高坂穂乃果は勇者である   作:ZENSUN

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2-15 バックダンサー11

 真姫は、穂乃果を連れて音楽室へと向かう途中、飲み物買って穂乃果に手渡した。

 一瞬、躊躇った様子を見せた穂乃果だったが、冷えた飲み物を受け取ると直ぐに口をつけた。

 

「ありがとう」

「気にしないで」

 

 短く、それだけを言って真姫と穂乃果は音楽室へと向かった。

 冷暖房の完備された校舎であったが、設定温度が高めになっている為か、それほど涼しいとは感じられなかった。

 少しはしたないとは思いつつも、制服を引っ張って汗ばんだ肌に風を送り込みながら、真姫は廊下を進んでいく。チラッと後ろをついてくる穂乃果の様子を伺ってみるが、汗を吸った練習着が貼りついているように見えた。

 

 「そのままじゃ風邪引くから、着替えてきなさい」

 

 真姫が強めの口調で言うと、穂乃果は頷いて、アイドル研究部の部室へと向かって歩き出した。

 その後ろを、真姫が追って行く。

 

「そういえば、練習はどこでやってるの?」

 

 真姫の思い当たる練習場所は、運動部が大抵使っているイメージしかなく、活動を始めたばかりの穂乃果達がその中に割って入れるとも思えなかった。

 

「屋上」

「えぇ……」

 

 真姫は屋上で練習する姿「想像しただけでげんなりとした気分になった。

 だが、言われてみればそのくらいしか学院内に練習出来そうな場所は無いように思えた。

 アイドル研究部の部室に着くと、着替えるために穂乃果は部室の中へと入って行った。

 同性とはいえ、他人の着替えを覗く趣味は無い真姫は部室の外で待つことに決めた。

 

「アイドルか……」

 

 真姫にだってステージでキラキラと歌って踊るアイドルに憧れを抱かないわけではない。可愛らしい衣装にだって興味はあるし、ピアノをやっているからというわけではないが、多くのファンを魅力する楽曲に興味を抱かないわけがない。

 

「練習場所ねぇ」

 

 真姫の脳内には、一つの案が浮かんでいた。だが、同時に懸念もあった。

 

「よりによって、なんで園田と南と矢沢なのよ……」

 

 声に出すつもりは無かったのだが、気づいたら口をついて声を出していた。

 大赦に関わる名家の中でも有数の家ばかりである。西木野家も名家と呼ばれているが、歴史だけで言えば、西木野はまだまだ新参者の部類である。由緒ある家と肩を並べられているとは言い難かった。

 

 それだけでなく、やはりこれまで人との関わり合いを避けてきた真姫にしてみれば、より多くの人と関わるという事に恐怖感を感じてしまう。

 大赦に関わる家という事で、西木野家への偏見という部分が解消されているが、真姫はそれを人付き合いの防壁として利用していただけに、いざ壁がなくなると、それはそれでどうしていいか分からなくなっていた。

 

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