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放課後、穂乃果たちは改めてアイドル研究部の部室を訪れていた。
昼休みに訪れたときよりも、緊張した様子で穂乃果たちは、にこと対面して座っていた。
「それじゃあ、改めてバックダンサーの件は引き受けてくれるってことでいいのね」
「はい。ちゃんと三人で話し合って決めました」
「そう。ありがとう」
にこはお礼を告げたあと、PCデスクに置かれていたパンフレットを三人に手渡した。
「それが今回のコンテストのパンフレット。色々と説明するより、読んでもらった方が分かりやすいと思うわ」
穂乃果たちはにこの言う通り、そのパンフレットに目を落としてページをめくっていく。そのパンフレットには、コンテストの日時から会場の場所はもちろん、エントリーに必要な情報なども書かれていた。
「コンテストまであと、一か月しかないから、出来れば明日からでも練習を始めたいと思うのだけど、あんた達は大丈夫?」
三人が頷くのを確認して、にこは明日から必要なものを手ごろなメモに書き込んで、海未に手渡した。
渡された海未は不思議そうな顔をしていたが、にこは「あんたが一番しっかりしてそうだから」と付け加えた。
隣に座っていた穂乃果はあからさまに不機嫌そうな顔をしていたが、海未とにこは明日からの予定についていくつかやり取りをかわして、その日はお開きとなった。
「いつまでへそを曲げているんですか」
「だってぇ」
リーダーは私なのに、といじけた様子でことりに抱き着いた穂乃果をめんどくさそうに海未がなだめていた。
「明日から練習ですが、そんな調子で本当に大丈夫なんですか」
「大丈夫だよぉ」
気のない返事を返す穂乃果を無視して、海未はにこと話して決めた内容をことりに伝えていく。ことりは運動が苦手だと言っていたこともあって、海未は入念に注意事項を伝えていく。初夏ということもあって、日に日に暑さが増していくことも踏まえた内容になっていた。
「そういうわけですから、ことりは無理をせずやっていきましょう」
「うん! ありがとう海未ちゃん!」
海未の気遣いが嬉しくて、普段控えめなことりが笑みを浮かべて、海未の手を取って感謝の言葉を伝えた。
「海未ちゃん、海未ちゃん、私には何かないの?」
「課題を忘れないこと、寝坊しないこと、忘れ物を……」
「海未ちゃぁぁぁぁぁん!」
穂乃果の叫び声を背中に受けながら、海未は「ほら、帰りますよ」と言って手を差し出すと、頬を膨らませながらもその手を取って、三人は新たな目標に向かって、同時に一歩を踏み出した。