バット!]

 

「はっ!」

 

スタンプの中でキリヤが『仮面ライダー』の姿になり、ライブガンを銃を撃ってスタンプを砕き、変身完了した。

 

[仮面ライダーライブ!]

 

「「デュアル・オーロラウェーブ!!」」

 

「ルミナス・シャイニング・ストリーム!」

 

「光の使者 キュアブラック!」

 

「光の使者 キュアホワイト!」

 

「輝く命! シャイニールミナス!」

 

「「ふたりはプリキュア!」」

 

「悪魔の力に呑まれし者よ!」

 

「その力、浄化してあげる!」

 

「光の心と光の意志、全てを一つにする為に!」

 

[[[[かわルンルン!]]]]

 

「「「プリキュア! くるりんミラーチェンジ!」」」

 

「プリキュア! きらりんスターシンフォニー!」

 

「世界に広がるビッグな愛! キュアラブリー!」

 

「天空に舞う蒼き風! キュアプリンセス!」

 

「大地に実る命の光! キュアハニー!」

 

「夜空にきらめく希望の星! キュアフォーチュン!」

 

「「「「ハピネス注入! しあわせチャージ! ハピネスチャージプリキュア!」」」」

 

そして、ギフジュニア達へと向かっていった。

 

 

 

 

 

ーゆいsideー

 

「・・・・・・・・」

 

ゆいは1人、公園のベンチに座りながら黄昏れていた。

すると、輝ニがやって来た。

 

「ーーーーよぉ、ゆい」

 

「お兄ちゃん・・・・」

 

「隣、良いか?」

 

「・・・・うん」

 

輝ニはゆいの隣に座った。

 

「お兄ちゃんは、恐くないの? 〈デッドマンズ〉と戦うの?」

 

「・・・・・・・・俺が一番恐いのは、また家族を失う事だ。他のプリキュア達もそうだ。アイツらは、“戦う恐さ”を知っている。だからこそ、アイツらは戦っているんだ」

 

「・・・・私には、何もできないよ」

 

「ーーーーんな事はねぇよ。春野達から聞いた。お前がどれだけ、春野の、海藤の、天ノ川の、紅城の支えになってくれていたのか。アイツらは俺に教えてくれたよ」

 

「はるかちゃん達が・・・・?」

 

そう。ゆいはプリキュアと〈ディスダーク〉の戦いに、無関係な人の安全を確保するべく、『ゼツボーグ』が現れたときにその場にいた一般人を避難誘導をし、トワがプリキュアとして戦えるようになるきっかけになったり、はるか達の帰ってくる『日常の象徴』になっていてくれた。

更には自分で『ゼツボーグ』の檻を打ち破ったり、『〈ディスダーク〉のボス』に立ち向かったりと、勇敢な一面もある事も聞いた。

 

「俺は、幼い頃のーーーー本当に『幼い頃のゆい』しか知らないけど、アイツらは『強いゆい』を知っているのが、ちょっと悔しいな」

 

「私がーーーー強い・・・・?」

 

「だからさ。本当に『強いゆい』を見せてくれよ。中途半端な状態なら、来なくて良い」

 

「お兄ちゃん・・・・」

 

輝ニにそう言われるが、気持ちが定まらず、懊悩するゆい。

するとーーーー。

 

「♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜」

 

何故か輝ニは歌を口ずさんだ。子守り歌のように優しい歌に、ゆいは思わず聞き入ってしまっていた。

 

「ーーーー覚えてるかゆい。お前が泣いている時とかに、父さんと兄貴と俺で、よく歌っていたんだぞ」

 

そう言うと、輝ニは再び歌い出した。

 

「(ーーーーあぁ、そうだ・・・・良く泣いていた私に、パパとお兄ちゃん達が、歌ってくれたんだ・・・・!)」

 

頬に一筋の涙を流しながら、輝ニと一緒に歌い出した。

 

「「♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪」」

 

それから二人で短い時間ではあったけど、歌を歌った後、ソコで、ガンデフォンの着信音が鳴り響いた。

 

「〈デッドマンズ〉だ。ゴメン。行くよ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

そう言って、ベンチから立ち上がった輝ニは少し歩いてから、振り向いてきて、ゆい~声を張り上げる。

 

「ゆいっ!」

 

「っ!」

 

「待ってるからな! 俺も! 勿論ーーーーアイツらも!」

 

「「「「わわわわ!!」」」」

 

輝ニが親指で後ろを指すと、公園の木の影にトーテムポールのように重なって隠れながら見ていたはるか達がいた。

 

「『覚悟』決めて! 『死ぬ気』で一歩、踏み込んでみろ!」

 

そう言って、輝ニが走り出すと、はるか達も後を追った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ゆいはその背中をジッと見つめているのであった。

 




次回、ゆいが『お覚悟』を決めますが、よろしくて?
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