上里ひなたが神託を受けたのは遠征の最終目的地である長野県、諏訪を発つ直前の事だった。
1つ目は諏訪から南西の方角に人の反応がある事、そして2つ目はそれが新たな戦力になりうる存在という不思議な情報だった。
「いたんだな!生存者!!」
「やったね!!」
球子と友奈が嬉しそうにはしゃぐ。
四国からここまでの道中、見付かったのは廃墟と遺体、バーテックス・・・。
最終目標である諏訪も壊滅していたのだから無理もない反応だ。
「それ・・・本当に生存者なの・・・?」
「確かに妙ですね・・・。」
喜ぶ二人と反対に千景と杏はどこか不安げだった。
ここまで陰惨な光景を目の当たりにして来たのだ。
生存者の可能性に絶望を覚えていたのだろう。
これもまた、無理もない反応だ。
「杏、千景、心配なのは解るが神樹様の神託は私達に害を為す物じゃない。今までだってそうだっただろう?」
「若葉ちゃんの言う通りです。神託でも敵の反応ではないと出ています」
若葉の意見にひなたが続く。
「・・・そう、ね。」
「!・・・はい!」
若葉とひなたの意見に千景と杏が交互に答えた。
二人の不安はどうにか拭えたようだった。
「行こう。次の目的地にもバーテックスはいるはずだ。生存者が危ない。」
荷支度を整えた一行は諏訪を後にする。
目的地は南西、浜名湖方面。
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「んん・・・?」
奈津雄は割れたガラスに映る自分を見て首を傾げていた。
ここは最初に目を覚ました神社を出て暫く歩いたとこにある小さな街だ。
予想はしてたが人の姿は無く廃墟が続く。
「若返ってるよな、これ。」
ガラスに映る自分。それは記憶が確かなら10代半ば頃の姿だった。
因みに奈津雄自身の実年齢は30代、化物が襲って来るまで普通の会社員だった。
身体の変化にはここに来るまで色々ありすぎて気が回らなかったのだ。
神樹は、自分を呼んだ土地神は何の為に今の御姿を用意したのか?
解らない。
謎は深まるばかりだが今は考えいても仕方無い。
この世界にもあの化物達はいる。
幸か不幸か今のところ遭遇する事なく来たが何処かに潜んでいる可能性もある。
戦う力は与えられたはずだか使い方も解らない状況だから襲われたら一溜りも無い。
とにかく進もう。勇者とやらに合流すれば何か解る。
再び歩き始めようとした次の瞬間だった
「見つけたぁーっ!!」
ズザザーッという轟音と共に目の前で土埃が舞う
街中を移動してて気付いたが人のいなくなった街は野生動物の天国と化していた。
鹿か、猪か、はたまた熊か
「タマだ!!!!」
四国から来た勇者の一人、土居球子がそこにいた。
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ええ、その時の事はよく覚えてます。
最初に彼を見付けたのは球子さんでしたね
諏訪までの道程で私達は無残な光景を沢山目にしてましたから
真っ先に飛び出した球子さんは嬉しかったんだと思います。
自分達以外の人に漸く会えた事が、本当にとても…