勢いで書きたいことだけ書いたので、短くて台本ぽくても許せサスケ。
某国からミサイルがしょっちゅう飛んでこようと、日本人にはもう慣れっこ。
今日も今日とて世界は騒がしいようだが平和な日本。
そんな日本の片隅で、私、結月ゆかりは日課のデイリークエストをこなしている。
「ゆかりさんゆかりさん、ゆかりさんって確か他人のガチャ運強かったよな?」
「自慢じゃありませんが、今まで他人のガチャで狙った獲物を外したことはありませんね」
「自分のガチャは?」
「頭をぶつけた天井は数知れずです」
「難儀な運してるなぁ」
学校の昼休み、昼食を早々に食べ終えてソシャゲのスタミナ消費をしていると、その様子を見た琴葉姉妹の姉のほうが話しかけてきた。
「同情するなら石をくれ。茜さんならガイアギフト券くれたら自撮り写真送りますよ? 微エロまでならOKです」
「あげへんし、いらんわい。うちの事なんやと思てんねん。あ、でもゆかりさんの写真やったらエロ親父に売りつけて小遣い稼ぎできるか?」
「やっぱ無しで。後二度と私にカメラ向けないでください」
「なんでや!?」
「いや、当たり前やろお姉ちゃん……」
茜さんとコントをしていると、妹の葵さんほうまで寄ってきた。
「葵さんもこんにちは。で、茜さんはどうしたんです? 沼ってるガチャでもあるんですか? ガチャを回す時は物欲センサーが仕事をするので無欲で臨むのがコツですよ。私はこれで天井まで回しました」
「完敗してるやん。ていうかお姉ちゃん。ほんまにゆかりさんにガチャ回してもらうつもりなん?」
「せやで葵。天井まで回して貯めた徳を、他人の10連で使い切る女、結月ゆかりに回してもらえば大勝利間違いなしや!」
「喧嘩売ってます? 売ってますよね? 買うぞこら!」
やんややんやとじゃれ合う。
疲れたところで話を進める。
「で、どのガチャを回して欲しいんです? 見事敗北記録第1号にして差し上げますよ」
「ゆかりさん、フラグ建ってるで? 回してほしいんはこれや!」
ばっ、と差し出されたのは1台のスマホ。
ん、これは……?
「茜さん、スマホ買い替えたんですか? ガイア製の最新機種じゃないですか」
「2台持ちやで~。こっちはまぁ、このアプリ専用でな」
「ブルジョワ許すまじ。ソシャゲ専用に端末増やすとか頭おかしいでしょ……」
「でもゆかりさんが今までガチャに突っ込んだ課金分と比べれば……?」
「はいこの話題は早くも終了ですね、辞め辞め」
「お姉ちゃんも容赦ないな……。ていうか、ゆかりさん必死にバイトしてガチャに突っ込む生活、ええかげんにしといたほうがええんちゃう? バイト代だけで足りてるん? パパ活とかしてない?」
「してませんよ失礼な。ちょっと動画配信サイトでガチャ実況してるだけです。収益化ってやつですよ」
鳴かず飛ばずのガチャ配信の合間に始めたはずのSE◯IROのほうがバズって全クリするまで頑張った時のスパチャ貯金もある。
ガチャ動画のはずが、なぜかボスを倒したらガチャを回していい動画になっていたシリーズである。
解せぬ。
「え、動画とか配信してるんや? 今度配信する時教えてや。見に行くで~」
「動画を見て面白いと思った方は、高評価とチャンネル登録をお願いします。で、なんですかこのアプリ。見たことないガチャなんですけど」
画面に映るガチャは、『【ガイアポイント・限定】使い魔アガシオンガチャ!』。
ソシャゲ界隈には詳しい自信があるが、こんなガチャ画面見たこともない。
「ガイア系のソシャゲでこんなガチャのアプリありましたっけ?」
「まーまーまー! そこはええやん? それでゆかりさんのガチャ運を是非見せてもらいたいなーって」
「なんですかその怪しい流し方……排出率は……0.001%!? 天井打つほうが早いでしょ絶対!!」
「(天井は)ないです」
「消費者庁に訴えろ!」
「せやから言うてるやんお姉ちゃん。こんなん当たるわけないって。地道に頑張ろうや」
「せやかて葵、うちら大分出遅れてるんやで? ここらで一発逆転狙わな間に合わへんて」
「それで素寒貧になってもうたらどないすんねん」
「話を聞くに、葵さんもやってるんですか? このゲーム」
「え、ああ、ゲームっちゅうか、うん。このアプリは入れてるな」
といって葵さんもスマホを取り出す。
ってこれも最新型じゃん。
「葵さんまでソシャゲ専用機とか……許されざるよ」
「ちょうどええやん。うちと葵のガチャ10連ずつ回してもらおうや」
「えぇ……? 私のも回すん?」
「回せというなら回しますけど……有料ガチャみたいですが、カス引いてもガイアポイントは補填しませんからね?」
「かまへん! 女は度胸! なんでもやってみるもんや!」
「はぁ……ほんなら1回だけやで、これで外したらいさぎよー諦めるって約束してや?」
「わかったわかった! ほら、葵もガチャ画面出してスマホ並べて!」
「はいはい、ちょっと待ってや……」
そして私の目の前に並べられる2台のスマホ。
画面には10連タップボタン。
「では見事爆死して差し上げましょう。ポチッとな」
「軽いな!?」
両手の指で10連スタート。
画面で演出が始まる。
「……どうなんです?」
「ハズレ……ハズレ……ハズレ……ハズレ……」
「やっぱりなぁ。せめてレアの1個くらい当たらへんかなぁ」
「レアの確定枠すらないんですか……?」
無事9回連続ハズレを引く。
「ふっ、どうやら無事、他人ガチャ爆死1号と2号になってしまったようですね。まぁ、引けと言ったのはそちらなので恨みっこ無しで……」
「「おおっ!!?」」
「えっ」
2台のスマホの演出画面が非常に豪華なものに変わる。
「こ、これは……!」
「ま、まさか……!」
ドーンと画面全体が塗りつぶされるエフェクトに包まれ、光が収まった時そこには……。
『我……使い魔アガシオン……コンゴトモヨロシク……』
「「き、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」」
「0.001%を2枚引き……コヒュッ(過呼吸)」
「ゆかりさん、ありがとう……! ほんまにありがとう……!! このお礼は必ず……ってあかーん! 息が! 葵、保健室ー!」
「わっわっわっ、ゆかりさん、死ぬなー!!」
……………
………
……
…
「……知らない天井です」
「んなわけあるかい、学校の天井やで」
気がついたら保健室のベッドで横になっていた。
何だかありえない低確率を(他人のガチャで)神引きしたような気がしたのだが、夢かなにかだろう。
「ゆかりさん、この恩はうちら一生忘れへんから……!」
夢じゃなかったよ畜生……!
「言ったなこの野郎。へっへっへ、まずは脱いでもらおうか」
「「…………」」
「こら、そこで年頃の乙女が思いつめた顔で『どうする?』『脱ぐ?』みたいな目配せしないでくださいよ。まぁ、ガチャ大勝利おめでとうございます。今度スイーツでもおごってくれれば結構ですので……」
「ゆかりさん、うちら、ゆかりさんが寝とる間に話おうたんやけどな……」
「友達相手にどうするかは、実はずっと悩んでたんやけどな……」
「はい?」
「「【悪魔召喚プログラム】って知ってる?」」
「はぁ?」
放課後、夕日の差し込む保健室。
思いつめた顔の友人達。
呆けた顔の私。
この日、私は崩壊しつつある世界の真実を知り、【悪魔召喚プログラム】を手に入れたのだった。
古くから地元に存在する、神社の双子の導きで。
……でもガチャのお礼ってなんだよ畜生!
ゆかりさんは現時点で当然非覚醒者です
DDS-NETとか見て世界の状況を知った感じです