エロゲの竿役のキャラみてぇな男に憑依しました。 ....さて、どうしよう。   作:二番目の鈴木

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明日から仕事だ...嫌だなぁ...


俺、殴られる

「俺の名前は毒島健だ。」

 

毒島健と名乗る男の一言によって、道ゆく人々は歩みを止め、男に視線を向ける。

 

そして、男の目の前に居た少女

霧雨魔理沙の顔は笑顔から眉をひそめた歪んだ表情になった。

 

そして、毒島と名乗る男はというと。

 

 

俺のバカッッッ!!なんで普通に名前を言うんだ!!

 

あまり自分以外の人と関わらないから自分のこと(毒島が博麗の巫女に襲った事)忘れる時があるけど、俺は犯罪者じゃないか!

 

マズイ....

 

どうする...

 

 

まぁ...嘘はバレるんだ...

嘘ついても紫さんが言っちまえばバレるんだ。

 

もう、なるようにしかならねぇんだ。

覚悟決めるか。

 

 

 

 

 

 

 

毒島...毒島健だと....

 

この男が毒島健だと?!

 

1年前に霊夢を襲った相手。

 

生きてきて初めて殺意を覚えた相手。

 

私があの事件からずっと探してた相手ッッッ!!

 

「おい、私は面白くない冗談は嫌いなんだ。

 

もう一度聞く。

 

お前の名前はなんだ」

 

普段こんなに殺意を抱いた事がないからか、よくわからない声が出た。

 

「...毒島健、毒島健だ。1年前の事件の犯人は俺だ。」

 

 

お前が...

 

お前が.....

 

 

 

お前がやったのかぁぁッッ!!!

 

 

 

 

毒島の発言から僅か数秒後。

 

魔理沙は

 

毒島に向かって走り出した。

 

 

「貴様ァァァ!!」

 

そこら中に魔理沙の声が響き渡り、

 

魔理沙は毒島の首を掴み馬乗りになった。

 

左手で首を掴み、右手で....

 

 

毒島の顔を殴った。

何発も。

 

「お前の!!お前の!!お前のせいでッッッ!!」

 

ドゴッ

 

ドゴッ

 

ドゴッ

 

魔理沙の小さな手で毒島の顔を何度も殴る鈍い音が聞こえる。

 

「お前のせいで霊夢はッッ!!霊夢は何日も、何週間も、何ヶ月も怯えながら生活してたんだぞッッッ!!」

 

ドゴッッッ!!

 

嫌な音が響き渡る。

 

そしてしばらくして、魔理沙の荒い息遣いだけが毒島の耳に入った。

 

魔理沙の息が整った時に毒島が言った。

 

ゲホッ

 

「おい、頬(・)は(・)右(・)だ(・)け(・)じ(・)ゃ(・)ね(・)ぇ(・)ぞ(・)。(・)も(・)う(・)片(・)方(・)あ(・)る(・)ん(・)だ(・)ぜ(・)。(・)」

 

「ッッッ!!」

ドゴッ

 

魔理沙は首を掴んでた左手でまだ殴ってない左頬を殴った。

 

「....あとよ..喧嘩慣れしてねぇ奴が人を殴ると手を痛めるぞ。」

 

「うるせぇぇ!!黙れよ!!そんなの言われなくても分かってるよ!!」

 

そう言うと魔理沙は馬乗りの姿勢から、立ち上がり、人混みをかき分け歩き出した。

 

「次、お前が1年前みたいなことをしてみろ

 

お前を消し炭にしてやる。」

 

「...しないさ。絶対に。1年前に決めたから。」

 

「チッ!」

 

魔理沙らしからぬ舌打ちをし、また歩き出した。

 

毒島は寝ながら色んな事を考えていた。

己の血と唾液、土が混ざって服は汚くなり、

口の中は血で溢れ、血特有の鉄っぽい味がした。

 

そして一言。

「痛ぇ」

 

そう言って、毒島も人混みをかき分けて歩き出した。

 

毒島にとって、この痛(・)ぇ(・)は色んな意味が込められていた。

 

 

「痛ッ」

 

所変わって魔理沙も毒島も同じ事を言っていた。

殴っていた時はアドレナリンでも出ていたのだろう。痛くもなんともなかったが、今はその痛みがまとめてやってきた。

 

まるで殴っていたこっちの方がダメージが多いように感じる。

毒島の言う通り、人を殴った事など一度もない。魔理沙は殴り方などわからなかった。今、魔理沙の手はボロボロになっており、毒島の返り血と自分の血が混じっていた。殴っていた時に拳を無理に使ったからだろう。血が出ていた。

 

「クソッ!!」

 

魔理沙は苛立ちからか、そんな事を言った。

 

大体意味がわからないだろう。1年前は浮浪者同然の男が今は武道者のような姿になり、名前を聞いたら正直に答えるし、あんだけ殴られても文句も言わない。むしろもう片方の頬も殴れと言う。

 

本当に意味がわからない。

 

魔理沙の頭の中は毒島のことで一杯だった。

 

だから。

 

「....さ..ん..魔理...沙...さ.ん 魔理沙さん!」

遅れた。

とある少女が魔理沙に声をかけていることに気づくのが。

 

「..小鈴か。悪いな。考え事してて気づかなかった。」

 

「そうじゃないです!!どうしたんですか!!その手!!血だらけじゃないですか!!」

 

「大丈夫だ。すぐに治る。」

 

「大丈夫なわけないでしょう!ついてきてください!お医者さんに見せましょう!!」

 

「小鈴!!大丈夫だから。大丈夫だから...しばらく1人にしてくれ。」

 

「魔理沙さん....」

 

小鈴は魔理沙の表情を見て納得した、というのり、納得せざるを得なかった。今の魔理沙は、いつも店を訪れる時の柔らかい表情ではなく、異変解決の時の真剣な表情だったからだ。

 

「魔理沙さん。また今度でいいので話を聞かせてください。...1人で抱え込まないでください。」

 

「...ありがとう。また鈴奈庵に行くからよ。」

 

魔理沙は箒に跨り、飛んで行った。

 

「はぁ...訳わかんねえ...」

 

誰もいない空で魔理沙は囁いた。

空を飛んだのは今の自分を見られたくないのかもしれない。

 

 

人間の里にて

 

今、人間の里では1年ぶりに現れた毒島の事が噂になっている。

 

何故、今になって現れたのか?

何故、行方不明だった男が現れたのか?

何故、別人のような姿になっていたのか?

何故、風見幽香と話していたのか?

何故、霧雨魔理沙に殴られても手を出さなかったのか?

 

何故..何故..何故?

 

いくつもの疑問が上がり、噂話が絶えなかった。

 

 

そんな中。

 

「あの人間のおにいさん面白そう!!今度ついてってみよ!!」

 

1人の少女の声が澄み渡った。

しかし、その声は誰にも聞かれる事はなかった。

 

少女は人混みの中にいたのに。

 

 

 

......

 

ガザガサ

「ギャァァァァ!!!」

 

「フンッッ!!」

 

 

ドガツ‼︎

 

「下級妖怪とはいえ、生身で妖怪を殴り飛ばせるような体を持つ貴方が、何故あの白黒に殴られても何もしなかったの?」

 

毒島は家に帰る途中に妖怪に遭遇した。

いつもなら、能力を使ってやり過ごすが、今回は何故か殴り飛ばした。

 

そして、後ろから声をかけられた。

 

「あんたか...緑髪のお姉さん。」

 

「私にも風見幽香という名前があるわ。幽香と呼びなさい。」

 

「そうか。幽香さんって言うのか。

 

....俺は過去にやらかした男だ。どんな事をしても罪は消えねぇんだ。だから、どんな事されても耐えるしかねぇんだ。」

 

「ふーん」

 

幽香は日傘をくるくると回しながら言った。

 

「じゃあ....私(・)に(・)も(・)殺(・)ら(・)れ(・)て(・)も(・)なにも言わないわよね?」

 

幽香は日傘を毒島に向けて構えた。

 

そしてレーザー状の弾幕を2発放った。

 

「....」

 

「へぇ...今貴方が少しでも動いてたら顔に弾幕が当たっていたわ。動かないってことは本当に覚悟が出来てるのね。」

 

幽香は毒島の左右の頬ギリギリに弾幕を放った。

 

しかし、幽香の言う通り毒島は動かなかったので被弾しなかった。

もし、避けようとすれば被弾していたのだ。

 

「貴方面白い人間ね。これほど、肝の据わった男は久しぶりに見たわ。」

 

「そうかい。」

 

「私ね、昔は好き勝手生きてきたの。人も沢山殺してきたわ。でも、ここ(幻想郷)で暮らす以上、そんな我儘な性格を直さなきゃならなかったわ。性格を直すって大変よね。我慢って大変よね。色々苦労して、少しはマシな性格になったわ。」

 

「.....」

 

「私は貴方の1年前を知らないからなんとも言えないけど、貴方本当に反省して、過去の最低な自分を乗り越えたのね。

 

応援してるわ。私に見してちょうだい。貴方のこれからの人生を。」

 

「言われなくても、人に誇れるような人生にするよ。これからは。」

 

「フフフ♪そう。じゃあ、また会いましょう。」

 

そう言って幽香は去って行った。

 

「....あれで丸くなったのか。昔はどんな奴だったんだ?幽香さんは。」

先程の弾幕を思い出して毒島は言った。

 




普通、生身の人間が妖怪を殴り飛ばせるわけないですが、ちゃんと理由があります。後の話で詳しく説明するつもりです。

ゆうかりんの昔は好き勝手生きてたって言うセリフは旧作幽香を参考にしました。自分はあまり旧作に詳しくないので旧作幽香を調べてて、旧作も面白そうだなと思いました。

感想等よろしくお願いします。

追記
誤字報告ありがとうございます。気づかなかった所があったので助かりました。誤字脱字がないように気をつけます。
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