大社本部から帰って来たひなたの話を聞くべく丸亀城内の教室に一同は集まっていた。
今回はひなたの他に久美子、真鈴、美佳も一緒だ。
「全員集まったぞひなた。…なぁ、顔色がすぐれないようだが大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですよ若葉ちゃん。…今は私の事よりも皆さんにお伝えしないといけない事がありますから」
ひなたは心配そうな若葉を制し、ここ数日間の出来事を話始めた。
「大社ではここ数日今後の対策を話し合い、ある結論に達しました。」
「若葉ちゃん達勇者の活躍で神樹様の結界は強化されました」
「しかし」
「その力もいつまでもつか判りません。」
「結界が消えた時、私達のこの場所も炎にのまれててしまう…」
「だからこそ」
「これを回避する為大社はある試みを実行に移す事にしました。」
「その名を…"神婚"」
「判り易く説明しますと神託で選ばれた人が神樹様の元へ行き人々の願いの礎となる…」
「そうする事で人類は神樹様の眷属となり神樹様と永遠に存在が可能になるのです。」
「…概要は何となく判ったわ。それで、誰がその相手に選ばれたの?」
千景が問いかけにひなたの表情が怒りと暗い影を落とし始めた。
何かがヤバい。黙って聞いていた奈津雄はひなたから溢れ出る感情に焦りを覚えた。
「し、神託で…選ばれたの…は…わ、わ、わ…うぅぅぅぅっ!!!!」
「お、おいひなた!?」
「ひなたさん!?」
ミシミシミシッ!!
ひなたが手を追いた教卓が凄まじい力で軋んでいた。
「え、えええ選ばれたのは…わか、若葉ちゃんです…!!!!」
バギン!!!!
軋みを上げていた教卓が粉々に砕けてしまった。
「あぁ…」
「あちゃー…」
真鈴と美佳が額に手を当てる。ひなたの若葉への思いは強く、重い。彼女達にはこうなる事が判っていたのだろう。
「私が…神樹様と…」
告げられた若葉は驚きを隠せない様だった。
「ね、ねぇ神様の眷属になったら私達どうなっちゃうの?」
「はぁ…あー…上里はダメそうだな…。私が代わりに答えよう。正直大社側でも神婚による眷属化がどの様な影響を及ぼすのか判らないのさ。」
もはやショックで説明所ではなくなってしまったひなたに代わり友奈の問いへの返答は同席していた久美子が引き継いだ。
「なぁ、それ断れないのかよ?」
「無茶だ。上里は不満だろうがこれはもう覆せない。」
「とにかく」
「話は以上だ。乃木、日取りが決まり次第追って連絡を寄越す。突然の事ですまないが覚悟はしておいてくれ」
「はい…。」
その場は解散となった。
「結嶋」
教室を出ようとした奈津雄を久美子が引き留める
「烏丸先生…どうしたんですか?は、まさか神婚の役を先生が代わるとか!?確かに先生なら適齢k…」
「ふんッ!」
「ぐぅっ!?」
目にも止まらぬ速さで奈津雄の溝尾に久美子の拳が突き刺さる。
この不良巫女、護身術が使えると聞いてたがまさかここまでとは…
「よく聞け、真面目な話だ。」
「…?」
「これは上里以外の面子で話した事なんだがな…この神婚、天の神が横槍を入れて来る可能性が高い」
「…!?それって…」
「私は元凶を叩くチャンスと見てる。」
「乃木を抜いたメンバーで奴を退けるんだ」
久美子は静かに言った。
倒すべき本当の敵と対峙する時がやって来ようとしていた